舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

フラについてのアンケート・其の参

2015-01-09 04:07:40 | ダンス話&スタジオM
「素敵なフラスタイル」アンケートへの私の回答を晒すシリーズも今回で3回目。
相変わらずムダな寄り道が多くてなかなか進まん私(笑)。何とか進められるように頑張りませう。



設問4:ターンするときにふらつきます。体感を鍛えるにはどうしたらよいでしょうか?

【回答】

設問1でも書きましたが両足でしっかり地面を感じてステップする事が大切です。
これはターンの時も一緒で、バレエなど他のダンスにおけるターンでは「上に高く伸びる」のと対照的に、フラにおいてのターンでは「地面を足の裏でしっかり感じながら回る」のが正しい回り方です。
あと他のダンスの経験がある方は「スピンネックを付けないように気をつける」のも大切です。


【補足】

ありゃ、何だか他のダンスの経験者向けの説明に終始しちゃってるなあ(笑)。
というのも、様々な方のフラを観ていると、ターンが上手く行かなくてふらつくダンサーよりも、モロ他のダンスの回り方になっちゃってるダンサーの方が気になるからです。
色んなダンスをやった人間の宿命ですかね~。

ターンを多用するダンスで一般的なものと言えば「バレエ」「ジャズダンス」「社交ダンス」といったところでしょうか。
私は3つともやりました。社交ダンスに至っては大嫌いなコンペにさえ出た事があります。

3つとも回転の方法はそれぞれ異なります。それらは前述のとおりフラとも違います。
しかし、他のダンスの経験があると、どうしてもフラでもそのダンスの回り方でターンしたくなってしまうんですよね。
特に先生が他のダンスの経験者だと、振付の時点で違う種類のターンを入れたくなってしまいがちですので、混同しないように十分な注意が必要です(もちろんコンテンポラリーなフラで敢えて取り入れるのはアリですが)。
これはターンに限らずすべての動作において言える事ですね。

ただ個人的な見解を申し上げるなら、フラも立派なダンスの一つである以上、プロや指導者になるレベルの人は他のダンスも基礎知識として知っていた方が良いと思います。
むろん、「他のダンスのプロであれば容易くフラのプロになれる」なんて事は無いですけどね。

プロに限らず、フラが上手になりたい方は他のダンスの経験があればきっと役に立ちます。
他のダンスも知っている事で、それらのダンスとフラとの違いが相対的に分りますし、ダンスとしてのフラの特性もより良く見えてきます。
ですので、「自分はもう○○ダンスの影響が強すぎてフラは無理」などと思わずに、その経験を「フラらしい動作」をマスターするのに役立てていきましょう。


って、初っ端から話が脱線してしまったよ(笑)。
ターンの解説に戻りましょう。
ターンがふらつくのは、ターンだけが問題なのではなく、実はそれ以外のステップも安定していない確率が高いです。たまたまターン以外のステップのときはバランスが崩れにくいから自覚しないだけなのかも。

フラは足の裏でしっかり地面を感じて踊る事がとても大切です。
例えば砂浜の上で踊ってもバランスが崩れないくらいの安定感があると理想的です。
あと、頭のてっぺんから体の中心を通って地面に至る「一本の芯」を意識すると、ステップも安定しますし、上半身が煩くグラつく事も無くなると思います。



設問5:気づくと隣の人との間隔が空いていたり、ラインがずれたりしています。どうしたらいいでしょうか?


【回答】
「気づくと」ではなく「常に意識する」のを心がけましょう。
フラは踊りながら左右を見る機会の多い踊りですので、その都度ずれないように気を遣っていれば大丈夫です。
ステージでいきなりやるのは無理なので、普段のレッスンからそのクセをつけておく事が大切です。
あと「フォーメーションを積極的にする」のも指導者として列を美しくキープするコツです。


【補足】

様々なフラのステージを拝見しておりますと、ときおり「うわ、列が汚い!!!」と叫びそうになるモノを目撃してしまう事があります(汗)。
まず並んだ位置のバランスからしてすでに悪い。きょくたんに舞台の前か後ろに偏っていたり、センターを無視している、右と左の隣人との間隔が異なる…。
フォーメーションもアレで、せっかく動いても「…で、けっきょくなにをやりたいんだろう」と首をひねりたくなる謎移動だったりします。
それどころか、フォーメーション自体全くのゼロという所さえあります。で、列が汚い上にフォーメーションもナシだったりすると、踊ってるうちに更に位置がずれていき、どんどん悲惨な状態に……。

バランスよく並ぶ事もフォーメーションも、本番でいきなりやろうったって大概ダメです。
アンケートに書いたとおり普段から立ち位置に気を遣うクセをつける事を切にお勧めいたします。



設問6:先生はフラを始めたばかりの頃、どんな練習に力を入れていましたか? 参考にしたいのでぜひ教えてください。




【回答】

私は30年前からフラを踊っていますが、当時日本でフラを踊る人は大変少なく、私にとって「フラ」と言えば自分の母とハワイのクムやプロダンサーの踊りしか見る機会がありませんでした。
当然、私は大変な劣等感のカタマリでしたが、今になって思うと良い例を沢山見た事は自分の上達にとって何よりも効果的だったと思います。
実践面で言うと、私は当時(幼児期~小学生くらい)カセットテープを頭上にのせられて練習しておりまして、これはつい動き過ぎになりがちな人(特にケイキダンサー)には良いと思います(笑)。


【補足】

「始めたばかりの頃」は物心がついてなかったので参考になるような事は何も言えない私です。お役に立てずホント申し訳ない

しかしそれではホントにへの役にも立たないので、今まさに「始めたばかり」なウチの四代目を例に考えてみましょう。
彼女は私の知るフラ・ダンサーの中で唯一何のレクチャーも受けずに「波」のモーションを会得してのけた人物です。
波…。それはフラ・ダンサーなら一度はぶち当たる高い壁。私自身、小中学生くらいの頃に必死でタイミングを矯正した覚えがありますし、マミちゃんに至っては留学中、ルカ&ルイスのあまりの波の美しさとその通りに出来ない自分に、波のモーションが出て来る曲は二度とやりたくないとまで絶望したそうです。

なのに何故ホンの3歳の四代目に出来たのか。
それは彼女がこちらがおののくほどの集中力で手本を見ているからだと私は思います。
彼女は自分がマスターするまでは決して踊ろうとしません。「ららちゃん踊ってよ」とか言っても頑なに動こうとしない。

で何をしてるかっていうと、とにかくひたすら見ているんですね。
十分に見て、自分で踊れると判断したときに、初めてアウトプットを行うのです。
アウトプットに至る時点では曲まで完璧に覚えています。さっきも車の中で異様に正確なKe Alohaを歌いながら踊っていました。あ~あR指定ソング覚えちゃった。

そんな彼女の例から分る事は、
(1) まだ覚えていないうちは、自分がむやみに動くより、とにかくひたすら手本を見る事が大事。
(2) 完璧に覚えるまでは集中を切らさないこと。

この2点です。

振付を覚えたり、新しい動作のコツを掴んだりするのが苦手な人は、えてしてせっかく指導者が手本を見せているときにもノートを取る事に夢中になっていたり、自分も一緒に動いてしまったりしています。
自分も一緒に動いちゃうと、特に立体的な振付の場合はますますわけがわからなくなりがちです。
まずはひたすら良く見る事に専念し、正確に覚える事に努めましょう。

そして集中力も大切です。
具体的にいうと、オン/オフの切り替えが上手な人は覚えるのも上手ですね。
小学校低学年の頃、レッスンの前後には思いっきりふざけたり遊んだりしていても、ひとたびレッスンが始まるとモードを上手に切り替えて真剣にレッスンに集中していた生徒さんは、かなり小さいうちからどんどん上達しました。

大人になると雑念にとらわれがちで、手本をよく見ないで思い込みで判断してしまって見本と違う動きをしたりしやすいものですが、「手本をよく見る」「覚えるまで集中して取り組む」この2点を心がける事でより多くのレッスンの効果を得られるはずです。


あと、母マミちゃんがそれこそ子供の頃から一貫して来たポリシーは、「先生の動作に出来るだけ忠実に動くこと」だそうです。
踊りに自信のある人(比較的若い人に多い)は、えてして「自分の踊り方の方が素敵!」「○○の要素を取り入れてみよう!」などと考えて独自の味つけをしたくなるものですが、マミちゃんは決してそれをしなかったとの事。
イリマフラスタジオでもそのようにレッスンを受けていたお陰で、ルカ&ルイスから「あなたのフラはハワイアンのようだ」とお褒めの言葉を頂いたのだとか。
一緒にレッスンを受けていると、彼女は本当にカメレオンのようにその先生の動きになりきってます。すげえ。


四代目と二代目(マミちゃん)、この両者に共通している事は、これらのメソッドを後天的に学習したり、努力の果てに編み出したのではなく、初めから本能で最良のメソッドを知っている点です。
そういう踊るために生まれて来たような二代目と四代目に挟まれた凡人の私は、一体どうしたらよいのでしょうか。
絶望のあまりソウルジェムが真っ黒になる前に、その答えを最後の設問で探しましょう。


設問7:上記以外、生徒さんに指導している事があれば、ぜひ教えてください。また、弊誌へのご要望や企画のリクエストがあればどうぞお知らせ下さい。


【回答】
とにかく見る目を養うこと。
自分でステージに立ったり、メレフラで積極的に踊ったりするのも楽しいものですが、上達するためにダイレクトに役立つのはやはり「ハワイらしいフラ」「優れたフラ」をよく見る事です。
私の教室でハワイのクムをお招きしたレッスンを行う時でさえ、生徒さんには「振り付けを覚えられなくてもいいから、クムの美しいフラを見て『なぜ美しいのか』を考えてね」と申しております。
世間の多くのフラ・ダンサーの皆さんにももっと「見る目を養うこと」の大切さを知って欲しいと思ってます。


【補足】

「良質な手本を見て見る目を養うこと」ならば、生まれつきの才能とか始めた年齢なんてのは一切関係なく誰でもすぐに実践する事が出来ます。
そして、その積み重ねが自分自身の上達に必ず繋がって来るのです。
上達のためのメソッドだって、別に前述の誰かや誰かのように本能的に察知出来る必要は無いのです。自分で試行錯誤の末に探し当てたり、こういったアンケートの回答を参考に得た方法でも、同じような成果が得られるのです。

というわけで、美しいフラを身につけるチャンスは万人に平等にあります。
頑張りましょう。ってか、私も頑張ろう。





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