皆様、こんばんは。
正月休み中、何かしましたか?
私は今日、年賀状を書き始めました。
同僚宛のなんか明日、直接渡した方が早いっての。(汗)
そんな新聞四コマ漫画的日常は置いといて、ミス・メリーから届いた手紙を読みましょう。
ラブレター・フロム・北の国から。
『はぁい♪ミス・メリーよ♪
日本は今、雪が物凄く積もってるんですって?
ニュースで知ったけど、道路走ってる車が雪に埋まって動けなくなるなんて…そんな短時間の内に積もってしまうの!?
日本は世界一の豪雪地帯とは聞いてたけど、想像を絶するレベルね。
次回の冬期五輪開催地、中国から日本に変更したらどうかしら?
…って、大雪で命落とす人の事考えたら、ふざけてられないわ。
もうこれ以上の試練がこの国を襲わないように、今年は去年不幸に遭った人達が倍返しで幸運に恵まれるよう、今夜採り上げるクリスマス・スイーツはフランスの
ガレット・デ・ロワにするわ!
フランス語で王様達のお菓子を意味する名前のガレット・デ・ロワは、公現節のお祝いにフランスで食べられるケーキよ。
公現節(エピファニー)とは、西方教会暦で1月6日に幼子イエスが公に顔を見せた事を祝う日…具体的に言うと、東方の三賢王(三博士)が誕生祝の品を持って、イエスを礼賛に訪れた事を祝う日…かえって解り難いかしら?
公現節についての詳細は以前メリーが書いた記事を御覧頂くとして、今はガレット・デ・ロワの説明を続けるわよ。
広く知られてるガレット・デ・ロワはアーモンドクリームを入れて焼いたパイで、中に小さなフェーヴ(そら豆)と呼ばれる陶製の小さな人形が隠されてるの。
切り分けられたパイの中にフェーヴが入ってた人は、金紙製の王冠を被って王様になり、周囲の人達に1日何でも命令する権利を持てるわけ。
日本流に言えば王様ゲームだけど、親が幼い子供に予めフェーブが当たるよう細工し1日だけ我が儘を聞いてあげたり、王様に選ばれた男性が好きな相手を女王様に選んで告白したりと、フランスでは微笑ましい年中行事になってるのよ。
そしてフェーヴが当たった人は、幸運が1年間続くと考えられたの。
フランスでは公現節に拘らず、1月中ずっとこのケーキを皆で分け合い、パーティーを楽しむそうよ。
そんなガレット・デ・ロワのルーツは、古代ローマ帝国の年越しの祭典サトゥルナーリアだと云われてるわ。
サトゥルナーリアとは農耕神サトゥルヌスの復活を祈願する饗宴で、豆を一粒入れたケーキを供し仮初の王を決める習わしが在ったそうなの。
ルイ14世が、このローマ時代の習わしを参考に、宴の余興で豆一粒入りのケーキを振る舞い、当てたご婦人に願いを言う権利を与えたとか。
フランス革命後に職を失った宮廷料理人達が、そのケーキを自分の店で再現した事で、民間にも伝わったのかもしれないわ。
でも実は、ガレット・デ・ロワの様な新年の当たり入りスイーツは、世界各地で見られるのよ。
西欧、東欧、アジア、アメリカ等々…中に入る当たりは、フェーヴ同様に陶製の小さな人形だったり、玩具だったり、或いはコインだったり、紙のおみくじなんてとこも在るわ。
ガレット・デ・ロワの中に入れられてたフェーヴは、最初、名前の通り、そら豆だったそうよ。
陶製の小さな人形に変わったのは1870年頃ですって。
新年に抱く人々の願望が形の見える当たりになって、祝いの食べ物の中に忍び込んだんじゃないかしら?
最近は日本のケーキ店やカフェでも、年明けにガレット・デ・ロワを売る様になったわね。
ただ、日本ではパイの中にアーモンドを一粒入れて、フェーヴは別に渡す事が多いみたい。
この習慣は恐らく日本人の衛生観念の高さから生まれたものだと思うわ。
ガレット・デ・ロワの入手は例の如く暇人のブログ主に任せるとして…そろそろクリスマス・ソングの時間よ!
東方の三賢王をテーマにした19世紀のクリスマスキャロル、We Three Kings of Orient Areの日本バージョン――我らは来たりぬ♪
日本の教会では賛美歌第二編52番で覚えられてるわ。
…今夜のメリーの話はここまで、また明日、楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』
――以上、メリーさんからのお手紙でした。
この歌も去年に引き続いての登場ですが、ご紹介頂いた事だし
こちらを参考に歌いましょう!
【我らは来たりぬ(We Three Kings of Orient Are)】
我らは来たりぬ♪ 遙けき国より♪
星に導かれ♪ 野山越えて♪
ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪
我が持ち来たれる♪ 貴き黄金を♪
メシヤの冠の♪ 飾りとなさん♪
ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪
我が持ち来たれる♪ 乳香捧げて♪
いと高き御神♪ 共に讃えん♪
ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪
我が持ち来たれる♪ 没薬捧げて♪
御苦しみの日に♪ 備え祀らん♪
ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪
万を統べます♪ メシヤは生まれぬ♪
ハレルヤ♪ ハレルヤ♪ 讃え祀らん♪
ああー♪ 奇しく輝く♪ 星の光よ♪
我らを導け♪ 御子の御許に♪
ジョン・ヘンリー・ホプキンズ牧師が作詞・作曲したオリジナルは
こちら。
We three kings of Orient are♪
Bearing gifts we traverse afar♪
Field and fountains, moor and mountains♪
Following yonder star♪
Yonder star…♪
Born a King on Bethlehem's plain♪
Gold I bring to crown Him again♪
King forever, ceasing never♪
Over us all to reign♪
O Star of wonder, star of night♪
Star with royal beauty bright♪
Westward leading, still proceeding♪
Guide us to thy Perfect Light♪
Frankincense to offer have I♪
Incense owns a deity nigh♪
Prayer and praising, all men raising♪
Worship Him, God most high♪
O Star of wonder, star of night♪
Star with royal beauty bright♪
Westward leading, still proceeding♪
Guide us to thy Perfect Light♪
Light…♪
Light…♪
Myrrh is mine, its bitter perfume♪
Breathes a life of gathering gloom♪
Sorrowing, sighing, bleeding, dying♪
Sealed in the stone cold tomb♪
Glorious now behold Him arise♪
King and God and Sacrifice♪
Alleluia♪
Alleluia♪
Earth to heaven replies♪
O Star of wonder, star of night♪
Star with royal beauty bright♪
Westward leading, still proceeding♪
Guide us to thy Perfect Light♪
Thy Perfect Light…♪
Thy Perfect Light…♪
Thy Perfect Light…♪
歌い終えたところで、ガレット・デ・ロワの話に戻ります。
その前にミス・メリーが以前書いた公現節についての記事は
こちら。
↑ミス・メリーから依頼を受けて、溜池山王駅近くに建つ超高級ホテル「
ANAインターコンチネンタルホテル東京」に、ガレット・デ・ロワを買いに行って参りました。
初めて訪れたけど、凄いですね、3階まで吹き抜けになったロビーの中に、大きな滝が流れてました。
周辺にはアメリカ、スペイン、ナイジェリア、スウェーデンの大使館が建っていて、国際都市東京を印象付ける風景が広がっています。
ほぼ隣にはテレビ朝日のビルも建ってました…自分には縁遠い地区だ。
↑美食の巨匠として名高いピエール・ガニェールがプロデュースするパティスリー、「ピエール・ガニェール・パン・エ・ガトー」。
↑大きい物と小さい物、2サイズ有る内、大きい物を選択。
1ホールで6人前は有りましたが、4つにカットして食べました。
フランスではパーティーで出せる様に、1ホールで十人分にカット出来る巨大なガレット・デ・ロワも売ってるとか。
購入すると金紙製の王冠と、その年限定のフェーヴを付けてくれます。
パイの中にはアーモンドが1粒入ってたのですが、それが誰に当たったのか忘れてしまいました。
実は今回記事の写真も2020年に撮った物で、サクサクのパイと滑らかなアーモンドクリームの味は覚えてても、誰が当たりを引いたのかは忘却の彼方です。(汗)
私が当たりを引き当ててない事は確かなのですが…。
↑こちらが「ピエール・ガニェール・パン・エ・ガトー」の2019年版フェーヴ…「La Couronne de Roi」はフランス語で王冠を意味するとして…形は何を表現しているんでしょうか??
多分レストランで提供してる料理なんじゃないかな~と思うんですが――著名なシェフがプロデュースするガレット・デ・ロワの場合、付属のフェーヴはシェフの代表料理をデザインする事が多いそうで――そのレストランで料理を食べた事無い庶民には見当すらつきません。(汗)
【
続】