舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

フラのお医者さん

2008-09-30 23:58:17 | ダンス話&スタジオM
はい、今日の記事のタイトルは某H大学獣医学部を舞台とした漫画のもじりですね。どれほどの人が分るか不安ですが(笑)。
ドラマ版も面白かったけど、主演男優さんが主人公ハムテルのあの超然とした感じ(濃すぎる人々の中でちょっと引いた感じ)を出せてなかったのが残念で...って、今日はその話ではないー!!!

マミちゃんは足腰が強い分、首や手首を痛めることは一般の人並みにあり、そういう時に信頼する整形外科の院長さん(私が赤子の頃からお世話になっている)を訪ねますと、マミちゃんを一目見るなり「ああ、痛いのはここでしょう」と言い当ててしまいます。

ちかごろレッスンで基礎練習を重点的に行い、生徒さん一人ひとりの基礎動作を見てどこを直すべきかアドバイスをしていると、いつもその院長さんを思い出して「これってお医者さんの診察に似てるよなあ」と思ったりします。

長年(20年とか30年とか)同じダンスを踊っていれば、生徒さん本人にどこが痛むとか疲れるとか聞いたときはもちろん、基本動作の姿勢を見ただけで「どこに力が入っているな」とか「バランスがどっち方向に偏ってるな」などということが自ずと分るようになります。
だから昔院長さんが一発で痛む箇所を当てたときは「うわあ、さすがプロ」と驚いたものだけれど、しかるべき経験を積んでいればこれらは分って当然のことなのですね。

生徒さんたちが健康にも見た目にも優れた正しい基礎を身に付けるためには、指導者にそのくらいの判断力が備わっているべきです。
というより、それも分らないような段階で人に物を教えたり、診察を行ってはいけません(近年「病院の実力」ということで手術の実施経験数が公開されていますが、これは実に道理といえます)。

特にフラの場合、一部で「腰を痛める」という誤った情報が流布しているという、きわめて困った状況にあります。
痛めたのは踊りが悪いのではありません。その人の踊り方がいけなかったのです。
誤った踊り方によって既に痛めてしまった人には残念なことですが、方法さえ間違っていなければ痛めずにすんだ筈なのです。

もともと腰の悪い人でさえ、ある程度まで痛みを緩和できる力がフラにはあります。
腰を支える筋肉を強くしなやかにする踊りなのです。
もちろん腰痛の種類や場所によって効果の有無や強弱はありますが、少なくとも「踊る前より痛くなる」ということだけはあり得ません。

ただしそれは「正しい踊り方をすれば」に限ります。
踊りさえすれば健康に効果的というわけではないのですね。まあ、それはすべての運動や健康法にいえることだと思いますが...。
つねに正しい基礎を身に付けようとすることが大切ですし、それ以上に、正しい基礎を教えられるだけの知識と経験を持った指導者を見極める目が必要不可欠です。

尤もフラの「正しい基礎」というのは、然るべき環境であれば決して習得の難しいものではありません。
姿勢も基本ステップも人間の身体にとって一番自然で無駄な力の入っていない状態こそ、フラの正しい基礎なのです。
基礎を練習しているうちに正しい姿勢を見つけ出した生徒さんはきまって「あっ、ホントに楽だ!」とおっしゃいますね。
楽な状態だからこそ身体の為にも良いし、見た目も美しいのです。


それから、うちでいってる「楽な状態」というのは決して「腰を振らない踊り方」ではないですよ。
よく「私達は日本人なんだから腰を振らなくたっていい」という説を耳にするんですが、何人だからとかいう以前にフラの腰は自然に揺れているものです。腰をまったく揺らさないのは、作為的に揺らすのと同じくらい不自然で無理のある踊り方です。
いくら自然に踊るべきだからって、その自然な状態を習得するためには相応の技術が必要なわけで、「日本人だからやらなくていい」というのはその技術を身に付けることができない(あるいは努力を放棄している)ことを言い訳するための詭弁に過ぎません。

まあ、当然ながら正しい基礎や素敵な踊りに人種はまったく関係ないです。
日本人でも素敵に踊れる人はいくらでもいますし、逆にそれらしい外見でも実力の方はまるでダメという人だっているわけで。
要は外見や詭弁に惑わされず、何が正しくて何が本物か見極める必要があるってことですね。

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