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今日のご飯

屋台村でゲット
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三国荘の本物が見たい!

再現された三国荘を見て改めて考えているのだけれども。

「古色付け」(木部が黒く塗ってある)や「チリの扱い」が、すっごく気になる。

古色付けに関しては、民家再生を手がける建築家の間でも
考え方によって色々な意見がある。
古民家の柱とかの木部が黒いのは塗ったからじゃなくて、
時間を経る中で黒くなってきたんだからわざわざ塗っちゃいかん、とか。

だけど交換したり新設したところの新材だけ白木にしとくと、それはそれで浮いちゃって変な感じもするんだよねぇ。

仮に博覧会用に新築した最初の三国荘が民家風に古色つけられてたとしても
それこそ「民家に見せたい」展示施設なんだから当たり前にも思えるけも、
その後の新築民芸(風)建築にもその流れが受け継がれたとすれば、
それはそれでどうなんだろう、という気がしないでもない。
で、本当はどうだったんだろう、と(写真を見ると真っ黒ではありますが)。

古色の問題もそうだけど、チリ(梁と柱や柱と壁などの「段差」)の問題も、
空間の印象に与える影響って、実はすっごく大きいんで気になる気になる(笑)。
村野藤吾の和風なんかでは異様に小さかったりするし、
建築家はこのチリに異常に神経を使います(っていうか、使うのが建築家だ)。

今回の再現では、制作上の制約からか、ほとんどチリがないんだけど、
その結果、壁面がグラフィックな平面に還元されちゃってる気がする。
工芸品の立体展示の背景としては十分かもしれないけど、
書院の腰壁を取ってしまっているところとか、
せっかく和室の天井もつけたんだからちょっと残念、かも。

あ、あと、建物の方位も気になる(笑)
もともと博覧会用の「見せる(≠使う)」建物なんで、
平面計画的なものをあれこれ議論してもあんまりしょうがない訳ですが、
しかし、玄関が南だとすると、和室は午後はちょっと暗かったのかなぁ、
一番いい場所に応接間が出っ張っているのも時代を感じさせるなぁ、
なんて思ったりもして。
どこかに方位が分かる資料ってなかったか知らん・・・。
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「日本の眼と空間」展概要メモ。

「日本の眼と空間」展の図録を引っ張りだして眺めてみました。
インターネット直前の時代だったせいか、あまりネット上に情報が出てこないので、
目次と登場する作家などをメモしておきます。

■第1章 近代の中世主義者たち
 出口なお、出口王仁三郎、今和次郎、西村伊作、柳宗悦収集による李朝工芸
■第2章 「三国荘」の空間
 三国荘写真、青田五良、黒田辰秋、柳宗悦収集による工芸品
■第3章 生活芸術の倫理と総合化
 河井寛次郎、バーナード・リーチ、芹沢介
■第4章 デザインと審美眼
 富本憲吉、北大路魯山人
■第5章 日本のアール・ヌーヴォー
 浅井忠、杉林古香、武田五一、旧鴻池組本店洋館2階書斎
■第6章 日本の空間の発見-近代の住宅建築における「和風」
 フランク・ロイド・ライト、ブルーノ・タウト、アントニン・レーモンド、
 上野伊三郎、今和次郎、藤井厚二、村野藤吾、白井晟一
■第7章 総合芸術としての装飾-インテリアへの視線
 斉藤佳三、今和次郎、中村順平、澤部清五郎、リチ・上野=リックス
■第8章 テクネーとスタイル-工芸の近代化
 河合卯之助、楠部弥弌、六代清水六兵衛、徳山(井上)彦之助、鈴木貞路(二代表朔)、
 山崎覚太郎、高村豊周、杉田禾堂、豊田勝秋、北原千鹿、各務鉱三、磯矢阿伎良、
 広川松五郎、大阪府勧業奨励会出品作品、飯塚琅かん齋(かん=王+千)
■第9章 近代の超克へ-その三つのかたち
 白井晟一、八木一夫、イサム・ノグチ
■第10章 戦後デザインにおける「和風」
 黒田辰秋、柳宗理、剣持勇、シャルロット・ペリアン、内田邦夫

当時は出口王仁三郎に眼を奪われた記憶がありますが、
建築や、これは今更気づいたんですが、民芸分野もかなりの充実度ですね。
西村伊作や今和次郎(セレクトが渋い)、富本憲吉の卒業制作(住宅の設計)など、
セレクトの妙味にも改めて圧倒されました。
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