瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

うる星感想リターンマッチ1

2011年10月10日 14時00分48秒 | 漫画&アニメ
本日10/10は高橋留美子先生のお誕生日。
高橋先生おめでとう御座いま~す♪♪
で、以前から書いてた通り、記念すべきこの日から、アニメうる星やつらの感想記を、再度書かせて頂こうかと。
「原作については書かないのか」って?――原作よりもアニメについての方が、色々と書き易いんすよ。(笑)
子供の頃好きだったアニメを、大人になってから観ると印象違う。
殆どの場合、絵の拙さに驚いたり…思い出補正がかからない分、冷静に話を追えるものでして。
今だからこそ書ける思いも有るだろう、そんな感じで今後1つよろしく。
ってか今秋から暫くはこのブログ、留美子色が強まる予定、あにめぞんも有る事だし。
古き良き昭和のアニメワールドへ貴方もトリップ~なんてな。

今回は全ての回を余さず漏らさず、自分的に傑作と思った回はタイトル前に★を付け、粗筋を書く等の気合を見せる積りなんで、DVDレンタル時には御参考にされて下さい。
200回以上も有るからねぇアニメうる星は、今から全部借りて観るにも大変だろう。
無事全部書き終える事が出来たなら、懐かしアニメ目次頁にリンクして、以前書いた感想記については消…そうかと考えたけど、コメント貰っといてそれは失礼と思い直し、リンクから外すのみに致します。(汗)

それでは皆様、準備は宜しいか?――アニメうる星やつらレビュー再び!


★第1回「うわさのラムちゃんだっちゃ!」 脚本:星山博之 コンテ・演出:押井守 作画監督:遠藤麻未

草野球チームのピッチャーが、星飛雄馬の様に脚を高く上げる。
バッターがカキーンと見事に打返した球は、グングン飛距離を伸ばし道行く少年の頭を襲った。
「ああ~~!!あたる~!!あたる~!!あたるぅ~~!!」
「んん~?誰か俺の名前を呼んだかぁ~~?」
警告の言葉がかけられるも気付くのに遅れた。
何故なら不運な事に、この少年の名は「諸星あたる」――てっきり、少年は自分の名前を呼ばれたと勘違いした為だ。
重ねて不運にも、その時、彼は横を過ぎる美女に見蕩れていた。
後の彼を思うとこの時の反応は大人し過ぎるが、そんな事今は問題じゃない。
伸ばした飛距離の分だけ重さを増した球は彼の顔面を深く抉り、のけぞって足がふらついた所をすかさず跳ね返ってダメージを加えた。
これぞベースボール、所謂1つの筋書きの無いドラマだ。
苦しんでのたうつ彼に忍び寄る黒い影。
坊主だ、坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた、じゃなくって脈略無く現れた。
漸くダメージから復活し、立上った少年の顔を見るや、謎の坊主はブルブル震え出し、顔を苦悶で歪ませた。
「おおお…お主の顔…救いようの無いほど悪い…!!!!」
ダイレクトに捉えれば悪口にしか聞えない、無論少年は激怒して力の限り殴った。
初対面の怪しい坊主に顔を非難される謂れは無い、だが実は誤解だった。
「…わしが言いたかったのは、とてつもなく不吉な面相だと…」
「なら最初からそう言え!!!!」
だったとしても失礼に変りないと思うが、少年は坊主に構わず家に帰ろうとする。
その方向へ行っては不吉だと慌てて坊主は止めるが、少年は「占いの類は信じない」と強気だ。
茜色に染まった夕空を飛んで行く烏の群れ、絵に描いた様な不吉さである。
この時未だ彼は気付かずに居た、己が背負う大いなる宿命に。

「あの少年に間違い有りません…行動パターンも調査通りです」

黒塗りの車内で怪しい二人の男がヒソヒソと会話する。
双眼鏡に映るターゲットは、性懲りも無くランニングに励む女子学生達の尻を追っていた。
背後から近寄る車、足を止めた瞬間を逃さず、マッチョな黒尽くめの男が少年を攫う。
貴様はまさかウォッカ!?――いやいや、作品が違うから。
「は、は、離せぇ~~!!俺は男は嫌いだ!!!」
「俺も嫌いだ!(きっぱり)」
そうかそれなら安心…できねぇよ!!暴れる少年を羽交い絞めするマッチョな男、前の座席には同じく黒尽くめの怪しい老紳士、走出した黒塗りの車の後をヘリが追う。
息吐く暇も無いアクション活劇だが、連れて行かれた場所は少年の実家。
拍子抜けして玄関を潜った彼の首に、ガールフレンドの三宅しのぶが、泣きながら抱き付いた。
後から出迎えた両親も何やら深刻な顔をしている。
全く状況が掴めないが、取敢えず助平顔でガールフレンドを抱き締める少年、しかし両親と黒尽くめの老紳士に案内された居間で、彼は自分を巻き込む運命を知らされるのだった。
「紹介しよう。銀河を超えて地球に来られたインベーダーさんだ!」
「地球侵略しに遥々やって来たインベーダーやがな♪よろしゅうおま~♪」

開けてビックリ天の岩戸、恐ろしげな鬼が巨体を縮めて、居間で寛いでいらっしゃる!!!
自作の名刺を渡しフレンドリーに笑う鬼、と言うかインベーダーは、何故か関西弁だった。
老紳士の説明によると、インベーダーは地球侵略にあたり、コンピューターで適当に選んだ地球人と、インベーダー側の代表とで、サシの勝負をしようと言うのだ。
インベーダー側が勝負に勝てば地球侵略、地球人側が勝てば諦めるとの事、そして不運にも選ばれたのが彼――諸星あたるだったのである。
「地球を護る為だ…君の若い命を捧げてくれ…!!」
老紳士が声を震わせ頭を下げるが、あたるとしては冗談じゃない、年寄りは直ぐ国家の為に命を懸けろとぬかしやがるから嫌だ。
俺は自分の身が何より可愛いと、きっぱり断るあたる、すると老紳士は「それでも男か…!!」と劇画タッチで詰る。
ヤマトは最早古い!時代はマクロスだぜ!!
世代の違いから来るギャップで加熱する議論(何か違う)、同時刻、諸星家を取り囲む自衛隊の戦車、上空を飛ぶ戦闘機は、電磁波の異常な狂いを感知していた。

――稲光が空を縦に裂き、諸星家を貫く。

突如居間に降った閃光に唖然とする諸星家の住人+ガールフレンドのしのぶの前、出現したのは虎縞ビギニを着た熱狂的阪神ファンのギャル、ではなく美しきインベーダーの鬼娘だった。
「お待たせーvうちがおまえの相手をするラムだっちゃv」
明らかにカメラ目線だが超可愛い、しかもグラマー、忽ち鼻の下を伸ばすあたる。
虎縞ビギニギャルが俺の相手!?10日以内に頭の2本の角を掴めば俺の勝ち!?それって合法的に抱き付けるじゃん!!!
「地球の為です!!やりましょう!!」
いきなり態度を180度翻しての快諾、大義名分を掲げるも不純な動機は丸解り、即座にしのぶが嫉妬の炎をメラメラと燃やす。
だがゴングは鳴った、床下に潜んでいたマスコミの一団が、一斉に取り囲んでカメラを向ける。
「僕がやらねば誰がやる!!!」
あたるを中央に、脇にはラムとしのぶ、三角関係を築こうとは、この時未だ知る由も無かった。

地球を懸けた勝負のルールにしては表現が軽いが、鬼ごっこ第1日目――あたるは自分の思惑の甘さを痛感する。
勝てば英雄、スタートダッシュの勢いままに抱き付いた、が、ラムは何と天高く飛んだのだ、流石インベーダー、って感心してる場合じゃない。
「卑怯だ!!飛べるなんて聞いてないぞ!!!」
「単なる研究不足だっちゃv」
まったくもってその通りだが今更遅い、勝負を受けた以上負けるわけにはいかぬ。
負ければ英雄から急転直下、全地球国民から吊し上げ食らう事確実なのだから。
能力が劣るなら知恵を振絞れとローラースケートで挑む――敗北、棒高跳びで挑む――敗北、小型ロケットスーツで挑む――ボタンをポチッと押して爆発、敗北。
いたずらに時だけが過ぎて、最終日の前夜を迎えた。

夕食後の諸星家、お茶の間の空気が重い、TVでは不甲斐無いあたるに対し、各界から非難が噴出していた。
角○の、江川の、あたるの友人達の言葉が、彼の両親の心を苛む。
ニュースキャスターが、もしもあたるが負けた場合、当人を始め一族郎党処刑せよ、といった世間の声を、冷静な顔と声で読上げる。
渡る世間は鬼ばかり、そう、地球人の方が余程鬼だった。

その頃あたるは自室でしのぶと、己の運命を儚んでいた。
「あなたが悪いのよ…ラムの色香に迷うから!」
「そうだったのだ…グラマーでも敵は敵…!」
勝てば天国負ければ地獄、罰ゲームは地球全国民参加のリンチ、想像するだに恐ろしや。
精神崩壊5秒前の彼を救ったのは、しのぶの思いがけない一言だった。
「あたる君!!勝ったら結婚してあげる!!!」

――なんですとー!!!?

嘘か真か響く鐘の音は鎮魂それとも祝福か?
自分が助かりたい為の口から出まかせだろうと疑う彼を、見詰める彼女は真珠の涙を光らせ訴えた。
「馬鹿ね…私はただ、あなたが一生日陰者で終えるのを見たくないの…」
「しのぶ…!!!」
ひしと抱き合う若い恋人達、美しい光景だったが、彼の痴漢行為が一瞬で台無しにした。
「その淫乱さが全ての原因なのが解らんのかー!!!!」
尻を撫でる手を掴み捻っての投げは、合気道のチャンピオンも絶賛する大技だったという。

そして勝負の最終日――ラムと対峙したあたるは、「結婚じゃああああ!!!!」と威勢良く叫ぶや、ピストル状の怪しげなブツを腹から取出した。(ドラえもんか)
引き金を引くと同時にビュルルン!!!と伸びた触手もとい吸盤が、あっという間にラムの虎縞ブラを奪い去る。
カメラの前で待ちに待ってた生乳ポロリ、王様のブランチ瞬間最高視聴率今週第1位は決まったぁー!!!
「返せェーーー!!!!うちの一張羅ァーーー!!!!」
あたるの計算通り、ブラを奪い返そうと、ラムが向って来る。
勝機を逃さず角をギュッと掴んだあたるは、高らかに「ゴォォール!!!」と宣言した。
「やりました!!!偉大な救世主!諸星あたる君!!!」
起死回生の逆転ホームランを打った英雄を讃える紙吹雪の中、あたるは「これで(しのぶと)結婚できる…」と呟いたが、その一言が運命の分かれ道だった。
「解った!おまえがそこまで言うなら、結婚してやっても良いっちゃ!」

――えええええ!!!??

「おおお!!あたる君、ラムちゃんにプロポーズですか!?親善結婚だ素晴しい!!!」
予想だにしなかった展開に、必死で誤解を解こうとするも、ラムは瞳を潤ませ彼に身を寄せる。
2つの星の友好を結ぶには絶好の手段と、詰めかけたマスコミも温かい目線で報道する。
「ふん!!何さ!!何時までも抱締めちゃって!!!折角だから結婚すれば!!!」
「しのぶ!?そんなぁぁぁ…!!!」
そしてとどめのしのぶ――かくして始まるトLOVEルストーリー。(ジャンプの某漫画とは無関係です)
群集から離れた場所で、あたるの凶相を読んだ怪僧が、哀れみを篭めて合掌した。
「運命(さだめ)じゃ…」


…「原作付きでも、原作通りに作る積りは無いです。それじゃアニメ化する意味が有りませんから」というのは、監督(CD)に就いた時の押井さんの弁。
その言葉通り第1回から思い切り良く改変していた。
原作から骨組みを取り出して、アニメ独自の肉付けをしている。
怪しい黒尽くめの男達なんて原作には登場しないっすよ。(笑)
原作ファンからの批判を恐れず言っちゃえば、原作の元になった話より巧く作られてる。
連載開始時は高橋先生も新人、センスは超人ばりでも、拙い所が色々有った。
原作では鬼ごっこの後半で、あたるとラムの衝突を描いてるんだけど、アニメはその辺りばっさり削ってる為、原作よりテンポが早く感じられる。
てゆーか原作は読者サービスを意識してか、後半ラムがトップレスで居続けるんだわ。(笑)
お色気狙いの虎縞ビギニスタイル?最初ラムはヒロインでなく1回きりのゲスト、乱暴な言い方すれば脱ぎキャラだった。
ところが人気爆発、作品のシンボルキャラにまで昇りつめるとは、この時知る由も無かったろう。
そしてこの疑問はファンなら誰もが持ってるだろうが、衣装持ちのラムが何故この時はトップレスのままで居たのか?
朝起きて寝るまで数日ずっと半裸で居たのを想像するとなんかエロい。
そんな疑問をアニメスタッフも持ったか知らんが、アニメでは最終日にあたるの計略に嵌り、ブラを剥がされるという展開。
原作ではラムのブラが剥がされたのは事故だが、アニメではあたるの奸智でやった事に変えられたっつう。
ブラを剥がした後に、ほんのり照れてるあたるが可愛い、描いたアニメーターさん細かいぜ。(笑)
てかブラを剥がすのに使用した謎の吸盤ピストルと、追い駆ける時に着用した小型ロケットは、あたる自身が作った物ですか?
アニメの主人公たるもの、発明の才能は持ってなければ。
ちなみに編物も巧かったり(原作ネタ)、何だかんだでスーパーマン。

話を戻してアニメの第1話は押井さんがコンテ・演出を担当してる為、自衛隊の戦車やら戦闘機やら登場する等押井さんカラーが極めて濃い。
ミリタリーオタクの押井さんは、当時戦車を描けるアニメーターが居ないからと、自ら筆を取って描いたそうな。
正にオタの鑑。(笑)
原作者はそもそもメカが苦手で、そういった描写は特に出て来ない。
上空のUFO母艦を真上から描いて友引町に影を落す構図なんか、巨大さを演出するのに非常に効果的だった。
余談だがこの時の構図は後々クリィミーマミ最終回で使われた、押井さんは業界の演出力を向上させた功労者なんすよ。
床下から出てドドドドドッ!!!と詰めかけるマスコミなんかも押井さんらしい演出。

押井演出礼賛になって来たんで自重(汗)…絵の方の話をすると高橋資祐さんの原画が巧い。
高橋さんが描くと動きがとっても滑らかなんですよ。
鬼ごっこで飛び回るラムなんか、ボールが弾む様な動きで心地良い。
高橋さんは主にタツノコアニメで活躍されてたアニメーター。
うる星の制作会社であるスタジオぴえろは、タツノコプロに所属していた演出家達が独立、立ち上げたそうで、アニメーターもタツノコアニメで活躍されてた方が多い。
な訳でアニメうる星初期は絵柄がタツノコタッチ。
ラムの顔とスタイルが若干アメコミ調、乳首までリアルに描いてある事で、押井さんは局から呼出食らったそうな。(笑)

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …今後を期待させるスタートダッシュでした。


【続】


一押し回はこんな風に粗筋と感想をねっちりと書こうと考えてるけど…流石に文字数多過ぎますな。(汗)
粗筋書いた所で力尽きたら本末転倒なんで、次回からはも少しあっさり風味に書いて行こう。
それと自分的駄作(失礼)については、さらっと触れるだけに止める積り。(汗)
コメント (2)
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