仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

テンションがものを言う。Ⅶ

2009年01月15日 17時03分31秒 | Weblog
 何度も三人はハテた。はじめてマーはハルの中でハテた。マサルの中でも。マサルもハルの中でハテた。マーの中でも。
 上を向いて両足を天井に向けて伸ばしたハルにマーが横向きで挿入した。挿入しているマーにマサルが挿入した。
 激しさはなかった。
 強引さもなかった。
すべてが自然に進行した。そのフレーズのように淡々と高揚は増していった。
 そこには何の規制も抑制もなかった。所有も拒否もなかった。快感よりも温かい共鳴があった。魂が響きあい、肉体が溶け合った。
 マーとハルは存在の無意味さと存在の確かさを同時に感じた。
 マサルは懐かしさとともにその中に浸った。
 マサルの背中の傷にマーが気付いた。ハルも気付いた。二人は代わる代わる、その傷を舐めた。その傷からも魂の糸は進入してきた。
 マサルが刺される前の「ベース」。そこで営まれた行為。同じ次元の共鳴感が三人を包んでいた。
 部屋にはオリーブオイルと精液と愛液の甘い臭いが充満していた。彼ら自身は感じることができなくても、その臭いが彼らをさらに溶かしていった。時間の感覚もなかった。三人はお互いの手が届くところまで足を絡め合い、不思議な三角形を作った。そして、いつしか眠りについた。身体の中ではマサルがさずかったそのフレーズと魂の糸が意識の地平と無意識の深遠を繋ぐかのように大きなウネリとなって彼らを捉えていた。同じ夢でも見ているかのように。