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糖尿病・メタボ予防に効果!桑の葉成分「DNJ」とは何か?

2010年05月14日 | 健康
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 なつかしい桑の実の味
 もう40年近くも昔のことになるが、野山を駆け回り虫を捕ったり、木の実を拾ったり、木イチゴを食べた時代がなつかしい。今、考えると人の土地だったり、立ち入り禁止の場所もあり、だいぶひんしゅくをかっていたのだなと思うが、そんなのはおかまいなしで、好奇心の赴くまま遊び回っていた。

 そうした中、たしか母からだったと思うが、桑の実は食べられるんだよと言われて、初めて口にした桑の実の味が忘れられない。当時はまだ養蚕を営む農家もけっこうあって、桑の畑はごく普通にあった。桑というと、白くうごめく蚕の幼虫と白い繭を思い出し、あまりよいイメージはなかった。

 「あのイモムシの食べる木か」そう思って見ると、桑に確かに、小さな黒っぽい実が付いていた。「まずそう」というのが第一印象であったが、おそるおそる口にしてみた。すると甘酸っぱい香りが口の中に広がった。「おいしい、フルーツみたいだ」グロテスクな蚕と黒い実とフルーティな味との落差が、たしかに記憶に残っている。

 今では桑も蚕も、ほとんど目にすることもなくなったが、蚕が食べ美しいツヤのあるシルクをつくるぐらいだから、おいしいし栄養もあるのだろう。現在、桑のお茶などが市販されており、健康効果が注目されている。どんな健康成分があるのだろう? 

 糖尿病・メタボ予防に効果?
 東北大大学院農学研究科と宮城県丸森町は、桑の葉に含まれる糖尿病やメタボリックシンドロームの予防効果がある成分の研究を進める協定を結んだ。

 養蚕が盛んだった同町と共同で、健康食品の開発などに役立つ研究に取り組む。

 同科の堀雅敏准教授によると、桑の葉には「デオキシノジリマイシン(DNJ)」と呼ばれる血糖値の上昇を抑える成分が含まれており、品種によって含有量が異なる。桑の葉を食べる蚕にはより高濃度のDNJが含まれており、含有量の高い桑を突きとめるとともに、蚕も調べることで、より高濃度のDNJを抽出し、健康食品などの開発に役立てる。

 協定では、町内の農家らがボランティアで協力して、同町が養蚕を請け負い、代わりに同科が研究結果を提供する。同大の農場でも桑を栽培しているが、面積や技術に限りがあるため、栽培を同町に委託、研究材料を安定的に確保できる体制にした。今年度は、約800平方メートルの畑に56種類計168本の桑を栽培する。

 同町では、かつて養蚕が盛んで、1946年に養蚕農家は約2000戸あったが、現在は10戸に減少した。繭細工やシルク和紙など付加価値の高い商品の開発を考えていた同町が桑の研究をしていた同科に持ちかけた。

 堀准教授は「2、3年でDNJを多く含む桑を見つけたい」としている。佐藤一郎副町長は「研究結果を生かし、養蚕を新たな商品化につなげたい」と期待している。(2010年5月1日  読売新聞)

 桑とは何か?
 クワ(桑)はカイコ(蚕)の餌として古来重要な作物であり、また果樹としても利用される。日本で桑畑は良くある風景であった。しかし、現在、養蚕業が盛んだった地域では、生産者の高齢化、後継者難、生糸産業全般の衰退の中で、放置された桑畑も多く残る。

 落葉性の高木で、大きいものは15mに達するが、普段見かけるのは数m程度のものが多い。樹皮は灰色。葉は薄くつやのある黄緑色で、縁にはあらい鋸歯がある。大きい木では、葉の形はハート形に近い楕円形だが、若い木では、葉にあらい切れ込みが入る場合がある。

 雌雄異株だが、同株のものがある。春に開花する。雄花は茎の先端から房状に垂れ下がり、雌花は枝の基部の方につく。果実は初夏に熟す。キイチゴのような、柔らかい粒が集まった形で、やや長くなる。熟すと赤黒くなり、甘くて美味しい。

 果実は桑の実、どどめ、マルベリー(Mulberry)と呼ばれ、地方によっては桑酒として果実酒の原料となる。その果実は甘酸っぱく、美味であり、高い抗酸化作用で知られる色素・アントシアニンをはじめとする、ポリフェノールを多く含有する。

 また、非常食として桑の実を乾燥させた粉末を食べたり、水に晒した成熟前の実をご飯に炊き込む事も行われてきた。なお、クワの果実はキイチゴのような粒の集まった形を表す語としても用いられる。発生学では動物の初期胚に桑実胚、藻類にクワノミモ(パンドリナ)などの例がある。

 桑の実の健康成分
 ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬である。利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われる。

 また、葉を茶の代用品とする「桑茶」が飲まれている地域もあり、現在も市販されている。桑の葉にはビタミンC,ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンA,亜鉛,鉄,マグネシウム,カルシウム,食物繊維,各種フラボノイド,カロテン,γアミノ酪酸などが含まれている。なかでも日本人に不足しがちなカルシウムは小松菜の1.5倍、鉄は小松菜の15倍、カロテンはほうれん草の10倍も含まれている。

 その他桑の葉に含まれるフラボノイド類や食物繊維がコレステロール値や中性脂肪値を下げ、LDLコレステロールが活性酸素により酸化されるのを防ぎ、動脈硬化を予防する。食物繊維には腸からのコレステロール吸収を抑える働きがある。

 その他桑の葉に含まれているγアミノ酪酸(GABA)に血圧の上昇を防ぐ効果がある。さまざまな健康効果をもつ桑の葉は、DNJや食物繊維、フラボノイド類をはじめてとするさまざまな成分の相互作用で効果を発揮していると考えられている。

 デオキシノジリマイシン(DNJ)とは何か?
 桑葉には1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)が含まれていることが近年の研究で明らかになった。

 DNJ はブドウ糖の類似物質(アザ糖類の一種)であり、小腸において糖分解酵素のα-グルコシダーゼに結合する事でその活性を阻害する。その結果、スクロースやマルトースの分解効率が低下し、血糖値の上昇が抑制される。

 桑の葉のDNJはブドウ糖と構造が大変よく似ているため、αグルコシダーゼと結びつき、本物のブドウ糖が来ても働けないようにし、糖分は吸収されずにそのまま小腸から大腸へ送られていく。

 DNJの結合は比較的ゆるいためブドウ糖の吸収を全て阻害するわけではなく、ゆっくりと吸収される。結果として食後の血糖値の急上昇が抑えられ、糖尿病の予防や改善に効果を発揮する。またDNJにはインスリン自体の分泌を促進する効果もある。

 近年梅の実にも、αグルコシダーゼと結びつき、ブドウ糖の吸収を抑える成分が和歌山県立医科大の研究グループなどによって、発見されている。

 

参考HP Wikipedia「桑」・桑の葉の効果と効能「サプリメントラボ」 ・アイラブサイエンス「梅の実のαグルコシターゼ阻害効果

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