AWA@TELL まいにち

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歴史は面白い

2019年12月15日 | 日本語教育
今日は、日帰りで東京。

戦時日本語教育史研究会の研究大会でした。

昨年度、お声掛けいただき発表したものの論文が掲載された研究会誌もいただきました。

今回も面白い発表ばかりだったのですが、九州産業大学の酒井順一郎先生のご発表が、私は、個人的にとても興味深く伺っていました。

戦前、日本語教育に関して、1939年の第74回帝国議会で2万円の予算が付いたこと、勅令第829号で日本語教科用図書調査会の設置が決まったこと、その後の文部省の動きなど、今日の日本語教育を取り巻く状況に似ていて、やっぱりそうかあ、と思うことも多かったのです。

今回の、日本語教育推進基本法制定や、公認日本語教師、日本語教育を支えるものを作ろうという動きはどこまでを枠にはめようとするのか、ということも考えていました。

もちろん、メディアの発達、世界各地の教育水準の向上、教授スキルなど、戦前とは比べられないのかもしれませんが、

国が口を出すということ、そこに国費が投じられるということ、そして、経験者がパブリックコメントという形で意見を表明し、有識者会議という形でその取りまとめをしていくという図式は何も変わっていません。

どうなるのか、戦前と違う形で集約されていくのか、戦前を知っていると俄然面白くなります。


以前、日本語教育学会の会員数の増加が国や文科省への圧力になるという話を聞かされたことがありましたが、それも戦前と大して変わるものではなく、

日本語教育の専門性の認識の低さも、戦前も戦時中も戦後も、それこそ現代も、何も変わってはいない、それがわかるのも、語弊がありますが、楽しいです。

人間はそんなに大きく成長するわけではない、ということもわかります。


とてもとてもいいご発表でした。行ってよかった!
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