ボンボン
ダンボールを叩く音がした。
カリさんが鋏を持ってきた。
「なんでも落ちてんだよなあ。ここら辺にはよ。」
中央公園の水道で頭を洗って、カリさんが髪を切ってくれた。
短くなった顔を見てカリさんが言った。
「おめえ、まだ、若えんじゃねえか。でてけよ。こんなとこ。」
「はあ、」
「いっそ、保健所に捕まって、施設へいけよ。何とかなったやつもいるってきいたぜ。」
「はあ、」
「元気ねえなあ。おめえは。」
頭が寒くなった。
「これ巻いとけ。」
カリさんがタオルを投げてくれた。
無造作に頭に巻いた。
「こうやんだよ。」
そういうとカリさんは手際よくタオルを巻き、まるで、ターバンのようになった。
「そうしてな。帽子を今度拾ってきてやるから。」
「はい。」
「なんかないのかよお。」
「あっ、ありがとうございました。」
「はは、抜けてるよ。おまえは。」
ボーン
ダンボールが鳴った。
驚いて外に出ると、ダンボールの上に毛糸の帽子がのっていた。
カリさんの姿は見えなかった。
ダンボールを叩く音がした。
カリさんが鋏を持ってきた。
「なんでも落ちてんだよなあ。ここら辺にはよ。」
中央公園の水道で頭を洗って、カリさんが髪を切ってくれた。
短くなった顔を見てカリさんが言った。
「おめえ、まだ、若えんじゃねえか。でてけよ。こんなとこ。」
「はあ、」
「いっそ、保健所に捕まって、施設へいけよ。何とかなったやつもいるってきいたぜ。」
「はあ、」
「元気ねえなあ。おめえは。」
頭が寒くなった。
「これ巻いとけ。」
カリさんがタオルを投げてくれた。
無造作に頭に巻いた。
「こうやんだよ。」
そういうとカリさんは手際よくタオルを巻き、まるで、ターバンのようになった。
「そうしてな。帽子を今度拾ってきてやるから。」
「はい。」
「なんかないのかよお。」
「あっ、ありがとうございました。」
「はは、抜けてるよ。おまえは。」
ボーン
ダンボールが鳴った。
驚いて外に出ると、ダンボールの上に毛糸の帽子がのっていた。
カリさんの姿は見えなかった。