前略。
初日は夏日でありました。参加ランナー14名
朝の5時に京上の宿を出発。
小島大日堂、釣井木村家、龍宮崖コテージ、阿佐家、昼食後、大枝武家屋敷喜多家。
更に中上集落にある、落合集落展望所。そして1日目のゴール、
案山子の待つ名頃を目指して、炎天下をひたすら走る。歩く。立ち止まる。
2日目は昨日とは真逆の冷たい雨。朝からずっと降り止まない。
冷たい雨に打たれながら、名頃を出発。そして難所の落合峠!電波は圏外。
この冷たい雨が、ランナー達を苦しめた。と思う。
今回、初チャレンジした、若者がいた。マラソン未経験。時々祖谷を訪れている、祖谷好き。
話を聞いて、なんか面白そう?と軽い軽いノリで、参加したみたいだ。
交流会の夜、自ら、皆さんの足を引っ張ります。すみませんと、公言していた、爽やかな好青年。
⁂私は男前には、全て好青年と書く。悪しからず。
マラソン未経験。100キロマラソンも、当然未経験。
他のランナー達は、軽装なのに、この若者、重たいリュックを前掛けにしている。大事そうに抱えている。
その中身は、一眼レフカメラ。
姿勢は良い。姿勢よく、歩いている。
初日から足の裏にいくつもマメが出来て、裂けかけて、痛くて走れなくなった。
走れないが、声は軽快だった。
彼の後ろを、時速4キロくらいで、付いて走った。
『大丈夫、頑張れそう?』
と、おばさんは声をかける。
「足のマメが裂けそうで、痛いです」
『コットン、持っているから、とりあえず当てて様子みてみる?』
「ハイッ、ありがとうございます。使わせてもらいます!」
近くの石に座らせて、コットンを渡す。⁂仕事で持ち歩いている、消毒用のコットン。
少し離れて、見守る。
コットンをあてると、大分楽になったらしく、展望所をあとにして、歩き出した。木漏れ日のコースを下って、
再び、炎天下の国道におりた。
再び、後方から彼の背中をずっと、見守る。時々立ち止まり、カメラをその都度とりだして、風景を写している。
相変わらず、姿勢は良い。
姿勢は良いが、苦しいですー、僕はどうしたら良いのでしょうー!の哀愁が、背中に漂っている。
再び、車を止めて、声をかける。
『オーエスワンのゼリー、とりますか?』
「ありがとうございます!頂きます!」
本当に、声は軽快だ!
きっと、彼のお母様が、挨拶だけは、きちんとしなさい!と、躾をして、育てたんだろう。
それと、人様が下さる物は、断ってはいけません!とも、言い聞かせていたのかも?しれない。
彼はゼリーも一気に口に流し込む。
再び、歩き出す。
私も 這うような速度でついて行く。
『虹の見える橋は、まだですか?』
と聞いてくる。
「あと、1時間以上は、かかるかな?」 おばさんは、適当に応える。
虹の谷に、到着した。
再び、写真を、撮っている。
『早い人は、ゴールしているんでしょうね』と、ぽつりと呟く。
「大丈夫よ。自分のペースで、ゆっくり行こう」
おばさんは、優しく声をかける。こんなに優しい声が、自分のどこに隠れていたのか、おばさんは、考えた。
考えながら、私は多重人格なのかも知れないと、自分を納得させた。
「ピーナッツ、食べる?」
『はいっ、頂きます』
私の車のダッシュボードの中には、大量のピーナッツの小袋が、入っている。正確に白状すれば、
在宅の訪問先の池田町の山の上の利用者様が、おやつに食べなさいと、行く度に持たせてくれるピーナッツだ。
池田町の山の上の利用者の手から、放たれたピーナッツを、今、沖縄県の若者が、それを食べて、空腹を満たしている。なんか、楽しい~!
アリナミンのパウチのゼリーも、渡した。一気に口に運ばれた。
「この、掘っている石ね、これね、日浦の義時さんって言う、面白いオッちゃんが昔いてね、
全部一人で掘ったんだよー。凄いでしょう!」
私は、しもの人の前では、キチンと標準語が使える。エライッ!わたしっ!
彼は何枚も写真を、撮っていた。
なんか、義時爺が、喜んでくれている気配がした。
再び、彼は初日のゴールを目指し、歩き始めた。
菅生から、C子ちゃんと一緒に一台で彼の背中を、ゆっくり追いかけた。
しばらくすると、途中でリタイヤされた方が、車で駆けつけてきてくれた。
ここからは、私達で見守りますから、大丈夫ですとのことで、
私達は、短いドライブを楽しんで、1日目の帰路に着いた。
後半に続く
初日は夏日でありました。参加ランナー14名
朝の5時に京上の宿を出発。
小島大日堂、釣井木村家、龍宮崖コテージ、阿佐家、昼食後、大枝武家屋敷喜多家。
更に中上集落にある、落合集落展望所。そして1日目のゴール、
案山子の待つ名頃を目指して、炎天下をひたすら走る。歩く。立ち止まる。
2日目は昨日とは真逆の冷たい雨。朝からずっと降り止まない。
冷たい雨に打たれながら、名頃を出発。そして難所の落合峠!電波は圏外。
この冷たい雨が、ランナー達を苦しめた。と思う。
今回、初チャレンジした、若者がいた。マラソン未経験。時々祖谷を訪れている、祖谷好き。
話を聞いて、なんか面白そう?と軽い軽いノリで、参加したみたいだ。
交流会の夜、自ら、皆さんの足を引っ張ります。すみませんと、公言していた、爽やかな好青年。
⁂私は男前には、全て好青年と書く。悪しからず。
マラソン未経験。100キロマラソンも、当然未経験。
他のランナー達は、軽装なのに、この若者、重たいリュックを前掛けにしている。大事そうに抱えている。
その中身は、一眼レフカメラ。
姿勢は良い。姿勢よく、歩いている。
初日から足の裏にいくつもマメが出来て、裂けかけて、痛くて走れなくなった。
走れないが、声は軽快だった。
彼の後ろを、時速4キロくらいで、付いて走った。
『大丈夫、頑張れそう?』
と、おばさんは声をかける。
「足のマメが裂けそうで、痛いです」
『コットン、持っているから、とりあえず当てて様子みてみる?』
「ハイッ、ありがとうございます。使わせてもらいます!」
近くの石に座らせて、コットンを渡す。⁂仕事で持ち歩いている、消毒用のコットン。
少し離れて、見守る。
コットンをあてると、大分楽になったらしく、展望所をあとにして、歩き出した。木漏れ日のコースを下って、
再び、炎天下の国道におりた。
再び、後方から彼の背中をずっと、見守る。時々立ち止まり、カメラをその都度とりだして、風景を写している。
相変わらず、姿勢は良い。
姿勢は良いが、苦しいですー、僕はどうしたら良いのでしょうー!の哀愁が、背中に漂っている。
再び、車を止めて、声をかける。
『オーエスワンのゼリー、とりますか?』
「ありがとうございます!頂きます!」
本当に、声は軽快だ!
きっと、彼のお母様が、挨拶だけは、きちんとしなさい!と、躾をして、育てたんだろう。
それと、人様が下さる物は、断ってはいけません!とも、言い聞かせていたのかも?しれない。
彼はゼリーも一気に口に流し込む。
再び、歩き出す。
私も 這うような速度でついて行く。
『虹の見える橋は、まだですか?』
と聞いてくる。
「あと、1時間以上は、かかるかな?」 おばさんは、適当に応える。
虹の谷に、到着した。
再び、写真を、撮っている。
『早い人は、ゴールしているんでしょうね』と、ぽつりと呟く。
「大丈夫よ。自分のペースで、ゆっくり行こう」
おばさんは、優しく声をかける。こんなに優しい声が、自分のどこに隠れていたのか、おばさんは、考えた。
考えながら、私は多重人格なのかも知れないと、自分を納得させた。
「ピーナッツ、食べる?」
『はいっ、頂きます』
私の車のダッシュボードの中には、大量のピーナッツの小袋が、入っている。正確に白状すれば、
在宅の訪問先の池田町の山の上の利用者様が、おやつに食べなさいと、行く度に持たせてくれるピーナッツだ。
池田町の山の上の利用者の手から、放たれたピーナッツを、今、沖縄県の若者が、それを食べて、空腹を満たしている。なんか、楽しい~!
アリナミンのパウチのゼリーも、渡した。一気に口に運ばれた。
「この、掘っている石ね、これね、日浦の義時さんって言う、面白いオッちゃんが昔いてね、
全部一人で掘ったんだよー。凄いでしょう!」
私は、しもの人の前では、キチンと標準語が使える。エライッ!わたしっ!
彼は何枚も写真を、撮っていた。
なんか、義時爺が、喜んでくれている気配がした。
再び、彼は初日のゴールを目指し、歩き始めた。
菅生から、C子ちゃんと一緒に一台で彼の背中を、ゆっくり追いかけた。
しばらくすると、途中でリタイヤされた方が、車で駆けつけてきてくれた。
ここからは、私達で見守りますから、大丈夫ですとのことで、
私達は、短いドライブを楽しんで、1日目の帰路に着いた。
後半に続く