舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

2月16日(日)のつぶやき

2014-02-17 06:04:00 | 徒然話

先日朝一でシーに入る時、私の前に入った車椅子の女性が、ゲートからしばらく離れた所で車椅子からおりて歩いていた。私辺りより余程しっかりした足どりだった。このテの行為を「サムラゴーチする」と呼んだらいいんじゃないかと思いながら彼女の後ろ(※早くて追いつけない)を歩いた。



Valentine's Concertから思う事(2) 美麗ダンサーに酔う!!

2014-02-17 04:06:00 | ダンス話&スタジオM
本日の記事を書くにあたり、非常に残念な事をお知らせしなくてはなりません。

来年のLei Nā Hōkū Valentine's Concertは栃木では開催されないそうです

う~ん、まあ予想できた事ではあるんですけどね~。
こんな地方にこれだけ豪華な出演陣が揃っているイベントが来る事自体なかなか有り得ない事だからこそ、今回ウチの関係者の皆さんにも「来年は無いかも」と言っていたんですもの。
予想どおりだったとはいえ、やっぱ悲しいわ~

まあ、日本の出演団体の数も東京大阪よりはだいぶ少ないですしね。いくらウチが頑張っても、大都市の出演曲数をカヴァーできるほどは無理ですわ~。
もっとも、ウチは何か頑張ったとかではなく、「出たい人は出て観たい人は観る」という普段どおりのスタンスで行っただけなんですけどね。
出演者も観覧者も良い席で素晴らしいショーを観る事が出来て、とても良いイベントだっただけに残念です。


ですので今日は、もう(少なくとも当分は)地元に集う事の無いであろう豪華出演陣の皆さん、特に観客として感動しながら拝見したダンサーのお話をしたいと思います。


最初に申し上げておきますと、今回のハワイからのゲストのうちダンサーとして最も私の心を強く揺さぶったのは、ロパカお姉様とクネヴァ様です。

ぅおっと、よく考えたら二人とも今回は「ダンサー」じゃないんだっけ(笑)。
ロパカお姉様ことカウマカイヴァ・カナカオレさんはシンガーとして、クネヴァ様はクムとしてカムエラを率いていらっしゃったのです。
でも、お二人が演目の途中で見せてくださったフラはまさに至高でした


クネヴァ様は冒頭のオリ(内容からしておそらくカムエラのハーラウ・チャント)を詠ったのと、本番中に2曲(舞浜では1曲)ソロで踊ってくださいました。

そのフラの美しい事ときたらもう。
マミちゃんなど、楽屋の小さいモニターで遠くから観た瞬間に「」となり、慌てて袖に駆けつけたらクネヴァ様が踊っていらっしゃったのであります。



クネヴァ様の踊りはおそらく今回のハワイからの出演者で最もウチの系統に近いです。
おそらくフラを学んだ時期や地域がかなりマミちゃんと近いのでしょう。

穏やかな微笑をたたえ、大袈裟な感情表現をする事は無いけれど、確かに細やかな思いが込められている表情。
重心は高め、姿勢は真っ直ぐ、常に誇り高く頭を上げ、ひとつひとつの動作が丁寧でソフト。

そして特筆すべきは美しすぎる手の動きです。
なんて、なんて繊細なハンドモーションをする方なのでしょうクネヴァ様は。
これぞまさしくゴッドハンド!!!

「団体で揃えること」を至上命題に掲げているカムエラの群舞において、この方のような繊細な手の使い方をする事はほぼ不可能であり、ゆえにクネヴァ様ご自身の踊り方の繊細さにフォーカスして来なかった己の不明が悔やまれます。
私、思わず一緒に手を動かし続けてしまいましたよ。もちろんそんなもんじゃクネヴァ様のゴッドハンドをマスターできないどころか、己の手遣いのブッキラボウっぷりを再認識する結果に終わったわけですが、おかげで新たな課題が出来ました。
よおおお~し、クネヴァ様を目標に手の動きを極めるぞ~~~


そしてもう一人、お姉様と呼んでいるけど実はタメなロパカ様です。
何かロパカ様がタメである事を思うと、己の「ほぼイコール年齢」なフラ歴がだいぶムダだったような気がしてすげえ自己嫌悪だわ~(笑)。
…い、いかんいかん。もとより私のフラ人生の相棒は劣等感なのだ。こんな事で落ち込んでどうする。目標は高い方がいいのだ。
(※編集部注:私がフラを始めた30年ちかく前、日本にはフラなどほとんど浸透しておらず、私は20歳あたりまで自分の母と一部の優れたハワイのクム、そしてメリモしか比較対象が無かったゆえ、劣等感の塊でした)


ともあれロパカ様のフラは本当に神々しかった。
今回はあくまでもご自身が歌う中でごく軽く踊るだけでしたが、ステップひとつ踏まず優しく手をひらめかすその動作だけで充分に感動的に踊っていたのです。

もうね、ロパカ様を拝見していると、必死こいてより大きく腰をスウィング(※スウェイではなく)しようとしたり、「ココで眉を動かす」だの「2番はこの顔で」だなんて細かい取り決めに振り回されて踊ってるのがもう全部バカバカしくなってきます。
フラってもっと自然なもの、自分の内部から無意識に溢れて来るものであるべきだよね。
本当に本物のフラ、神様が愛でてくださるフラはそういうフラだと思うんだなあ。

ロパカ様はまさに神様に愛されているというより、最早ご自身が神様じゃないかというくらい、「これぞまさしく本物のフラだ」と呼ぶべきものを体現していらっしゃいました。
その神々しいフラが私の地元で踊られたと思うとまた身体中から変な汁が(※はい変態そこまでー)


そして、ロパカ様の歌声にも同じ力が宿っていました。
今回はもちろん素晴らしいミュージシャンばかりが揃っていて、全員うっとりするような歌唱力をお持ちなのですが、その中でもロパカ様は別格の物をお持ちでした。

どなたかロパカ様と同じく「持ってる」歌手の方がいらっしゃったと思ったら………
思い出しました。美輪明宏様です。


'12年と'13年の紅白で記憶に新しいように、美輪様の歌声は「歌」というよりも「語り」であり、感情の起伏に応じて歌い方も変幻自在になります。
ある時は慈雨のように優しく降り注ぎ、ある時は感情の昂りが力となって激しく聴衆の胸を打つ、あの歌声は確かにロパカ様と共通するものがあります。
ロパカ様の歌はハワイ語なので聴衆の殆どは意味を解しないと思いますが、意味の分らない人さえも感動させる力を持っているのは、このためなのではないでしょうか。


…はっ、フラの話をしているつもりだったのに、つい脱線してしまった。
とにかくお二人のフラに(そしてロパカさんの歌にも)共通している最重要事項は「丁寧である事」、これに尽きます。

当り前だろって?そんな事は無いんですよコレが。
ハワイのクムでさえ、必ずしも全員が充分に丁寧に踊れているというわけではなく、また一部の(特に日本人の)ダンサーにとっては残念なお知らせですが、「一生懸命踊っている」イコール「丁寧に踊っている」ではありません。

逆に言えば、内輪のパーティーなどで軽~く踊っていても、丁寧に踊れている人はそれだけで魅力的です。
丁寧に踊る事で初めてストーリーを雄弁に語る事が出来る美しいフラになるんですね。




丁寧といえば、ダンサーとして出演したナターシャ・オダさんも丁寧度が増してさらに美しい踊りになってました。

もともと私達はどちらかというとお母様のディーディーさんのフラの方が好きで、ターシャさんの踊りをもっと自然に繊細にしたような踊りなのですが、ターシャさんのフラもだいぶその領域に近づいているのを感じました。

もっとも、十数年前のミス獲得時から彼女のフラの魅力は変わっていません。
彼女の最大の武器は姿勢のバランスの良さ
とてもきょくたんなジョニさんのスタイルを見事にモノにしています。
そんなジョニさんの…というよりターシャさんの踊り方を真似しようとして見事に撃沈しているダンサー達を、私はどれだけ観て来た事か!(笑)

ターシャさんの姿勢は一見、フラのそれとしてはカーヴィー過ぎるように見えますが、上半身と下半身のバランスが良いためそれが鼻につきません。
また、コレこそ最も重要な事ですが、彼女は上半身が本当に静かです
胸から上がピタリと動かず芯がしっかり通っているので、クネッとした動きをしても大丈夫なのですね。

彼女のコピーに失敗した皆さんを見ていると、中心に芯が無かったり、上から下まで節操無くクネクネしてしまったりして撃沈しています。
さらにタチの悪い事に、そういう人達の多くが自分が色っぽいと勘違いしてしまっているので始末に追えません。

ターシャさんくらいカーヴィーに踊る場合、表情とか全身からあからさまに色気をムンムンさせてしまうとやり過ぎ感が強まり、一気にヒワイアンダンスに転落します。
その点本家のターシャさんは、姿勢や目線の持っていき方が色っぽいわりに、表情やハンドモーションなどでは無闇矢鱈に色気を振りまいておらず、そういうところのバランスも絶妙です。

このままいくとターシャさん、お母様に比肩する魅力的なダンサーになっていくだろうなあ。
今後の成長を楽しみに見守りたいと思います(年上だけどw)。




それからマナラニさん。去年ミスになったばかりの若きダンサーです。
彼女を間近で見た感想はとにかく教科書的!模範演技!!
徹頭徹尾「フラとはかくあるべし」という踊り方で、変にこなれた感じも無く若々しいひたむきさが前面に出ていて、これを見た審査員の皆さんの中にイヤな気持になった人はいなかったことでしょう。


私が一番好感を持ったのは、フラよりむしろオリやカーヘアですね。
たぶんナープアさんの指導が良かったんだと思うけど、彼女の持ち前のハスキーヴォイスも相まって、ソフトで正確な発声は大変耳に心地好く、人前でオリを詠いカーヘアをしてカヒコを踊る以上はこうであって欲しいと切に願いたくなるようなクオリティでした(誰に対して切に願っているかは訊かないで)。


もちろん、フラもミスに相応しい見所がたっぷりでした。
丁寧である事は言うまでもなく、ココの教室の踊り方の傾向として若干お尻が後ろに出っぱり気味なんですが、マナラニさんはそれ以上に上半身の姿勢が良いため、お尻だけが悪目立ちする事もありません。
また、これまた教室のスタイルであろう大きめの歩幅も、彼女の場合それに合わせてしっかり体重移動&自然なヒップのスウェイを伴っているため、上と下の動きがギクシャクなんて事もありません。
こりゃナープアさん、2回出場させて何としてでもミスにとなるわねえ。

というか、日本の皆さんには「今回のミスは珍しく痩せてて綺麗ねえ」とかいった見方に終始せず、ちゃんと彼女の踊りそのものを観て勉強していただきたいものです(笑)。
ミスになった人には必ずそれなりの理由があります。皆さん若いですからまだまだ未熟だったり荒削りだったりする部分はありますが(バーニスさん、チェリッサさんのように出場時点ですでにかなりの域に達している奇跡の例外は除く)、少なくともミスに選ばれた時点の踊りを見ると、何かしら輝いている部分が見つかるはずです。

とりわけここ15年以内くらい、アロハ先生の三女ケオラさんあたり以降にミスになった人はハズレがかなり少ないといえましょう(※皆無とは決して言わないけど)。
おそらく、その辺から若い世代の名ダンサーが育って来たのでしょうね。




そうそう、今回はそのケオラさんの上のお姉さんであり、ご自身もミスに輝いたカプア・デリレイ・モエさんもゲストダンサーとしていらっしゃいました。
上のは彼女の似顔絵です。人物の顔を描くのがヘタクソな私が描いたにしては割と似てない?(笑)
綺麗な方なんですよね。顔立ちがどことなく色っぽいケオラさんに比べて、正統派美人という感じ。

カプアさんは今回の宇都宮公演のとき、この衣装を着ているウチの生徒さんに「その生地見せて~!!」とおっしゃって、手にとって矯めつ眇めつなさっていたそうな。

そうなんです、この生地はひとくちにベルベットといっても只のベルベットではございませぬ、他に類を見ないシャンデリア様の煌めきが…ってそれはまた別の話(笑)。








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その話はまたいずれ…………

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