AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

大人だもんなあ

2005年07月02日 | 日本語教育
 大学の授業というのは、一般に大人が対象です。
 宿題を出したときに、忘れてきたからと言って、怒鳴るというのも、宿題が指数対数的に増えていくというのも、僕は子供に対する対応だと思うんです。
 宿題をしなくて覚えられないとか、欠席してわからなくなると言うのは、冷たいようですが、本人の責任だというのが僕の基本的なスタンスです。後日、宿題をしてその添削を依頼されればもちろんしますし、欠席した日の授業内容について質問があれば対応しますが、こちらからそれを言うつもりはありません。

 ただ、少し事情が違うのが今、担当している集中講習タイプの授業です。
 毎日5時間近く連続して日本語を教えているのですが、1日欠席すると、1コマ分じゃなく、3から4コマ分の授業が抜けるわけです。ふつうの大学の授業で言うと、4分の1から3分の1に当たる時間数です。1日の欠席が、取り戻せないほどの遅れになるのは容易に想像がつくと思います。

 語学の授業は、その日の授業がわかればいいというモノではなくて、数学なんかと同じく、今までの知識の積み重ねの後に成り立つモノです。幾何系と関数系のような分野が違うということもないです。何か新しい文法項目だけで、会話が成り立つ訳じゃありませんから。

 新しい語彙、新しい文型、これだけでその日の学習が終わる訳じゃありません。これを今までの知識に結びつけて、どんな場面でどんな会話が成立していくかを実地に確認して、使えるようになっていくわけです。

 なもんで、一日欠席されてしまうと、授業の中で学生同士が日本語を使って何かをするというときに、その学生だけが何をしていいのかわからなくなる状態になります。すると、ペアワークであれば、そのペアの学生も何もできなくなって、最終的には、クラス全体が滞ってしまうんです。座ってノートをとるだけの授業でしたら、↑のように自己責任と言い切るんですが、こんな授業だったら、教員がフォローをしなくてはクラス全体がおかしなことになります。

 大人なんだから、話せばわかると思うんですが、そうでもないのかなと思うこのごろです。
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