秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(テラオと大凧・時々ワタシ)

2021年12月18日 | Weblog
前略。
この虎?この顔?誰かに似ている。
なんか?懐かしい。この顔。
……そうだ。フジ○トのオッちゃんの顔だ。
お焼酎を飲みすぎて、窓から時々顔を出して、
『オッホッホのホー』って叫んでいた、懐かしいオッちゃんの顔だ。

今年の絵は、テラオのアニさんが描きました。久しぶりに描きました。
それは、ある日の電話での会話。
『日曜日わたしは、お仕事なんで、土曜日はどうでしょうか?』
丁寧にお伺いをたてた。
アニさんは、土曜日でオッケイと応えられた。

『絵は考えとってな』と、私が言うと、
「えー⁈」と応えたアニさん。
『ちょっとは、絵を考えとってよ!毎年、考えるの大変なんじゃけん!』
と少し強めの声をあげると、アニさんは言い返した。
「考えよるわ!オラだって考えよるのに、毎年○っちゃんが、却下するじゃないか!」
……そうだったんだ。

思い出した。そうだ。
毎年、これ、ええんじゃないん?
とアニさんがイラストを見せても、その絵が文字をつけて書いた時のバランスとか
様々なことを想定して、わたくしが、言っていたんだ。

『これは、大きく描いたら、変になるよ!バランスがとれんわ!
まだ、こっちの絵がましじゃよ!』
ましな、絵が、去年のウシトラマンか?って、思った読者の皆様、その通り!!
あれは、マジで失敗致しました。
娘達に、散々に言われました。
他人様は言いません。思っても言いません。

で、わたくしは、心から反省致しました。そうだったんだ。
大金を出していたのはアニさんで、わたくしは当日の食料と、
ダイソーで購入するハケくらい。何故、気が付かなかったんだ!

本人に描きたいものを自分で描いて頂く。何故、私が描いてたの?
過去の出来事が、思い出さない。思い出せない。
で、懺悔の気持ちも込めて、本日今年の大凧作成日。雪の舞う土曜日。
9時。場所は、民族資料館ホール。
アニさんが、イラストの本を出して、言った。

「この虎の顔ええ事ないか?」
『う…ん、エエけど、胴体はどうするん?』
「胴体は適当に描いたら、それなりに見えるきん、イケるわ」
『ヘンに、ならんの?』
と応えて、わたくしの心に、神様が囁いた。

【それが貴方の悪いくせです。そうやって、毎年却下したのでしょう!
黙りなさい!見守りなさい!】
で、私は言った。

『じゃあ、頑張って描いてな。ワタシは今年は絵は描かんよ!字を書くわ』
「なっ、なにいよん?!描き慣れとるしが、描いたらええでー」
テラオのコーヒーを飲む手が、止まる。
『描き慣れとんじゃないよ、毎年大変だったよ』

と、ぽつりと呟くと、テラオは立ち上がり、マジックを持ち、真っ白なテントに立った。
イラストを見ながら、描き始めた。
黙って見守りながら、ペンキの片付けをして、色を考えていた。
無駄なく、ペンキを使わなければ、本当にペンキ代が値上がりしている。
私は払わないけど、使い切るのが、係の仕事だ。ペンキの保管も手間がかかるのだ。
不燃物にも、安易に出せない。
で、1時間くらいで、アニさんが虎の顔を描いていた。チラッと見て
『やるでぇ!描けよるでぇ!』
と褒めてあげると、
「何 イヨん」と口返事された。

中高年の口返事は、タチが悪い。
少しずつ、顔の色を塗りながら、私はめちゃくちゃ不安だった。
この顔?虎か?これって、人面魚の虎バージョンじゃないん?
去年のウシトラマンと、変わらんわ。
マジで、どうなる?今年も、大失敗?
と思いながら、色んな方法で、色を塗っていった。

ホウキの先にペンキを付けて、顔の毛をつけたり、
ラッカースプレーで描いたり、まさに試行錯誤。
人面虎をなんとかしたい一心で、頑張った。

で、なんとか絵を塗り終え、もんてきたかえの文字をアニさんに書かせたくて、
字も書いてよ!と言ってみた。
アニさんは既に疲労感ピークみたいで、
「堪えてくれえよ、字は書くってイヨッタじゃないか!もう、絵で疲れた。字は書かんぞ!」
と座り込んだ。
人面虎をちょっと描いただけなのに、疲れたみたいだ。
計画は、変更し、私が字を書いた。

で、書き終わると、アニさんが起き上がり、文字が細いとイチャモンを付けながら、
上から塗り直していた。最初から書けや!と心で呟きながら、見守った。

右側に何か、別のメッセージを書こうと提案したが、
アニさんは考えているのか、舞台で仰向けに寝ていた。
全く、動かなかったので、高血糖で死んだのかと不安になり、
声を掛けたら、起き上がり、再び寝ていた?
私は、人面虎の元のイラストを見ながら、一人でバンバン手直しをした。
スプレー画だ。ちょっと楽しい。
少しだけ人面虎が、マシになっていった。気がした。

無事に完成し、毎年の責務を?果たした。虎がウイルスをやっつける案は、
私が考えて描いた。誰か、褒めてくれ〜。
素人のブサイクな絵が、この時期の風物詩になって、毎年申し訳ないのですが、
本当に心から思っているんですよ。
故郷に帰って来た人や、祖谷を訪れてくれた方々に、ホッコリして頂きたい。
ウシトラマンや、人面虎で、ホッコリして頂きたい。
そんな、単純な理由でございます。
来年は娘達が、描くと申しておりました。親の書いたウシトラマンが、
かなり哀しかったみたいです。

凍結、積雪のいつもの、季節になりました。
この季節だけは、なるべく動きたくないです。
双子座流星群で、流れ星を五つ見て、感動!

自然に向けてアンテナを張りながら、
その向こう側にある見えないモノを探す為に、毎日を生きるのだ。

生きるとは、地球でたった一人しか存在しない、
自分自身を見つける為の、修行だ。
頑張ろう!みんな!庶民よ、立ち上がれ!
『オッホッホのホー』
            草草































































コメント
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