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どこまでできるか。

世田谷区は現在「街づくり条例」の改正を計画している。
現在は有識者による「叩き台」が提示されている段階だが、
ここで短期決戦の区民参加版「たたき台」を作成しようという動きが始まった。
といっても区民が自主的にやっている訳ではなく、あくまで都市計画課主導である。

先日の「説明会」が実はこのフォーラムへの参加呼びかけだった訳だが、
本日開催の一回目といえば、グループワークで街づくりへの思いを語って終わりになった。
世田谷の街づくりに関して色々な思いを抱えている人が多い中、
ある種のガス抜きを図ったともとれるが、しかし、大丈夫なのか?区民。

「街づくり条例」は「まちづくり」のための条例ではない。
いや、もちろんその為の一つの重要な手段であり、条例だ。
しかし、一つでしかない。

都市計画の制度上、この条例で決めておかなくてはいけないことがある筈だ。
そして、この条例の射程外のこともまた、多くある。
ここで、例えば建築基準法の街づくりに対する無力さを語っても
(といったって基準法で可能な「建築協定」に取組んでいる様子もなかったが)
はっきりいって何にもならないではないか

種々の思い入れを一度捨てて、抽象的な制度の可能性と限界を見極め、
かつ、それを市民の側に引き寄せる気迫が無ければ
条例改正作業に我々の魂を入れることはできないだろう。
その時に個々の経験が活きてくるのだ。経験から出発してはゴールには到達できない。

区はこのフォーラムの主旨として
「街づくり条例が対象とする街づくりのあり方について、意見・提案をまとめます。」
としている。
意見・提案が実際の制度設計と連動した精度を持ちうるのか、
それとも単なるイメージを語って終わるのか。

期間は短い。まさに区民の知的体力が問われているのである。

・・・そして資料をダウンロードして読み込む気迫も。。
有識者の委員会の資料はこちら→ 「世田谷区街づくり条例」のあり方検討を開始しました

(今晩はやめて明日にしよう。。)
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デスマスクとか残骸とか


6月15日発売の「週刊プレイボーイ」誌がなかなか厳しい表現で
丸の内の怪しい保存、花マルな保存を紹介しています。
題して「再開発で超高層ビル乱立/丸の内"デスマスク"ビル街」。

パークビルは敷地内に三菱一号館を復元するという大胆な試みをしていますが、
ビルの足元の東京駅に近い側は、パークビルを建てるために壊した
やはり戦前建築であった「八重洲ビル」の
イメージのよすがを感じさせるようなデザインをしています。
(↑かなり好意的に書いてみました)

「デスマスク」を貼り付けたといわれた塔の「イメージ保存」部分。

これじゃあやっぱね、ということで
工業倶楽部→明治生命館とがんばってきたのではなかったのか?
というのが今回の失望の根本なのです。

「残骸」と言われてしまった基壇の石積みを再構成した壁状のオブジェ。

そうは言っても近づくとなかなか存在感があります。
こういう部分保存が非常に斬新だった時代もあるのだけれどもね。

三菱一号館も「壊した」(壊れたのではない)ものを「再建」しているんで、
その意味では問題物件であることは確かです。
斜め向かいの東京中央郵便局もなんだか訳分からないことになりつつあるし、
なんか「問題のある保存手法」のデパートみたいな一角になりつつあります。
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