昨夜の地震、大きかったですねえ。
広範囲に及ぶ揺れに、東日本大震災時の記憶が甦った人も多いでしょう。
しかしあの震災の経験が生きたのか、今のところ死者が一人も出てないのは不幸中の幸い。
政府の対応も今回迅速でしたし。
悲しみに鍛えられ、人は前進するのでしょうか…?
地震の事は置いといて、こっからはバレンタイン・デーの話。
3世紀頃、イタリアのローマに居たと云われる、聖バレンチノ司祭。
彼は当時のローマがキリスト教を迫害していた中でも熱心に宣教活動を行い、迷える人々を善き方向へ導いたと云う。
特に若き恋人達への援助を惜しまなかった事で、彼はローマの民衆から広く支持を集めたそうな。
というのも当時のローマ帝国皇帝クラウディウス2世は、恋にうつつを抜かす者が居ると士気が下がるという理由から、兵士達の恋愛・結婚を禁止したと云われている。
聖バレンチノ司祭は皇帝の政策に真っ向から反発し、若い兵士達の恋を支援しては縁を取り持った。
「若き恋人達の味方、聖バレンチノ司祭」との町の噂はやがて皇帝の耳に入り、激怒した彼はローマの祝祭日だった2月15日の前日に聖バレンチノ司祭を処刑。
だが最後まで皇帝の命令に屈さなかった聖バレンチノは殉教者として扱われ、彼が亡くなった2月14日はキリスト教の祝祭日となり、彼の逸話は何時しか「バレンタイン・デー」なる若者間の告白イベントを生み出した――ていうのが世間に知られてる成り立ち。
しかし実は聖バレンチノ司祭が処刑される以前から、2月14日はローマに暮らす未婚の男女がパートナーを決めるイベント日だったとの記録が残ってるそうな。
記録によると、古代ローマで2月14日は主に結婚・出産を司る女神ユーノー(ギリシア神話のヘーラー)の祝日、この日女達は名前を書いた紙を桶の中に入れ、翌日今度は男達が桶を選んで紙を引き、2月15日から始まる豊年祈願祭でのパートナーを決めるイベントが行われたそうな。
ローマ帝国公認の「合コン日」だったわけだ…この記録が事実なら、バレンタイン・デーもクリスマス同様、後世のキリスト教徒がキリスト教に由来する理由を後付けして、市民の懐柔を狙った戦略に思える。
そして現代、日本では製菓会社の宣伝努力により、バレンタイン・デーとお菓子、特に
チョコレートは強い絆で結ばれた関係となりました。
てゆーか近年の日本に於いては、愛の告白よりも、チョコを媒介にコミュニケーションを図る日って感じだ。
女子学生の間では、好きな人に渡すより、友達に手作りチョコを渡して友情をアピールする方が優勢。
思い起こせば自分が若い頃も、菓子作り得意な友人から、チョコを渡されたなあと。
学生時代は恋より友情の方が重い…建前でもそういう言動を取ってないと、友達付き合いが上手くいかなかったのです。
今年は新型コロナが流行してるせいで手作りチョコを渡す人は激減してるでしょうが、外に出掛けられない憂さ晴らしか高級チョコを買い求める人が増加傾向だそうな。
友達にはあげられなくとも、ネットで手作りチョコ写真上げてアピールする人も多いだろう。
チョコレートの販売会場行くと、今年は感染を起こさない為に試食を控えてるメーカーが多い事に気付く。
しかし試食出来ないと、以前食べて味を知ってるメーカーや、世間的に評判の高いメーカー、人気キャラとコラボするメーカー、極めて廉価なメーカーばかりに客が集まり、初出店の小中規模メーカーには厳しいだろうなと同情してしまう。
心に残ったチョコレートは、なるべく他人様に話して宣伝致しましょう。
自分も知人に話したり、ブログ上で紹介します~って訳で、以下、今年買ったチョコレートの紹介。
↑ポケモンチョコレート2種。
記事見出し写真はその上蓋ですが、済みません、左右逆にして撮影してしまいました。(汗)
↑の写真左側のチョコの上蓋は見出し写真の右側で、↑の写真右側のチョコの上蓋は見出し写真の左側になります。(ややこしい)
スクエアタイプのポケモンチョコレートは、メリーチョコレートが送る1ブランド「
トーキョーチョコレート」が、今年発売した商品です。(→https://www.tokyo-chocolate.jp/tokyo-chocolate/lineup/#regular)
ピカチュウやイーブイといった人気のポケモンキャラがプリントされたチョコの中には、ストロベリーやキャラメル味のクリームが詰められてます。
人気キャラとのコラボチョコは美味しくないって偏見を持ってるんですが、これはまあまあ美味しいと感じました。
メリーチョコレートって、比較的廉価なチョコレートメーカーの中では、最も美味しい方だと自分は認識しております。
もう一方の淡い色したメルヘン調の絵柄のポケモンチョコレートは、
(株)松風屋が今年発売した商品。
↑のポケモンチョコレートも同じく(株)松風屋の商品で、上蓋のピカチュウ&ミュウのイラストとモンスターボールはマグネットになってて、缶ケースから剥がせる造りになってます。(→http://www.matsukazeya.co.jp/syouhin/event/v-pokemon.html)
味は正直あんまり…でもケースの可愛さはピカイチでした。
惑星ショコラといい、デザインのアイディアで勝負するメーカーなのでしょう。
↑フランス発の
ジャン=ミッシェル・モルトローが今年発売した商品、「マリアージュ・デ・クル」。(→https://jmm-chocolate.shop-pro.jp/?pid=155463982)
「ドミニカ共和国・ペルー・タンザニアの3ヵ国のカカオがそれぞれ持つ、酸味や苦味などの個性を引き出しながら、ガナッシュ・キャラメル・プラリネをベースとしたフィリングとのマリアージュを追求しました。」(←HPより抜粋)
今回買って食べた中ではカカオが最も濃くて、正当なショコラってイメージ持てました。
味も大変美味しかったです…売り場のおじさんの熱心なセールストークに乗せられて、高価な買い物したけど悔いは無い。
売り場で試食は駄目ってルールだった筈なのに、配って客を惹きつけてたのは内緒だ。(笑)
おじさんだって生活かかってるしな。(感染対策に試食用のチョコは包装されていた)
↑ベルギー発
ピエール・ルドンの人気商品、「ディス」。(→https://www.bb-kagurazaka.co.jp/shopdetail/000000000016/pierreledent/page1/order/)
「ディス」とはフランス語で「10」を表す単語。(ベルギー発のチョコなのに…)
「イタリアで出会ったレモンチェッロやハワイのまろやかなブラックソルトと相性抜群のブロンドショコラ等10種をバランス良くアソート。ホワイトガナッシュのキキィはローストされたココナッツの鼻腔を擽る甘さと香ばしさが絶妙。このボックス1つでナッツも果実もスパイスも。」(←HPより抜粋)
一粒のショコラに3種以上の素材を組み合わせて生み出される味は例えるなら錬金術、一粒一粒の見た目も美しくて「ショコラは食べる宝石」なる謳い文句にも頷ける。
今年食べた中では最も複雑な味わいで、最も美味しかった。
全体的に甘目なので、甘いショコラ好きな人には特にお勧め。
ショコラの説明が載ったゴールドに煌めく添付小冊子にも心ときめかされました。
流石3大ピエールの一角を担うショコラティエ――ちなみに「ショコラ業界の3大ピエール」を知人に紹介する時、自分は「ハ〇てるピエールがルドン、肥えてるピエールがエルメ、イケメンピエールがマルコリーニ」と説明している。
そうすると誰でも易々と3人の御顔を記憶してくださるので。
…かなり失礼な紹介の仕方で申し訳ないが(汗)、3人の顔写真観たら納得する人多いと思うのです。
ピエール・エルメ(→https://www.oricon.co.jp/news/2065731/photo/12/)
ピエール・マルコリーニ(→https://www.store.c-c-c.co.jp/html/page38.html)
ピエール・ルドン(→https://www.pierreledent.jp/about-pierre-ledent)
…けど3人とも元の顔はイケメンだと思ってます。(汗)
↑ベルギー発のチョコレートメーカーとして日本でも古くから知られる
ヴィタメールが、今年発売した「ソルシエール~魔法使い~(3個入/税込1,296円)」なる商品。(→https://www.wittamer.jp/recommend/21la_saison_du_chocolat.html)
「物語の登場人物をイメージした個性豊かなショコラストーリー。」(←HPより抜粋)
4種類用意されたシリーズの内、魔法使いをイメージしたこちらの商品を購入致しました。
この商品も錬金術的複雑な味わいで、高値に見合った美味しさでした。
魔法の箒、魔法の宝玉、魔法の波動を表現したファンタジックなデザインもお洒落です。
日本ではゴディバの方が高ブランドのイメージだけど、自分はぶっちゃけヴィタメールのチョコの方が美味しいと思ってる。
ゴディバは限定品とその他の商品とで味に格差が有り過ぎる。
ヴィタメールの場合ケーキも美味しくて人気が高い為、日本ではショコラよりケーキ屋のイメージが強いのかもしれない。
↑イタリア発
シルヴィオ・ベッソーネの「ジャンドゥイオット・リピエノ」と「クネージ・アル・ラム」と「クネージ・アル・マロングラッセ」。
写真の三角形のチョコが「ジャンドゥイオット」で、カカオにヘーゼルナッツを混ぜて作るシリーズ。
イタリアではヘーゼルナッツを混ぜて作ったチョコレートが一般的人気だとか。
「リピエノ」は60%ものヘーゼルナッツを使用したジャンドゥイオットをミルクチョコレートでコーティングしたとの事、ヘーゼルナッツの味と香りが濃厚で、独特な口解けは一度味わえば癖になります。
キャンディみたいにカラフルで可愛い包装の「クネージ」は、お酒の入ったチョコレートクリームを、ハイカカオチョコレートでコーティングしたシリーズ。
中に入ってるお酒は8年物のラム酒やマロンリキュール等、アルコール度数が非常に高目なので、アルコールに弱い人は一粒で酔います。
しかし個人的には、ここのチョコが甘苦くて一番好み。
↑ベルギー発ブランド「セントー」の商品。(→https://les-macarons.com/centho-valentine/)
青い箱を白く細いリボンで十字に結わえたパッケージが目印。
厳選した産地別カカオと様々な味のクリームやジャム等のフィリングとの組み合わせが楽しめる。
塩キャラメルショコラはここの物が絶品で気に入ってるけど、バレンタイン・シーズンしか入手困難なのは残念。
所々隙間が空いてるのは撮影を待たずに皆で一粒ずつ食べてしまったから。(汗)
フランス発「
ラ・フェヴァリ」の商品…済みません、これも撮影を待たずに皆で食べてしまいました。(汗)
ラ・フェヴァリ一番の自信作「クールルージュ」を食べてしまったのは、あまりに痛い失敗だった。(汗)
「世界初技法でコーティングした鮮やかなハート型。とろりとしたキャラメルクリームをガナッシュでサンド。」(←HPより抜粋)
こちらはダークチョコ系のショコラが美味しい、2,000円以上買うとおまけでショコラが2個入った小BOX貰えるサービスが嬉しかったです。
HP観たら販売業者がデジレーと同じ所なのね。
↑細工が最も凝ってた
グランドプリンスホテル新高輪のバレンタイン・ショコラ。(→https://www.princehotels.co.jp/shintakanawa/plan/chocolate_salon/2021Valentine/)
他のメーカーは場所によっては2/16迄販売してるけど、ここのショコラは2/14で販売終了してしまうそうな。
したがって明日にはHPから案内頁消えるかもしれない…その前に一粒ずつ紹介させて頂きます。
以下、HPより紹介文抜粋――
●赤と緑のグラデーションハート…「オヒアレフアハニー」
ハワイの島花になっているオヒアレフアという鮮やかな赤い花から採れる蜂蜜とホワイトチョコレートを練りこんだガナッシュ。
濃厚な質感でありながらとても上品な香りのオヒアレフアハニーは、紅茶との相性が抜群のチョコレートです。
●パイナップルにハートが載ったショコラ…「パインティー」
紅茶とパインジャムを合わせ練りこんだガナッシュ。
紅茶の上品な風味とパインのパッションな酸味のバランスを絶妙に仕上げました。
●クローバーの葉に丸い蜂…「クローバーハニー」
コクのあるクローバーハニーを使用したガナッシュ。
切れの良い甘さで爽やかな後味のクローバーハニーはカカオの香りをより引き立てます。
●葉付きレモン…「レモン」
爽やかな酸味が効いたガナッシュをホワイトチョコレートでコーティング。
口溶けとともにさっぱりとしたレモンが広がります。
●白ハートに赤と緑の飛沫…「ジャラハニー」
オーストラリアの2年に1度しか咲かないジャラの貴重な蜂蜜を使用したガナッシュ。
黒糖の様な濃密な味わいと滑らかな口当たりが魅力。
●一見マンゴーかと思った…「ストロベリー&ラズベリー」
ストロベリーとラズべリーの甘酸っぱいガナッシュをチョコレートでコーティング。
ベリー好きな方にお勧めの一品。
●ピンクのグラデーションハートに白い飛沫…「マヌカハニー」
ニュージーランド産のマヌカハニーを使用したガナッシュ。
マヌカハニーのスパイシーさがアクセントとなった大人の味わい。
●櫛形オレンジに白小花…「オレンジ」
チョコレートにマンダリンオレンジを練りこんだガナッシュ。
フルーティな酸味をご堪能頂けます。
…どのショコラもパティシェの確かな技を感じる一品、フルーツムースを食べてる様に口の中で蕩けます。
ホテルの女性スタッフと思しき店員さん達が熱心に呼び込みしてたけど、熱心過ぎて客が若干退いてる様に感じた。
細工物は近付いてじっくり観て貰った方が良い、そうすれば自然とギャラリー集まり購入に到るんでないかと。
あと各ショコラの説明を記載した印刷物を商品に添付して欲しかった。
素材を色々使用して作ってるショコラは、説明書きが無いと素人には何で出来てるショコラか詳しく判らないので。(汗)
↑「岸辺露伴は動かない」ボンボンショコラ。
これだけ今年ではなく去年購入した物なんですが、特別に紹介させてください。
ファンなら絵柄で解るでしょうが、「岸辺露伴は動かない」は少年ジャンプ連載漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品です。
去年末だったかにNHKで実写ドラマ化もされました。(無茶な事を…)
「漫画家・岸辺露伴の取材ノートをコンセプトに、露伴の人となりや、彼が遭遇した奇妙な出来事を専属ショコラティエ手作りの6粒のボンボンショコラで表現した食べる取材記録」とは、ショコラに添付されていた説明書き。
取材ノートと言うか、ブック型のパッケージが洒落てる。
しかし一番感動したのはボンボンショコラその物の味です。
「人気漫画やアニメとコラボしたお菓子は不味い」って偏見を持ってたんですが覆されました!
ボンボンショコラ一粒の内に数種類の素材が渾然一体となっていながら、離反する事なく各々の味わいが口中に広がる至福と言いますか…。
1つ例に挙げると、白地に下品等の文字が踊る「富豪村」…「りんごのフレッシュ感はダークチョコに乗せるのが難しいですが、すりおろしの青りんごピューレにりんごのハーブティーを重ねて上手く表現する事が出来ました。後から香るイグサパウダーは熊本県八代産の物を使用。ボディの効いたホワイトラムが隠し味です。」(←説明書より抜粋)
…食べたら林檎とダークチョコとホワイトラムの味と共に、い草の爽やかな薫りが口の中いっぱいに広がるんですよ…でも凄く美味しかったんです!!
パティシェは錬金術師に相違ない。
日本でイベントが根付くか否かは、そのイベント中に食べる物が、広く皆に愛されてるかにかかってる気がします。
製菓会社の陰謀が~なんて言っても、チョコレートじゃなければ、バレンタイン・デーなるイベントは、日本にここまで根付かなかったんじゃないかと。
日本人は食に貪欲だから、花より団子、愛よりチョコなんです。
食い意地張ってようが、それで経済が回って、コミュニケーション図れるなら、悪い事じゃないでしょうと。
ちなみに日本で最初にバレンタインチョコを仕掛けたのは、長らくメリーチョコレートだと思い込んでた自分ですが、昭和11年2月12日にモロゾフが広告を出したのが初と記録されてるそうです。
メリーチョコレートもモロゾフも数年間は宣伝しても泣かず飛ばずだったとの事、転換期はオイルショックが起こった1970年代で、不景気になり小売業が落ち込んだ為、各メーカーが一斉にバレンタイン・デーを売り込み、イベントを根付かせる事に成功したのだとか。
1メーカーの力じゃ成し得なかったって訳です。
(参考:
日本チョコレート・ココア協会の資料)