瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

うる星感想リターンマッチ4

2011年10月30日 16時12分20秒 | 漫画&アニメ
前置き短く前回の続き、だって今CS放送してんだも~ん。
説明の必要無いだろうが、★は自分的傑作、▲は自分的佳作です。


▲第17回「眠れる美女クラマ姫」 脚本:中原朗 コンテ・演出:早川啓二 作画監督:遠藤麻未

…話は無難に原作通り、「一夜の契り」をそのまま流した、スタッフの勇敢さに天晴れ。
けど「一夜の契り」の意味を親に訊く子供続出で、TV局はクレーム対応に困ったろうな。(笑)
この回はとにかく絵が綺麗、原画を青嶋克己さんという方が担当してるのですが、人物に筋肉がきっちり付けられてるのが凄いなと。
絵の力で佳作まで押し上げたと言っていい。

(個人的評価) 脚本△ 演出△ 作画○ …クラマ姫が放つ旋風で露になったラムのうなじと背中がセクシーv

・第18回「アスレチック女地獄!」 脚本:中原朗 コンテ・演出:小華和ためお 作画監督:谷田部雄次

…こっちも大体原作通りの話、ただ原作に有る裁判が上手く表現できなかったのか、アニメでは女達があたるをひたすら物理的に虐める表現に変更されてる。
それとラムがあたるを攫うのはヒロインに相応しくない行為と考えてか消去されてる。
どちらも読んで笑った箇所なんで、カットしないで観せて欲しかったけど、この回の拙い演出と作画でやっても、面白くならんかったろう気がしないでもない。(酷)

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …同じ原作通りに作っても、演出や絵が巧いか拙いかで、評価は変って来るもんだ。
 
★第19回「ときめきの聖夜」 脚本:山本優 コンテ・演出:押井守 作画監督:遠藤麻未

町にクリスマスソングが響くイブ前日の昼、ラムとテンを連れての買い物帰りか、あたるはデパート屋上でヨーヨー遊びに興じていた。
糸を操り右に左に上に下、クルクル回す大技を目の前にし、敬遠の仲のテンも思わず拍手してはしゃぐ、が直ぐに普段の憎まれ口に戻って喧嘩する2人を見詰めながら、ラムは幸せそうにマフラーを編んでいた。
そこへあたるのクラスメートの男子4人と女子2人がやって来る。
「こんな所で会うとは奇遇だな~!」と喜ぶメガネ・パーマ・カクガリ・チビ、だが私設ラム親衛隊の彼らとの出会いが偶然なんかでない事を知ってるあたるは嫌な顔。
とはいえ仮にも親友同士、肩をバシバシ叩き合い、男の友情を深めるメガネとあたる、その傍らでマフラーを編んでるラムに気付いた女子は興味深げに尋ねた。
「ダーリンにあげる物だっちゃv」とにっこり笑って答えるラム。
それを聞いたあたるは「俺は頼んどらんぞ!」と迷惑顔をするも、ラムは自分がプレゼントしたくて編んでるのだと気にしない。
若い身空で女房気取りの女に付き纏われる不幸を嘆くあたる。
何時もだったらここでお決りの電撃がお見舞いされるとこだが、何故か今日のラムはしおらしくして居る。
調子に乗ったあたるはヨーヨーで女子のスカートを捲ったりの悪行三昧、終いにはテンを連れて先に帰れとラムを邪険に追い払う。
哀しげな顔で、それでもあたるの言う通り、テンを腕に抱き、その場から飛び去るラム。
健気な彼女へのあまりの仕打ちに、私設ラム親衛隊は怒り心頭、「ふられたって知らんぞ!!」と、あたるを厳しく詰るが、彼は「羨ましければ立場を譲ってやっても良い」とせせら笑う。
「但し…ラムにも選ぶ権利が有るけどな~♪」
何処までも傲慢極まりない言い様に、4人の堪忍袋の緒は遂にぶち切れた。

「大体からしてな~!!俺達の憧れのあの天使の様なラムちゃんが、ぬぁ~んでよりにもよってあの先天性突発的獣欲魔のあたるに惚れなきゃならんのだぁ!!!俺にはどうしてもラムちゃんの気持ちが解らん!!あのアホのあたるのどこに惚れたのか!?顔は最悪頭は最低性格俗悪経済力0…世の中間違っとる!!俺には絶対そんな不合理許せんぞぉ!!制裁だぁ!!天誅だ!!折檻だぁ!!!…あたるの野郎に正義の鉄槌を加えてやる!!ラムちゃんの目を覚まさせてやる!!あたるの魔の手から解放してやるんだ!!その為には…どんな卑劣な行動も全て正当化されねばならんのだぁぁぁ――おっちゃんコロッケー!!!!」
牛丼マック焼ソバ屋台のたこ焼きケンタッキーチキン立ち食いソバと梯子食いして練り上げた計画は恐ろしいものだった。
「組野おと子」なる架空の人物からの偽ラブレターで、あたるを騙しラムが幻滅するまで恥を掻かせる、あわよくば、あたると別れたラムを我が物に…という狙いも無論根底に有った。
真っ赤なキスマーク(Fromメガネ)付の、でっち上げラブレターを渡しに、あたるの家を訪ねたメガネ達は、2階に居るラムに聞えるよう、「おまえに憧れてる美女から預かった」と嘘を吐く。
美人からのラブレターと聞いてあたるは大喜び、毛筋も疑わずデートの誘いに乗る――背後で聞いて居たラムの電撃が炸裂した。
だが見知らぬ美女という餌を前にしたあたるは屈しない、「電撃をぶちかましたければやれ!!俺は断固おと子ちゃんとデートする!!」と宣言するあたる、彼の強靭な意志にむしろラムは怯むのだった。
「ダーリンを好きになる女なんて絶対何処かおかしいっちゃ!!」
「そうだなぁ、おかしいなぁ、ラム」
あたるの部屋に場所を移して説得を続けるラム、だが彼の心は既に明日のデートに飛んでいた。
泣いて縋っても彼女を顧みようとしない、業を煮やしたラムは部屋を焦土に変える程の電撃を放ち、UFOへ飛んで帰る。
黒焦げになって白目を剥いたあたるの横、とばっちりを食い黒焦げになった4人は、ここまで計画通りな事にほくそ笑み、あたる同様意識を手放すのだった。

夜、ラムはUFOの上で物思う。
「どんな人なのかなぁ?うちより美人かなぁ?」
後を追って来たテンが説得する、あたると別れて星に戻った方が、ラムちゃんの人生の為になると。
そんなテンの言葉に、ラムは深い憂いの眼差しで呟いた。
「それが出来れば…うち悩んだりしないっちゃ」

同じ頃あたるはトイレの鏡を前に明日のヘアースタイルを決めており、扉向うでは父親が必死の形相で便意を堪えていた。
更に同じ頃4人組はジュース自販機の前で決起集会を開いていた。
「明日のクリスマスイブこそ、あたる!!…おまえにとって生涯忘れ得ぬ最大の厄日にしてやる…!!」
イブ前夜の町にメガネの哄笑が陰に篭ってこだまする。
彼の掌の内のコーラ缶が、あたるの運命を暗示するが如く、ぐしゃりと音を立てて潰れた。

翌日の当日、メガネは喫茶店で仏滅女学院№3の美女を、1時間5千円で「組野おと子」役にスカウトする。
「諸星あたるという男とデートするだけで良いの?」
「いや、肝心なのはここからだ。この諸星という男、美人と見ると襲いかかる癖が有る。そこでだ…襲いかかるあたるに肘鉄をかまし、公衆の面前で完膚なきまで恥を掻かせて貰いたい!」
「あたるって人が私好みの素敵な彼だったら…?」
「断言しよう、その心配は金輪際無い!」
「やるわ!」
「では、今日午後4時、喫茶ピグモンで!」
契約の握手を交わして別れるのと入替わりに、カクガリがマッチョな大男を連れて来る。
「紹介しよう!俺の友人で、先勝高校プロレス研究会代表、350パウンド2分の1、Mr.ヒポポタマスだ!勿論、ラムちゃんの大ファンでもある」
「という訳で、あたるが彼女に襲いかかった時を狙って、徹底的に傷めつけて貰いたい!」
「任せておけ!」
「では今日午後4時、喫茶ピグモンでっ…っ!!」
(メガネが)痛みを覚えるほど固く握手を交わして別れるのと入替わりに、パーマが眼鏡をかけたルポライター風の男を連れて来る。
「紹介しよう!赤口高校で新聞部の部長をやっている、俺の古い友人だ。無論、ラムちゃんの大ファンでもある!」
「という訳で、今回のスキャンダルを切っ掛けに、あたる撲滅キャンペーンを展開して貰いたい!」
「引受けた!」
「では、今日午後4時、喫茶ピグモンで!」
握手を交わしたそこへ、ウェイトレスがラム親衛隊最高幹部会議長宛に電話がかかって来た事を告げる、メガネが受話器を取ると相手は同会突撃隊長のチビだった。
彼にはテンを買収しラムを現場に連れて来る役目が任されていたのだが、肝心のラムが朝から行方不明なのだという。
徹底的瞬間をラムに見せなければ計画は成功しない、テンと協力して必ずや彼女を午後4時迄にピグモンへ連れて来いと約束させ電話を切ったメガネは、パーマにあたるとコンタクトを取るよう指令を飛ばす。

その頃ラムは賑やかな人通りを所在無く歩いていた。
とそこへパーマが雑踏を掻き分け走って行く。
焦る様子が妙に気になったラムは飛んで後を追う、着いたそこは公園で、あたると4人組が今日のデートをめぐり、賭けをしていた。
「おまえらの目の前でおと子ちゃんとキスをしてみせる!」と息巻くあたるを、4人組は「全財産を賭けるか!?」と挑発する。
あたるが立ち去った後4人組は彼を一斉に嘲笑い、おと子役に払うバイト料と必要経費もこれで落せると喜び合うのだった。
公園内に聳える時計柱の上から話を全て聞いていたラムはホッと胸を撫で下ろす、と同時に偶には良い薬だと今回はあたるを助けない事を誓う。
だが時刻が迫るにつれ、彼女の胸は酷く痛んだ。
自分がこんなに思っているのに他の女とデートをしようとしたあたるが悪い…自業自得と思っても愛する男が恥を掻かされるのは見たくない。
「馬鹿なダーリン…でも…それでもうちは、ダーリンが好きなんだっちゃ…ダーリンを馬鹿にするとうちが許さないっちゃ!!」
公園の時計が4時の鐘を打つ、テンが彼女を呼びに来る、ラムは己の素直な気持ちに従い、空を駆けるのだった。

その頃、仕度に手間取り遅刻した組野おと子役は、急いで通りを走っていた。
その前に立ち塞がる女――誰に知られる事無く、舞台女優は幕裏へ退場した。

約束の時刻を30分も過ぎ、緊張感が限界まで達した喫茶ピグモンの自動ドアに影が映る。
喫茶に居た者達の視線の前に現れた美女は、メガネが知る「組野おと子」ではなく、角を隠して地球人の服装に身を固めた――ラムだった。
正体に気付いて驚きの叫びを上げそうになるあたるに、ラムは「罠に嵌って恥を掻きたくなければ芝居を続けろ」と耳打ちする。
呆然と固まった一堂の前で、訳が解らないまま、ラムとキスをするあたる。
2人きりになる為喫茶を出て行く2人、敗北を知らされたメガネの髪は、一瞬で白く変ってしまっていた。
「…我が事…終れり……!」

ガタンゴトンと電車が走る高架下で、あたるは4人組の企み全てを、ラムから聞かされた。
「全財産必ず払わせてやる!!」と激しく憤るあたるに、ラムは「自分が助けなければどうなってたか!」と恩着せる。
ラムにまた借りを作ってしまったと、苦々しく呟きながら彼女に目を向けた彼は、ふとその横顔の美しさに見蕩れた。
「ラムって…こんなに可愛かったのか…」
ラムがあたるの為に編んだマフラーを取り出す、彼の首に巻いた瞬間、空から雪が舞い降りた。
先に帰ろうと宙に浮んだラムの手を、あたるの手が引き止める。
「…もうちょっと…一緒に歩こうか…?」
頬を染めてのあたるの言葉に、ラムは満面の笑顔で頷き、2人は手を繋いで雪のイブの町を歩いた。

…初の30分1話。
フジTV局と製作側の思惑としては、前番組の「Dr.スランプ」とセットで、小さい子向けに売出す積りだったんだろう。
だから「Dr.スランプ」と同じく、前半15分後半15分の2話構成にしたり、テンや金太郎を前面に押出したりしたんだろうけど、放送を続ける内にファンとの意識のズレを感じ出す。
「うる星やつら」のファンは小さい子ではなく中高生に多い事に、スタッフは暫く経ってから気付くのです。
開始当初は「つまんね」って意見が連日届いてたそうで、今も昔も人気漫画が原作のアニメは大変だなぁと同情。
で、そんな風に迷走していた中、放送されたこの「ときめきの聖夜」は、ファンから大反響を呼び、以降のアニメうる星の軌道を決定付けた。
中高生向けのラブコメ、かつマニア向けの演出。

原作も初めブラックなギャグが主流で、この回の元になった「君待てども…」は、普段と違うラブコメテイスト。
それ故反響が大きく、原作もまた「君待てども…」以降、あたるとラムの恋愛主体の、ラブコメへと移行してく事になる。
原作とアニメ双方のターニングポイントとなったわけ。

また、この回の演出を担当した押井さんが、スタッフ内で権力を強める切っ掛けにもなった。
押井さんは1話から小さい子向けでなくマニア向けに作ってた、その押井さんの演出回がファンから最も人気を呼んだ事で、製作側から「押井に任せりゃ売れる!」っつう信頼を勝ち得たんすな。
もっともラブコメ色については押井さんが好む所でなく、本人曰く「ファンサービスで仕方なく」入れてたらしいけど。

実際、他の回が低調だった分、この回の出来は群を抜いて見える。
原作に在る元の話の骨子のみ抜き出し、「クリスマス」というイベントを使って、原作以上にインパクトの有るストーリーに仕上げてる。
原作では他の男子が面堂への対抗策にあたるを利用するという筋書きを、アニメではラム命の4人組があたるに制裁するというものに。
変更した理由はアニメでは面堂が未登場だったからで、しかし代役に充てたメガネがこの回で強烈に存在を主張、以後レギュラーに仲間入りしてしまった。
4人組は原作では初期に登場、ただのモブキャラなまま、何時の間にやら退場してしまった、だからアニメのメガネ達4人は、ほぼアニメのオリジナルキャラと言える。
特にメガネ役を演じる声優の千葉繁さんが巧かった為、押井さんが出番を段々増やしてったんだろうけど、原作キャラ並に人気を得るアニメオリジナルキャラって、相当稀有な存在だと思うよ。(大抵ファンから存在を無視される)

今観直しても優れた演出に唸らされる回で、個人的には喫茶店での張り詰めた空気の表現の見事さを挙げたい。
コップの水をがぶ飲みするパーマ、盆をカタカタと鳴らすウェイトレスには爆笑した。
モブキャラの仕草にまで気を遣ってるなんて今のアニメにも少ないよ。
窓から射す光を透過光使って表現するのが如何にも押井さん流。
BGMの選択も非常に良かった、「紹介しよう!」と畳み掛けるシーンなんか、BGMの力が有ってこそ活きてる。(笑)
ラストの聖しこの夜も「良い話」に相応しい選曲だったと思う。

とまぁ褒める点しか見付からない名エピソードだけど、敢えて気になった箇所を挙げると「しのぶ」。
この時はまだあたるの恋人だったのに、全く存在を消されてる彼女が不憫…。
原作の様に本当だったら面堂登場以後に、このエピソードが放送されてたら、蟠り無く観られたんだけど。(しかしメガネの活躍は無くなったろうな)
クラマ姫登場回もそうだけど、アニメのあたるは「ラムが好き」と、最初から主張してしまってる。
しのぶは最初から蚊帳の外に居るわけで、原作以上にしのぶの不憫さが際立ってしまった。

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …この傑作が無かったら、アニメうる星は1年で終了してたかもしれない。


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じゃんぷの話をしよう2

2011年10月26日 21時38分09秒 | 漫画&アニメ
唐突だが今週のジャンプの話をしよう。
「競技ダンス」を題材にした読み切り漫画が面白くて感動した。
この作品…連載にできんだろうか?
主人公を軸に語れる話は完結してても、群像劇に練り直し、競技ダンス部を主役にすれば、話幾らでも続けられそうに思える。
上手くすりゃ、ジャンプ発、競技ダンスブーム起こせそうじゃね?
「ジャンプらしからぬカラー」だって評価も聞くけど、雑誌の色なんて時代ごとのヒット連載によって変わってくもんだ。
ドラゴンボールよりオレンジロードがヒットしてりゃ、ジャンプもサンデーみたく恋愛作品を主流に載せる雑誌になってたかもしれん、逆もまた然り。
かつてジャンプには「ひばりくん」という、ジャンプらしからぬ作風でヒットを飛ばし、アニメ化まで行った作品が有る。
個人的に「ジャンプ」という枠に嵌まらない作品の方が、大化けしそうな期待が持てる。

今回の読み切り、主人公に感情移入出来るとか、キャラ同士の会話がナチュラルだとか、サブまでキャラが練られてるとか、在り来たりな感想よりも先ず、競技ダンスというものが凄く楽しそうに描けてる。
売れる、売れるぞ、これは!
ジャンプ編集部もそう考えたからこそ、センターカラーでプッシュしたのだろう。
敢えてケチ付けるならタイトル、記憶に刻み込めるナイスなやつを、ひとつ付けてやってくれまいか編集部員!

型破りでいい、「らしくない」君が好き。
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あにめぞん感想、ざっくばらん6

2011年10月23日 21時58分18秒 | 漫画&アニメ
ここ最近は懐アニ感想ブログしてますが、再放送続く限りはこの調子で参ります。
11/11はワンピ、12/15~12/26はクリスマスの話題を書く積りだけど。
毎度当てにならない予告を終えたところで前回の続き。
…このまま書き溜めてくんなら、「ルーミック」カテゴリーが必要になるな~。(汗)


・第6話「春はショッキング!響子さんの秘密!!」 脚本:土屋斗紀雄 コンテ:山内重保 演出:吉永尚之 作画監督:土器手司

…ここで響子さんは未亡人で、飼い犬の「惣一郎」と言う名前は、亡き夫の名前である事を、五代君が知るという。
ここから作品の軸である五代と響子さんのラブストーリーが始まるというわけです。

しかしここに到るまで、6話もかける必要有っただろうか?
本放送時、既に夏を迎えてたように記憶してるんだが…。
「桜」咲く「春」という季節はこの作品のキーワードになっている。
折角春に放送を始める事が出来たのだから、最初のポイントであるこの話だけでも、実際の季節に合せるべきだったと思う。

第1話+第2話前半で1話、
第3話+第4話前半で2話、
第4話後半+第5話で3話、
第2話後半のクリスマス話は時季を合せる為にも後に回す。(2年目のクリスマス話と合せ、回想の形で前半に持って来るとか)
そうすれば――ギリギリ春にこの話を持って来れた(かも)!

この回もそうだが、本題に入るまでの前置きが長いんだわ。(汗)
毎回五代君の欝なナレーションから始めなくてもいいじゃん。

放送6回目までこの重要話を引き延ばした理由を考えてみたんだが、当時最も人気の高かった土器手さんに作監を担当させたくての事かなぁと。
重要回だから最も絵の巧い人に任せたい、しかし放送が始まった頃はタイミング悪く、土器手さんは映画うる星4の作監を勤めていて多忙だった。
映画うる星4の作画を優先した為、めぞんの作画まで手が回らなかった、なんてのはうがち過ぎだろうか?
事実放送が始まった頃は、作画が低調に感じられたし。
放送6回を数える所で制作側の体制が落ち着き、満を持して土器手さんを作監に充てた…ではなく、事実はもっと単純に原作と話数を揃えただけとか?
しかし漫画の1話をまんまアニメ化すると、正味10分で話終っちまうという。
原作は既に長く連載続いてて、追着かない程度にネタ有ったんだから、サクサク進めるべきだった気がするよ。

…回の感想から外れてしまった。(汗)
何時もよりシリアス色濃い話のせいか、何時もよりオーバーなアクションが抑えられていて良かった。
でもBGMは何時もの如くしつこかった、「未亡人」と五代君に知らされる所で――ジャジャジャジャン♪と運命が流れる演出は余計。
最後、五代君が不自然に何度も力んだり等、スタッフはどーしてもアクション多目に描きたいらしい。
前作「うる星」が派手なギャグとアクションを売りにしてたから、アニメーターやコンテマンが欲求不満に陥ってたのかもしれん。(笑)
絵は流石にこれまでで1番美しい、風に舞い散る桜の花弁を観ているだけで、うっとりしてしまう。
スタッフのこの回に懸ける情熱が解ります。

(個人的評価) 脚本△ 演出△ 作画○ …道を歩くにつれ、木洩れ日まで動く演出が細かい。


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うる星感想リターンマッチ3

2011年10月22日 18時08分36秒 | 漫画&アニメ
週1知ったか批評家気取りシリーズ、アニメうる星やつらの感想記。
前回に引き続き、今回は第9~16回迄参ります。
宜しければ最寄のDVDレンタル店で、下記タイトル回を収録したDVDを視聴の上、お読み下さりませりせろり。
先に断っとくと▲は自分的佳作って事で。(今回は無いけど★付けてる回は自分的傑作)

▲第9回「謎のお色気美女サクラ」 脚本:山本優 コンテ・演出:押井守 作画監督:野部駿夫

…冒頭でライトを掻い潜り逃げるあたるは、旧ルパン三世オープニングからのパロだろう。(笑)
第1話あたるの台詞で「イスカンダル」の名を出したりと、押井さんは昔から他作品のパロディを繰り出す。
知ってる人はニヤリと笑い、知らない人でも小気味良いテンポに圧され、よく解らないまま笑ってしまうかと。
ラーメン屋店主とのかけ合いからも、後の押井ワールドに繋がる雰囲気が感じられる。
サクラさん初登場の回、タイトルで「謎のお色気美女」と謳ってる割には、作画が残念な出来でちっとも美人じゃない件。
てかこの回のサクラさん観ると確かにタツノコキャラっぽい、ぴえろ=タツノコプロ繋がりなんだなぁと解る。
サクラさん役の鷲尾真知子さんは、最初の頃高い声で演じていた。
(サクラさんに限らないけど)放送開始した頃は「キャラのイメージに声が合ってない」との批判が多く寄せられたらしい。
よく知られる低いサクラさん声は、試行錯誤して掴んだものなんだろう、流石プロ!
ちなみに本来声優ではなく、舞台やドラマで演じる方が本業のよう。(いや元々声優は俳優だったんだけど)
時代劇やNHK大河等に出演されてるのを知り、声優だと思い込んでた自分は当時驚いたのだった。
演技が巧い俳優でも声の演技はあんまり…って方も居る中、ぴったり役にはまったのは凄い。
役に充てて演技指導した音響監督の斯波重治さんも偉いと思う。
斯波さんは、うる星~めぞん~らんまと、ルーミックアニメの音響監督を執り続けた方、林原めぐみさん山口勝平さんらを、人気声優に育て上げたやり手なのです。

(個人的評価) 脚本△ 演出○ 作画× …「外しましょう!!ブラを!!!」たって、サクラさん、どー見てもノーブラですがな。(笑)

▲第10回「悩めるウイルス」 脚本:山本優 コンテ・演出:高橋資祐 作画監督:遠藤麻未

…サクラさん登場回の後半、友引高校の保険医になるまでの話。
これは原作に対しての謎なんだが、巫女が何故保険医になるのか??
「あたるに絡ませるには教師役を務めさせるのがてっとり早い」って安直な目論見なんだろうけど。(笑)
サクラ、面堂、ランにラムも友引高校に転入させる事で、うる星やつらは学園物の色を濃くして行く事になるのです。(それまではあたるの家が主な舞台だった)
アニメに話を戻して――胸を露に開けた深いスリット入りタイトドレスで出勤するサクラさんがヤバイ。
色は挑発的なパープルですよ、加えてノーブラですよ。(校則違反ですわ)
校門から校舎まで続く全校(?)男子生徒のギャラリー中央を、豊満なスタイルをブルンブルン震わせながら闊歩するシーンに胸が熱くなった。(笑)
星を幾つも鏤めた瞳…真っ赤なルージュを引いた唇…服から零れそうな白い胸…モンローウォークで揺れる尻…視線の移り方がリアルに男子高校生してます。
前半のサクラさんとは別人28号の美しさで、名前呼ばなきゃ同じキャラだと解らんよ。(笑)
絵だけでなく話も演出も今回は出来良く感じられた。
原作のあたるは最初から女好きだったわけでなく、サクラさん登場時は彼女を避けていたんだけど(彼女が原因で死にかけたからな~)、アニメではキャラを一貫させる為、「病魔に取り憑かれた為避けていた」と辻褄合せてた。
原作の様にサクラさんが苦手なあたるも観てみたかったというのが本音だけど。(笑)
病魔も退散する超人的なタフさとオチ付けた点に、作中の最強キャラ=あたるを強く認識させられたです。

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …巫女衣装に早変りするサクラさんは、アニメならではの演出!(今ならCGで可能だなんて言わんように)

・第11回「恋の三角ブラックホール」 脚本:小山高男 コンテ・演出:原田益次 作画監督:谷田部雄次

…話も台詞も原作を忠実にトレースしている。
原作の「土曜の夜は子供を作るっちゃー!!!」とか、「日曜の朝は一緒にお風呂に入るっちゃー!」とかを、当時お茶の間に向けまんま放送するとは、スタッフ惚れ惚れする程勇気が有ります。(笑)
ただ原作通りの割りに、面白さが全く感じられなかった…。
絵が酷い出来なのも有るけど、テンポの遅さが原因でしょう。
話のスペクタクルさが観ていて良く伝わって来なかった、町から逃げ惑う人のリアクション等殆ど無かったし。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …あたるが持ってる黒焦げの塊は、もしやラムのブラ??

・第12回「ホレホレ 小悪魔だっきゃ!」 脚本:星山博之 コンテ・演出:早川啓二 作画監督:野部駿夫

…テンは何処へ行ってしまったのか??全く登場しないんだけど。
前回も殆ど出番無かった、原作では元々登場しない話なので、どう活躍させたら良いか解らなかったらしい。(笑)
この回の場合ラムも登場しない原作を使った為、小悪魔が苦手でUFOに逃げる案を練ったけど、ぶっちゃけ苦しいですな。
小悪魔出現時の合わせ鏡、窓硝子を利用してるのね、観直して初めて気付いたという。(汗)
ラストであたるとあたるの父とチェリーが言い争ってる時の台詞は、観直しても良く聴き取れんかったです。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …ラムのブラがびよよよ~~んと伸びるサービスショット有。(作画がアレなんであんま嬉しくないけど…)

▲第13回「電撃ショックがこわい!」 脚本:中原朗 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:遠藤麻未

…初期はとにかく話に期待出来ない分、作画が良いか悪いかで勝負が決ってしまう感じ。
この回は幸いな事に絵が綺麗、特にラムが可愛く描かれている。
演出のテンポも悪くない、担当してる小島さんは、良くも悪くもクサイのが特徴で、例えば夕陽に向うラムとあたるのシーンなんか、女史ならではの表現の仕方だ。
今時、いや当時は80年代だけど、それでも悩んでるキャラを演出するのに、夕陽をバックにさせようとは…古臭さも極めれば個性に感じられる。(笑)
原作では超能力封じのリボンが、あたるの仕業(協力者チェリー)だと解り、ラムの凶暴な報復が炸裂するのだけど、アニメではヒロイン像を壊さない為の配慮かソフトな表現に留めていた。
猟奇的な彼女に期待してた向きには、ちょっと惜しい。

(個人的評価) 脚本△ 演出○ 作画○ …「妻」と呼ばれて幸せな夫婦生活を想像するラムが可愛い。

・第14回「念力ウラミのあやつり人形」 脚本:小山高男 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:野部駿夫

…冒頭のあたる家お茶の間のシーン、妙に会話が長く続くから、伏線でも張ってんのかと思ったら、そんな事は全く無かった。
原作よりもハチャメチャに盛上げよう盛上げようという頑張りが空回りしてる様に感じられる。
脚本を担当した小山さんは、タイムボカンシリーズのメインライターだった方で、ギャグの巧さに定評が有ったのだけど、アニメうる星ではその才能をあまり活かせず終った。
シナリオライターに合う作品、合わない作品が有るのだな~と思う。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …あたるはそんな恨みがましい性格してないと思うんだが…。

・第15回「おし入れの向うは海王星」 脚本:雨宮雄児 コンテ・演出:押井守 作画監督:野部駿夫

…押井さんが担当してる割に、大人しく原作通りに終ってて意外だ。
敢えて挙げるなら、あたるが己のフリーな魂を主張するシーンと、戦車を出した辺りに氏のカラーが出てる?
おユキさんは原作では如何にも雪女らしい、クリスタルな髪とファッションなのに、アニメでは描く手間を省く為か、オレンジのエナメルっぽいスーツに変えられている…せめて青系にして欲しかったぞ。(涙)
後年「怒れ!シャーベット」がビデオ化した時は、原作通りのクリスタルな髪にデザイン変更、作画監督の西嶋さん天晴れなマニア魂や!(笑)

(個人的評価) 脚本△ 演出△ 作画× …あたるの母の「預金が続く限り…!」という台詞には笑ってしまった。

・第16回「ハチャメチャ恐竜時代」 脚本:山本優 コンテ・演出:早川啓二 作画監督:遠藤麻未

…金太郎レギュラー補完計画ぱーとつー、だから無茶だって!(汗)
初期のシリーズ構成役だった山本優氏が目論んだらしいけど、いっその事あたるの家に居候させてれば成功したかもしれない。
そこまで本気出さなくて良かった。(笑)
ぶっちゃけレギュラー張れるほど、金太郎はキャラ濃くないだろう。
早々と諦めて正解だったと心底思う。
この回原作では面堂の役所を金太郎が担ってる、ハングライダー乗って。
けどやっぱり実際には登場しないキャラなもんだから持余しちゃってるなと。
自分でも持余すようなキャラをレギュラーにしようとするなよ。(笑)
恐竜達と一緒にタイムスリップして現代に戻るオチが、あまりに唐突過ぎて目が点になってしまった。
んな事言ったらジュラ紀にタイムスリップする始まりも唐突なんだが。
どうやらこの頃のアニメスタッフは、最後は必ずあたるの家を破壊せねばなるまいと考えてたらしい。
まるでドリフ全員集合のオチである。(笑)

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画○ …どうやったら美女に見間違えるんだ。


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野球が熱い日

2011年10月18日 14時07分35秒 | ただいまおかえり(雑記)
今日で全てが決まる、かもしれない…



うあああああ!!!
マジでどーなるんだ!!!!
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あにめぞん感想、ざっくばらん5

2011年10月16日 13時43分34秒 | 漫画&アニメ
前回の続きを始める前に…今月の満月って、10/9じゃなく10/12だったみたい。(汗)
今年は片見月で終ってしまったか…。
のっけからがっかりテンションすいません、前回の続きで今週もざっくばらんばらん。


・第5話「響子さんヤキモキ!五代くんが家出した」 脚本:小西川博 コンテ:古川順康 演出:やまざきかずお 作画監督:河南正昭

桜散る波打ち際、見詰め合う五代君と響子さん。
背後から忍び寄る怪し気な津軽三味線弾きの婆達。
一体何が始まったのかと思った。(笑)
てゆーかイタコかと思った。
勿論五代君の夢、いきなりシュールっすな~。

不合格発表(朱美さん談)のシーズンに入り、一刻館から逃げ出した五代君。
もう1週間にもなる、よもや飛び降りなんて事は…と、心配する響子さん。
実は友人坂本の家に転がり込んでたりなんかして。

五代「住人達の嘲笑には慣れてる。けど響子さんに哀れみの目で見られる事には耐えられない。1つでも合格するまで帰れるか!」
坂本「え?じゃあ、おまえ、来年まで俺んちに居座る気?」

原作でも有った台詞だけど笑った。
言ってはならん事だわな~確かに。(笑)

で、衝動的に飛び出したらしく、替えのパンツに困ってしまう。
つまり1週間履いたままだったんすね…。(汚っっ)
今だったらコンビニ行けば売ってるけど、当時はまだコンビニ進出してなかったか?いやコンビニは既に有ったよな~。
そもそも文無し??1銭も貸してくれんかったの??鬼畜だな坂本君。
とまぁ疑問は色々浮ぶけど、前半引き延ばしの為のパンツネタは、アイディアとして悪くなかったと思う。
ただ本来五代の婆ちゃんが登場して軸になってた筈の話が、パンツネタを混入あまつさえオチに使った事で、婆ちゃんの存在がパンツより薄くなってしまってる。
パンツが主役の話に見えるんですよ。(笑)
軸がブレないよう、さり気に、隠し味程度に抑えるべきだった。

それと響子さんに哀れみの目で見られるのが嫌で飛び出した五代君が、結局は響子さん(&婆ちゃん)と一緒に合格発表を見る事になり、「よりによって響子さんの目前で審判が下されるのか~!!」と苦悶する所をカットしたのは拙かったと思う。
漫画でたった1つの台詞といえ、そこんとこ大事よ。
家出するまで追い詰められた、彼の心情を表現する意味で。

いちいちギャラリー作るのも、くどい演出、ちょっと顔向けて通り過ぎるだけの方が自然に感じる。
そして毎度言ってるが、テンポをもっと上げて欲しいなと。

(個人的評価) 脚本△ 演出△ 作画△ …五代君の名前発覚。数年付き合ってても、名前は知らないって事、有る有る有るだわな。(笑)


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うる星感想リターンマッチ2

2011年10月15日 23時33分12秒 | 漫画&アニメ
一応週1シリーズ予定のアニメうる星やつら再感想記、今回は2~8回迄で御座います。
初期のアニメうる星は原作の(特にギャグ)テンポが掴めず非常に低調。
そのせいで自分も↓の通りテンション低調な感想文になってしまった…前回とやたら差付けて済みません。(汗)
しかし差を付けて感想書いた方が、駄作傑作解り易くって良い気がしなくもない。
ちなみにタイトルの前に▲付いてるのは佳作――といったところで前回の続きです。



▲第2回「町に石油の雨がふる」 脚本:星山博之 コンテ・演出:押井守 作画監督:遠藤麻美

…ラムは当初原作では1回切りのゲストキャラの予定だった為、2話目では登場しない。
けどアニメでは最初からヒロインって事で、第2回目はラムがあたるの押かけ女房になる迄の話。
ちなみにこの頃は15分2話で30分の構成、うる星の前番組Dr.スランプに合せたんでしょうな。
つまりこの回は第1回の後半に放送された。
第1回と較べるとアニメのオリジナル色は薄い、がそこはやはり押井さんで、SM同好会のサド山君を出したり、友引高校時計台を舞台にしてたりする。
原作では友引高校は何の変哲も無いコンクリート建て、だがアニメでは木造モルタル3階建て中央に時計台が有る造り、この変更はグッジョブだったと思う。
レトロな外観に変えた事で、友引高校は原作以上に個性を勝ち得たんでないかと。
ラム親衛隊やあたるが時計台で密談するシーンはこの回以降お馴染となる。
さながら江戸川乱歩作品の様に怪奇ミステリータッチだね。(笑)
原画を担当した青嶋克己さんの描くラムが可愛い、具体的に挙げると嘘泣きしたラムが、(世間の圧力に屈した)あたるから同居をお願いされ、「してやったり」の笑顔を向けるとこ、彼女の小悪魔な魅力が良く出てる。

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …絵も話も第1回に比べりゃ派手さは落ちる、が第1回同様適度にアニメのオリジナル設定が活かされており、今後に期待が持てました。

・第3回「宇宙ゆうびんテンちゃん到着!」 脚本:金子修介 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:遠藤麻未

…原作ではテンは7巻~登場する。
チェリーやサクラや面堂やレイやトンちゃんランちゃん弁天おユキさんより遅い登場なのですよ。(何とサクラの婚約者つばめよりも遅い)
アニメでこんな早くに登場させた理由は、前番組Dr.スランプの対象年齢と合せる為でしょう。
しかし実際のうる星の対象年齢は15歳前後、自分の様にガキの頃から観ていた人も居ただろうけど、Dr.スランプの視聴者層とはかなりかけ離れてたと思う。
Dr.スランプから引き続き観ていた人って、案外少なかったんじゃないかなぁ?
80年代初め迄アニメ業界は小さい子供をメインターゲットに据えてた為、小学生位迄の子供を主人公に設定するのが基本だったんすよ。
子供が主人公でない漫画原作付の場合、アニメオリジナルの子供キャラを、レギュラーに加え活躍させる事が頻繁に有った。
例えばかぼちゃワインとか…さすがの猿飛みたく、動物キャラをレギュラーに加える事も多かったな。
ビデオやDVDが普及する以前は、玩具の売上がアニメ収益の頼みだった。
子供に玩具が売れるアニメ=優良アニメってのが、スポンサー・局・製作側の認識だったのですよ。
アニメうる星でも、当初はテン視点の話を多めに、展開させる予定だったんだろう。

話を回の感想に戻そう。(汗)
そんなわけで前回に比べ、話の対象年齢が一気に低下。
観ていて何となくトム&ジェリーを思い出した、トムがあたるでジェリーはテンというキャスティング。
テン視点にするのはいいけど、テンがあたるを虐めた末、家を丸焼けにするオチに、小さな子が感情移入できたもんか謎。
思い起せば当時アニメに登場するガキは殆どが生意気な性分で、自分はちっとも感情移入できんかったな~。
テンが辛辣な言葉を言う度、あたるが爆発するギャグは、笑いを強要されてるようで、かえって全く笑えなかった。
バラエティ番組のバックで流れるスタッフの笑い声の様だね、はいここ笑うとこ~!
「綺麗やわ~」なんてラムが適当な方言で喋ってる(笑)、この頃はまだ言葉遣いも確立されてなかったんだなぁ。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画△ …当初アニメのあたるには雷恐怖症という設定付けがされてたのか。

・第4回「つばめさんとペンギンさん」 脚本:金子修介 コンテ:青木悠三 演出:原田益次 作画監督:谷田部雄次

…テン登場回という事で、後半もテンが活躍するエピソード、活躍というより悪役だが。
ペンギン化したツバメ(ツバクロー?)が、トラックから逃げたペンギン達を巻き込み、町中が大混乱になるという展開が、古き昭和のファミリー向けアニメしてる。(笑)
脚本を担当した金子修介さんは、後に平成ガメラの映画監督として有名になるんだけど、今回の特撮オチからその片鱗が窺えるなんて事は無い。
あたるを追って友引高校へ行く前に、化粧するラムの乙女心がいじらしい。
アニメのオリジナルなんだけど、キャラを活かす良いシーンに感じられた、絵が残念じゃなきゃもっと良かったのに。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …ギャグのセンスが当時を考えても古過ぎる。(汗)

・第5回「変身美男レイが来た!」 脚本:泉一郎 コンテ・演出:早川啓二 作画監督:野部駿夫

…「うちのお腹の中にはダーリンの子供が居るっちゃー!!!!」という爆弾発言をそのまま流すとは天晴れ。(ブラひらひら~も有ったし)
話も台詞もほぼ原作通りなんだけど、決闘方法を芋の大食い競争から雷我慢に変更した理由は、「芋を粗末にすんな」という視聴者クレームが来る事を恐れて…だったんだろうか??
芋大食いも雷我慢もどっちも微妙ではあるけど、馬鹿馬鹿しさが有る分だけ原作の方が面白い、というのが正直な感想だったり。
レイが怒りで虎牛に変身巨大化し家をぶち破るシーンの直前に、脈絡無くあたるの父と母が居間で睦まじくしてるカットが入るのだけど、これセル画を撮影する際の順番ミスか何かだろうか?(笑)
だってレイがあたるの母ちゃんの手にキス(味見)した件で、父ちゃんガーンとショックを受けてしまい、家を出ようって展開だったのだから。
(前回もだが)作画の修正が徹底されてなかったりと、制作側の混乱が垣間見える回だった。
〆切り間際だったんだな、きっと。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …アニメではこの回でチェリー(錯乱坊)が名乗る。

▲第6回「くたばれイロ男!」 脚本:泉一郎 コンテ・演出:押井守 作画監督:遠藤麻未

…初期で観るべきものは押井さんが演出してる担当回のみ。
子供の目で観ても押井さん担当の回は面白さが突出してるよう感じられた。
原作では話に登場しないテンの活躍の場を作り、それが浮き上がって見えないのが先ず凄い。
退屈してるテンから始まり、テンが事態を拗らせる。
つまりはテンの配剤?見事な起承転結である。
作画も初期において唯一女神だった遠藤さんが担当してるおかげで綺麗。
公園の鬼ごっこシーンで、レイが木をスルスルスル~と登ってく動きが特に巧かった。

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …原作を一旦分解、再構築する、押井さんの錬金術師の様な仕事振り。

・第7回「秋の空から金太郎!」 脚本:山本優 コンテ・演出:小島多美子 作画監督:野部駿夫

…秋なのに鯉のぼり、金太郎、無茶しやがって…!
今じゃビックリな話だが、初期スタッフは金太郎をレギュラーキャラにしようと目論んでいた。
原作では精々2回位しか出番無いのに…。
子供をレギュラーにするのが昔のアニメの定石、だからテンの親友として、金太郎も重要キャラにする…予定だった。
ひょっとしたら縫ぐるみ化狙ってたのかもしれない。
まだコタツネコが登場する前で、うる星には他に縫ぐるみに出来るキャラが居らんかったのです。
実際テンは縫ぐるみ化されたのだけど、ちっとも売れなかったそうな。
愛くるしい形とはいえ人間だしなぁ。

アニメに話を戻して――迷子になった金太郎を連れ、幼稚園を探すあたる達、色々と訪ね歩くのは良いんだけど、宇宙センターに行って悪戯、シャトル爆発させるのは流石にやり過ぎじゃねーかと。(笑)
それでいてお咎め無に帰って来る辺り、あのナック制作アニメに負けねーフリーダムつか、いいかげんさだ。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …今は亡きアニメ制作会社「ナック」を御存知な方、居たら30代以上なのは間違い無いね。(笑)

・第8回「たくましく生きるんやっ!」 脚本:山本優 コンテ・演出:原田益次 作画監督:谷田部雄次

…金太郎話後半、割とまぁ原作通りの展開で、原作自体印象薄い話だったけど、アニメは加えてテンポの悪さが痛かった。
唯一印象に残ったのはラスト、ラムがあたるを膝に乗せて耳掃除をしており、あたるは大人しくされるがまま。
原作ではかなり後になってからラムとあたるが恋仲になる、それこそ原作では金太郎話で今更の様に(つったら何だが)、あたるとしのぶが手を繋いで一緒に歩くシーンを描いていた。
アニメは原作とは解釈が異なり、あたるとラムを初めから夫婦として描いてたって事で、恐らくこれは押井さんが敷いたのだろうなと。

(個人的評価) 脚本× 演出× 作画× …夫婦として描くのは「ときめきの聖夜」以降にした方が良かった気がする。



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うる星感想リターンマッチ1

2011年10月10日 14時00分48秒 | 漫画&アニメ
本日10/10は高橋留美子先生のお誕生日。
高橋先生おめでとう御座いま~す♪♪
で、以前から書いてた通り、記念すべきこの日から、アニメうる星やつらの感想記を、再度書かせて頂こうかと。
「原作については書かないのか」って?――原作よりもアニメについての方が、色々と書き易いんすよ。(笑)
子供の頃好きだったアニメを、大人になってから観ると印象違う。
殆どの場合、絵の拙さに驚いたり…思い出補正がかからない分、冷静に話を追えるものでして。
今だからこそ書ける思いも有るだろう、そんな感じで今後1つよろしく。
ってか今秋から暫くはこのブログ、留美子色が強まる予定、あにめぞんも有る事だし。
古き良き昭和のアニメワールドへ貴方もトリップ~なんてな。

今回は全ての回を余さず漏らさず、自分的に傑作と思った回はタイトル前に★を付け、粗筋を書く等の気合を見せる積りなんで、DVDレンタル時には御参考にされて下さい。
200回以上も有るからねぇアニメうる星は、今から全部借りて観るにも大変だろう。
無事全部書き終える事が出来たなら、懐かしアニメ目次頁にリンクして、以前書いた感想記については消…そうかと考えたけど、コメント貰っといてそれは失礼と思い直し、リンクから外すのみに致します。(汗)

それでは皆様、準備は宜しいか?――アニメうる星やつらレビュー再び!


★第1回「うわさのラムちゃんだっちゃ!」 脚本:星山博之 コンテ・演出:押井守 作画監督:遠藤麻未

草野球チームのピッチャーが、星飛雄馬の様に脚を高く上げる。
バッターがカキーンと見事に打返した球は、グングン飛距離を伸ばし道行く少年の頭を襲った。
「ああ~~!!あたる~!!あたる~!!あたるぅ~~!!」
「んん~?誰か俺の名前を呼んだかぁ~~?」
警告の言葉がかけられるも気付くのに遅れた。
何故なら不運な事に、この少年の名は「諸星あたる」――てっきり、少年は自分の名前を呼ばれたと勘違いした為だ。
重ねて不運にも、その時、彼は横を過ぎる美女に見蕩れていた。
後の彼を思うとこの時の反応は大人し過ぎるが、そんな事今は問題じゃない。
伸ばした飛距離の分だけ重さを増した球は彼の顔面を深く抉り、のけぞって足がふらついた所をすかさず跳ね返ってダメージを加えた。
これぞベースボール、所謂1つの筋書きの無いドラマだ。
苦しんでのたうつ彼に忍び寄る黒い影。
坊主だ、坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた、じゃなくって脈略無く現れた。
漸くダメージから復活し、立上った少年の顔を見るや、謎の坊主はブルブル震え出し、顔を苦悶で歪ませた。
「おおお…お主の顔…救いようの無いほど悪い…!!!!」
ダイレクトに捉えれば悪口にしか聞えない、無論少年は激怒して力の限り殴った。
初対面の怪しい坊主に顔を非難される謂れは無い、だが実は誤解だった。
「…わしが言いたかったのは、とてつもなく不吉な面相だと…」
「なら最初からそう言え!!!!」
だったとしても失礼に変りないと思うが、少年は坊主に構わず家に帰ろうとする。
その方向へ行っては不吉だと慌てて坊主は止めるが、少年は「占いの類は信じない」と強気だ。
茜色に染まった夕空を飛んで行く烏の群れ、絵に描いた様な不吉さである。
この時未だ彼は気付かずに居た、己が背負う大いなる宿命に。

「あの少年に間違い有りません…行動パターンも調査通りです」

黒塗りの車内で怪しい二人の男がヒソヒソと会話する。
双眼鏡に映るターゲットは、性懲りも無くランニングに励む女子学生達の尻を追っていた。
背後から近寄る車、足を止めた瞬間を逃さず、マッチョな黒尽くめの男が少年を攫う。
貴様はまさかウォッカ!?――いやいや、作品が違うから。
「は、は、離せぇ~~!!俺は男は嫌いだ!!!」
「俺も嫌いだ!(きっぱり)」
そうかそれなら安心…できねぇよ!!暴れる少年を羽交い絞めするマッチョな男、前の座席には同じく黒尽くめの怪しい老紳士、走出した黒塗りの車の後をヘリが追う。
息吐く暇も無いアクション活劇だが、連れて行かれた場所は少年の実家。
拍子抜けして玄関を潜った彼の首に、ガールフレンドの三宅しのぶが、泣きながら抱き付いた。
後から出迎えた両親も何やら深刻な顔をしている。
全く状況が掴めないが、取敢えず助平顔でガールフレンドを抱き締める少年、しかし両親と黒尽くめの老紳士に案内された居間で、彼は自分を巻き込む運命を知らされるのだった。
「紹介しよう。銀河を超えて地球に来られたインベーダーさんだ!」
「地球侵略しに遥々やって来たインベーダーやがな♪よろしゅうおま~♪」

開けてビックリ天の岩戸、恐ろしげな鬼が巨体を縮めて、居間で寛いでいらっしゃる!!!
自作の名刺を渡しフレンドリーに笑う鬼、と言うかインベーダーは、何故か関西弁だった。
老紳士の説明によると、インベーダーは地球侵略にあたり、コンピューターで適当に選んだ地球人と、インベーダー側の代表とで、サシの勝負をしようと言うのだ。
インベーダー側が勝負に勝てば地球侵略、地球人側が勝てば諦めるとの事、そして不運にも選ばれたのが彼――諸星あたるだったのである。
「地球を護る為だ…君の若い命を捧げてくれ…!!」
老紳士が声を震わせ頭を下げるが、あたるとしては冗談じゃない、年寄りは直ぐ国家の為に命を懸けろとぬかしやがるから嫌だ。
俺は自分の身が何より可愛いと、きっぱり断るあたる、すると老紳士は「それでも男か…!!」と劇画タッチで詰る。
ヤマトは最早古い!時代はマクロスだぜ!!
世代の違いから来るギャップで加熱する議論(何か違う)、同時刻、諸星家を取り囲む自衛隊の戦車、上空を飛ぶ戦闘機は、電磁波の異常な狂いを感知していた。

――稲光が空を縦に裂き、諸星家を貫く。

突如居間に降った閃光に唖然とする諸星家の住人+ガールフレンドのしのぶの前、出現したのは虎縞ビギニを着た熱狂的阪神ファンのギャル、ではなく美しきインベーダーの鬼娘だった。
「お待たせーvうちがおまえの相手をするラムだっちゃv」
明らかにカメラ目線だが超可愛い、しかもグラマー、忽ち鼻の下を伸ばすあたる。
虎縞ビギニギャルが俺の相手!?10日以内に頭の2本の角を掴めば俺の勝ち!?それって合法的に抱き付けるじゃん!!!
「地球の為です!!やりましょう!!」
いきなり態度を180度翻しての快諾、大義名分を掲げるも不純な動機は丸解り、即座にしのぶが嫉妬の炎をメラメラと燃やす。
だがゴングは鳴った、床下に潜んでいたマスコミの一団が、一斉に取り囲んでカメラを向ける。
「僕がやらねば誰がやる!!!」
あたるを中央に、脇にはラムとしのぶ、三角関係を築こうとは、この時未だ知る由も無かった。

地球を懸けた勝負のルールにしては表現が軽いが、鬼ごっこ第1日目――あたるは自分の思惑の甘さを痛感する。
勝てば英雄、スタートダッシュの勢いままに抱き付いた、が、ラムは何と天高く飛んだのだ、流石インベーダー、って感心してる場合じゃない。
「卑怯だ!!飛べるなんて聞いてないぞ!!!」
「単なる研究不足だっちゃv」
まったくもってその通りだが今更遅い、勝負を受けた以上負けるわけにはいかぬ。
負ければ英雄から急転直下、全地球国民から吊し上げ食らう事確実なのだから。
能力が劣るなら知恵を振絞れとローラースケートで挑む――敗北、棒高跳びで挑む――敗北、小型ロケットスーツで挑む――ボタンをポチッと押して爆発、敗北。
いたずらに時だけが過ぎて、最終日の前夜を迎えた。

夕食後の諸星家、お茶の間の空気が重い、TVでは不甲斐無いあたるに対し、各界から非難が噴出していた。
角○の、江川の、あたるの友人達の言葉が、彼の両親の心を苛む。
ニュースキャスターが、もしもあたるが負けた場合、当人を始め一族郎党処刑せよ、といった世間の声を、冷静な顔と声で読上げる。
渡る世間は鬼ばかり、そう、地球人の方が余程鬼だった。

その頃あたるは自室でしのぶと、己の運命を儚んでいた。
「あなたが悪いのよ…ラムの色香に迷うから!」
「そうだったのだ…グラマーでも敵は敵…!」
勝てば天国負ければ地獄、罰ゲームは地球全国民参加のリンチ、想像するだに恐ろしや。
精神崩壊5秒前の彼を救ったのは、しのぶの思いがけない一言だった。
「あたる君!!勝ったら結婚してあげる!!!」

――なんですとー!!!?

嘘か真か響く鐘の音は鎮魂それとも祝福か?
自分が助かりたい為の口から出まかせだろうと疑う彼を、見詰める彼女は真珠の涙を光らせ訴えた。
「馬鹿ね…私はただ、あなたが一生日陰者で終えるのを見たくないの…」
「しのぶ…!!!」
ひしと抱き合う若い恋人達、美しい光景だったが、彼の痴漢行為が一瞬で台無しにした。
「その淫乱さが全ての原因なのが解らんのかー!!!!」
尻を撫でる手を掴み捻っての投げは、合気道のチャンピオンも絶賛する大技だったという。

そして勝負の最終日――ラムと対峙したあたるは、「結婚じゃああああ!!!!」と威勢良く叫ぶや、ピストル状の怪しげなブツを腹から取出した。(ドラえもんか)
引き金を引くと同時にビュルルン!!!と伸びた触手もとい吸盤が、あっという間にラムの虎縞ブラを奪い去る。
カメラの前で待ちに待ってた生乳ポロリ、王様のブランチ瞬間最高視聴率今週第1位は決まったぁー!!!
「返せェーーー!!!!うちの一張羅ァーーー!!!!」
あたるの計算通り、ブラを奪い返そうと、ラムが向って来る。
勝機を逃さず角をギュッと掴んだあたるは、高らかに「ゴォォール!!!」と宣言した。
「やりました!!!偉大な救世主!諸星あたる君!!!」
起死回生の逆転ホームランを打った英雄を讃える紙吹雪の中、あたるは「これで(しのぶと)結婚できる…」と呟いたが、その一言が運命の分かれ道だった。
「解った!おまえがそこまで言うなら、結婚してやっても良いっちゃ!」

――えええええ!!!??

「おおお!!あたる君、ラムちゃんにプロポーズですか!?親善結婚だ素晴しい!!!」
予想だにしなかった展開に、必死で誤解を解こうとするも、ラムは瞳を潤ませ彼に身を寄せる。
2つの星の友好を結ぶには絶好の手段と、詰めかけたマスコミも温かい目線で報道する。
「ふん!!何さ!!何時までも抱締めちゃって!!!折角だから結婚すれば!!!」
「しのぶ!?そんなぁぁぁ…!!!」
そしてとどめのしのぶ――かくして始まるトLOVEルストーリー。(ジャンプの某漫画とは無関係です)
群集から離れた場所で、あたるの凶相を読んだ怪僧が、哀れみを篭めて合掌した。
「運命(さだめ)じゃ…」


…「原作付きでも、原作通りに作る積りは無いです。それじゃアニメ化する意味が有りませんから」というのは、監督(CD)に就いた時の押井さんの弁。
その言葉通り第1回から思い切り良く改変していた。
原作から骨組みを取り出して、アニメ独自の肉付けをしている。
怪しい黒尽くめの男達なんて原作には登場しないっすよ。(笑)
原作ファンからの批判を恐れず言っちゃえば、原作の元になった話より巧く作られてる。
連載開始時は高橋先生も新人、センスは超人ばりでも、拙い所が色々有った。
原作では鬼ごっこの後半で、あたるとラムの衝突を描いてるんだけど、アニメはその辺りばっさり削ってる為、原作よりテンポが早く感じられる。
てゆーか原作は読者サービスを意識してか、後半ラムがトップレスで居続けるんだわ。(笑)
お色気狙いの虎縞ビギニスタイル?最初ラムはヒロインでなく1回きりのゲスト、乱暴な言い方すれば脱ぎキャラだった。
ところが人気爆発、作品のシンボルキャラにまで昇りつめるとは、この時知る由も無かったろう。
そしてこの疑問はファンなら誰もが持ってるだろうが、衣装持ちのラムが何故この時はトップレスのままで居たのか?
朝起きて寝るまで数日ずっと半裸で居たのを想像するとなんかエロい。
そんな疑問をアニメスタッフも持ったか知らんが、アニメでは最終日にあたるの計略に嵌り、ブラを剥がされるという展開。
原作ではラムのブラが剥がされたのは事故だが、アニメではあたるの奸智でやった事に変えられたっつう。
ブラを剥がした後に、ほんのり照れてるあたるが可愛い、描いたアニメーターさん細かいぜ。(笑)
てかブラを剥がすのに使用した謎の吸盤ピストルと、追い駆ける時に着用した小型ロケットは、あたる自身が作った物ですか?
アニメの主人公たるもの、発明の才能は持ってなければ。
ちなみに編物も巧かったり(原作ネタ)、何だかんだでスーパーマン。

話を戻してアニメの第1話は押井さんがコンテ・演出を担当してる為、自衛隊の戦車やら戦闘機やら登場する等押井さんカラーが極めて濃い。
ミリタリーオタクの押井さんは、当時戦車を描けるアニメーターが居ないからと、自ら筆を取って描いたそうな。
正にオタの鑑。(笑)
原作者はそもそもメカが苦手で、そういった描写は特に出て来ない。
上空のUFO母艦を真上から描いて友引町に影を落す構図なんか、巨大さを演出するのに非常に効果的だった。
余談だがこの時の構図は後々クリィミーマミ最終回で使われた、押井さんは業界の演出力を向上させた功労者なんすよ。
床下から出てドドドドドッ!!!と詰めかけるマスコミなんかも押井さんらしい演出。

押井演出礼賛になって来たんで自重(汗)…絵の方の話をすると高橋資祐さんの原画が巧い。
高橋さんが描くと動きがとっても滑らかなんですよ。
鬼ごっこで飛び回るラムなんか、ボールが弾む様な動きで心地良い。
高橋さんは主にタツノコアニメで活躍されてたアニメーター。
うる星の制作会社であるスタジオぴえろは、タツノコプロに所属していた演出家達が独立、立ち上げたそうで、アニメーターもタツノコアニメで活躍されてた方が多い。
な訳でアニメうる星初期は絵柄がタツノコタッチ。
ラムの顔とスタイルが若干アメコミ調、乳首までリアルに描いてある事で、押井さんは局から呼出食らったそうな。(笑)

(個人的評価) 脚本○ 演出○ 作画○ …今後を期待させるスタートダッシュでした。


【続】


一押し回はこんな風に粗筋と感想をねっちりと書こうと考えてるけど…流石に文字数多過ぎますな。(汗)
粗筋書いた所で力尽きたら本末転倒なんで、次回からはも少しあっさり風味に書いて行こう。
それと自分的駄作(失礼)については、さらっと触れるだけに止める積り。(汗)
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あにめぞん感想、ざっくばらん4

2011年10月09日 20時53分20秒 | 漫画&アニメ
今夜ってひょっとしたら十三夜じゃね?
残念ながら雲に隠れて見えないんだけど…別名「栗名月(豆名月とも呼ぶ)」、モンブランでも食べるべ。
前回に引き続き今週(もう先週だが)分あにめぞん感想、ざっくばらんに参りましょう~。

・第4話「響子さんハラハラ!?五代くんは受験です」 脚本:武上純希 コンテ・演出:向後知一 作画監督:服部圭子

…本放送時ポカポカ暖かい春だったんすけど、アニメの中では灰色の受験シーズン。
今回はマシンガン受験する五代君の話、で、お約束ながら掠りもせず爽快に落ちていく。
馬鹿にする住人達を嗜め、五代を応援する響子さん。

「頑張ってくださいね!」

ここで噂の名台詞↑にスポットが当てられるのですよ。
その際キラキラキラ~ンと効果音付け、スローモーションでポーズを取らせるのは…ぶっちゃけ過剰演出に感じた。(汗)
キャラが何か言ったりしたりする度、グォォォォ…!!!とかコォォォ…!!!とか効果音が付く。
加えて三段リピート、全てがくどい。(汗)
てかアニメうる星の「夢の中へ!ダーリン争奪バトルロイヤル」でも同じ演出してたなと思い出し、調べたら担当演出家が同じで物凄く納得してしまった。
めぞんの魅力は地に足の着いた人間ドラマ、オーバーアクションでなく、自然な演技の方が作品に合うんじゃないかな~と思うんだが…。
そこを気にしなきゃ面白く観られる、特に話が破綻してるわけじゃなく、ぶっちゃけ凡作だからかえって感想書き辛い。
絵についても、可も無く不可も無く…赤くなった響子さんは可愛かったv

(個人的評価) 脚本△ 演出△ 作画△ …賢太郎君の「落ちこぼれ…!」という台詞がシビアで痛い。(笑)



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じゃんぷの話をしよう

2011年10月06日 22時34分36秒 | 漫画&アニメ
本日10/6は、たしぎのお誕生日。
ハッピーバースデーたしぎ~~♪♪
それを祝って(?)偶にはジャンプの話をしようかと。
てかワンピの二次創作やってる割には、普段ジャンプどころか、ワンピにも触れず居て済みませぬ。(汗)
立ち読みは毎週してるんすよ、しっかりと。

自分が今推してる漫画は「ワンピース」は勿論、「バクマン。」、「ハンター」、「めだか」、「鏡」、「マジコ」、「スターズ」だったり。
その他も読む事は読む…パラ見して面白そうなら。(その他の漫画のファンの方、読んでたら御免…)

「マジコ」は、「面白い」からと言うより、正直「惜しい!」と思い読んでる。
かなり前に女の出世をRPG的に描いて人気を呼んだ、「悪女(わる)」に近いアイディアを感じ、1話から応援してるのだけど。
同じく結婚をRPG的に料理すれば、今迄のジャンプに無かった漫画になるんじゃないかってね。
現状、迷走しちゃってるね。(汗)
少年読者に「結婚」というテーマぶっちゃけ、人気を呼べるかは一旦置くとして、ジャンプ漫画らしからぬカラーは、逆に武器となりうる。
やはり連載初期は「ジャンプ漫画らしくない」と叩かれ迷走してたけど、上昇気流に乗ってった「めだか」と言う漫画も有るんで、編集部は気長に切らず育てて欲しいな~。
多分今の大会編のアンケート次第で、切るか切らないか決めるんだろう。
展開の迷走っぷりと共に、魅力的な脇キャラが少ないというのが、この漫画の問題点だと思う。
ヒロインも…可愛いけど、良い子過ぎる、アクが足りない。
ヒーローとヒロインが最初から両思いというのも、「結婚」という題材を考えると、減点に働いてしまってる気がするよ。
それでも描いてる作者様、絵が可愛く観易いから、初めて読む人の目に止まり易いと思うし、どうか頑張って下さい最後まで。

逆に「スターズ」は絵の点で力弱く感じる。
しかしやはり今のジャンプの中では新鮮な題材を武器に健闘してって欲しい。
「はやぶさ」ブームを味方に付けろ!!
ベテラン連載漫画も何時まで人気を保てるか判らない、新人が生まれては消えてく現状って、ジャンプ的にはお先真っ暗だろうし。(汗)

そんな中「めだか」アニメ化おめでとう♪
今1番勢いを感じる連載だよ。
無茶を通せば道理が引っ込む的なキャラとストーリーは、嵌れば快感かと。(笑)
「鏡」はかつての「苺」・「とらぶる」路線っすな。
縛りが強固過ぎて長くは続かなそうだけど、少年誌にエロラブコメは必要枠っすよ。(笑)

「ワンピース」はファンとしてあまり言いたくないのだけど、ここ数週キャラが大人数出てワーギャー騒いでるのが観辛い。(汗)
これから各キャラ同士の対決展開になるのなら解消されるだろうけど。
10年以上も連載してるってのに、読者に強く訴える力は流石やなと思う。
「子供達が世界の何処へでも行けるように、大人の事情で壁を作ってはいけない」というメッセージは、立ち読みしてて涙腺がかなり緩んだです。
ちなみに今週…は休みか、先週最も感銘を受けたシーンは、身を挺してナミさんを護るブルックさん。
てゆーか今際のきわに「パンツが見たい」と強く訴えたブルックさんの姿だが。(以下妄想ネタ↓)

ナ「ブルック!!…私を護る為に…こんなに傷付いて…!!いや!!死なないでブルックーー!!!」
ブ「………良いんですよ…ナミさん…貴女さえ無事なら…私はどうなろうと……でも…最期に1つだけお願い、聞いて頂けますか…?
ナ「いいわ!!キスでも何でもしたげる!!!何をして欲しいの!?」
ブ「……ぜ…贅沢は言いません……パ、パンツを…最期にパンツを、この目にしっかと焼付け――

――ズガボォォォ~~~ン…!!!!!

ナ「逝ってよし!!!!」
チ「ブルックが骨破微塵にィ~~~~~!!!(号泣)」
フ「キスよりパンツを見せる方が堅いのかよ!?」
ロ「馬鹿ね男って。乙女のパンツはスイスプライベートバンクにも勝る難攻不落の絶対ガードと知りなさい」
ゾ「そりゃ、世紀の大泥棒も盗むのに苦労しそうだな」
ウ「世紀の大泥棒が乙女のパンツを盗もうとするなよって先ずはツッコムところだけどな」

…漢前なブルックさんに乾杯。(笑)

お終いに先週の「ハンター」について、多数派意見だろうけど、「ヒカルの碁」のパロかと思った。(笑)
コメント
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