瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

あにめぞん感想、ざっくばらん88

2020年06月14日 18時42分41秒 | 漫画&アニメ
今年の目標その1!――この「あにめぞん感想」を遅くとも年が終わる前に終わらす事!!
…今のペースじゃ絶対無理っぽい気するけど(汗)、アニソンあいうえおも終えた事だし、とにかく頑張る!!
あと去年11/16にBSプレミアムで放送されたルーミックアニメスペシャルの感想も何時か書きたい。
個人的に言いたい事が色々有るんだ!――その前に「あにめぞんレビュー」前回の続きで三鷹さんゴールイン目前編。

▲第88回「愛ふたたび?こずえが残したキスの味!!」脚本:金子裕 コンテ・演出:鈴木行 作画監督:鈴木俊二

営業前のキャバレーで店番兼勉強していた五代が、昼食にカップ麺を食べようと薬缶でお湯を沸かしていたそこへ、キャバ嬢の子供2人が遊びにやって来る。
五代が夜間に店奥の託児所で預かってる、あどけない男児と女児だ。
2人の母は夜勤疲れで寝ており、未だ昼御飯を食べてないとの事。
「それなら一緒に外へ食べに行くか!」と、五代は店を戸締りして出掛ける仕度を整える。
…ここの看板を片付けてシャッターを下ろす等の描写が細かくてリアル。
アニめぞん終盤を主に支えた3人の作画監督の中でも、鈴木俊二氏の緻密な描写力は抜きん出ていたと思う。
当時、女キャラを可愛く描く方ではなかったから、作品ファンの間で賛否分かれたけど、この方が担当した回はキャラの動きがリアルで好きでした。
後にエヴァンゲリオンの作画で評判を呼ぶ名アニメーターです。
話を戻し…子供達を連れて店を出る五代、しかしそんな彼を待ち伏せてたのは、超絶不貞腐れ顔の三鷹だった。

タイトルコールを挟んだ後、舞台は「ヴィクトリーハンバーガーV」へ移る。
ハンバーガーを頬張りご機嫌な子供2人とは反対に、五代と対面する形で窓際席に座る三鷹は仏頂面で黙ったまま。
これじゃ何時までも帰れない…痺れを切らした五代が怖ず怖ず話しかける、すると相手は「何だよ!?」と睨み返した。
完全に喧嘩腰である、温和な五代も流石にむかっ腹立った。
「何だ!?」はこちらの言葉、話が有って待ち伏せしてたのは、そっちじゃないのか?
「…そりゃあ、三鷹さんの気持ちも解らなくもないけど」と、終いまで強く出られない辺りが彼だが。(笑)
案の定、「君に僕の気持ちが解ると言うの?」と八つ当たりする三鷹だったが、五代にまで事情が全て知られてる事を知った彼は、悔し気に唇を噛んだ。
「犬のおめでたを勘違いしたとか…」
「その話は止せ!」
「まさか、だからと言って、婚約破棄する積りじゃ!」
「出来るわけないだろ!!そんな事!」
「はぁ、良かった」
「良かったとは何だ!!」
「だって…明日菜さんが可哀想だから」
「この僕は、可哀想じゃないと言うのか?」
「でも…妊娠したと思って結納まで交わしたって事は、やっぱり三鷹さん、心当たりが有ったんでしょ?」
「僕はキスしかしてない!!!」
立ち上がった三鷹が、テーブルを勢い良く叩いた衝撃で、空の紙コップが落ちる。
驚いて五代に縋る子供達、店内客の視線が集まる。
呆然とする五代を前に、三鷹は羞恥を隠して座り直す。
「…今更こんな事言っても仕方ないけど」

その頃、一刻館玄関前では、惣一郎さんに餌をあげる響子さんを肴に、住人女性達が酒盛りをしていた。
「あんたさァ、どうすんだよ?妊娠したのは間違いだと解ったんだから、まだ逆転するチャンスは残ってんだよ」と一の瀬さん。
しかし惚けてるのか、本当にピンと来ないのか、「何がですか?」と問い返す響子さん。
「三鷹さん!!私と一緒に逃げて!!」「――と、あんたがひとこと言えば、三鷹さんも付いて来る!」
朱美さんの芝居がかった台詞に、一の瀬さんが言葉を継ぐ。
他人の人生を面白半分に掻き回そうとする2人を、響子さんは辛辣な言葉で詰った。
「どうしてそういう、他人の幸せを壊す様な事しか考えないんですか?」
朱美さんも一の瀬さんも、響子さんの気持ちが誰に向いてるか解っていて、唆す様な事言うのは確かに性質が悪いと思うけど、言葉の裏には三鷹さんへの同情も有ったと思うなあ。
その証拠に、この後――
朱「三鷹さん、幸せかねェ…」
響「そりゃあ、色々有ったかも知れないけど…」
一「元気無いよ、三鷹さん。ここんとこ、笑顔見せた事無いじゃない」
――と、三鷹を慮る台詞が続くのです。
同じアパートに住む住人として五代を応援してたものの、同じく長いこと響子さんに熱烈アタックしてた三鷹を、ずっと見ていたわけですからね。
恋心届かず愛してない女と無理矢理結婚させられる三鷹を、2人は心底気の毒がってたんじゃないでしょか?
片や既に彼との関係を心中で絶ってる響子さん…周りから何を言われても今更、三鷹の事を愛せはしないからね。(笑)

一方、三鷹と五代はハンバーガー屋から児童公園へ場所を移動していた。
同じベンチに座って喋る三鷹と五代、その正面では五代が連れて来た子供達が無邪気にジャングルジムで遊んでいた。
三鷹が沈痛な面持ちで語る、「もう後戻りは出来ない…ただ響子さんの事が気懸りだ」と…それでも「あの人にとって僕は必要な人じゃない」と理解した今、自分に出来る事は無い。
自分の方がずっと幸せに出来るのに、彼女が選んだのは隣に座る頼りない男という遣る瀬無さ、当の五代にぶつけたくなるのは良く解ります。(笑)
プライドもさぞや傷付ついた事だろう。
「僕が管理人さんにとって必要かは解らないけど、本当にだらしなくて駄目な男だけど…」
「ああ!だらしなくて駄目な男だ!」
「努力はしてますよ!!」
「当たり前だ!!馬鹿者!!大体君がもう少ししっかりしてれば、わざわざこうして僕が会いに来る事も無かったんだ!!…本当は君の顔なんて見たくなかったんだ!!
 …だけど僕は、もう音無さんに何もしてやれないから…!解るか…この気持ちが!?何で僕が君を励まさなくちゃならんのだ!!」
「…済みません」
ベンチから立ち上がった三鷹が、ジャングルジムのパイプをギュッと両手で掴んで唸る。
悔しさを露にする男の背中に、五代は小声で謝るしかなかった。
そこへ、場の空気を読めない子供達が、一緒に遊ぼうと五代にせがむ。
「今このお兄さんと大切な話が有るから、もう少し待って」と子供達を説得する五代。
だが三鷹の方は、子供達の無邪気さに触れて怒る気が萎えたのか、五代に帰るよう告げた。
「今夜は明日菜さんが家に来るから僕も帰る」
立ち去る三鷹の背中に、五代が「生意気な事を言うようだけど、明日菜さんを大切にしてください」と声をかけた。
彼の言葉を聞き、振り返った三鷹が「生意気だよ」と返す。
恋敵としての会話はこれが最後になるのだった。
…ここの場面での台詞、原作とは微妙に違ってるのです。
原作で、この場面での三鷹の最後の台詞は、「余計な心配しなくていいよ」。
個人的な好みから言わせて貰うと、アニメ版の方が三鷹の自尊心が感じられるかなと。
三鷹からすれば、五代から相手の女性大切にしてあげてと言われても、「おまえが言うな」ってなもんでしょ。
「こっちの台詞だよ」でして…そう考えると「生意気だよ」の方が腑に落ちる。
原作の「余計な心配しなくていいよ」だと、五代への気遣い感じられて、三鷹さん、どんだけ善人なのって言いたくなる。
正直に言って終盤の三鷹さんは都合良く善人にされた印象、これとは逆にこずえちゃんは終盤狡いキャラに描かれて気の毒だった。
作者の思い入れ度の差からかもしれない。

こずえちゃんの件は今は置いて、三鷹のその後に戻ります。
五代と別れた日の晩、三鷹の実家では明日菜と仲人の叔父を招いてのホーム・パーティーが開かれた。
全ての料理を担当したのは明日菜。
三鷹の両親と伯父が、その出来栄えを絶賛する。
幼い頃から良妻賢母になる為の教育を受けたお嬢様は料理が大得意、パーティーは明日菜の家政能力を披露する場として設けられたのかも。
申し分無いお嫁さんが来てくれて、後の心配は孫だけだと能天気に笑い合う両親。
それを聞いた叔父は「瞬の事だから、式を挙げる頃には、新郎妊婦になってるかも」と、親父ギャグを飛ばす。
『いっそそうなってりゃ、もう少し割り切れたんだろうか…?』、叔父の軽口を聞きながら未来の新郎は物思う。
蟠りを抱えたまま笑顔を繕い続ける三鷹を、明日菜がじっと見詰めていた。
食後、話題は自然と三鷹の思い出話へ。
古いアルバムに収められた少年時代の三鷹の屈託無い笑顔を見て、頬を緩める明日菜お嬢様。
並べられた写真の多くは、彼が中学時代から夢中だったと話すテニスのユニフォーム姿、その内の1枚に彼女の目が留まった。
テニスの大会で優勝した時の物だろうか?金色に輝く優勝カップを抱えて笑っている…
三「ああこれ!中学3年の時のジュニア大会の決勝戦でね」
明「優勝なさったんですか?」
三「いえ、負けた後です」
叔「それにしちゃ、笑っとるじゃないか」
三「どんな顔していいか解らなかったから」
父「普通はもう少し切ない顔をするもんだがなぁ」
叔「瞬は昔から明るいからな~!」
陽気に笑い合う叔父と父を他所に、三鷹の心は当時に返る。
決勝戦で負けた後、準優勝カップを床に叩き付けて、声を出さずに泣いた苦い記憶。
彼が物陰で独り泣き続けた事は、家族ですら知らない…。
夜も更けた頃、三鷹は明日菜を自分の部屋に招いた。
三鷹の叔父と両親は気を利かせて先に帰ったのかもしれない、或いは未だダイニングで思い出話に花を咲かせているのか。
「男の部屋って殺風景でしょ?」と笑って、ブラインドを上げる三鷹。
綺麗に掃除してある部屋を見回していた明日菜は、テニスのジュニア大会で貰った物だろう準優勝カップを見付ける。
振れた指に凹みを感じる…まるでぶつけて傷付いた様な。
「準優勝のカップ…優勝よりは嬉しくなかったでしょ?」
明日菜から唐突に尋ねられ、言葉を失う三鷹。
「人間って、嬉しくなくっても笑えるんですよね…気のせいでしょうか?これを持って笑ってる写真、他のと違ってて、それが…今日の三鷹さんの顔と同じに見えるんです」
自分との結婚は彼にとって喜ばしいものじゃない――隠してた本音を明日菜に覚られた三鷹は、動揺してビートルズのレコードを落としてしまう。
「私、どうすれば…」と言って俯く明日菜。
彼女が泣き出すと思った三鷹は慌てて慰めようとする、がしかし、お嬢様は彼が思ってるよりずっとタフだった。
魚屋のおじさんが驚いた、『ギョッ』
――流石お嬢様!ふと閃いた駄洒落にまで伝統を感じさせられる!!
受けた三鷹が即座に「ふとんがふっとんだ!!」で応酬なんて事は無く、状況にそぐわないジョークを聞かされた彼は呆気に取られてしまう。
2人の間に流れる残酷な静寂、お嬢様は精一杯考えた駄洒落がダダ滑りした事を覚り、顔を真っ赤に染めて恥じるのだった。
「済みません!今の事は忘れてください!!」
多分、産まれてこの方テレビや雑誌でお笑いなんて観た事無かったろうに、三鷹に笑って欲しくて一生懸命面白いジョークを考えたんでしょう。
自身より三鷹の気持ちを思い遣ってくれる明日菜の一途さに、三鷹が初めて惹かれた瞬間かもしれない。
彼の場合、長い事思ってた末に報われず終わった恋の後だったから。
ベッドに腰かけた三鷹が堰を切ったように笑い出す。
彼に笑って欲しかったとはいえ、己の下手なジョークが笑われてると思うと、明日菜としては恥ずかしさで居た堪れない。
「無理に笑って頂かなくても!」と制止する彼女の困り顔を、三鷹は正面から優しい目で見詰めた。
「…そうですね。お互い無理は止めましょう!…ゆっくりと幸せになりましょう。僕達…これから、ずぅっと一緒なんだから」
明日菜の手を引き、同じベッドの上、隣り合って座る。
彼女の左手薬指に光る指輪は、自分と共に生きる事を誓った証。
未だ彼女の事を心から愛していないけど、僕に一生寄り添うと決めた彼女を幸せにしてあげたい。
だから――さよなら、響子さん。
三鷹が響子さんに心から別れを告げてAパートが終了するのだが、これまでと違うタイトルのみのアイキャッチが、物語の終盤を感じさせられる。
それなのにBパート開始を告げるアイキャッチは、五代と三鷹が並んで響子さんに花束を差し出す何時ものヤツってのが非常に残念だった。
三鷹が響子さんに心から別れを告げたシーンの後なんだからさ~、Aパート終了時のアイキャッチ同様、タイトルのみで良かった気がする。

それはさておきBパートからは五代最後の難題、こずえちゃんとの関係の清算である。
三鷹と明日菜お嬢様の結婚が進む裏で、こずえちゃんがどう過ごしていたかと言うと、五代同様に大学卒業目指して試験勉強に追われていたらしい。
ここら辺、原作とは若干違う。
原作のこずえちゃんは確か短大生で、五代より早く卒業した彼女は、父親のコネで銀行員になってたかと。
アニメでは五代と同じ四年制の大学に通ってたもようで(学校は違う)、最終回までこずえちゃんも学生のままだった。
そのこずえちゃんが今回久し振りの再登場。
期末試験が全て終了し、卒業を待つだけだった彼女は、或る夜、高校の頃の先輩から、一緒に晩飯を食べようと呼び出される。
場所は新宿繁華街だろうか?
レストランの対面席に着いた先輩は、こずえちゃんから試験の進捗状況を聞く。
「試験、全部終わったんだろ?」
「後は卒論を残すだけ!」
「よし!今夜はボーナスも出た事だし、パーッと豪勢にやるかぁ!!」
「やったァ!!持つべきものは頼りになる先輩ねv」
今夜は全部奢りと聞かされ、こずえちゃんは遠慮無くステーキコースを注文する。
食事と歓談の途中、不意に先輩が預金通帳を卓上に置いた。
「僕の全財産だ」と言って見せてくれた通帳には、かなりの金額が印字されてた様子。
「先輩ってお金持ちなんですねえ!!」と驚くこずえちゃんに、彼は「子供の頃から貯金が趣味でさ」とおどけた。
食事中の二人の会話によると、こずえちゃんは春から東都銀行勤めが決まっており、先輩は三友銀行に勤めているらしい。
高校の何年先輩かは明らかにされないけど、子供の頃から貯金が趣味な上、2年以上大手銀行へお勤めなら、ン千万貯めてても不思議は無いですなぁ。
そんな若くしてお金持ちな先輩だが、「そろそろパーッと使いたいので、君に是非協力して貰いたい」との事――つまり、こずえちゃんにプロポーズしたわけです!!
こずえちゃんからすれば青天の霹靂…夜だけど。
答えに詰まる彼女に対し先輩は返事を急がせず、この日は「考えてみてくれないか」と言うだけに止めた。
電車に揺られての帰り道、こずえちゃんは先輩の事を思い浮かべて、重い溜息を吐く。
「先輩…高校の時から想ってくれてたなんて知らなかった…とっても良い人なんだけど…プロポーズなんて…」
暗い車窓には、満月浮かぶ夜の街を背景に、物憂げな彼女の顔が写っている。
一方、こずえちゃんの想い人である五代は、今夜も独りキャバレーに泊まり込んで勉強に励んでいた。

…ここの件も原作と諸々違う箇所が有る。
筋は大体同じなんすが、原作でこずえちゃんにプロポーズする相手の男は、気が弱くて真面目そうな同僚になってるんです。
原作では顔を出さず、ほぼ台詞のみのキャラなため年齢不詳ですが、口調から察するに恐らく同年代か1つ下かと。
なのにアニメでは高校時代の先輩で、学生だった頃から彼女の事を想っており、就活の相談に乗ってくれていたと想像させる、頼もしいキャラに変わった。
しかも顔がちょろっと出た上、「広田」って苗字まで明らかにされてます。
変更した理由は何だろうか?
これはあくまで個人的推測なのだが…原作者の高橋留美子先生は、小説家の平井和正氏との対談で、「七尾こずえ」というキャラを「理解出来ない」と語っている。(徳間書店刊行「語り尽せ熱愛時代」より)
「彼女とは血液型が違うんでしょうね(笑)」という発言からは、余所余所しさを感じてしまう。
三鷹と明日菜の場合、主役2人がゴールインする際は挨拶に来て、その後も同じ世界で暮らした。
こずえの場合は、顔も名前も出ない男と結婚し、主役2人から離れた地で幸せに暮らすエンドだった。
正直言って、三鷹&明日菜が辿った結末に比べると、突き放した描写に感じたもんです。(笑)
作者的に行動が読めないキャラで、想像を広げるのが難しかったのかもしれない。(※あくまで主観です)
一方、アニメの脚本家は、こずえちゃんにかなり同情を寄せてた様に思えた。
顔も名前も解らぬ同僚ではなく、高校時代から陰で支えてくれた頼もしい「広田」先輩とのハッピーエンドからは、アニメ脚本家の「絶対に彼女を幸せにしてあげたい!!」と願う気持ちが察せられる。
しかしそこまで描写するなら、こずえちゃん登場時の失恋エピソードを上手く絡める等して欲しかったな~と。(笑)

…字数オーバー間近なため感想に戻ります。
翌日、響子さんが一刻館に帰ると、住人達が何時もの如く玄関で酒盛りをしていた。(終盤では珍しい響子さんのGパン姿に注目)
真昼間からの宴会を何時もの如く叱る響子さんに、「管理人さんを待っていた」と四谷氏、彼の言葉を皮切りに、一の瀬さんは旦那が職探しの時使ってたお守りを、朱美さんは栄養ドリンクセットを、そして四谷氏はリボン付き鰯の頭を差し出す。
「一体これをどうしろと??」、謎のプレゼントを抱えて困惑する響子さんだが、住人達曰く、渡した物は卒業試験が大詰めを迎える五代への励ましとの事――要は素直に会いに行けない響子さんの為、理由を作ってやろうってお節介らしい。
四「三鷹さんを取り逃がした今となっては、」
朱「良い悪いはともかく、」
一「あんなんでもぉ、男だしねぇ~」
響「余計なお世話です!!」
そこへ空気を読んだ様に、こずえちゃんが訪ねて来た。
「ラッキー!!!」と狂喜する住人達の勢いに押され、こずえちゃんと一緒に、五代に会いに行く事になった響子さん。
電車内で並んで座ってる間、響子さんから五代の近況を聞かされたこずえちゃんは、彼が今キャバレーでバイトしているのを知って驚くと同時に、今まで教えて貰えなかった事への不満を零した。
「でも、偶には会ってたんでしょう?」、「ええ…でも最近は、なかなか」、「そうですか…『偶に会ってたのか』」
優越、疑心、落胆…こずえちゃんとの会話の中で、目まぐるしく変わってく響子さんの気持ちが、手に取るように解る。(笑)

話を再び戻して舞台はキャバレー「バニー」、響子さんとこずえちゃんの電撃同時訪問を受けた五代は大いに慌てた。
美女2人を五代の居る事務所まで案内した飯岡マネージャーが、「どっちがテメェのコレだ?」と小指を立てながら冷やかす。
降って沸いた修羅場の空気を読んでか知らずか、こずえちゃんが五代との親密さをアピールするように抱き付いて、「ちっとも連絡をくれないんだもん!」とむくれる。
感情を素直に出すこずえちゃんを横目に、響子さんは能面顔で「アパートの皆からの心尽しの品」を五代に渡した。
「用はこれだけだから」と言って帰ろうとする響子さんを、飯岡マネージャーが呼び止める。
彼は、五代に「こずえちゃんを連れて喫茶店にでも行って来い」と促す一方、事務所に残った響子さんには茶を1杯飲んでくよう誘った。
長年社会を裏から見て来た彼は、研ぎ澄ました観察眼でもって、五代の本命が響子さんであり、響子さんも五代に惚れてる事を瞬時に見極めたのです。
「奴に弁当作ってたの、あんたでしょ?」と訊かれ、頷く響子さん。
「やっぱりなァ~あのコじゃねェと思ってたんだ」
「あのぉ…それが何か?」
「余計な事かもしれねェけど、もうちっと寛がせてやった方が良いんじゃない?
 何かアイツ見てるとさァ、あんたの為に無理して足掻いてるみたいでさァ」
「あ、あの!私達別にそういう関係では!」
「じゃあ、何で弁当なんて作ってやんの?」
「それは、その…」
「いーじゃん、別に隠さなくても」
「別に隠してなんか…」
「ま…とにかく、試験が終わったら五代の奴アパートに帰るんだし…優しくしてやんなよね」
「勿論ですわ!冷たくする謂れなんて有りませんもの!」
強面の飯岡マネージャー相手にきっぱり言い返す響子さん、その心の内で彼女は『まるで私が五代さんを追い込んでるみたいじゃないの!』と憤るのだった。
…無自覚って怖い。(笑)

一方、店から側の喫茶店に、こずえちゃんを連れて入った五代は、明日で卒業試験が終了する事を話した。
先輩からのプロポーズの件を五代に話す積りで会いに来たこずえちゃんだったが、試験前の大事な時に彼の心を乱してはいけない…そう考えた彼女は試験の後で改めて相談すると答える。
「あたしの事なんて気にしないで。それより、試験頑張ってね!」
だが相談したい事が有ると言われて、話引っ込められると気になるのが人の常。
生来お人好しな五代は、こずえちゃんが何か悩みを抱えてるのではと気になる。
そこで店を出ての帰り道、困ってる事が有れば言って欲しいと、彼女に請うた。
「俺、頼りないと思うけど、本当に何でも相談に乗るから」
「あたしの為に何でもしてくれる?」
「俺に出来る事なら」
夕暮れ時、高架下の大通り途中で足を止め、向かい合う2人。
こずえちゃんが、五代の顔を見詰めながら、「ちょっと見て」と言って、両手を合わせ差し出す。
何だろう??と思った五代は、少し屈んで彼女の両掌の内を覗き込んだ。
「そのまま目を瞑っていて」とせがまれ、言う通りにする…唇に柔らかい感触を覚えて目を開ければ、自分に口付ける彼女の顔。
突然のキスに五代は大混乱!!――おもむろに顔を離した彼女が悪戯っぽく笑う、その頬は夕陽の朱に紛れる事無く真っ赤に染まっていた。
「有難う!」と言って、こずえちゃんが走り去る。
呆然と固まった五代の後方で、電車がガタンゴトン音を立てて走り行く…2人が歩いて来た通りは、十字に上下の道が交わる立体交差路で、高架上を走る鉄道沿いにも道が敷かれている。
その高架上の歩道から、五代とこずえちゃんがキスする現場を、響子さんが偶然見ていた…五代の苦難は続くよ何処までも。

(個人的評価)脚本〇 演出〇 作画〇 …三鷹と明日菜の結婚話がメインで、こずえちゃんの話は次回への引きに使われた(笑)、でも話・演出・作画、3点が綺麗に纏まった佳作だと思います。
ただ1点、空気を読まないアイキャッチだけが残念でした…三鷹さん、お幸せに!
次回予告は何時も通り一の瀬さん四谷さん朱美さん、プラス五代で、タイトル読みは響子さん…しかし何処が「ざっくばらん」なんだろうね?この感想。(汗)

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