秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

茅道

2009年10月06日 | Weblog
過ぎ去ってゆく影を追いかけて私は何時ものことだがこの地を訪ねては
記憶の散歩道を茫々と辿るのを常としている。
茅道をのろのろと歩きながら記憶をたぐり、時の川を遡るが秋の所為なのか
何も告げずに過ぎ去ってゆく影、断りもなく消えて気配に殊更胸がさわぐ。

やれ、季節の移り変わりが速すぎるの、これではまるで置いてきぼりだの
あたらしいものが判らないのとわめき散らしたところで、茅道の角を曲がれば
過ぎて逝った世界の残像のなかに私は生きているのであろう。

自分自身という手に負えない生き物とあやうい影がお互いを窺いながら
あうだ、こうだと喚いたところで、埒もない。

わたしは秋を茫々と考えながら記憶の反証をたぐり、あやうい影を追いかけて
凛と静まり返る茅道をのろのろと歩く。
高貴な気配さえする茅道は果てしなく続いているのではないかと疑いたくなるが
やがて、過ぎ去っていった影のごとくに民家にたどり着いた。



















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2 コメント

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Unknown (M.iya)
2009-10-08 14:57:53
ありがとうございます

此方こそ、松ぼっくりさんご夫婦とお会いでき、若さの精気をいただき、大いに頑張ろうと思っています。

祖谷の山々を寝ぼけ眼で徘徊しておりますので
お会いした折は楽しく話をしましょう。
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有難う、祖谷。 (松ぼっくり)
2009-10-08 09:53:48
山に登れるご縁で、皆様とお知り合いになれ、祖谷を訪問する機会もふえました。
祖谷は、私にとりまして、亡き父母との思い出が、脳裏をめぐる貴重な所なのです。
心が汚れたら、父母に叱ってもらいます。
それなのに、祖谷に何のお返しも出来ないのが、とても残念です。
早速の送り物、有難うございました。




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