黒ウサギ外伝

本編『黒ウサギ的こころ』のブログです。

ケガと弁当自分持ち

2009-09-12 09:23:42 | 野山
黙っていようかと思ってたけど、やっぱり書くことにした。

昨日のニュースを見ていたら、今年2月に積丹岳でスノーボード中に遭難した札幌の会社員の家族が北海道を訴えて8600万円の損害賠償の裁判を起こした。

道民なら記憶に新しい事故ですが、知らない方のために一応説明します。

北海道積丹町の積丹岳(1255m)でスノーボード中に遭難した札幌市の会社員(38)を1日正午頃、道警の山岳救助隊が発見した。

遭難者の意識がもうろうとしていたため、隊員5人が交代で抱きかかえて下山中に、3人の隊員が雪庇を踏み抜き、約200m下に滑落。

3人の隊員は自力ではい上がったが、遭難者は自力での歩行困難なため、残りの隊員が遭難者を救助用のソリに乗せて急斜面を約50m引き上げた。隊員交代のためソリを近くの樹木に縛って固定したが、その木が折れてソリが滑り落ちる。

遭難者は再び行方不明となる。

当日は雪で視界が悪く、救助隊は捜索を中断し、2日朝から捜索を再開。
午前7時40分、標高約1000m付近の斜面でソリに乗った遭難者を発見。

札幌市内の病院に搬送したが、死亡が確認された。

という事件。

ご遺族の方々は、筆舌に尽くせぬ悲しみだと思います。

ただ、この滑落事故で救助隊(北海道)の責任を問うのはどうかと思った。

もちろん事故の再発予防に努力するのは本当に大事ですが・・・。

私が思うには、野山(アウトドア全般)での遊びというのは『ケガと弁当自分持ち』である。

あくまでも自らの安全対策が100%であり、救助してもらうというのは『儲けもの』と考えて良いのではないかと思う。

今回の事故についていえば、救助隊は非常に困難な状況のもと自分のベストをつくしている。(200m滑落した後に傾斜40度の斜面を50mも遭難者のソリを引いたというのは並大抵の努力では無い筈)そんな努力をしても結果が悪ければ非難される。

スノーボード中に遭難した時点で救助隊が来なければ本人は死亡していたわけで・・・

もし、この裁判で北海道が負ければ、どうするか?

「臭いものにはフタ」的思考を持つ行政なのだから、下手したらスノーボードによる冬山入山規制や、遭難捜索時は救助隊を訴えませんと念書を書いてから入山許可がおりるなどというような状況だってありうると思う。

この事件は最近よく耳にする、言いがかり的裁判事件に通じているような気がする。

最後に、救出に失敗した救助隊の方々は一生この事件を背負って生きなければならないわけであり、その事も考えるべきだと思う。
コメント (9)
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