舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

ステージメイクの話【実例編】

2014-03-03 01:23:53 | ダンス話&スタジオM
先日の日光霧降出演の際に制作途中の顔を載せたところ、おもいがけず嬉しいコメントを頂きまして、喜びのあまりすっかり木に登ったブタと化した私は、調子に乗ってステージメイクの話でもしようと思います(笑)。





まず、こちらがその制作途中の顔。
制作途中といってもスッピンは放送事故レベルですからして既にだいぶ作ってます。
普段の顔はこんなもんですね。


私はまず眉毛から描きます。

以前載せたこちらのイラストのように、理想の形状に合わせてほとんど描き直してます。

重要なのは眉山を表情筋に乗せる事ですね。
昔、眉と目を離したくないあまり眉山を表情筋より下にしたために、眉を動かしても表情がピクリとも動かないおそろしい顔になってしまった事がありました
表情筋を無視しちゃダメ。ゼッタイ。

でも、真正直に実際の眉の真ん中に描いて眉と目があまり離れてしまうと、悪い意味で日本人らしい顔になるので注意が必要です。
じっさいの画像………を出すのはいくら何でも差し障りがありまくりますので自粛致しますが(笑)、数年前にフラ雑誌で見かけた某キ○カメ日本大会にて、全員ぴたっと揃えた同じ表情で上向きに上げた顔がこれまた全員ぴたっと揃えて眉毛と目が激しく乖離していたため、思わず絶句してしまった事がありました。
しかも彼女達はご丁寧にチークまで同じおてもやんポジションに塗ったくってるってあなた、どういう事なのでしょう。
もしかしてあの年末にやってる絶対に笑ってはいけないフラ大会かと思ってしまいました。

こうした面白い状態に陥らないために、表情筋との関係において不自然にならない範囲で眉と目を近くしましょう。
この時は是非ネイティヴ・ハワイアンを参考にする事をおすすめします。といっても土台の眉毛がモノを言いまくってるカイナニ・カハウナエレさんじゃなくて(笑)、メイクばっちり系のケハウ姉様なんかを参考にするとよろしいでしょう。


それでも表情筋の位置を遵守するとどうしても眉と目の間に隙間が出来てしまう人は、この後のアイメイクで目と眉の隙間を埋めます。
それもおいおい説明しますね。


眉の次は普段ならマスカラですが、ステージメイクの時はアイライナーから入りますので、そっちを先に説明します。

私がステージ用に使っている頑固なウォータープルーフのアイライナーは本当に頑固で、マスカラで持ち上がった睫毛の向こう側の瞼に描こうとしても、睫毛に黒いダマが出来るばかりで瞼まで到達しないのです。
しががって、これを使う際はマスカラ前の睫毛が下を向いているうちに描いておくのです。


アイラインを引く作業は完全に「おえかき」です。



理想の目、私の場合はこういう目にすべく、この形状に外周を描いてしまうのです。
私の理想であるアーモンド型の目にしたい場合、目頭と目尻とではまったく太さが変ります。
もちろん、私とは逆に自分のキツい顔の印象を和らげたい人は、実際より目尻をさげるように描くとよろしいでしょう。


大切なのは、紙におえかきするのと異なり顔は(特にフラ・ダンサーの表情は)たえず変化しますので、様々な角度から見たり、薄目やパッチリなど色々な状態にしながら描くことが重要です。
ここんとこがキメ顔で写真を撮るためのメイクより難しいといえます。
「ダンス衣装のシルエットは直立不動よりも動いた時の状態が大切」ってのと似てますね。


それからマスカラです。
マスカラもウォータープルーフのものがオススメですね。
それも、長さを出すものとボリュームを出すものの両方を用意し、長さ用ボリューム用の順で使いましょう。
この後つけ睫毛をつけるとしても、マスカラはマスカラで抜かり無くガッチリ固めましょう。

あ、その前にビューラーでしっかり上げておくのも大切です。
私も含めて日本人の睫毛は残念ながら下向きに生えている人が多いため、持ち上げが充分でないと帽子のツバよろしく眼球の方までかかってしまい、目が小さく見えてしまいます。


あと、アイメイクに色物を使いたがる人がいますが、よほど(金に近いくらい)明るい髪色の人でもない限り、目力を弱くしてしまうのでブラウンのマスカラやアイライナーは舞台ではお勧めしません。
ましてそれ以外の色(ブルーとかピンクとか)は何の効果も持たないのでやめておいた方が賢明です。
これはつけ睫毛やアイシャドウについても同じことがいえます。
上手な人が一目で分らない程度に色を使った場合、ある種の効果が得られることもありますが、そうでない人がテキトーにボッテリと塗ったくっただけでは「目が小さく見える」「ムダに厚化粧に見える」「下品に見える」など逆効果にしかなりません。


この途中の段階で使っているのはたった2色のアイシャドウのみで大した参考にならないので、2枚目の説明の時に詳述しますね。





ということで2枚目。実際に舞台に出た時の顔です。
薄暗い早着替えスペースで急いで撮ったんで、写真の出来が悪いのは大目に見てくださいまし(笑)。


前段階との大きな違いはつけ睫毛を装着していることです。

我々日本人フラ・ダンサーがステージで踊る限り、大なり小なりつけ睫毛が必要です。
「あたしはナチュラルメイクが美徳」…ってそういう問題じゃないんだな。スッピン状態でのネイティヴ・ハワイアンの顔と日本人のそれを想像してみてくださいな。
両方がスッピンで踊ろうものなら、いくら衣装や踊りが同じようであったとしても、決して同じものにはなり得ません。
とりわけあのエキゾチックな目元を目指すなら、つけ睫毛は最低限の必須アイテムなのです。

つけ睫毛はただつければ良いというものではなく、アイメイクもつけ睫毛のボリュームに合わせたものにしなければなりません。
ですので、だいたいはつけ睫毛装着前に描き足しておくんですが、最終的にはやはり実際に睫毛がついた状態で仕上げが必要になります。


では、つけ睫毛に合わせた仕上げに入りましょう。
私がアイシャドウに使うのは①完全な黒・②濃い茶色・③薄いピンク系ベージュ・④完全な白、の4色であることが多いです。
普段は②と③のみで、ステージの時だけ①と④(必要ならその間の色ももう何色か)を使います。
今回は一日の前半が普通のレッスンだったため日中は②と③のみで過ごし(1枚目の画像)、本番に際してあとの色を足しました。

私の使っている黒シャドウはアイシャドウとアイライナーの中間みたいなモノで、クレヨン状になっています。
これで「瞼にあったらいいな~と思っている線」を描きます。
「瞼にあったらいいな~と思っている線」とは、彫りの深い西洋系の顔立ちにしばしば見られる瞼の上のくぼみですね。
しかし私には残念ながら実際には無い線ですから、よくぼかして自然にすることが必要です。

あと上下のアイラインのさらに外側も影のようにこのクレヨンで囲みます。
一定の太さで描いてしまうと只のパンダですから(笑)、「影を濃く見せたい位置」によってメリハリを付けましょう。
黒だけではわざとらしいので、これもまた濃い茶色を使って自然にぼかします。

逆に、瞼の中心など「手前にみせたい場所」には④の白を入れます。
彫りの深い顔を作ろうとすると、つい濃い色ばかり使いたくなりますが、白などの明るい色も上手く使って濃淡のギャップを出した方が相対的に彫りが深く見えます。


さらに客席との距離が遠い舞台では白のアイライナーも使います。
白アイライナーは使いこなすのが大変難しいアイテムで、私もつい最近使うようになったばかりです。
でも、上手に使えればさらに目を大きく見せる効果が得られて便利です。


あと、アイメイクを濃くしていくと眉毛が薄過ぎると感じることがありますので、そういう時は黒っぽいシャドウやマスカラなどを使って眉毛も濃くします。
太くする必要はありません。色が濃くて輪郭がハッキリしていれば大丈夫です。
ぼんやりした薄い色の眉毛だと、照明が当たった際に特に外半分が消失して麿顔になりますのでご注意くださいね。


以上、私のアイメイクについて解説しました。
何かのご参考になれば幸いです。

ちなみにこの顔、男性ウケはまったく良くないので、その点は留意された方が宜しいかと存じます(笑)。
たぶん、私の理想像(強く賢く自立しているオトナの女)が、世の男性方の理想とほぼ真逆であることに要因があるものと思われます。

男性ウケを狙う、いわゆる「モテ顔」にしたい方は、もっと弱さや隙のある可愛らしい顔を作ることをお勧めします。
なんと言ってもメーキャップは「自在に好きな顔を製造できる手段」なのですから。



しっかし、それにしてもだ。
どスッピンだった中高生時代の私が、しょっちゅう同級生男子に「怖ぇ~~~」と言われていたのは何故なんだ。
それは永遠の謎だし、謎である限り私は喪女なんだろうな、きっと。






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