AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

理想の国語辞典

2005年05月17日 | 
国広哲弥先生のご著書です。国広先生のお書きになったものとの最初の出会いは、『ことばの意味-辞書に書いていないこと』(平凡社)でした。ことばの意味について考える大きなきっかけをいただいた本です。直接お目にかかったことはありませんが、他の人の書く意味分析よりも読みやすく、しかもおもしろかったんですよ。語感も似通っていたし。って、国広先生も山口県のご出身ですから、世代差こそあれ、語感が似通うのは当然といえば当然だったのかもしれません。
でも、国広先生のおかげで、日本語に対する関心がふくらみ、今の仕事に結びついているわけです。一冊の本との出会いは人との出会いに似ています。

 さて、この本は今までの国語辞典の抱える問題というか、書かれていないことに注目しての意味分析が行われています。
 よくよく思い出してみると、意味分析というものとの出会いは、中学校2年の時でした。国語の時間、確か1回目の時間に、玉木先生という先生の授業でしたが、「西ということばを君たちならどう説明するか」と問いかけられ、説明できそうでできないことに気がつき、辞書の記述を比較するということをしました。ことばに対する関心は、もしかしたら、あの時に芽生えたのかもしれません。

この本の構成は次の通り。

-------------------------------
第一部 国語辞典のここが足りない
 一 類義語の識別
 二 日常語の意味
 三 助詞の記述
 四 文型の記述
 五 連語
 六 定義の堂々巡り
第二部 多義語
 七 多義語と同音異義語
 八 多義の意味関係
 九 多義語の構造化
第三部 辞典の記述
 一〇 記述項目
 一一 辞典記述見本

------------------------------
1997年11月15日初版
1998年2月15日第四版
国広哲弥著
大修館書店
ISBN
4-469-22136-8
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 漫画家の岡部冬彦氏死去、だ... | トップ | 国際交流ボランティア入門 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事