秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   SANE著

2007年08月02日 | Weblog
カサブランカ
八月一日、家の前の欅の葉っぱの隙間から、太陽が顔を出している。祖谷川は相変わらずの絶景!この前の雨水が、少しだけ未練たらしく、流れている。今日は主人の燈籠のお奉り。そして逝ってから、九ヵ月の月命日。祖谷地方では、新しい仏さまがでた真言宗の家は、今日の為に購入して置いた燈籠をお仏壇の横に吊す。用意するものは、ここが大事なポイントで、「萩の花」と「カジの葉っぱ」そして、洗ったお米少々。五年前に、母親の初盆の時もこの手順だったのに、見事に忘れてしまっている。昨日、知り合いの方がわざわざ花と葉っぱを届けて下さった。有り難い。返す言葉は、「有難うございます」しか無い。他の事でも様々な方から受けたご恩を、娘達に伝えて於かなくてはいけない。あの記憶力に欠けまくっている我が子が、どこまで覚えていけるだろーか?記憶力どころか、運転免許を取って初めて車を購入した時、私に聞いたあの質問。あの質問には、戸惑った。「ガソリンスタンドに行って、なんて言ったら、ガソリン入れてくれるん?」「ガソリンスタンドに行ったら、店員さんが言ってくれるよ」と私。娘がすかさず聞いた。「あんなに広いのに、どこに止めて聞いたらエエん?」私の脳みそは瞬間移動した。「娘は、教習所で運転の技術は学んだけど、そーなんだ!ガソリンのいれ方までは授業の教科にない。だから、ガソリンスタンドでの入口から全てのパターンが解らない。なんてこっちゃ~」あの天然脳みそは、紛れもなく主人の遺伝子。私は、主人の数々の明言を覚えている。あれは、この季節だった。家の回りが草だらけになる時期、主人に頼んだ事があった。「たまには、家の前の草を刈っといて」主人は背中で答えた。「心配するな、草は冬になったら枯れるー」娘達と主人は、私から見ていつも微妙にひとつに見えることがあった。あれは、天然脳みそが発するオーラだったのだ。それは、高貴な私のオーラとは、だいぶ違っていた。とにもかくにも、主人は本日、たくさんの方々にお参りして頂いて、かなり疲れているに違いない。友人から頂いたカサブランカの黄色が、見事に私に向けて勝負を挑むかのように、真っ直ぐに大輪の花を咲かせている。今日一日の感謝をまた引きだしの中にしまっておいて、あと二時間で訪れる明日のチカラに代えていく。今朝から供えたお酒は、イッコウに減ったケハイがない。
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