瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

昨日、

2011年11月27日 20時23分27秒 | ただいまおかえり(雑記)
三の酉の市に行ってきた。何だっけ?
三の酉まで有る年は火災が多いとか…って既に年終わりに近づいとりますがな。
それに今年はむしろ、大水に見舞われた。
今年を象徴する漢字、「水」とか「波」とか「没」とか、サンズイの付くものが選ばれるかも。
来年は天災の来ない、平和な年になると良いね。
さしあたっては大地震が来ない事を願う。
まだ今年も一月位残ってるか。

済みません…うる星やつらの感想上げるっつって、無理そう。
アジアシリーズに夢中になっててさぼってしまった。(汗)
ホークス、無事決勝戦へ上がれました!
ここまで来たら、優勝か否かを見届けてから、色々取り掛かろう。
…読めてた?はい、本当に済みませぬ。(汗)
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あにめぞん感想、ざっくばらん11

2011年11月25日 21時59分10秒 | 漫画&アニメ
明日は三の酉、寒い筈だよ。
うちではコタツを出しました。
気付けば師走も直ぐそこだもんな~。
時候の挨拶はここまでにして、前回の続きです。
ちなみにうる星感想記の方は、土日を利用して書く予定。

・第11回「賢太郎の初恋!愛があれば年の差なんて」 脚本:島田満 コンテ:やまざきかずお 演出:鈴木行 作画監督:土器手司

…またもや長ったらしい前置き、と思ったけど、真夏のだるい空気を上手く醸してた。
前回に引き続き郁子ちゃん&賢太郎君大活躍。
タイトルが表してる通り、賢太郎君の(郁子ちゃんへの)初恋物語が話の焦点。
がしかし原作ではあくまで主軸は響子さんと五代君の恋の話で、賢太郎君の郁子ちゃんへの恋心に五代が己の恋心を重ねるというものだった。
なのにアニメでは賢太郎の恋心がむしろ主軸になってて、五代の恋心は脇に追い遣られてしまってる印象。
元の話の主旨をすり替えてしまってるのは如何なものかと。
幼い恋物語として観るなら可愛いし楽しめるけど、それだと後半の五代と響子のラブシーンが唐突で浮いて思えるんだわ。
原作では一の瀬さんも買い物に付いて来る。
響子さんの「誰かの為に料理をするのは久し振り」という台詞を聞いて、「成る程ね…今日の料理は美味しいだろう」と一の瀬さんが頷く。
アニメでは同じ台詞を五代が聞いて喜んでるけど…喜んでいいものか?おかしくね??「誰かの為に――久し振り」だぜ???
あと、響子さんのじぇらし~も、さり気無く次回に続くもので、削るのはまずかったんでないかと。
ぶっちゃけ今回は「めぞん」の二次創作と自分は解釈した。

今回の脚本を担当した島田満女史は、懐かしの名作アニメ劇場のメイン脚本家。
良い子ちゃんを書くのが得意で、毒や皮肉を表現するのは苦手っぽい。
女史にとっては少年少女の恋物語の方が書き易かったんだろうと推察できる。
原作では、賢太郎の郁子ちゃんへの思いは憧れのまま終っている。
アニメでもこの回以降、交差する事無く最終回へ向うんだけど、映画めぞんを観るかぎり、島田女史の中で、賢太郎君&郁子ちゃんの物語が、原作を離れて続いてるようだった。(笑)

絵は今回も非常に可愛い。
動きは前回以上に素晴しい。
前回と今回の原画陣を比べると納得。
まぁ何時もの如く、ギャグアニメタッチの動きは気になったけど…今回土器手さんという事で、賢太郎なんかあたるそっくりだった。(笑)
そしてドックンドックンという妙な効果音(笑)、あれは止めてよ、折角のラブシーンが台無しじゃん。(笑)

(個人的評価) 脚本△ 演出△ 作画○ …ギャラクシアンとは懐いぜ!


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あにめぞん感想、ざっくばらん10

2011年11月23日 12時28分14秒 | 漫画&アニメ
ホークス完全優勝~~!!!
丁度一周忌にあたってたんで、リアルタイムに記事上げられなくて残念。
今年は開幕が遅れたし、11/25~はアジアシリーズが開催されるしで、年末まで野球が楽しめるのは嬉しいなぁ♪
選手は大変だが。
アジアシリーズ終了後、また改めて今年の野球シーズンを振り返り、記事を上げる積りです。
だって鷹・日本一だしv
いいかげん本題に移ろう…日本シリーズに現をぬかしてる内に、1周遅れの感想になってしまいましたが(汗)、前回の続きです。

・第10回「渚のラブパニック!ライバルは犬嫌い!!」 脚本:柳川茂 コンテ・演出:向後知一 作画監督:中嶋敦子

…この回から観始めた人は、一体どんなアニメか謎に思っただろうなぁ、のっけ五代君&響子さん以外、人外キャラなんだもん。(笑)
今回も大体原作通りに作ってある為、原作を読んで面白いと思った箇所が、アニメでそのまま再現されてるなぁと感じた。
ああでも最初の、響子さんからのお礼を、プロポーズに対する答だと五代君が勘違いする所は、構図やタイミング等もっと工夫して欲しかったなと。
構図不動のまま立ち話してる為、勘違いの面白さが全く伝わって来なかった。
他、郁子ちゃんに話した事を五代に謝る響子さんのトコ等、全体を通してタイミング悪かった様に感じられたです。
オーバーだったキャラのリアクションが、段々と抑えられて来てるのは良い傾向だけど。(しかしまだまだ、まだ不自然にオーバーと言えよう)
ただそれを補って余りある良作画、作監の中嶋敦子さんは、後に「らんま」や「逮捕しちゃうぞ」等で、人気キャラデザイナーに躍り出る方。
今風の瞳が大きい、萌える絵を得意とする女性アニメーターなのです。
アップになると響子さん、とても20代には見えん、キャピキャピ女子高生ですよ、まるで。(笑)

三鷹さんの声が面堂役と同じ声優なんで、イメージが面堂とダブるなぁ~。(女性を前にしての脅威の回復力とか)

(個人的評価) 脚本△ 演出△ 作画○ …原作同様、こずえちゃんがさり気無く初登場してまする。



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達川さん有難う!

2011年11月21日 00時06分08秒 | ただいまおかえり(雑記)
最後に、「中日が優勝する」と、予想を翻してくれて。(笑)

いや、実はあれは、自分の予想が悉く外れるのを見越した上で、ホークスへの思い遣りから、敢えて発言したとか…?

ホークス悲願の完全優勝!
改めてアジアシリーズ後に記事書きます。
ばんざ~~~い!!
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あにめぞん感想、ざっくばらん9

2011年11月13日 16時52分51秒 | 漫画&アニメ
周囲がフラグを盛大に立てたばかりに1つも勝てる気がしません。(汗)
ファンの自分から見て、鷹は物凄く強いチームじゃない、敢えて言うならバランスの良いチームってだけだし。
取敢えず今日も負けたら達川さんに八つ当たり決定。(達川さん御免なさい)
愚痴を垂れ終えたところで前回の続きで御座います。

▲第9回「謎のテニスコーチは恋のライバルです!」 脚本:小西川博 コンテ・演出:吉永尚之 作画監督:音無竜之介(高橋ナオヒト)

…季節は春からひとっ飛びして夏、第1期の頃は原作中の季節に合せてた為、時の移ろいが超早く感じられた。
今回は原作の連続してる2話分を使ってる事でテンポ良く、構成に無駄が無い。
シリーズ第9回にして初めて、タイトルの頭に自分的佳作を表す▲付けましたよ。(笑)
この回の絵コンテ&演出を担当した吉永尚之さんは、あにめぞん第3期~CD(監督)を務められる方。
ディーン期うる星が衰退してく中、唯一気を吐いていた演出家でも在らせられます。
第3者的離れた視点で、淡々とドラマを追い駆けてくのが、吉永演出の特徴。
だからキャラにはあまり入り込めないのだけど、それが「めぞん一刻」という作品のカラーには合ってた気がする。
特に印象的だったのは、終盤、三鷹さんと響子さんが向き合うシーン、外灯が瞬いて点くのが実写ドラマの様だった。
このシーン、BGMを流さなきゃもっと良かったなと。
五代が坂を駆け上って響子さんを見つけるラストシーンに流すだけでも充分。
どちらも寂しげなBGMが流されてたけど、そうするとキャラの心情=寂しいって断定されちゃうじゃないですか。
観る側によって解釈分かれるだろう場面でそれはいくない。
効果音も毎度の事ながら煩かった。(汗)
三鷹さんの白い歯が光る時の「キラーン!」は仕方ない。
が、響子さんが三鷹の上に倒れるシーンで、「ズバーン!!!」は無いだろう、「ズバーン!!!」は。
柔ちゃんが背負い投げで1本取るシーンじゃないんだから。
響子さんが刺激的な格好で五代に荷物渡すシーンも、原作の真っ白なふきだし演出に対抗し、無音演出で攻めて欲しかったな~。

とまぁ結局は今回も文句ばかりになってしまい御免なさい。(汗)
しかし初めて▲を付けた事からも解るように、これ迄観た回の中では最も良く出来てた回だと思いました。
作画監督が音無さん(高橋さん)という事で、絵も頗る可愛く綺麗だったし。
この作監さん描く響子さんはグラマー過ぎず、プロポーションが1番整ってると思うのよ。

(個人的評価) 脚本△ 演出○ 作画○ …いつ行っても一刻館の住人位しか客が居ない、茶々丸の営業は成り立ってるのだろうか…?


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君と一緒に(目次)

2011年11月13日 01時02分41秒 | 君と一緒に(ワンピ長編)
このシリーズは長崎ハウステンボスを舞台に、ワンピースキャラを(勝手に)活躍させての二次同人パラレルストーリーで御座います。
その上でルフィとナミが恋人同士という設定のルナミ編~ゾロとナミが恋人同士という設定のゾロナミ編~サンジとナミが恋人同士というサンナミ編~パウリーとナミが兄妹同士というパウリー&ナミ編と、全4編の構成になる…予定ですが、延びぃ~延びぃ~書いてて、現在ルナミ編が漸く完結、ゾロナミ編迄来た所です。(汗)
また各編は繋がっていつつも独立しており、1つの編を読むだけでも話は通じるかと…通じなかったら御免。(汗)

自分が訪れた際に観た風景、した体験を参考に書いてるとは言え、時が経ってる為に現在はかなり違って来ています。
もしも実際にハウステンボスに行ってみて、何か色々違ってても怒らないでね。(汗)


・打ち上げろ!(ルナミ編)…() () () () () () () () () (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19

・好きにしろ!(ゾロナミ編)…() () (
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君と一緒に(ゾロナミ編―その3―)

2011年11月13日 00時54分13秒 | 君と一緒に(ワンピ長編)





「生意気女」、「男女」と影で罵られていた。
「顔は可愛いのに」と残念がる者も居た。
確か俺より2つ上だったから、今は21になる筈。
無骨な面を外して頭に巻いた手拭いを脱ぐと、意外にも繊細な造りの顔が現れた。
汗が滑る白いうなじ、整った目鼻立ち、記憶を辿れば結構な美少女だったかもしれない。
その気高さ強さ故に他人を遠ざけ、俺以外に友達は居ないようだった。
いや、現在音信不通という事は、俺ですら友達と認められてなかったのかも。
孤独なんぞ屁でもない顔で素振りに励む師範の娘に、俺は入門早々試合を申し込んだ、そしてあっさり負けた。
道場に通うまでは負け知らずのお山の大将だったから、その晩は一睡も出来ず枕に悔し涙をたっぷりと吸わせた。
明くる日には涙も涸れ、懲りずに勝負を挑み、また負けた。
来る日も来る日も負け負け負けの連荘、猛練習しても勝てない俺を、くいなは「弱い男」と嘲った。
ああそうだ、思い出した、あいつの名前――「くいな」って言ったっけな。

2千敗を数える頃、東京へ引っ越す事が決まった俺は、あいつを空地へ呼寄せ、最後の対戦を申し込んだ。
負けっ放しの弱い男のまま別れたくねェ、せめて最後くらい引分けて、好敵手として覚えられたい。
季節は春だったか夏だったか、周りの田圃に水が張ってあって、鏡みてェに満月を映してたから多分夏だ。
あいつが竹刀を振るう度に空気が凛と震え、ゲコゲコ煩い蛙の声が静まった。
闇夜に鋭く光る瞳は俺の動きを一瞬たりと見失わず、追い詰められた果て竹刀が地に打ち捨てられた。

「私の…2千1勝!君の2千1敗ね!」

落ちて転がる竹刀を拾おうと屈んだ俺の喉元、あいつは剣先を突きつけて勝ち誇った。
せめて対等に見られたかったのに、結局無様な負け犬のまま…弱い奴と哂われて、何時か忘れられると思ったら、悔しいよりも悲しくて涙が零れた。
「ちくしょう!ちくしょう!」と鼻水垂らして、みっともなく喚く俺の頭上に、声がポツリと落ちて来た。

「そんなに悔しがる必要無いよ…すぐに私の事なんて追い抜いちゃうんだから」

か細く低い声、見上げたくいなの瞳は勝者らしからぬ悲愴を湛えていて、唇は泣きそうにわなないていた。

「…なんでおまえが悔しそうな顔してんだよ?」

俺より強いくせに、負けた事なんかないくせに。
竹刀を拾って立上り、向き合うと、自分の目線が若干下がる事に気が付いた。
何時の間にか俺の身長はくいなを追い越していた。
逆に見下ろされる形になったくいなの顔が、益々悲しげに歪んだかと思うと涙が零れ落ちた。
訳の解らない苛立ちが喉を突く。

「なんで勝ったおまえが泣くんだよ!?」
「だって、悔しいもん…!!」

目を爛々と輝かせ泣き叫ぶくいなを前に、俺は呆気にとられるしかなかった。
決闘前より高い位置に昇った満月が俺達を煌々と照らす。
涙で濡れたくいなの顔が、月光を受けて白く光ってた。

「…ゾロは良いね。男の子だから、鍛えた分だけ、どんどん強くなれる。
 でも私は女だから、鍛えても強くなれない。
 大人になったら、私はゾロに勝てなくなるんだよ。
 だって成長した後は、女は男より力が劣るから…!!」

そう言うと涙を手の甲で拭った、地面に落ちたくいなの竹刀がカランと音を立てた。

「私もゾロみたいに男の子に産れたかった…!!
 そしたら負けないのに、負けやしないのに…!!
 力に恵まれてるゾロが羨ましいよ…!!」
「卑怯な事ぬかしてんじゃねェ!!!!」

聞いてる内、怒りが猛烈にこみ上げた。
さっきとは逆にあいつの喉元へ、剣先を勢い良く突きつける。
驚いた拍子に泣き止んだくいなが、皿みたく真ん丸な瞳で俺の顔を見詰めた。

「男の俺は力に恵まれてて、女のおまえは力が劣ってるだと!?――誰がんな事決めたんだよ!?
 俺はライバルのおまえに勝ちたくて、毎日猛練習してんだぞ!!
 将来俺がおまえを負かしたなら、それは俺の方がおまえより強くなろうと努力した成果だ!!
 なのにおまえは俺に負けた時、『産れつき力が劣ってたせいだ』っつって言い訳する積りか!?
 剣士が勝負する前から逃げてんじゃねェ!!!!」

一気に捲し立てたら息が切れた。
呆気にとられたままのくいなの顔を見て冷静さが戻る、だが引下っては剣士の恥と開き直って畳み掛けた。

「誓え!!!将来、俺と世界最強の座を懸けて、正々堂々勝負する事を!!!
 その日まで、お互い鍛えるんだ!!!
 鍛錬怠って弱くなってたら許さねェぞ!!!」

竹刀を持ってない方の手を前へ差し出す。
くいなは涙と鼻水をシャツで拭うと、おもむろに顔を上げ、俺の手を強く握り締めた。

「…世界最強の座を懸けてなんて、よく言うよ!
 1度だって私に勝てた事無いくせに。
 でも、その意気を買って、認めたげる!
 あんたは私の生涯のライバル!だから…お互い今よりもっと強くなって、どっちが1番かを決しよう!!」
「おう!!約束だ!!!」

泣きながら笑うくいなの手を握り返して俺も笑った。


――約束、したじゃねェか…。


月光が急に強さを増し、見詰めていた顔を呑み込んだ。
真っ白い光の中ぼんやり浮ぶ輪郭が、次第に成長し別の女の顔に変った。
何時の間にやら夜が明けたらしい、眩しさに堪らず瞬く。
陽の光を背に、茶色い瞳とオレンジ色の髪をした女が、俺の顔をじっと見詰めていた。
老けたなぁ、くいな、と危うく口にしかけて気が付く――ナミだ。




「漸く、お目覚め?」
「ああ…もう朝か?」
「どころか…もう昼よ!!この万年寝ぼすけべ!!!」

――ゴォン!!!と除夜の鐘の音にも似た重たい拳の衝撃で、俺は夢から完全に覚める事が出来た。
欠伸をしながら伸びをして寝床を探る、手の平に湿った土が付着した。
花壇じゃねェか、我ながらよくも熟睡出来たもんだ。
Tシャツに手をゴシゴシ擦り付けてたら、ナミが鞄からウェットティッシュを取り出し拭いてくれた。

「顔にまで付いてるのか?」
「ええ、髪にも服にもべったりよ!水撒いたばかりだったのね」
「いいって!乾いた後叩きゃ落ちるだろ!」
「泥だらけの男を連れて歩く女の気持ちを察しなさいっつの!」

みっともねェから止めろってェのに、ナミはお節介を発揮し、爪先から天辺まで拭ってく。
終いにゃ消毒とばかりに、顔にべったり貼り付けられた。
おかげで剥がされた後も顔がスースー涼しくて、夏かと錯覚する陽の下でも暫く汗を掻かずに済んだ。
ナミがティッシュを捨てに行ってる間、辺りを見回すと、正面には洋風の城が建っている。
驚いたな、いつ外国へ来たんだ?
「…何処だ、ここは?」と放心して呟いたのが耳に届いたらしく、戻って来たナミは軽蔑の眼差しで「長崎よ」と答えた。

「長崎の、ハウステンボス!」
「長崎?って事は外国じゃなく、九州なのか」

目の前に堂々と建ってる城と、続く道は赤煉瓦造り。
成る程、噂に違わぬオランダ村だ、まるで日本に居る気がしねェ。

関東平野から遥々ここまで来た記憶まるでゼロ?苦労知らずで羨ましいわね、こっちは弁当作ったり洗濯する為に午前3時起きよ、なのにあんたは天使の寝顔で殺意マックス、いっそ置き去りにしてやろうと思ったけど、1人分キャンセル料ふんだくられるのは勘弁ならないわ、仕方なく踏んでも殴っても起きずに居るあんたを着替えさせ、引き摺ってJR・モノレール・飛行機・バスと乗り継ぎ辿り着いたってのに、あんたは花壇で寝こけたまま云々と、ナミが甲高い声で恨みつらみ罵りの言葉を並べ立てるのを、右耳から左耳へと適当に受け流す。
まぁ途中で落っことされず無事着けたのは何よりと、目立たぬように欠伸を噛殺した。

一頻り不満を吐き出したナミが静かになったところで、荷物だけ先に泊まるホテルへ送る事にする。
俺達が立ってる左横の小さな建物が、場内ホテルの受付らしかった。
扉を開けて入った中は、小じんまりした外観の割に豪華だった、天井にはシャンデリアが吊下がっている。
上品な物腰の受付係の女に、ナミが旅行鞄を預けてる様子を、俺は背後からボーっと眺めていた。
女が預り証を用意してる間、ナミは気さくに話しかけ、場内情報を仕入れようとする。
俺にはからきし外交の才が無い為、この手の役は自然とナミに任せきりだ。
丁度正反対に愛嬌良しで、如才ない受け答えを得意とするナミは、振り返るとチケット2枚+パンフを、1組俺の方へ寄越した。

「1枚は入場券、もう1枚は対象アトラクション利用券だって。2日間有効だから失くさないでね!」
「おまえが持っててくれよ。俺が持ってると確実に失くしちまいそうだ」

先だってもGパンの尻ポケットにしまった筈の1万円が煙の如く掻き消えた、俺とは正反対に管理能力も図抜けて高いナミは信頼置ける個人バンクでもあった。
まァつまりは生活の全ての面で、俺はナミに頼り切っている。
出会った頃は野良猫に懐かれた程度に考えてたってェのに、今では出会う以前どうやって独りで暮らしてたのか覚えてない。

「ま、確かに私が持ってた方が安全かもね!」

そう言って笑うとナミはパンフだけを手元に残し、チケットをしまったポーチは、肩から提げたエコバッグの中に放り込んだ。

「でもパンフは見るでしょ?入場前に興味の有るイベントとかチェックしといたら?」
「俺の事はいいから、おまえの好きにしろよ。俺はおまえの言われた通り付いてくだけだ」
「張り合いの無い…初めて来た場所だってのに、あんたに好奇心ってもんは無いの?」
「おまえが来たくて連れて来た場所だからな。好きにさせようって最初から決めてんだ」
「何その殊勝な態度。希少過ぎて不気味なんだけど…」
「いーからさっさと入ろうぜ!正午切っちまう」

薄気味悪がるナミを残し、俺はさっさと前方の城に向って歩き出す。
と、ナミが慌てて腕を引っ張り引き止めた。

「ちょっとゾロ、何処行く積り!?入口は後ろの建物の中よ!!」

――は!?後ろ!?

反射的に振り返り、そして改めて城の方へと顔を向けた。
日本には不似合いな、極めて目立つ、メルヘンじみた建物…んじゃあれは何だってんだよ???

「あれは場外ホテル!!ジェイアールとか言うホテルだって、マップに書いてある!後ろの建物が入国棟って言う、パークの入口なの!!」

ナミが指差す後方にも同じく赤煉瓦造りの建物、ナミの言う通りなら真ん中のトンネル潜った先に、パークへと続く入口が有るのだろう。
良く見りゃ風にはためく色彩豊かな旗が刺さってるその下、壁に「入口」との表示書きがされていた。
だが比べると明らかに後方のが地味、紛らわしい事この上ねェ!
入口は初めて来た人にも判り易く、派手目に造っとけよ!!
並木と花壇で城…ホテルへと続く道まで造ってあったら殆どの客が誘導されちまうわ!!
憮然として前後の建物を睨んでる俺を、ナミは馬鹿にするよう笑ってこう言った。

「迷子にならないよう、しっかり付いてくるのね、億年方向オンチさん!」





【続】


…入国棟よりも目立つ場外ホテルの公式サイトは こちら!(※回し者では非ず)
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本日ゾロの誕生日

2011年11月11日 21時47分39秒 | ワンピース
…なんだけど、職場をまだ出られ~ん。(汗)
明日、改めて祝いのメッセージを贈ろう。
御免よ、ゾロ。

改めて、ハッピーバスデーゾロ~♪
写真は秋の風物の形をしたあられ煎餅、和菓子は風情が有るなぁ。

てか明日、あの連載の続きを上げる予定。
既に下書き完成してるから、PCがどうにかならんかぎり、間違いなく上げられると思うよ。(汗)
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あにめぞん感想、ざっくばらん8

2011年11月07日 22時18分41秒 | 漫画&アニメ
ヤバイ…読みが悉く外れる達川さんと某女性ブロガーが鷹日本一に賭けている…。(汗)
垂れ込める暗雲…気を取り直して前回の続きです。


・第8回「五代くんいけない絶叫やる時はやります!」 脚本:武上純希 コンテ:湯山邦彦 演出:鈴木行 作画監督:河南正昭

…噂の「響子さん好きじゃああああ!!!!」な回。
この時まで響子さんにとって、五代君は頼りない弟だったのが、酒の上の不埒(笑)に遭った事で、一気に男へと認識が変る。
→から⇔へのターニングポイント回だというに、よりによってアニメの出来は散々だった。
キラーンとかパァァ…!とかジャッジャジャジャジャ♪(水戸黄門か)とか肝心なシーンに効果音BGMを煩く被せるのは止めてくれ。(汗)
盛上げようってんなら響子さんをアップに、表情の変化を描くべきだったと思う。
この回で重要なのは告白を受けた響子さんの感情の揺れだろう。
なのに告白後の構図はずっとロングのままって、それじゃ心の機微全然伝わって来ない。
ダラダラと長い前置き、千手観音的ギャグアクション、無意味なロングカット、過剰なBGM&効果音等々…今迄の悪い面を、よりによってこの回で結集させてしまったなと。
てゆーか実は動画が間に合わずヤバかったんじゃないだろうか?
五代と坂本が酔いから覚めるシーンは、間の絵が抜けててスライドっぽい動きだし、五代の妄想が紙芝居的なのも、狙った演出じゃなく苦肉の策だったとしたら、スタッフに同情する。
作画監督が河南さんという事で、止め絵は可愛いかったけど、表情&動きは言っちゃ悪いが乏しかった。(オカマ走りする響子さん…)
五代を避ける響子さんの表情は、意識してるというより、まるで嫌ってる風だ。
唯一、布団になだれ込むシーンは、響子さんの動揺が伝わって来て良かった。(笑)

五代を意識する以前の響子さんと意識して以後の響子さん、ビフォー&アフターをしっかり描いてこその回だったと思う。
前半、出掛けの五代とぶつかった響子さんは、動揺させず後半との対比に活かすべきだった。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画△ …モブキャラにラムちゃん、「キャー!男ー!!」等、うる星ネタ富に多かったっすね、今回。


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うる星感想リターンマッチ5

2011年11月06日 15時46分22秒 | 漫画&アニメ
毎度前回の続き…と行きたいとこだけど、ホークス悲願のCS突破で只今頭真っ白、文章腑抜けてたら済みませぬ。(汗)
説明不要でしょうがタイトル前の▲は自分的佳作って意味ですよ~。

・第20回「あたる源氏平安京にゆく」 脚本:金子修介 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:野部駿夫

…ぶっちゃけファンが選ぶワースト10内ノミネート確実な回。
前回「ときめきの聖夜」がベスト10内に入る傑作なだけに較べると尚悲惨。
しかも正月スペシャルと銘打ち、「ときめきの聖夜」同様、30分に時間延長しといて、この有様だし。
冒頭、皆でかるた遊びをしてる最中、天井突き破って面堂登場、第25回から新レギュラーになると自己紹介、「今回は正月スペシャルなのだ!!」なんて、ぶちかましたかと思ったら舞台急転、平安時代にタイムスリップして、あたるを捜すラムとテン――何故わざわざ平安時代にタイムスリップしてまで、ラムはあたるを捜しているのか?現代のあたるはどうしたのか?かるた遊びしてるラムと捜してるラムは別人なのか?全く説明無いまま話進んでくんだもんな~。
がり勉桃太郎があっさり鬼退治失敗、あたる源氏が鬼側に寝返って、よく解らんまま全員現代にタイムスリップ、平安と現代のキャラが入り乱れての乱痴気騒ぎ、果てはナレーター兼スペシャルゲストの紫式部女史が、「男っていっつもそう!!」と酒飲んで愚痴たれて終るという。
支離滅裂過ぎてついて行けない。(汗)
「正月スペシャルだから思い切って!!」というスタッフの意気込みが見事に逆噴射。
原作の元の話も作者の自パラレルだから、忠実にアニメ化したとしても、面白くなったかは不明だけど。
上手い作監さんに当ってたら、ファンの評価も変ってただろうか?――いや無いな。
主舞台は平安なのか現代なのか?主役は桃太郎なのかあたる源氏なのか?進行役はラムなのか紫式部なのか?
つか紫式部をナレーターに充てる意味は有ったのか???
せめて主役をあたる源氏or桃太郎、どちらかに絞ってれば、視点が散らばらず、マシになったかもしれない。
てゆーか桃太郎も紫式部も要らない。(汗)

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …あたる源氏とラムは陰で一体ナニをしてるんだ!?(笑)

・第21回「恋のバトルロイヤル」 脚本:小山高男 コンテ・演出:早川啓二 作画監督:遠藤麻未

…原作ではしのぶと4人組の出番は無い。
出した割には活躍ちっともせず終ってるのを考えると、やっぱり余計なキャストだったんでないかな~と感じる。
んで結局つばめさんはサクラさんの婚約者として、チェリーに認められたのか駄目だったのか?
あからさまな時間稼ぎをする位だったら、そこをはっきり描いて欲しかった。
「せぇ~しゅん!せぇ~しゅん!」といちいちキャラに連呼させるのはダサダサで、観ていて恥ずかしい。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画○ …ディスコシーンより、冒頭あたるの部屋で踊ってるラムの方が可愛い。

▲第22回「父よあなたは強かった」 脚本:小山高男 コンテ・演出:早川啓二 作画監督:遠藤麻未

…元の話が15分放送するのに丁度良い長さで、途中に遊びシーンを挟む必要無く、ほぼ原作に忠実な回で終った。
それはそれで何か寂しい、今回キャラを活き活き動かすと評判の、高橋資祐さんが原画だっただけに。
しかし「子供をつくれない体にしてくれ」ってラムの台詞、よくぞそのまま流したもんだ。
現代だったら絶対放送禁止用語って事で、カットされたに違いない。(笑)
「良く顔を見ろ!」の一言で牛若丸=女の疑いをあっさり晴らす弁慶は、憎しみに駆られ女千人斬りを誓った人間には思えぬ素直さ。
原作の様に診断書(だったっけ?)を見せるっつうギャグ表現は難しくても、もちっとそこは工夫して例えば胸を開いて見せるとかしたら良かったんでない?
ほぼ原作忠実回と書いたけど、上記挙げた点とオチのみ違ってる。
原作の様に女千人斬りを誓っただけで終らないオチは、個人的には原作以上に面白かったと評価。
あたるの自作ブロマイド格好良い(ちゃんとブ×避けてるし)。(笑)

(個人的評価) 脚本△ 演出○ 作画○ …「あらラムちゃん、もう帰って来たの?」「うちらの星まだ10月だったっちゃ」、微妙に受答えになってないが、正月帰りでもする積りだったのかね??

・第23回「ハワイアン水着ドロボウ」 脚本:星山博之 コンテ・演出:原田益次 作画監督:谷田部雄次

…原作では面堂の別荘に遊びに行く話だったのが、面堂まだ登場してないって事で、ラムが福引当てて皆でハワイ旅行に来た事に変更。
後1週で面堂登場回なのに、それまでどーして作るの待てなかったのか?
是が非でも福引でハワイ旅行当たったネタで作りたかったのか?中産階級ドリーム??
むしろ私はスパリゾートハワイアンズに行ってみたい。(祝・営業再開)
カメラに向い「俺達ハワイに居るんだぜ~♪」とドヤ顔で話すあたるが観ていて痛いです。(汗)

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …原作のサーフィン話はツマミ食い、水着泥棒話と合せてるけど、独立させ作って欲しかったな~。

・第24回「地獄のフルコース」 脚本:星山博之 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:野部駿夫

…屋台から始まりハワイのリゾートホテルの料理長(マスター?)にまで上りつめるなんて偉い波乱万丈な人生だな。(笑)
まんまヤッターマンシリーズ三悪党の苦労談、流石元タツノコスタッフだが、うる星には合わなかった気がする。
ドライさよりウエットさが勝っちゃうと笑えない。
てか主人公側より脇役側がドラマ演じてちゃ不味いでしょ。(笑)
ラストのサクラさんは迫力有って恐かったが、ギャグとしてオチてはいないと思う。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …あのマスター(とその一味)はまた屋台を牽く所から人生やり直してるんだろうか?


【続】
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