ロイターが12月18日に伝えたところでは、オバマ米大統領は17日、1961年以来国交を断絶しているキューバとの国交正常化に向けた交渉を開始すると発表した。両国は相互に大使館を設置する方針。
オバマ大統領は米東部時間正午(日本時間18日午前2時)に声明を発表。米国のこれまでの対キューバ政策は時代遅れなもので、効果はなかったとし、政策転換は「正しい」との認識を表明。「米国は過去のくびきからの解放を選択した」と述べた。
オバマ大統領はまた、米国とキューバの間の協議を取り持ったとしてカナダ政府に謝意を表明した。
オバマ大統領は前日、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長と約1時間にわたり電話で会談している。
大統領の発表に先立ち米政府高官は、対キューバ強硬路線は効果を示していないとの考えがオバマ政権内に存在していたことが政策転換につながったとし、「米国の外交政策で賞味期限が切れたものがあったとすれば、それは対キューバ政策だった」と述べた。
米国政府は、相変わらずの米国が世界のNo1であるかのように、「上から目線」の外交を展開しているのだが、「反米的」な国民が多いとこで知られるカナダに仲介を取り持って貰ったなど、オバマ大統領は恥も知らない無節操な外交をしているとしか思えない。
そもそも、1959年のキューバ革命に「公然と反発した」米国は、キューバが60年に国内の米系資産を全面的に接収したことに反発、それらを理由に61年に米国が対キューバ国交断絶を通告し、就任直後のケネディー大統領の冒険主義的なキューバ政府転覆を狙ったピッグス湾事件をおこしたが失敗、翌62年には対キューバ全面禁輸に踏み切った。
これにより、キューバは自国の維持や防衛の対抗上、ソ連との友好協力関係を深めていったのだ。
同年10月、米国はソ連がキューバに中距離ミサイル基地を建設中と発表、キューバを海上封鎖し、一時は核戦争にも発展しかねない「キューバ危機」が起きた。
この時点で、米国はキューバに配備されていたソ連のIRBMを半数程度した把握しておらず、もし米国がキューバに対して空爆などを行っていれば、キューバより米国にIRBMによる核攻撃などの反撃、そして第三次世界大戦に至った可能性は極めて高かった。
米国は1996年に起きた米民間機撃墜事件を受けて、経済制裁強化法を成立。キューバも対抗措置を取ってきたなど、米国にとって、キューバは長年に渡る因縁の対決相手、いわば「鬼門」であった。
これらは全て、米国の「キューバの低評価」と「大国の傲慢さ」が産んだ「いじめ」の結果が招いた危機や対立である。
今更ではあるが、もし米国がキューバに対して善隣友好の関係を築いていれば、ロシアの基地が今でもキューバに置かれていることはなかったであろう。
ロシアは、最近キューバを利用して、米国東海岸などへの偵察活動や威圧行動を強化していると伝えられている。
米国オバマ大統領がキューバとの国交正常化へ動くことは、すなわち米国の国力低下や衰退は明らかであることの証明でもある。
キューバに利害関係のあるロシアが今後、どのように動くかが注目されるところだ。
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