線がヘロってるのは風邪引いて寝込んだ時に…以下略。↑(汗)
左の猫だか狸だかの生物がポジ(♀)、右の猫だか狸だかの生物がネガ(♂)です。
正体は猫でも狸でもなく、妖精らしいですが。
どうも、びょりです。
恥かしながら、帰って参りました。
そんな訳で、忘れた頃に前回の続きです。
★第52話(最終回) ファイナルステージ 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
今迄出会った人達の力で、マミのデビュー1周年コンサートは、6/29国内で行う事になった。
場所は、優が初めてピノピノと出会い、魔法を授けられた、あの『セントラル競馬場』。
優は走り出す――『マミ』として最後に歌う、ファイナルコンサートに向けて。
…スタート地点に戻っての〆が心憎い。(当初から予定してた訳じゃなかったろうが)
個人的にマミ最終回は、今迄放送されたTVアニメ最終回の中でも、ベスト10にノミネートすると思ってる。
それで今回はネタバレ御免な覚悟で、自分が記憶してる限り再現してみようかと。
…ネタバレしても最終回のあの興奮は、実際に観て貰わんと解らないですよ。(笑)
6/29、マミのコンサートは、生憎の雨模様だった。
しかし鬱陶しい天気にも躊躇せず、大勢のファンが会場に詰め掛ける。
控え室でマミを待つパルテノンプロの立花若社長、マミのマネージャー木所、ライバル歌手の綾瀬めぐみは、来場者数が10万人を超えたとの発表を聞き、驚愕する。
そこへ漸くマミが到着した。
息を切らし入って来たマミは、今夜ゲストで歌う予定のめぐみに、「(時間が無いので)1人で歌わせて欲しい」と頼む。
その一言に、一瞬物凄く嫌な顔を見せるめぐみ。
しかしマミの気持ちを読んだ彼女は、「ファンをがっかりさせないで」と言い、身を引く事を了承するのだった。
…此処はめぐみさんの見せ場ですね。
スタッフから最も愛されていためぐみさん。(笑)
マミの気持ちが読めず、「衣装替えの間はどうするんだ!?」と詰寄る立花に、「本当のスターは我侭なもの。その我侭に一々振り回されてるようじゃ…貴方も一流とは言えないわよ」と言ってのけるのが格好良いのです。
一方、会場に詰め掛けた客の中には、優の両親が居た。(実は会場でクレープを出張販売していた)
顔を見付け、側に寄って来るスネークジョーと、妻の久美子さん。
ジョー 「おお!!居た居た!!」
優の父「あれ!?あんた!!」
ジョー 「これ、俺が焼いたんだ。食ってくんねぇか?」
差し出された紙袋の中には、美味しそうな湯気を立てる、お好み焼&たこ焼。
ジョーの隣で微笑む女を見て、優の父は相好を崩す。
優の父「へぇ~!すっかりお好み焼きの店主って訳だ!」
ジョー 「まぁな!」
…第40話以来の出会いな訳ですが、かつて商売敵だったのに、すっかり打解けてるシーンが、何気に心に残ってます。
当初ただの悪役ゲストキャラだったスネークジョー。
しかし彼もスタッフに愛され、後の人生まで話の中で追われる事に。
主役だけじゃない。
それぞれのキャラが、それぞれの人生を健気に生きている。
自分がマミを好きだった最大の理由は、この主張を貫いていたからです。
堅気になった彼だが…しかし昔の習慣が忘れられず、優の父親にヒソヒソ声で尋ねる辺り楽しい。
ジョー 「…けどよ……本当の所…(マミは)あんたの娘なんだろ?」
優の父「しつこいですねぇ、あんたも…。違いますよ!」
そうこう言ってる内に、上る雨。
「競馬場」という舞台に合せ、高らかに鳴り響くファンファーレ。
夜の闇に輝く、『Creamy Mami』のイルミネーション。
ヘリコプターのサーチライトに照らされ、白いタキシードで決めたマミが、白馬に跨り颯爽と登場した。
ファンが一斉に「マミちゃん」コールを飛ばす。
歓声に迎えられ、白馬で1周りした後、ステージへ飛上るマミ。
魔法で出したマイクを手に、歌うのは『BIN・KANルージュ』。
トマトの♪ 夕陽♪ 踵ォに浴びなァがら♪
金色♪ タクシー♪ 雲間ァへ飛んでェくの♪
デジタルゥ♪ 時計の波ィ♪ サーフィンして♪
ビル越え♪ 貴方ァの♪ アドォレスへフラ~イ・ハイ♪
私♪ 行ゥくのォ♪
じっつゥは♪ テ~レフォ~ンが♪ ふっつっか来ォない~のよ♪
つっねェる資ィ格ゥなら♪ 有っるゥでしょっ♪
BI・N・KA・N・ルージュ♪ ジェラッシー振ゥりィ掛けって♪
君に今♪ キッスあ・げ・る♪
U・N・ME・Iルージュ♪ そォっぽォ向・い・ててェも♪
2っ千年♪ 愛せェるゥ…わ~~~♪
マミの歌に合せ、頭を揺らして、リズムを取るファン達。
しかし唯一…俊夫だけは乗れない。
彼の胸に渦巻く疑問。
優=マミなのか…?
みどり「今日は大人しく観てるんだね?」
俊夫 「…ああ。」
普段と違う俊夫の様子を、隣に居る友人がいぶかしむ。
気もそぞろに返事をする俊夫。
優とマミ…彼の目には2人の姿が重なって仕方ない。
そんな訳無いじゃないかと頭を激しく振るも、1度沸いた疑問は離れてくれず。
思い余った彼は走って行き、会場係に優を呼び出してくれるよう頼む。
だが、どうせ呼び出しをかけても、誰にも聞えやしないだろうと断られてしまうのだった。
消された記憶が戻りかけ、苦悶する俊夫を他所に、魔法で衣装を替えながら、ヒットナンバーを重ねるマミ(優)。
ステージ上には、そんな彼女を見守るポジとネガの姿が在った。
ポジ「…このステージが終ったら、私達、優とお別れなのね。」
ネガ「…ピノピノ来るなよ…最後まで歌わせてやりてぇじゃねぇか。なぁ、ピノピノ遅らすって事出来ねぇのかな?」
ポジ「無理よぉ。」
ネガ「こら~!!ピノピノ!!!聞えてるなら少しくらい遠慮しろ!!来るな!!来るな~!!!」
…この場面のネガが非常に微笑ましい。(笑)
皮肉屋の彼が、優(マミ)に「最後まで歌わせてやりたい」と願う。
かつて人間嫌いで、何かっつうと故郷の星に帰りたがってた彼がねぇ…と。
しかし彼の思いとは裏腹、無情にも速度を上げて近付く方舟。
本来の期限は6/30迄だったんですが、俊夫が思い出しかけてるもんで早まったんですね~。
近付くタイムリミットに、否応にも高まってく緊張感。
まったくもって素晴しい展開だと、唸らせられるばかり。
ちなみに最終回が放送された日は、現実の暦でも6/30でした。
リアリティに拘る『マミ』らしい演出と言えましょう。
さて前半は「再び激しくなる雨にステージの照明がショートして、『中止か!?』と立花社長&星井ディレクター(←お遊びキャラの予定だった彼も、最後まで活躍し通しでした)が蒼褪める」所でお終い。
こっからは後半で御座います。
『美衝撃(ビューティフル・ショック)』、『囁いてジュテーム―Je t'aime―』、『パジャマのままで』、『LOVEさりげなく』…どんどん大降りになってく雨にも負けず、「こんなに歌持ってたっけ?」というファンからのツッコミにもメゲず、歌い続けるマミ(優)。
マミとして最後のコンサート…悔い無く終らせたい…!
しかし彼女の思いは、立花や星井ディレクターには解る訳が無く。
酷くなる一方の雨足に、『LOVEさりげなく』を歌い終えたら、コンサートを中止しようと相談する2人。
するとそこへ襲い来るラスト・ビンタ!!
めぐみ「慎吾ォォ~~!!!!」
――バッシィィィ~~ン…!!!!
お約束とばかりな愛のツッコミに、こちらもお約束とばかりに地に沈む立花社長。(言葉通りの面目丸潰れ)
めぐみ「貴方達、何を見てるのよ!!?」
慎吾 「……何って…雨が…。」(←虫の息で)
めぐみ「馬鹿ァ…!!…良く見なさい!!誰も帰ろうとしてないじゃないの!!!」
木所 「そうですよ!!中止する理由は何も無いですよ!!」
めぐみや木所の言う通りだった。
誰も彼も雨の事なぞ気にも懸けず、マミの歌に聞惚れている。
それ程までに、マミの存在は大きなものであった。
…雨中のコンサートって演出も巧いですな。
雨が降っても誰1人として帰らない。
正しく大スターだという事が、観ていて伝わって来る。
んで細かい注目点ですが、優の父とジョーが、それぞれ自分の奥さんに優しく傘を差し掛けるシーン…微笑ましいですな。
こういう点は、大人になった今でこそ、注目してしまうのでした。
雨に濡れてクシャミを飛ばすネガに、ポジが瓶の蓋を傘代りに差し掛けるシーンも微笑ましい。
『LOVEさりげなく』を歌い切り、残す所は後1曲。
濡れたステージ服を厭いもせず、マミは溌剌とファンに問い掛ける。
マミ「雨が酷くなって来たけど…もう1曲、歌っても良いかな~!!?」
勿論、誰も否とは言わず。
沸き起こる歓声に後押しされ、マミは可憐な唇にマイクを近付ける。
マミ「じゃあ、最後の曲…!!」
――そこへネガが、強張った声でマミに知らせた。
ネガ「来る…!!」
驚いてマミが空を見上げる。
瞬間、吹荒れた突風で、上空高く舞上る観衆の傘。
優の父が抱える袋からは、たこ焼が飛び出す。
騒然とするステージ。
明らかに尋常じゃない事態に、番組ディレクターが絶叫する。
星井「どうした!!?何が有った!!?教えろ…!!!」
応答を呼掛けるも、電波が乱れて交信出来ない。
頭を抱える彼の前で、カメラははっきりと不審な影を捉えていた。
――しかし誰もそれに気が付かない。
ステージ上のマミの体が、突風を受けて浮上がる。
そのまま飛ばされそうになるのを、組まれたセットに掴り、必死に耐えるマミ。
マミ「待って!!ピノピノ…!!お願い…!!後…後1曲だけ…!!」
ポジ「お願いよピノピノーー!!!」
ネガ「まだだ…!まだ終っちゃいねぇーー!!!」
マイクで呼掛けるも、ピノピノは聞こうとしない。
隣で一緒に吠えていたポジ&ネガの姿が、霧の様に掻き消えてしまった。
雨雲の裂け目から、巨大な方舟が姿を現す。
かつての自分には、見る事が出来なかった存在。
しかし今の俊夫の目には、はっきり見えていた。
――忘れていた記憶が蘇る。
あの日…自分は優が変身するのを見てしまった…
その記憶を失くす事を条件に、優に再び魔法を与えるよう、ピノピノに約束したのだ…
ソウ…マミハ……優ダッタンダ……!!
俊夫「優ーーーーーーーーー…!!!!!」
ステージの上に居る彼女を、大声で呼ぶ俊夫。
それと同時に、マミの姿は煙の如く消えてしまった…。
…いや~~~、クライマックスですね。(笑)
てゆーかファンタジーじゃなくってSFですね。
ずばりUFOにしか思えん演出だって。(笑)
ど派手な演出、方舟と呼ぶには、あまりに巨大な影。
さながら宇宙戦艦ヤ○トが降りて来たのかと…雨中なだけに。(←殴)
此処の展開は、何度観ても飽きない。
実に面白いのです。
マミが小さな女の子だけでなく、男性にも人気が有った理由が解る気がしますよ。
ネガの「まだ終っちゃいねぇーー!!!」という台詞が格好良い。
フェザースターの方舟の中に取り込まれ、ピノピノと再会するマミ(優)。
ピノ「やあ!!…約束だからね!!力を返して貰うよ!」
マミ「もう1曲だけ!!もう1曲歌い切るまで待って!!」
ピノ「駄目だ!彼が思い出してしまった!」
俊夫が思い出した事を知らされ、マミ(優)の胸に衝撃が走る。
それでも後1曲だけ歌わせて欲しい…でなきゃ『森沢優』には戻れませんと懇願するも、ピノピノは取り付く島もない。
約束だからと譲らぬピノピノに、ネガは怒りを爆発させる。
ピノ「もう帰る時間だ!」
ネガ「帰る時間じゃなくて待ってやれって言ってんだよ!!分らず屋!!どうしても帰るってんなら、俺は地球に残るからな!!」
ポジ「ネガ…!」
…情に理解を示さないピノピノが、如何にも異界の存在らしくて好きでした。
それだけに第27話で、マミが消えた後のパルテノンプロを気に懸けるのが、今一納得し辛いのですが…。(汗)
その頃下界では、マミが姿を消した事に抗議して、ファンが一斉に「マミちゃん返せ」コールを飛ばしていた。
声は方舟の中まで届く。
「言う事聞かなきゃ握り潰すぞ」と脅迫する目的で、ピノピノを掴まえようとするマミ。(←笑)
しかしピノピノは気配を読み、姿を消してしまう。
焦って探すマミの耳に、ピノピノの声が聞える。
ピノ「僕も……君の歌を聴いてみようか。」
マミ「え?――うん!!」
マミの顔が、喜びに綻んだ。
上空からステージ目指して雷が落ちる。
衝撃で崩れるセット。
どよめくファンの前…マミは再び姿を現した。
大喜びで彼女を迎えるファン。
最後の曲名を挙げるマミ。
勿論それは――彼女のデビュー曲、『デリケートに好きして』。
――キュウーーーーーーー……ン!!
……パァ~~~~~~~♪
――ッジャーーン♪――ッジャーーン♪
ペェ~レレレレレレレェレレェ~レレッレレレレェ~~~~♪
――ジャーーン♪ ――ズン♪
お~とっこっのっこと違ぁう♪ 女の子って♪
好ぅ~きっとっきぃらいだけっで♪ 普通が無いのっ♪
でぇ~も・好ぅきぃ~にぃ~なったら♪
い・く・つ・かの♪ 魔ぁ~法~ぉを見っせぇるわ♪ 本当~ぉよ♪
俊夫「…優だ…優なんだ…!!」
歌う彼女を見詰め、記憶の戻った俊夫が呟く。
ふと天上から、眩い光が降り注いでるのに気が付いた。
ステージを包む、金色の光。
雨はその光に遮られてか、何時の間にか止んでいる。
光はピノピノからの特別な配慮だった。
ネガ「ケッ!ピノピノも味な真似するじゃねぇか!」
皮肉っぽく言うネガの隣で、ポジが瞳を潤ませる。
ネガ「ん?どうしたポジ?」
ポジ「だって…!この曲が終ったら、私達、優とお別れよぉ…!」
ネガ「ポジ~!!泣く奴が在るか!!…お別れだって事はなぁ~!!俺達がフェザースターに帰れるっていう目出度い事なんだぞ!!なのに何で泣くんだよ!?笑えよ馬鹿!!笑えよ馬鹿!!笑えーー!!!」
ポジ「…あんただって泣いてるじゃない。」
ネガ「俺は笑ってるんだーー!!!」
号泣する仔猫達を掌に掬い、濡れた頬を摺り寄せるマミ。
ネガが優しく彼女の涙を払う。
ネガ「ほら、どうした?後もう少しだぞ!」
マミ「……うん!」
2匹を掌に載せたまま、彼女はファンに別れの言葉を告げる。
マミ「1年間応援してくれた、ファンの皆さん!!
一緒に仕事をしてくれた、スタッフの皆さん!!
私は…マミは、最後まで我侭でした…!!
もう、お別れの時間です…!
本当に…本当に、今日まで有難う御座いましたぁ!!!
…今は『有難う』以外の言葉は、出て来そうに有りません…!」
…いやぁ、これは演じてた太田氏、本当に泣きながら言ってたんだろうなと。
そう思える程感極まって聴こえましたよ。
放映開始当初は、正直止めてくれないかと思いもしたけど…後半は棒読みから完全脱却してました。
今じゃあの声はインパクト有って覚え易かったなと思えたり。(笑)
作画の話…観衆の中、今迄登場したキャラが勢揃いしてて、細かいなぁと感心した。
それとね…異常事態に出くわし右往左往する観衆の中で、守少年だけは天を睨んでるんですよ。
彼には方舟が見えてるんですね…これも細かい演出だなと感心しました。
余談ですが、最終回で彼の台詞は一言も無いんですよ。
恐らく急遽代役に就いた方の声に違和感持った脚本担当の伊藤氏が、削ったんではないかとね。
…といった所で無駄話中断、こっからラストまで一気に。
――ジャジャン♪――ジャジャン♪
――キュウーーーーー…ン!!
――ズン・ズン・ズン…♪
そ~~・お~~・よ♪ 女のっ子の♪ ハーー・ト~~・は♪
星ぞぉらに♪ つ・きの♪ 小ぉぶぅねぇ浮~かべ♪
ゆぅ~~めぇ~~を♪ 探すこっとも♪ 出ぇ~~・来ぃ~~・るぅ…♪
デリケートに好きしてぇ~♪ デ~リ~ケ~ェトに♪
好ぅきしてぇ♪ 好ぅきしてぇ♪ 好ぅきしてぇ♪
マミ「…ピノピノ…もういいわ…有難う…!」
歌い終ったマミが、方舟に向って、そっと呟く。
その途端、方舟から放たれる、金色の光の輪。
それは次第に狭まりながら、彼女の体を包もうと降りて来る。
――マミを…優を連れて行こうとしてるんだ!
察知した俊夫が、そうはさせじとマミ(優)の元へ急ぎ駆ける。
しかし1歩間に合わず、光の輪に包まれたマミは消失してしまう。
俊夫「優ーーーーーーーーー…!!!!!」
声を張上げ、彼女の名を呼ぶ俊夫。
彼の叫びに応える様に雷鳴が轟き、再び降り注ぐ雨。
しかし優も…マミも…何処にも姿を見付ける事は出来なかった。
めぐみ「…マミは…?」
立花 「彼女は帰ったんだ…ミステリーのカーテンを潜り抜け、伝説の世界へと…!」
呆然として呟く立花の腕に、めぐみが腕を絡ませる。
それを見詰る木所マネージャー。
予想もしない幕切れに、観衆は皆息を呑み、空を見上げるばかりだった。
優 「楽しかった…でも。」
ピノ「でも?」
方舟の中では、優がポジ&ネガと別れを惜しんでいた。
ピノピノが優の手からコンパクトを抜き取る。(←此処の表現が面白い)
差し出した優の指に、ポジが、ネガが、無言で握手を交わしてく。
優 「ねえ、フェザースターって何処に有るの?また遊びに行きたいなぁ!」
ピノ「何処にも無い!…という事は、何処にでも有るって事さ!ほら、以前水溜りが入口になったみたいにね!」
優 「じゃあ、また会える!?」
ピノ「それは…君次第さ!!」
最終回に相応しくピノピノが名言を口にしてる頃――俊夫は下界から上空に浮ぶ方舟を見詰ていた。
方舟が点滅を繰返しつつ、雲間に姿を隠そうとする。
消えて行く方舟…優は…優は、何処へ…?
不安に胸を掻き乱される彼の背後から、聞き慣れた声が響いた。
優 「俊夫!!」
俊夫「…優!!」
笑って俊夫の元へ駆けて来る優。
それを見た俊夫の顔に、安堵の笑みが広がる。
俊夫「優がクリィミー…!」
言いかける俊夫の唇を指で塞ぐと、優は甘える様に言った。
優 「優は『優』だモンv」
抱合い、空を行く方舟を見詰る2人。
優 「見える?」
俊夫「ああ…!」
優 「…ポジも、ネガも、帰っちゃった!」
俊夫「でも…優が居るさ!」
風で転がって来た1本の傘を、優が拾上げる。
相合傘で仲良く家に帰る2人。
空には祝福するかの如く、飛ばされた沢山の傘の花が咲いていた。
――といった所でお終い…なのですが、マミ最終回には更に特別EDと言う名のおまけが付く。
『LOVEさりげなく』ではなく、最初のED『パジャマのままで』に乗って流れる、それぞれの後日談。
ポジ&ネガにそっくりな野良猫を見付けて来る優。
めぐみのマネージャーに戻された木所さん。
…実は彼、以前はめぐみさんのマネージャーだったのですよ。
しかし2話でポカをした事から彼女の逆鱗に触れ、止めさせられた事情が有ったのです。
待望の赤ちゃんが誕生、早速森沢家を訪れるスネークジョー夫妻。
可愛いガールフレンドと、水族館のイルカショーを観るみどり。
北海道に帰る守を見送る優・俊夫・みどり。
婚約記者会見をする立花&めぐみ。
その席上でめぐみのビンタが立花に炸裂。
そして数年後――庭で遊ぶ2人の子供を、優しく見守る優と俊夫。
天使じゃないのよ♪
貴方のイメージで♪
見ないで欲しい私は♪
普通の女の子♪
貴方の♪ 胸の中で夢から覚めて♪
寝顔に♪ 悪戯したい♪
パジャマのままで♪ 貴方と♪
モーニングコーヒー♪ 飲みたい♪
パジャマのままで♪ 貴方と♪
おはようキッスを♪ してみたい♪
…キャラそれぞれに、それぞれの人生が有る。
マミの最終回は、こんな風に非常に理想的なものでした。
この後日談の1部は、TV放映終了後発売されたビデオ版2本で、詳しく語られました。
本当はそれにも触れたいけど…残念ながら時間も字数も限界間近につき、何時かの機会に廻させて戴きますです。(汗)
まぁ兎に角一言、「面白いから観てくれ!」と言いたいですね。(笑)
左の猫だか狸だかの生物がポジ(♀)、右の猫だか狸だかの生物がネガ(♂)です。
正体は猫でも狸でもなく、妖精らしいですが。
どうも、びょりです。
恥かしながら、帰って参りました。
そんな訳で、忘れた頃に前回の続きです。
★第52話(最終回) ファイナルステージ 脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
今迄出会った人達の力で、マミのデビュー1周年コンサートは、6/29国内で行う事になった。
場所は、優が初めてピノピノと出会い、魔法を授けられた、あの『セントラル競馬場』。
優は走り出す――『マミ』として最後に歌う、ファイナルコンサートに向けて。
…スタート地点に戻っての〆が心憎い。(当初から予定してた訳じゃなかったろうが)
個人的にマミ最終回は、今迄放送されたTVアニメ最終回の中でも、ベスト10にノミネートすると思ってる。
それで今回はネタバレ御免な覚悟で、自分が記憶してる限り再現してみようかと。
…ネタバレしても最終回のあの興奮は、実際に観て貰わんと解らないですよ。(笑)
6/29、マミのコンサートは、生憎の雨模様だった。
しかし鬱陶しい天気にも躊躇せず、大勢のファンが会場に詰め掛ける。
控え室でマミを待つパルテノンプロの立花若社長、マミのマネージャー木所、ライバル歌手の綾瀬めぐみは、来場者数が10万人を超えたとの発表を聞き、驚愕する。
そこへ漸くマミが到着した。
息を切らし入って来たマミは、今夜ゲストで歌う予定のめぐみに、「(時間が無いので)1人で歌わせて欲しい」と頼む。
その一言に、一瞬物凄く嫌な顔を見せるめぐみ。
しかしマミの気持ちを読んだ彼女は、「ファンをがっかりさせないで」と言い、身を引く事を了承するのだった。
…此処はめぐみさんの見せ場ですね。
スタッフから最も愛されていためぐみさん。(笑)
マミの気持ちが読めず、「衣装替えの間はどうするんだ!?」と詰寄る立花に、「本当のスターは我侭なもの。その我侭に一々振り回されてるようじゃ…貴方も一流とは言えないわよ」と言ってのけるのが格好良いのです。
一方、会場に詰め掛けた客の中には、優の両親が居た。(実は会場でクレープを出張販売していた)
顔を見付け、側に寄って来るスネークジョーと、妻の久美子さん。
ジョー 「おお!!居た居た!!」
優の父「あれ!?あんた!!」
ジョー 「これ、俺が焼いたんだ。食ってくんねぇか?」
差し出された紙袋の中には、美味しそうな湯気を立てる、お好み焼&たこ焼。
ジョーの隣で微笑む女を見て、優の父は相好を崩す。
優の父「へぇ~!すっかりお好み焼きの店主って訳だ!」
ジョー 「まぁな!」
…第40話以来の出会いな訳ですが、かつて商売敵だったのに、すっかり打解けてるシーンが、何気に心に残ってます。
当初ただの悪役ゲストキャラだったスネークジョー。
しかし彼もスタッフに愛され、後の人生まで話の中で追われる事に。
主役だけじゃない。
それぞれのキャラが、それぞれの人生を健気に生きている。
自分がマミを好きだった最大の理由は、この主張を貫いていたからです。
堅気になった彼だが…しかし昔の習慣が忘れられず、優の父親にヒソヒソ声で尋ねる辺り楽しい。
ジョー 「…けどよ……本当の所…(マミは)あんたの娘なんだろ?」
優の父「しつこいですねぇ、あんたも…。違いますよ!」
そうこう言ってる内に、上る雨。
「競馬場」という舞台に合せ、高らかに鳴り響くファンファーレ。
夜の闇に輝く、『Creamy Mami』のイルミネーション。
ヘリコプターのサーチライトに照らされ、白いタキシードで決めたマミが、白馬に跨り颯爽と登場した。
ファンが一斉に「マミちゃん」コールを飛ばす。
歓声に迎えられ、白馬で1周りした後、ステージへ飛上るマミ。
魔法で出したマイクを手に、歌うのは『BIN・KANルージュ』。
トマトの♪ 夕陽♪ 踵ォに浴びなァがら♪
金色♪ タクシー♪ 雲間ァへ飛んでェくの♪
デジタルゥ♪ 時計の波ィ♪ サーフィンして♪
ビル越え♪ 貴方ァの♪ アドォレスへフラ~イ・ハイ♪
私♪ 行ゥくのォ♪
じっつゥは♪ テ~レフォ~ンが♪ ふっつっか来ォない~のよ♪
つっねェる資ィ格ゥなら♪ 有っるゥでしょっ♪
BI・N・KA・N・ルージュ♪ ジェラッシー振ゥりィ掛けって♪
君に今♪ キッスあ・げ・る♪
U・N・ME・Iルージュ♪ そォっぽォ向・い・ててェも♪
2っ千年♪ 愛せェるゥ…わ~~~♪
マミの歌に合せ、頭を揺らして、リズムを取るファン達。
しかし唯一…俊夫だけは乗れない。
彼の胸に渦巻く疑問。
優=マミなのか…?
みどり「今日は大人しく観てるんだね?」
俊夫 「…ああ。」
普段と違う俊夫の様子を、隣に居る友人がいぶかしむ。
気もそぞろに返事をする俊夫。
優とマミ…彼の目には2人の姿が重なって仕方ない。
そんな訳無いじゃないかと頭を激しく振るも、1度沸いた疑問は離れてくれず。
思い余った彼は走って行き、会場係に優を呼び出してくれるよう頼む。
だが、どうせ呼び出しをかけても、誰にも聞えやしないだろうと断られてしまうのだった。
消された記憶が戻りかけ、苦悶する俊夫を他所に、魔法で衣装を替えながら、ヒットナンバーを重ねるマミ(優)。
ステージ上には、そんな彼女を見守るポジとネガの姿が在った。
ポジ「…このステージが終ったら、私達、優とお別れなのね。」
ネガ「…ピノピノ来るなよ…最後まで歌わせてやりてぇじゃねぇか。なぁ、ピノピノ遅らすって事出来ねぇのかな?」
ポジ「無理よぉ。」
ネガ「こら~!!ピノピノ!!!聞えてるなら少しくらい遠慮しろ!!来るな!!来るな~!!!」
…この場面のネガが非常に微笑ましい。(笑)
皮肉屋の彼が、優(マミ)に「最後まで歌わせてやりたい」と願う。
かつて人間嫌いで、何かっつうと故郷の星に帰りたがってた彼がねぇ…と。
しかし彼の思いとは裏腹、無情にも速度を上げて近付く方舟。
本来の期限は6/30迄だったんですが、俊夫が思い出しかけてるもんで早まったんですね~。
近付くタイムリミットに、否応にも高まってく緊張感。
まったくもって素晴しい展開だと、唸らせられるばかり。
ちなみに最終回が放送された日は、現実の暦でも6/30でした。
リアリティに拘る『マミ』らしい演出と言えましょう。
さて前半は「再び激しくなる雨にステージの照明がショートして、『中止か!?』と立花社長&星井ディレクター(←お遊びキャラの予定だった彼も、最後まで活躍し通しでした)が蒼褪める」所でお終い。
こっからは後半で御座います。
『美衝撃(ビューティフル・ショック)』、『囁いてジュテーム―Je t'aime―』、『パジャマのままで』、『LOVEさりげなく』…どんどん大降りになってく雨にも負けず、「こんなに歌持ってたっけ?」というファンからのツッコミにもメゲず、歌い続けるマミ(優)。
マミとして最後のコンサート…悔い無く終らせたい…!
しかし彼女の思いは、立花や星井ディレクターには解る訳が無く。
酷くなる一方の雨足に、『LOVEさりげなく』を歌い終えたら、コンサートを中止しようと相談する2人。
するとそこへ襲い来るラスト・ビンタ!!
めぐみ「慎吾ォォ~~!!!!」
――バッシィィィ~~ン…!!!!
お約束とばかりな愛のツッコミに、こちらもお約束とばかりに地に沈む立花社長。(言葉通りの面目丸潰れ)
めぐみ「貴方達、何を見てるのよ!!?」
慎吾 「……何って…雨が…。」(←虫の息で)
めぐみ「馬鹿ァ…!!…良く見なさい!!誰も帰ろうとしてないじゃないの!!!」
木所 「そうですよ!!中止する理由は何も無いですよ!!」
めぐみや木所の言う通りだった。
誰も彼も雨の事なぞ気にも懸けず、マミの歌に聞惚れている。
それ程までに、マミの存在は大きなものであった。
…雨中のコンサートって演出も巧いですな。
雨が降っても誰1人として帰らない。
正しく大スターだという事が、観ていて伝わって来る。
んで細かい注目点ですが、優の父とジョーが、それぞれ自分の奥さんに優しく傘を差し掛けるシーン…微笑ましいですな。
こういう点は、大人になった今でこそ、注目してしまうのでした。
雨に濡れてクシャミを飛ばすネガに、ポジが瓶の蓋を傘代りに差し掛けるシーンも微笑ましい。
『LOVEさりげなく』を歌い切り、残す所は後1曲。
濡れたステージ服を厭いもせず、マミは溌剌とファンに問い掛ける。
マミ「雨が酷くなって来たけど…もう1曲、歌っても良いかな~!!?」
勿論、誰も否とは言わず。
沸き起こる歓声に後押しされ、マミは可憐な唇にマイクを近付ける。
マミ「じゃあ、最後の曲…!!」
――そこへネガが、強張った声でマミに知らせた。
ネガ「来る…!!」
驚いてマミが空を見上げる。
瞬間、吹荒れた突風で、上空高く舞上る観衆の傘。
優の父が抱える袋からは、たこ焼が飛び出す。
騒然とするステージ。
明らかに尋常じゃない事態に、番組ディレクターが絶叫する。
星井「どうした!!?何が有った!!?教えろ…!!!」
応答を呼掛けるも、電波が乱れて交信出来ない。
頭を抱える彼の前で、カメラははっきりと不審な影を捉えていた。
――しかし誰もそれに気が付かない。
ステージ上のマミの体が、突風を受けて浮上がる。
そのまま飛ばされそうになるのを、組まれたセットに掴り、必死に耐えるマミ。
マミ「待って!!ピノピノ…!!お願い…!!後…後1曲だけ…!!」
ポジ「お願いよピノピノーー!!!」
ネガ「まだだ…!まだ終っちゃいねぇーー!!!」
マイクで呼掛けるも、ピノピノは聞こうとしない。
隣で一緒に吠えていたポジ&ネガの姿が、霧の様に掻き消えてしまった。
雨雲の裂け目から、巨大な方舟が姿を現す。
かつての自分には、見る事が出来なかった存在。
しかし今の俊夫の目には、はっきり見えていた。
――忘れていた記憶が蘇る。
あの日…自分は優が変身するのを見てしまった…
その記憶を失くす事を条件に、優に再び魔法を与えるよう、ピノピノに約束したのだ…
ソウ…マミハ……優ダッタンダ……!!
俊夫「優ーーーーーーーーー…!!!!!」
ステージの上に居る彼女を、大声で呼ぶ俊夫。
それと同時に、マミの姿は煙の如く消えてしまった…。
…いや~~~、クライマックスですね。(笑)
てゆーかファンタジーじゃなくってSFですね。
ずばりUFOにしか思えん演出だって。(笑)
ど派手な演出、方舟と呼ぶには、あまりに巨大な影。
さながら宇宙戦艦ヤ○トが降りて来たのかと…雨中なだけに。(←殴)
此処の展開は、何度観ても飽きない。
実に面白いのです。
マミが小さな女の子だけでなく、男性にも人気が有った理由が解る気がしますよ。
ネガの「まだ終っちゃいねぇーー!!!」という台詞が格好良い。
フェザースターの方舟の中に取り込まれ、ピノピノと再会するマミ(優)。
ピノ「やあ!!…約束だからね!!力を返して貰うよ!」
マミ「もう1曲だけ!!もう1曲歌い切るまで待って!!」
ピノ「駄目だ!彼が思い出してしまった!」
俊夫が思い出した事を知らされ、マミ(優)の胸に衝撃が走る。
それでも後1曲だけ歌わせて欲しい…でなきゃ『森沢優』には戻れませんと懇願するも、ピノピノは取り付く島もない。
約束だからと譲らぬピノピノに、ネガは怒りを爆発させる。
ピノ「もう帰る時間だ!」
ネガ「帰る時間じゃなくて待ってやれって言ってんだよ!!分らず屋!!どうしても帰るってんなら、俺は地球に残るからな!!」
ポジ「ネガ…!」
…情に理解を示さないピノピノが、如何にも異界の存在らしくて好きでした。
それだけに第27話で、マミが消えた後のパルテノンプロを気に懸けるのが、今一納得し辛いのですが…。(汗)
その頃下界では、マミが姿を消した事に抗議して、ファンが一斉に「マミちゃん返せ」コールを飛ばしていた。
声は方舟の中まで届く。
「言う事聞かなきゃ握り潰すぞ」と脅迫する目的で、ピノピノを掴まえようとするマミ。(←笑)
しかしピノピノは気配を読み、姿を消してしまう。
焦って探すマミの耳に、ピノピノの声が聞える。
ピノ「僕も……君の歌を聴いてみようか。」
マミ「え?――うん!!」
マミの顔が、喜びに綻んだ。
上空からステージ目指して雷が落ちる。
衝撃で崩れるセット。
どよめくファンの前…マミは再び姿を現した。
大喜びで彼女を迎えるファン。
最後の曲名を挙げるマミ。
勿論それは――彼女のデビュー曲、『デリケートに好きして』。
――キュウーーーーーーー……ン!!
……パァ~~~~~~~♪
――ッジャーーン♪――ッジャーーン♪
ペェ~レレレレレレレェレレェ~レレッレレレレェ~~~~♪
――ジャーーン♪ ――ズン♪
お~とっこっのっこと違ぁう♪ 女の子って♪
好ぅ~きっとっきぃらいだけっで♪ 普通が無いのっ♪
でぇ~も・好ぅきぃ~にぃ~なったら♪
い・く・つ・かの♪ 魔ぁ~法~ぉを見っせぇるわ♪ 本当~ぉよ♪
俊夫「…優だ…優なんだ…!!」
歌う彼女を見詰め、記憶の戻った俊夫が呟く。
ふと天上から、眩い光が降り注いでるのに気が付いた。
ステージを包む、金色の光。
雨はその光に遮られてか、何時の間にか止んでいる。
光はピノピノからの特別な配慮だった。
ネガ「ケッ!ピノピノも味な真似するじゃねぇか!」
皮肉っぽく言うネガの隣で、ポジが瞳を潤ませる。
ネガ「ん?どうしたポジ?」
ポジ「だって…!この曲が終ったら、私達、優とお別れよぉ…!」
ネガ「ポジ~!!泣く奴が在るか!!…お別れだって事はなぁ~!!俺達がフェザースターに帰れるっていう目出度い事なんだぞ!!なのに何で泣くんだよ!?笑えよ馬鹿!!笑えよ馬鹿!!笑えーー!!!」
ポジ「…あんただって泣いてるじゃない。」
ネガ「俺は笑ってるんだーー!!!」
号泣する仔猫達を掌に掬い、濡れた頬を摺り寄せるマミ。
ネガが優しく彼女の涙を払う。
ネガ「ほら、どうした?後もう少しだぞ!」
マミ「……うん!」
2匹を掌に載せたまま、彼女はファンに別れの言葉を告げる。
マミ「1年間応援してくれた、ファンの皆さん!!
一緒に仕事をしてくれた、スタッフの皆さん!!
私は…マミは、最後まで我侭でした…!!
もう、お別れの時間です…!
本当に…本当に、今日まで有難う御座いましたぁ!!!
…今は『有難う』以外の言葉は、出て来そうに有りません…!」
…いやぁ、これは演じてた太田氏、本当に泣きながら言ってたんだろうなと。
そう思える程感極まって聴こえましたよ。
放映開始当初は、正直止めてくれないかと思いもしたけど…後半は棒読みから完全脱却してました。
今じゃあの声はインパクト有って覚え易かったなと思えたり。(笑)
作画の話…観衆の中、今迄登場したキャラが勢揃いしてて、細かいなぁと感心した。
それとね…異常事態に出くわし右往左往する観衆の中で、守少年だけは天を睨んでるんですよ。
彼には方舟が見えてるんですね…これも細かい演出だなと感心しました。
余談ですが、最終回で彼の台詞は一言も無いんですよ。
恐らく急遽代役に就いた方の声に違和感持った脚本担当の伊藤氏が、削ったんではないかとね。
…といった所で無駄話中断、こっからラストまで一気に。
――ジャジャン♪――ジャジャン♪
――キュウーーーーー…ン!!
――ズン・ズン・ズン…♪
そ~~・お~~・よ♪ 女のっ子の♪ ハーー・ト~~・は♪
星ぞぉらに♪ つ・きの♪ 小ぉぶぅねぇ浮~かべ♪
ゆぅ~~めぇ~~を♪ 探すこっとも♪ 出ぇ~~・来ぃ~~・るぅ…♪
デリケートに好きしてぇ~♪ デ~リ~ケ~ェトに♪
好ぅきしてぇ♪ 好ぅきしてぇ♪ 好ぅきしてぇ♪
マミ「…ピノピノ…もういいわ…有難う…!」
歌い終ったマミが、方舟に向って、そっと呟く。
その途端、方舟から放たれる、金色の光の輪。
それは次第に狭まりながら、彼女の体を包もうと降りて来る。
――マミを…優を連れて行こうとしてるんだ!
察知した俊夫が、そうはさせじとマミ(優)の元へ急ぎ駆ける。
しかし1歩間に合わず、光の輪に包まれたマミは消失してしまう。
俊夫「優ーーーーーーーーー…!!!!!」
声を張上げ、彼女の名を呼ぶ俊夫。
彼の叫びに応える様に雷鳴が轟き、再び降り注ぐ雨。
しかし優も…マミも…何処にも姿を見付ける事は出来なかった。
めぐみ「…マミは…?」
立花 「彼女は帰ったんだ…ミステリーのカーテンを潜り抜け、伝説の世界へと…!」
呆然として呟く立花の腕に、めぐみが腕を絡ませる。
それを見詰る木所マネージャー。
予想もしない幕切れに、観衆は皆息を呑み、空を見上げるばかりだった。
優 「楽しかった…でも。」
ピノ「でも?」
方舟の中では、優がポジ&ネガと別れを惜しんでいた。
ピノピノが優の手からコンパクトを抜き取る。(←此処の表現が面白い)
差し出した優の指に、ポジが、ネガが、無言で握手を交わしてく。
優 「ねえ、フェザースターって何処に有るの?また遊びに行きたいなぁ!」
ピノ「何処にも無い!…という事は、何処にでも有るって事さ!ほら、以前水溜りが入口になったみたいにね!」
優 「じゃあ、また会える!?」
ピノ「それは…君次第さ!!」
最終回に相応しくピノピノが名言を口にしてる頃――俊夫は下界から上空に浮ぶ方舟を見詰ていた。
方舟が点滅を繰返しつつ、雲間に姿を隠そうとする。
消えて行く方舟…優は…優は、何処へ…?
不安に胸を掻き乱される彼の背後から、聞き慣れた声が響いた。
優 「俊夫!!」
俊夫「…優!!」
笑って俊夫の元へ駆けて来る優。
それを見た俊夫の顔に、安堵の笑みが広がる。
俊夫「優がクリィミー…!」
言いかける俊夫の唇を指で塞ぐと、優は甘える様に言った。
優 「優は『優』だモンv」
抱合い、空を行く方舟を見詰る2人。
優 「見える?」
俊夫「ああ…!」
優 「…ポジも、ネガも、帰っちゃった!」
俊夫「でも…優が居るさ!」
風で転がって来た1本の傘を、優が拾上げる。
相合傘で仲良く家に帰る2人。
空には祝福するかの如く、飛ばされた沢山の傘の花が咲いていた。
――といった所でお終い…なのですが、マミ最終回には更に特別EDと言う名のおまけが付く。
『LOVEさりげなく』ではなく、最初のED『パジャマのままで』に乗って流れる、それぞれの後日談。
ポジ&ネガにそっくりな野良猫を見付けて来る優。
めぐみのマネージャーに戻された木所さん。
…実は彼、以前はめぐみさんのマネージャーだったのですよ。
しかし2話でポカをした事から彼女の逆鱗に触れ、止めさせられた事情が有ったのです。
待望の赤ちゃんが誕生、早速森沢家を訪れるスネークジョー夫妻。
可愛いガールフレンドと、水族館のイルカショーを観るみどり。
北海道に帰る守を見送る優・俊夫・みどり。
婚約記者会見をする立花&めぐみ。
その席上でめぐみのビンタが立花に炸裂。
そして数年後――庭で遊ぶ2人の子供を、優しく見守る優と俊夫。
天使じゃないのよ♪
貴方のイメージで♪
見ないで欲しい私は♪
普通の女の子♪
貴方の♪ 胸の中で夢から覚めて♪
寝顔に♪ 悪戯したい♪
パジャマのままで♪ 貴方と♪
モーニングコーヒー♪ 飲みたい♪
パジャマのままで♪ 貴方と♪
おはようキッスを♪ してみたい♪
…キャラそれぞれに、それぞれの人生が有る。
マミの最終回は、こんな風に非常に理想的なものでした。
この後日談の1部は、TV放映終了後発売されたビデオ版2本で、詳しく語られました。
本当はそれにも触れたいけど…残念ながら時間も字数も限界間近につき、何時かの機会に廻させて戴きますです。(汗)
まぁ兎に角一言、「面白いから観てくれ!」と言いたいですね。(笑)