秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(大茅と番茶と私と時々ヴヴヴ)

2022年05月10日 | Weblog
前略。
初夏なのに、寒い。
寒いかと思えば、暑い。
厚着で作業を始めたら、暫くして、体力が消耗するくらい、太陽が照りつける。
水分補給して、休憩する。休憩し過ぎたら、少し作業が面倒臭くなり始める。
飽きてくる。この時点で3時間経過。

『お前は、何の作業をやってるんだい?』
そこの読者!よくぞ聞いてくれました!
わたくしは、ずっと前からやりたかった、ヴヴヴの空き家のお庭と
*旧畑だった荒地の、巨大な茅と戦いながら、
クリンソウの群生地を開拓しています。クリンソウ、説明するのは大変なので、各自で検索して下さい。

茅は、10年も放置していたら、こんなにビックに逞しくなるんだねー。
軽ーく2メートルは超えていて、株も素晴らしく巨大で、もう茅のカテゴリーから外れて、
プラスチックの部類になるんじゃない?みたいな、硬さ!
切った時の跳ね返りが、また、すばらしいー!

顔に当たると、痛い。突然シバカレタみたいに、痛い。
突然シバカレるから、痛いのか、判っていたら痛みは和らぐのか?
どっちにしても、痛い。
『痛ーー』と言っても、所詮は独り言。 

井伏鱒二のサンショウウオの台詞を何故か思い出す。
『さむいほど、ひとりぼっちだ』
で、いつも作業に行く前は、とりあえず計画を立てる。
A型。大雑把。
この前の休日も(月の半分が休日)

荒地の三分の一まで茅を刈り込みバサミで切る計画を立てていた。
空気が乾燥していたから、草刈機は危険だ。
火花が散って、枯れた茅から出火の可能性はある。

A型。時には神経質。
で、刈り込みバサミを持ち、荒地に向かおうとしたら、ふと、青青と光る葉っぱ。
『お茶摘みの時期なんだー』
季節は、お茶摘み期になっていたのでございます。

去年集落の公共事業のお陰で、庭先が一部破壊され、その犠牲となったお茶の木。
(一番摘みやすかった場所)
で、お茶の木のことをすっかり諦めていた時に、小さなお茶の木を発見。

神様が耳元で囁いた。
『番茶にして、仏様に祀りなさい!』
神様ー、お茶摘みのカゴがありませーん。
『車に載せている、空箱があるでしょう!』 
30分くらい、黙々とお茶を摘む。摘むと言うより、手当たり次第千切る。

草刈りの時に、手荒く刈っているから、それなりの柔らかさには?なっている。
とりあえず少量。目的はヴヴヴのお仏壇に香りとして、届けること。

で、なんちゃってショート茶摘みタイムが終了し、箱を木陰に置き、
今度こそ、茅かり!と思ってチラッと庭先を見たら、以前から集めている枯葉の山が、
なんかいい感じで、光っていて、またまた、神様が囁いた。

『たか○たの、みっちゃんの有機農業を応援する為に、枯葉をキチンと集めて置きなさい!』
神様ー。わかりました。
で、またまた、枯葉を掃いて集めて、スコップで上下を裏返し、発酵を促進させる。
黒く良い感じで発酵している。栄養は天然の空気。混ざり物なし。2回目の汗をかく。

2回目の汗を拭きながら、お茶を飲みながら、折れて垂れ下がっている庭の竹が気になった。
で、竹を2本きり、運び、処分した。
この時点で、気温は上昇して体力の6割7割を消耗していた。

荒地に立ち、茅を見上げ、2つの大株と闘い、ため息をつく。
『やっぱ、雨降りの後で、草刈機で刈り飛ばそう〜』
連日の作業で、少し飽きてきていた。
A型。超気分屋。

そして、自宅に帰り、フライパンで摘んだ茶葉を煎る。
パリパリって音がして、蒸せた時の新茶の匂いがして、もう気分は上々!
ヴヴヴの家でずっと繰り返してきた、何十年の歳時期の想い出達が、
匂いを連れて、一斉に私に話しかけて来る。
心の芯まで、柔らかくなる。
なんて、幸福なお時間。

時空に預けていた時間を、少しずつ引き出しながら、生きているみたいだ。
これがあるから、頑張れる。

それぞれの想い出を引き出しながら、
それぞれの場所で、頑張ろう。
それぞれの、サンショウウオを生きよう! 
明日はお仕事行きますっ! 

          草草




















































コメント
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