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「荒城の月」でスイング!

戦前日本の芸能シーンに詳しい瀬川氏と若手ジャズ評論家である大谷氏の対談です。
瀬川氏の所有する莫大な量の音源から、これは、という音をピックアップして
日本の戦前ジャズシーンをトレースしていきます。

日本ジャズの誕生日本ジャズの誕生
瀬川 昌久

青土社 2008-12-20
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しかしこの本、結構ハードル高いんじゃないでしょうか?
戦前日本の音源はともかくとして、アメリカのビックバンドスイングジャズの音が
ある程度頭に入っていないと話についていけないし、とにかく固有名詞は多し、
しかも対談なんで事実関係が微妙に確認しにくい場合があるし。
ある程度のジャズ好きじゃないと楽しく読み進めるのは難しいかも。
え、プラナリアですか?当然苦労しましたよ(笑)

本書では当然その辺のところを意識して注やコラムを充実させているほか、
出版社のHPで音源が聞けるようにしているところが新しいのですが、
残念ながら聴ける音源が片手で数えられる程度なんでちょっと厳しいっす。
日本の戦前ジャズシーンのことなんて全く知らない、という場合は
(そーゆー方のほうが多数派だと思いますが)
事前にこちらのHP等で大まかな流れを押えておくと少しは話が見えやすいかもです。
→ 「日本のジャス史-戦前編」(音楽は概ねリンク切れ)

あと、本書は戦前のビックバンドの到達点を高く評価しているのですが、
プラナリアの場合、同書でも高く評価されている杉井幸一のCDを
たまたま地元図書館から借りてくることができたので、
どのような音が鳴っていたのか、雰囲気がある程度理解できたのは幸運でした。

サロン・ミュージック集/日本ジサロン・ミュージック集/日本ジ
杉井幸一

キングレコード 1995-05-24
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「サロンミュージック」というコトバ、なんとなく現代になってから
つけたように感じられますが、当時から使われていた言葉なのだそうです。
軽快にスイングする「荒城の月」など、なかなか素敵でした。
10~20年位前にこの時代の音源がかなり復刻されていたようで、
前から気になっているのもあるのですが、既に手に入りにくくなっているものも多く残念。

・・・と書いたら杉井幸一の音源が瀬川氏の監修で再度復刻されるらしい。
  未発表音源も多数収録、ということなので、楽しみかも。
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