蛇の頭のように地面から直立し、何かを探しているような十センチがあった。
それが、自分を探しているのだ、という確信をツカサは持てなかった。
それでも、その十センチに近づきたかった。
もちろん、風が吹かなければ、地面が動かなければ、近づくこともできないのだが。
自分と世界を区切る境界線がなくなれば、自分の意志などというものはなんと、ちっぽけなものだろう。
そんな思いがした。
ヒトミのやつれた髪がツカサの頬をくすぐった。
それが、自分を探しているのだ、という確信をツカサは持てなかった。
それでも、その十センチに近づきたかった。
もちろん、風が吹かなければ、地面が動かなければ、近づくこともできないのだが。
自分と世界を区切る境界線がなくなれば、自分の意志などというものはなんと、ちっぽけなものだろう。
そんな思いがした。
ヒトミのやつれた髪がツカサの頬をくすぐった。