日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇 (中公新書ラクレ) | |
クリエーター情報なし | |
中央公論新社 |
三谷幸喜さんの『笑の大学』という作品があります。
映画では、稲垣吾郎さんが主人公を演じています。
この作品は、戦時下の検閲を取り上げていますが、その検閲をすり抜けてどう「笑い」を守ろうとしたかという脚本家の努力と検閲官のやり取りが「笑い」になっている作品。
戦争や時代というものが要求する言論の封殺がコミカルに描かれています。
NHKが数年前にドキュメンタリーで放送した「戦場の漫才師たち ~わらわし隊の戦争」でも、当時のお笑いを支えていた芸人さんたちが、結局、兵隊にとられたり、時局にふさわしくないといって、演じる場所が減らされていく様子と、前線で招へいに笑いを届ける活動を扱っていますが、これもいろいろと考えさせられます。
先の書籍の紹介に「笑っていいとも」が終わったということを枕として取り上げましたが、32年間、あの番組に登場してきた芸人さんたちが、日本の政治や対外関係、時局という名前の中で言論を抑えられていなかったことに感動を覚えています。
「笑っていいとも」が終わったことで、そういう時代も終わった、ということが後世語られることがないように、と願っています。