舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

フラのドレスカタログを見るときのコツ

2015-01-19 06:16:20 | ダンス話&スタジオM
ある程度大きなフラ関係のアパレル業者さんは、たいてい毎年1回はドレスのカタログを出していらっしゃいます。
フラの衣装をオーダーする際、こうしたカタログから選ぶダンサーさんやお教室が多いのではないでしょうか。
ウチはカタログからオーダーした事は無いのですが、大きい写真でドレスが紹介されている綺麗なカタログは衣装のイメージも浮かびやすく、一般の方も手軽にオーダー出来るのが魅力ですね。


しかし、カタログから得られるイメージは、えてして実物とは異なっている場合が多く見受けられます。
もちろんカタログの至上命題は「商品をより良く見せ、より多くの注文をゲットすること」なのですから、商品がよく見えるよう随所に工夫が施されるのは当然の事です。
とはいえ、カタログから受けた印象だけを鵜呑みにして選んでしまいますと、自分のサイズで届いた物を着たときに「こ、こんなはずじゃなかった……」という事になりかねません。
本日は、そういった悲劇を出来る限り避けるまたは最小限にすべく、いくつかのポイントをご紹介したいと思います。


(1) 「裾の長さ」に注目すべし!




お手元に業者さんのカタログをお持ちでしたら一度ぜひご覧になってみて頂きたいのですが、特にモデルさんの写真の場合、くるぶしが出ている丈のドレスはほとんど無い事にお気づきいただけると思います。
パウとかタヒチアン用などのミニやスリット入りのドレスを除き、いわゆるロング丈のドレスは、ほとんどすべて床まで届く長さか、せいぜい踊っている(またはそういう感じのポーズの)爪先だけが出ている程度であるはずです。

では、すべてのフラ・ダンサーが床につくほどの長さのロングドレスで踊っているのでしょうか?答えは否です。

ドレスの裾丈に関しては完全に好みの分れるところですし、曲のイメージとの関連もある上、深く膝を曲げる踊り方だとあまり長過ぎる裾は向かないなどスタイルごとの事情もありますので、フラのドレスの場合、足首やくるぶしが丸出しだとダサイ、という事は決してありません。長いとそれだけ扱いも難しいですし。

ただ、ドレスのシルエットだけを考えるなら、比率的にウェストの下部分が長い方がよりスタイルを良く見せる効果があります。
そうでなきゃ、世の花嫁さん達(元々十分にスタイルの良い方までも)が皆あんな苦労して高下駄のような靴を履いてウェディングドレスを着る必要などありません。
同じ理由で、フラドレスのカタログのモデルさん達も、床まで届くほどの長さのドレスをまとっているのです。

しかし、その事を全く意識せずに同じドレスを「くるぶし丈」「床上がり5cm」などと注文すれば、もちろんカタログに載っていたときとはかなりバランスが変わってきます。
無意識のうちにカタログと同じバランスの物をイメージしていると、実際のドレスを着たときに「アレ?何か凄く短足に見えない???」ということになりかねません。

ですから、カタログで見たままをイメージするのではなく、自分の実際の裾丈を想定しつつカタログを見るようにしましょう。
床から数cm上がったくらいでダサくなるようなドレスは、元々大して形の良い物ではありませんので、そういった物は選ばない方が無難です。


(2) 着るのはあなたです!

同様に、カタログのモデルさんは大抵素晴らしいスタイルの方ばかりです。
しかも踊れるモデルさんが多いので、ポージングも大変美しい。
しかしそれを自分が着たらどうなるか。
非常にシビアな話ですが、そこんとこはよく考えなければなりません。


たとえば私(のような体型の女)が、背面全シャーリングのポリコットン(一般的なハワイアンファブリック)のドレスを着るとしましょう。
カタログのほっそりしているモデルさんや、更にほっそりしているマネキンが同じドレスをまとっても、一見シャーリングと分らないくらいさり気ないものですが(そしてシャーリングの写真は大抵の場合出来るだけさり気なく載せられています)、それを私が着たらどうなるか。
完全に背面ボンレスハムです。良い背脂が取れそうだ。って是非マジで取って欲しい。取り尽くして欲しい。まあそれはおいといて。

シャーリングはスタイルに合わせて自在にフィットしてくれる……のではなく、現実のスタイルを容赦なくあぶり出します
特にハワイアンファブリックだとその傾向が顕著です。しかも背面シャーリングの場合、着ている本人に(だけ)は背中の惨状が見えない為、誰か小さな親切大きなお世話な人に指摘でもされない限り、この現実を目にする事もありません。おそろしいおそろしい。


って私は別にシャーリングをディスりたいワケではなく(実際ウチでも必要に応じて生地と入れ方を十分に選んだうえでシャーリングも使いますよ)、このようにカタログのモデルさんやマネキンのイメージだけで着るのは危険だという事です。

もしかしたら「美しいスタイルの人が着ているから」「踊りのポーズの綺麗な人が着ているから」よく見えるだけなのかもしれません。
そこのところは冷静に見極める必要があります。

本当に素敵なデザインのドレスなら、私みたいな体型も最大限に良く見せてくれる効果がありますし、フラを始めたばかりの初心者の方が身にまとっても、着ただけで素敵に見せてくれるはずです。
そういう人もちゃんと素敵に見せてくれないようなドレスは、元々大して形の(以下略)


(3) 「要注意ポーズ」に気をつけよう!

直立のマネキンや、実際にフラにありがちなポーズをとっているモデルさんの写真であれば良心的ですが、ときどき「…………フラでそんなポーズするわけ?」という形状のマネキンやモデルさんを目にする事がありまして、そういった場合、何か目くらまししようとしていることが有り得ます。
ですから「要注意ポーズ」なんですね。

こういうケースについては、以前もトゥースマネキンについてご紹介しました。
肩が不自然にナナメっており(※フラでみだりに肩を傾けてはいけません)、背中が某ピンクベストの芸人さんのように反り返っている、謎のマネキンです。
謎だしフラでは有り得ないポーズだけど、ボディラインを強調する効果はありますので、衣装が良く見えると思っている……のかも。




トゥースに続いて本日ご紹介する要注意ポーズがこちら。
以前書いた事と被ると思いますが、重要な事なので繰り返してみます。
膝を立てたりスカートを持ったり、ことさらにスカートを広げて見せている物は、実際の分量を有耶無耶にしようとしている場合があります。

こういったポーズをすればスカートの分量は沢山あるように見えるかもしれませんが、踊っている最中は常にこの状態でいるわけではありません。
したがって、ペチコートをはかずに直立の体勢を取ったり、通常のフラの動作をしている時には、必ずしもイメージ通りにスカートが広がったままでいてくれるとは限らないのです。

一見たっぷりしているように見えて(見せていて)も、裾の分量はピンキリですので、最終的にはきちんと業者さんに確認する事をおススメします。
でないと、実物を見たら&着て踊ってみたら案外ショボい裾だった、という事になりかねません。

分量の不十分なドレスをペチコートで押し上げても、むやみにショボさが強調されるだけでゴージャスにはならないものです。
そういうドレスは無理に広げようとせず、スリムなシルエットのドレスとして着るのが無難です。

世の中のドレスがすべてボリューミーじゃなきゃいけないなんて事は無いわけで、スリムなドレスだって素敵なのは無数にあります。まあ私みたいにそもそも本体がスリムじゃない場合は色々無理ですが。
裾の分量が少ないとショボくなるようなドレスは、元々(以下略)



ということで、カタログを見るにあたって、いくつかの事に気をつけるだけでかなり「本当に素敵なドレス」を見極められるようになります。
今後カタログから衣装を選ぶ方にとって何らかのご参考になれば幸いです。







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