きょうは、きのう10日に予定していた登山の記録を書くはずであった。ところが朝早く起き準備しザックを背負って家を出ようとしたときに断念せざるを得なくなった。体調が悪かった。すぐに病院に行った。年だなと嘆くことしきり。
そんなわけできょうはネタを替えて、9日に行った成田山新勝寺のことを書く。私の住まいは我孫子市にある。成田駅までは成田線で一本で行ける。成田山新勝寺に行こうという気があればいつでも行ける。それなのに我孫子市に30年住んでいながら行ったことがない。しかも成田駅には何回となく乗り降りしているのにお寺まで行こうという気にはならなかった。
これといった理由はない。あえていえば初詣の人出にあきれてしまい、人混みが嫌いなわたしは尻込みし敬遠してしまっていた。2015年の3が日の参拝者数は明治神宮に続いて全国2位の300万を超えるというから驚く。不動明王のご利益があるからこういう数字になるのだろうが、それにしてもなぜ都心から離れたこの地まで初詣にこれほどの人が行くのか、そのことにはずっと興味があった。
松の内が過ぎて少しは参拝者は少なくなっただろうからと、急に思い立って行ってみることにした。神仏信仰は人並みにあると思っている。育った家が神道なもんだから神社には神妙に手を合わせる。お寺の方は信仰よりもどちらかというと伽藍や仏像の方に興味を持ってしまう。
私の期待に反し、9日でもやはり参拝者は多かった。参道は人の波とはいうほどではないが、次々とやってくる。近くのお寺や神社はたいがい3が日を過ぎると喧騒が去って静かになるものだが、ここは違うようだ。成田線の車内は閑散としていた。それなのに駅改札口にくるとあれっという間に人が多くなった。団体、グループが多い。電車が到着するたびに駅構内は人であふれていくといった様子だった。
成田駅前。人波はすべて成田山新勝寺へ向かう。はじめてのわたしはこの人波に乗って行けばいいだけだ。
駅前から始まる参道の両側には、お寺の入り口となる総門まで老舗を交えた食事処や土産物店がすきまなくびっしり連なる。
うなぎ屋が多いと聞いていたがあちこちから甘いタレの匂いが漂ってくる。この店が一番の繁盛店。行列ができていた。この行列に引き寄せられてますます行列は長くなるばかり。私はアユ以外の川魚は苦手。ウナギも自ら食べようとしないから行列に感心しながら横目で素通り。
駅から15分ほどでたどり着いた。ここが総門。
御護摩申込所を左に見て、急な石段を上がると仁王門。
仁王門をくぐると煙がもうもうと立ちのぼっている。香閣というのだそうだ。煙を身体の痛いところや悪い所にあてると効き目があるという。あちこちのお寺にある。浅草寺にもあったと思う。私は煙を肝臓にあて、γ-gtpの数値が少しでも下がるようにと念じながら丹念になでた。
本堂前。
石段を上ると本堂だ。大きい。
本堂に入って手を合わせようと中をのぞくとかなり広い。外陣は参拝者で満員。ぎゅうぎゅう詰めだ。入りきれなくて外に何重にも人垣ができていた。私はあきれてしまい、すぐに中に入るのあきらめた。それなら伽藍をみようとするのだが、新しくて大きいばかりで、名刹といわれるところに比べるとどうも宗教的雰囲気が伝わってこない。心に染みいるようなたたずまいではなかった。
やはり信仰心の問題なんだろうねとつぶやきながら早々に帰路に着いた。
来た道を戻る。次々と参拝者がやってくる。
参道で目についたのが大野屋旅館。登録有形文化財で木造3階建て。
年が年だからと、近場なのにまだ行っていない成田山新勝寺に行ってみたのだが、なぜこれほどの人気があるお寺なのか、信仰心のうすいわたしにはわからずじまいであった。