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22億年前に「メタン」放出で起きた「超温暖化」とは何か?

2010年07月31日 | 地球温暖化
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 スノーボールアース仮説
 人類の歴史はたかだか5000年、それに対して地球の歴史は4600000000年(46億年)。何と92万倍も違う。その間地球は、何度も温暖化や寒冷化、大量絶滅を繰り返してきた。最近では、65000万年前の恐竜絶滅が有名だ。この時には巨大隕石が地球に衝突し、そのとき地球を覆った、エアロゾルのために寒冷化してという。

 そして、現在地球は、温暖化に見舞われている。しかし、その原因については、温室効果ガス説以外にも、太陽の黒点周期説、温暖化周期説、フォトンベルト説など多数あり、どれか一つに限定するのは難しくなってきている。

 さて、地球の過去の歴史の中で、約22億年前と約6億年前の2回、地球全体が寒冷化し、全体が氷で覆われた時代があったという。このことを何というか?

 正解は「スノーボールアース仮説(全球凍結)」である。さて、最近この仮説に新しい説が加わった。それは、スノーボールだった地球が、もとに戻るとき、メタンが大量に発生し、その温室効果によって温暖化したという「超温暖化」が起きたのではないかと言う考えだ。

 超温暖化する地球
 22億年前に地球全体が氷で覆われていた「スノーボールアース(全球凍結)」の時代の後、海中などにあったメタンハイドレートが大量に分解、中に含まれる温室効果ガスのメタンが大気中に放出され、気温が100度上昇する「超温暖化」が起きた可能性が高いとする研究成果を、田近英一東京大准教授らが26日発表した。

 田近准教授らによると、23億~22億年前は地球表面の平均温度は氷点下40度。その後気温が上がり、酸素濃度も急上昇し、その後の生物進化につながったとされている。その変化がどのように起きたかは不明だった。

 田近准教授らは、米国とカナダの国境にある22億年前前後の地層を調査。岩石中の炭素の同位体を分析すると、この時期に軽い炭素が急激に増えていた。ほかの元素の量などから、平均気温は60度になったと推定した。

 メタンハイドレートは軽い炭素を取り込んでいる場合が多い。こうした特徴から、この時期の変化は、蓄積していたメタンハイドレートが分解、メタンが大気中に放出されたことによって起きたと考えるのが合理的という。こうした温暖化により、雨で岩石中のリン酸などが溶け出して海に流れ込み、それを取り込んで光合成をする生物が繁殖、酸素濃度の上昇につながったと考えられるとしている。(毎日新聞 2010年7月27日)

 なぜ、全球凍結は起きたか?
 しかし、このスノーボールアース仮説には疑問点がある。それは、なぜ地球が凍結したか?そして、凍結した地球がなぜもとに戻ったか?という説明が、原因を温室効果ガスだけにゆだねていることである。

 まず地球が寒冷化するのに、大量の二酸化炭素が地殻に固定され、大気中の二酸化炭素量が低下した。

 次に、温室効果の減少により地球全体の寒冷化が始まり、極地から次第に氷床が発達していった。氷床が太陽光を反射したため一層の寒冷化を招いた。一度加速した寒冷化は止まらず、最終的に約1,000mにも及ぶ氷床が全地球を覆うようになり、スノーボールアースに至った。この状態は数億年~数千万年続いたとみられる。

 なぜ、温暖化は起きたか?
 凍結しなかった深海底や火山周辺の地熱地帯では、わずかながら生命活動が維持されていた。凍結中も火山活動による二酸化炭素の供給は続けられており、大気中の二酸化炭素濃度が高まっていった。地表が凍結している間は岩石の風化も凍結状態だった。

 大気中の二酸化炭素濃度が一定比率に達すると気温が上昇し、一気に氷床の解凍が始まった。短く見積もった場合には数百年単位で極地以外の氷床が消滅して、大気温は約40℃まで上昇したと推定されている。温暖化した気候の影響により大規模な嵐や台風が頻発するようになり、岩石の風化が促進され、大量の金属イオンが海に供給された。また長年堆積していた海の沈殿物が嵐により撹拌され、沈殿物が海の表層部に舞い上がった。

 大気中の高濃度の二酸化炭素は海中に溶け込み、一部は上記金属イオンと結合して大量の炭酸塩岩を海底に沈殿させた。

 海の表層部に舞い上がった大量の沈殿物や陸地から供給される栄養塩類が光合成単細胞生物に利用され、光合成を激しく促した。またスノーボールアース以前の光合成生物の酸素放出速度より遥かに速いスピードで酸素が放出されたため、大量の酸素が地球に蓄積していった。この酸素のおかげで、さまざまな動物の多様化(カンブリア爆発)が進んだという。(Wikipedia)

 スノーボールアースの証拠
 当時地球が氷結したことを示唆する地質学的証拠が多数確認されている。

 南極以外の世界各地でこの時代の氷河堆積物が見つかっている。この中には古地磁気分析で当時赤道周辺であったと推定される場所も含まれる。

 氷河堆積物の直上に厚い炭酸塩岩層(キャップカーボネイト)が発見されることが多い。これは寒冷化終結と同時に二酸化炭素の固定化が開始したことを意味する。アフリカ南部のナミビアなどで発見された例では、炭酸塩岩が非常に急速に沈殿したことが判明している。

 縞状鉄鉱床の存在。縞状鉄鉱床は約20億年前の無酸素状態の海中に溶解していた鉄イオンが、シアノバクテリアなどの光合成による酸素と反応し、酸化鉄となって大量に沈殿した鉄鉱床。この種の鉱床の形成は酸素が十分に増えた19億年前に終了していた。

 この縞状鉄鉱床が世界各国の7億年前の氷河堆積物中からも見つかっている。当時の海洋が厚い氷床により大気と分断され生命活動も低下した結果、海水の酸素がなくなって20億年前の状態に戻ったことを示唆している。

 炭素同位体分析によると、この期間全地球的に生物による光合成が殆ど停止している。(Wikipedia)

 スノーボールアースの疑問点
 このように、スノーボールアースの証拠は多数あり、たしかに起きたようである。今回、田近英一東京大准教授らは、22億年前に地球全体が氷で覆われていた「スノーボールアース」の時代の後、海中などにあったメタンハイドレートが大量に分解、中に含まれる温室効果ガスのメタンが大気中に放出され、気温が100度上昇する「超温暖化」が起きたと発表。

 温室効果ガスに、メタンが加わったわけだが、それだけで「スノーボールアース化」や「超温暖化」は起きるのであろうか?疑問点は残る。

 地球は過去数百万年を調べてみても、4万年から10万年の周期で多くの氷期が起きている。そのすべてが温室効果ガスが原因である...とするのには無理がある。

 やはり、温室効果ガス以外に、太陽活動、巨大隕石衝突、ガンマ線バーストやフォトンベルト、ミランコビッチサイクル...などさまざまな要因が関係していると考えた方が自然ではないだろうか? 

 

参考HP Wikipedia「スノーボールアース」「氷河期」「ミランコビッチサイクル」「フォトンベルト」他 

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地球温暖化は確実!しかし、真の原因は「フォトンベルト」?

2010年07月30日 | 地球温暖化
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 地球温暖化は確実だが...
 米国海洋大気庁(NOAA)が2010年7月28日に発表した年次報告書「気候の状態(State of the Climate)」の最新版によると、10の気候指標を詳細に分析した結果、すべてが過去30年間に著しい温暖化か起きたことを示し、特に直近の10年間は観測史上最も気温が高かったという。

 この報告書は、気候変動の長期的な進行に関する最新のデータに基づき、2009年に計測された気候変動を中心に記述している。例えば、過去数十年間に世界各地の7000カ所以上の測候所で観測された地表気温のデータから、気温が「上昇傾向にあることは間違いない」ことが確認されたとしている。

 地球温暖化により、海水は温度が上がると膨張するため、海に熱が加えられることなどが原因で海水位が上昇しているだけでなく、夏に北極の海氷が溶けるスピードも速まっている。2007年には北極の氷の量が観測史上最少となったが、2010年はその記録を上回るかもしれない。

 NOAAの報告書は気候に関するほかの出版物とは性格が異なる。その理由は、コンピュータモデルではなく、実際の観測データに基づいているため、年間の気候システムの “スコアカード”と言えるからだと報告書は記す。

 また、実際のデータを用いてはいても、「地球温暖化に関する理論はまだ不完全だ」とNOAAのトレンバース氏は注意を促す。大気の動きが複雑であることがその大きな理由だという。「例えば、驚くほど様々な雲が窓の外に広がるのを一目見れば、それは明らかだ」。 (National Geographic News July 29, 2010)

 米国の温室効果ガス否定説 
 一方、米国では ギャラップ社がことし春に行った調査によると、「温暖化は実際より誇張されている」と考えている人は48%。昨年の41%からわずか1年間で大幅に増えた。1997年は31%だった数字だ。自らの生活や生命に「影響を与える」と感じる人も当然減り、2008年の40%に比べ、32%まで下降した。

 温暖化を認めるとしても、原因を「人為的」「自然的」いずれに帰すべきかとの問いでは、前者と答えた人は2008年の58%から50%まで低下、逆に後者は、46%と8ポイント上昇。今や半数近くの人が、温室効果ガス悪玉論を否定している。

 米下院は、すでに2020年までに2005年比で17%削減という地球温暖化対策法案を通過させている。これだけでも厳しさでは日本案の25%にはるかに及ばないが、現在上院で審議されている法案は、下院よりさらに緩やかだ。

 米上院民主党は7月22日、排出量取引制度などを盛り込んだ地球温暖化対策法案の審議開始を断念している。共和党の支持が得られておらず、今のままでは11月の中間選挙前に成立させるのが難しいことが理由。京都議定書に続く2013年以降の新たな国際枠組みづくりにも影響が出る可能性がある。(毎日新聞 2010年7月23日)

 あいかわらず、米国の地球温暖化対策は遅れている。その背景には、地球温暖化はあるにしても、「二酸化炭素などの温室効果ガスが原因ではない」という考えがあるからだ。

 たしかに、二酸化炭素は大気の約0.04%に過ぎず、水蒸気のほうがはるかに多い。そして水蒸気の方が温室効果が10倍も高いのだ。温室効果のうち、97%は水蒸気だといわれている。米国の根強い温室効果ガス原因否定説もうなずける。

 地球温暖化のもう一つの原因
 では、確かに起きている、地球温暖化はいったい何が原因なのだろう?その一つの候補として、最近注目されているのが、「フォトンベルト」である。

 フォトンベルト(Photon Belt)とは、銀河系にあるとされている高エネルギーフォトン(光子)のドーナッツ状の帯である。しかし、科学的にその存在の根拠はない。

 その内容については人により説がいくつか存在し、共通点として以下のことが挙げられている。太陽系はプレアデス星団のアルシオーネを中心として約26,000年周期で回っている。地球は公転軌道の関係でフォトンベルトに一時的に入ったり出たりしているが、2012年12月23日には完全に突入し、通過するのに2000年程を要すると見られる。

 フォトンベルトはアルシオーネを中心に垂直に分布しており、NASAが観測に成功している。フォトンベルトに突入すると強力な電磁波により太陽や地球の活動に大きな影響が出て、電子機器が使用できなくなるとも言われている。20世紀末から異常気象や火山活動・地震が頻発しているのは、地球がフォトンベルトに入り始めたからとも主張している。

 しかし、太陽系は銀河系中心に対して約2億2600万年周期で公転しており、プレアデス星団を中心に回るということはない。地球の歳差運動が約26,000年周期であることから、これとの混同、ないし、占星術と組み合わされたものであるのではないか。

 仮にプレアデス星団を中心に回っているとすると、そこには銀河系を遥かに上回る質量がなければならない。フォトンベルト説では、地球がプレアデス星団のまわりを回っている説と、わずか26,000年で銀河を回るという二説が、それぞれ相互に矛盾しているにもかかわらず併記されていることが多い...などという反論もある。

 マヤの予言「2012」
 マヤの予言を映画にした「2012」。この作品では2012年に予想されている、太陽活動の極大期を災害の原因とした。つまり、現在は太陽黒点の極小期にあたっているが、これから太陽黒点が増え、2年後に急激に活動することを想定している。

 さらに2012年、観測史上最大の太陽活動が起き、大量の太陽ニュートリノが地球を襲う。その結果、ニュートリノがまるで電子レンジのように、地球のコアを過熱させる。やがてその熱で緩んだ地殻が一気に崩壊をはじめ、わずか3日で地表のすべてが海中に没するという設定である。

 だが、電子レンジは携帯電話にも使われる、マイクロ波(極超短波)という電磁波を食品に当てて加熱する調理器具である。その波長は1cm~100cmと大きい。電子レンジは「電子」を使っているわけではないのだ。

 大きさ約1.0×10-16 cm、9.1093826×10−31kgである「電子」よりも、はるかに小さく、軽いニュートリノ(電子の約1/25000)が、電子レンジの代わりになるとは考えにくい。通常は大部分のニュートリノは地球を通り抜けている。

 「フォトンベルト」の脅威
 しかし、地球を通過するのがニュートリノではなくて「フォトンベルト」ならどうだろうか?フォトンは「光子」、つまり電磁波である。例えば電子レンジと同じ、マイクロ波(極超短波)が大量に地球を襲ったら、電子レンジのように加熱されることはあるのではないだろうか?

 地球内部が加熱され、異常気象や地震、火山の噴火が起きたり、大規模な地殻変動が起きても不思議ではないかもしれない。

 ソクラテスはその著書の中で、「アトランティス大陸」が実在したものとして描いている。また「ムー大陸」やその他、古代文明の大陸の多くは、激しい天変地異により海中に没したとする著書も多い。例えば聖書の「ノアの箱船」がそうだ。しかし、現在の地球上にその証拠となるものが発見されれておらず、科学的には認められていない。

 だが、「フォトンベルト」のようなものが実在し、まさに、跡形も残らないほどの天変地異が起きたとしたらどうだろう?人類の歴史はたかだか5000年程度。ところが地球の歴史は46億年、可能性としてはどんな現象も否定できない。

 「ガンマ線バースト」も、つい最近証明されたばかりだ。地球は、ドイツの気象学者アルフレート・ヴェーゲナーの大陸移動説のようにゆっくりとし動きだけでなく、もっと激しい、もっと活発な地殻変動があったのかもしれない。

 

参考HP Wikipedia「フォトンベルト」「2012」 ・浅川嘉富の世界「フォトンベルトとの遭遇」・アセンションに向かって「フォトンベルト

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フォトン・ベルトの謎―2012年12月の地球大クラッシュ
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地球温暖化は確実!しかし、原因は温室効果ガスじゃない?

2010年07月29日 | 地球温暖化
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 ロシアで記録的猛暑
 記録的な猛暑が続いているロシアの首都モスクワで7月26日、気温が37.4度に達し、130年の観測史上最高を記録した。これまでの記録は、1920年8月に記録した36.8度だった。

 ロシア西部やシベリアでは6月以降、熱波による猛暑に見舞われているが、気象台は「水曜日(28日)までに最高気温を更新する可能性がある」とし、この暑さが依然続くと予想している。

 またこの日は、モスクワ周辺で発生した森林や泥炭の火災の影響で、スモッグが市内を覆う事態も発生。窓やドアを通じてオフィスや住宅など室内にも流れ込み、モスクワ市民は酷暑と灰のにおいの二重苦に閉口していた。

 モスクワ市当局によると、このスモッグで空気中の有害物質が基準値の5~8倍となっており、健康被害も懸念されている。(ロイター 2010.7.26)

 中国でも猛烈な熱波
 一方、中国各地は7月27日、猛烈な熱波に見舞われている。中国中央気象台によると、最高気温が摂氏42度に達するとみられる地方もある。中国新聞社が報じた。

 最高気温が摂氏35度以上で、ところにより37~38度に達するとみられるのは、重慶市中西部、湖南省の大部分、湖北省の南東部、江西省の北西部、広西チワン族自治区の北東部、広東省西部と北東部、北京市の大部分、天津市の西部、河北省の中西部、陜西省の北東部と関中地区、山西省北部。

 内モンゴル自治区の中西部、甘粛省中西部、新疆ウイグル自治区のトルファン盆地と南部盆地の最高気温は35~37度で、ところによっては摂氏42度を超えるとの予報。

 気象台は、午後の暑い時間帯の屋外の活動はできるだけ避け、特に高齢者、体質虚弱者、病人、幼児などは防暑対策をとるよう呼びかけた。(Seachina 2010.7.27)

 地球温暖化は確実だが...
 地球温暖化は、人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガスが主因となって引き起こされているとする説が主流である。「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)によって発行されたIPCC第4次評価報告書によって、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因である確率は「90%を超える」とされた。

 IPCC第4次評価報告書(AR4)は現在世界で最も多くの学術的知見を集約しかつ世界的に認められた報告書であり、原因に関する議論が行われる場合も、これが主軸となっている。

 IPCCは、第4次評価報告書の成果によって、ノーベル平和賞を受賞している。受賞理由は「気候変動問題に関する活動」である。確かに地球温暖化が起きているということを問題定義し、世界全体が地球環境を考えることのきっかけをつくったことは大きな成果である。

 現在、オイルマネーで潤っているアラブ諸国も、米国、EUなどの先進国も、新エネルギーの開発に熱心である。宗教や思想の違いを超え、地球環境をみんなで守るということで、世界は一つになれるかもしれない。そんな希望もいだかせてくれる。

 しかし、問題はIPCCが科学者の集まりで、世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書をつくったものであり、科学の本来の目的は、自然の現象を真実に基づいて説明できなければならない。

 二酸化炭素は真の原因か?
 IPCCの第4次評価報告書では、地球温暖化の原因は90%以上の確率で二酸化炭素などの温室効果ガスであると述べているが、最近、温室効果ガスが原因ではない...という意見も多く述べられるようになった。

 例えば、二酸化炭素の海洋による吸収が大きいので、化石燃料の燃焼による二酸化炭素の増加などの人為的な影響は小さいのではないかという意見がある。海洋への二酸化炭素の吸収と放出サイクルの時間の長さが不明であるから、地球温暖化への影響がはっきりしていない。

 また、温室効果ガスの増加が地球の気温を上昇させているのではなく、地球の気温が上昇した結果、海洋から放出される二酸化炭素が増えている...との主張がある。

 また、短期的な変動に関しては、温度変化よりも二酸化炭素の濃度変化の方が半年から1年遅れている。20世紀全体を見渡した長期の変動においても、急激な温度変化が二酸化炭素の変化に対して先行して起こっている。

 気温の変化とCO2の増加のグラフは、1800年の産業革命以降、期間を通じてCO2が増加しており、それに伴って気温も上昇し続けなければならないが、1850年から1910年頃気温が一時的に低下している時期がある。

 その他の懐疑論
 温暖化は自然現象である、または自然現象の影響も大きいとする説。太陽活動の影響、宇宙広範の活動の影響、地球内部の活動、磁気圏の活動などが原因であるとの主張。

 火山活動や海水からの二酸化炭素の排出の影響の方が大きいという説。水蒸気の影響の方が大きいという説。 二酸化炭素は大気の約0.04%に過ぎず、水蒸気のほうがはるかに多い。温室効果ガスの増加は一次的な主要因ではなく、温暖化のために増えているという主張もある。

 小氷期からの回復過程(自然由来の因子)が、まだ続いている可能性もあるのではないかという説。予想に用いる気候モデルの信頼性が十分でない(二酸化炭素のミッシング・シンクなど)。軍事産業や一部国家による陰謀である。などなど多岐にわたる説がある。(Wikipedia)

 

参考HP Wikipedia「地球温暖化」「地球温暖化に対する懐疑論」 

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重い銀河で「ガンマ線バースト」を確認!地球近くでも可能性あり

2010年07月28日 | 宇宙

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 ガンマ線バーストと重い銀河
 宇宙で起きる最も激しい爆発現象で、謎の多い「ガンマ線バースト」が、質量の「軽い銀河」で起こるという定説と異なり、「重い銀河」で発生したことを京都大、国立天文台などが突き止めた。

 地球のある天の川も重い銀河で、バーストが起こりうることを示す成果だ。

 ガンマ線バーストは、数秒から数十秒の間にガンマ線が突発的に激しく放射される現象で、起源には未解明の謎が多い。

 研究チームは、すばる望遠鏡(米ハワイ)を使って2008年3月、約100億光年先にあるバーストを近赤外線で観測。一帯の銀河を調べると、これまでバーストが観測された銀河より約100倍重いとわかった。

 バーストの発生は、暗く軽い星が、最期を迎えて大爆発するのに伴って起きるという理論が提唱されていた。今回の観測成果はそうした考えでは説明できず、研究チームは「互いに回り合う“連星”の衝突など、新しい発生メカニズムも考えられる」としている。

 最近では、今から約4億3500万年前に起こった生物大絶滅が、天の川銀河で起きたガンマ線バーストが原因であるという説も提唱されており、その議論にも影響しそうだ。

 研究成果は米天文学会誌「アストロフィジカルジャーナル」電子版に発表された。(2010年7月22日15時44分  読売新聞)

 ガンマ線バーストのしくみ
 ガンマ線バースト(gamma-ray burst, 略してGRB と呼ばれる)は、宇宙最大の爆発とも言われる巨大で激しい爆発現象。X線よりさらにエネルギーの高いガンマ線と呼ばれる電磁波で、数秒から数十秒程度の間、突然明るく輝く。このような現象が1日に1回程度の頻度で、空のどこかで突然起こっていることがわかっている。

 ガンマ線は目に見えないのでわからないが、ガンマ線観測衛星で発見されている。1970年代に発見された後、長らく謎の天体とされてきたが、1997年以降、劇的に研究が進展した。現在では、100億光年以上という遥か宇宙論的な遠方で、太陽よりも何十倍も重い星がその進化の最後に燃え尽きて超新星爆発を起こすときに発生する現象である事がわかっている。

 しかしその発生頻度は普通の超新星よりずっと低い珍しい現象で、普通の超新星爆発よりずっと大きなエネルギーが放出される。そのため、GRB を伴うような巨大な超新星 (supernova) のことを極超新星 (hypernova) と呼ぶ事もある。

 ブラックホールがガンマ線の原因
 爆発前の星は、水素やヘリウムなどの外層がはがれた状態と考えられ、中心に鉄(Fe)のコア、その周りにより軽い元素(ケイ素 Si, マグネシウム Mg, ネオン Ne, 酸素 O, 炭素 Cなど)からなる外層がとりまいている。

 中心の鉄コアが重力に負けてつぶれ、中心部に高速回転するブラックホールができる。ブラックホールには、周囲の物質が円盤状に落ち込む(降着円盤)。その際、円盤面に垂直な二方向に「ジェット」と呼ばれる細く絞られた質量放出が起こり、それらが星の外層を突き破った時にガンマ線が放出されると考えられている。

 このジェットは大変な速度で、ほぼ光速(99.99%以上!)に達する。ガンマ線の放出はジェットの方向に細く絞られており、我々がたまたまそのジェットの方向にいる時だけ、ガンマ線バーストとして観測される。

 なお、ガンマ線バーストには継続時間が約2秒以下のものと2秒以上のものと二つの種族に分かれるとされ、ここで説明したものは継続時間の長いガンマ線バーストのもの。短い方は、連星中性子星やブラックホールの合体とも言われているが、まだよくわかっていない。

 宇宙誕生の謎に迫る
 ガンマ線バーストそれ自体が大変興味深い天体だが、もう一つ、重要な役割がある。宇宙論的な遠方からでも観測可能なため、宇宙初期の星や銀河の形成活動を探ったり、初期宇宙の物理状態を調べたりなど、宇宙論研究への応用も始まっている。

 今や、ガンマ線バーストは銀河やクエーサーと並ぶ重要な最遠方宇宙探索の手段となりつつある。現在までに発見されている最遠方のガンマ線バーストは、宇宙誕生後わずか10億年以内に発生したものである。(現在の宇宙の年齢はビッグバン後約140億年)

 これまでのところ、GRB母銀河は非常に軽い銀河であることがわかっている。一般的に銀河の質量が小さいほどその銀河の重元素量も少ないという関係があるため、GRBは重元素量の少ない環境で発生していることを示していると言える。

 またGRBの発生した場所での重元素量を分光観測によって直接測定した観測も行われており、実際に重元素量が少ないことが確かめられているものもある。このようにGRBは重元素量の少ない単独星の超新星爆発に伴うものであるという考え方が理論的にも観測的にも裏付けられつつあった (以後この考え方を単独星シナリオと呼ぶ)。

 ダークGRBとは?
 ところがGRBの中には可視光での残光が極端に暗かったり、全く検出できないようなGRBがあり、これを「ダークGRB」と呼んできた。ダークGRBはGRBの約半数を占めるにもかかわらず、その残光検出が困難なために、これまでほとんど研究が進んでいなかった。その正体は謎に包まれていて、この起源を明らかにすることはGRB研究における最も重要な課題の一つとなっていた。

 2008年3月25日、こと座の方向に、可視光では残光が見られない「ダークGRB」が出現した。そこで、京都大学、東京工業大学、国立天文台他の研究者からなるチームは、このダークGRBの正体を探るために、すばる望遠鏡の多天体近赤外撮像分光装置を用いて、発生領域の近赤外線撮像観測を行った。その結果、このGRBの近赤外線残光と母銀河を世界で唯一発見することに成功した。

 この観測はバースト発生から約9時間後に行われており、すばる望遠鏡の素早い観測体制とその集光力、そして近赤外線での観測が今回の発見に繋がった。実際に検出された近赤外線残光の明るさは、GRB残光のモデルが予想する明るさよりもはるかに暗く、このダークGRB周辺に多くの塵が存在していて、これによって残光が強い吸収を受けていることがわかった。このような多くの塵が存在する環境は重元素量の多い環境によって引き起こされると考えられている。

 ダークGRBのシナリオ
 同研究チームは母銀河の性質をさらに詳細に調べるために、バースト発生から約1年後にすばるの主焦点カメラを用いて観測し、可視光においても母銀河を検出することに成功した。観測した色々な波長での銀河の明るさと、銀河のスペクトルモデルとを比較することで、銀河の様々な性質を調べることができる。その結果、この母銀河は天の川銀河に匹敵する質量 (星の総質量、以下星質量) を持っており、GRB母銀河としてはこれまでに発見された中で最も星質量が大きいことがわかった。

 銀河には、その星質量が大きいとその重元素量も多いという関係がある。この関係と今回の星質量を使って予想される重元素量を計算すると、GRB母銀河のうち、これまでに確認されている重元素量の中でも飛び抜けて多いことがわかった。

 これまで広く信じられてきた単独星シナリオではこのような大きな重元素量を説明することは困難。大きな重元素量の環境でもGRBが発生する理論モデルとして、連星 (お互いのまわりを回っている二つの星) シナリオが提案されており、このダークGRBは連星を起源とする爆発であったことを示唆している。このことは、これまで研究があまり進んでいなかったダークGRBとよばれるタイプのものが、別のメカニズムで爆発している可能性を示唆し、GRBの種類やその発生メカニズムを知る上で重要な手がかりになる。 

 

参考HP Wikipedia「ガンマ線バースト」・京都大学理学部「謎のダークガンマ線バーストの正体に迫る」 

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約4.5億年前オルドビス紀大量絶滅は「ガンマ線バースト」が原因?

2010年07月27日 | 宇宙
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 ガンマ線バーストとは?
 ガンマ線バースト(gamma‐ray burst、GRB)は、天文学の分野で知られている中で最も光度の明るい物理現象である。

 ガンマ線バーストではガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、その後でX線の残光が数日間見られる。この現象は天球上のランダムな位置で起こるように見え、一日に数回という頻度で起きている。

 ガンマ線バーストを起こす元となっている仮想的な天体をガンマ線バースターと呼ぶ。現在では、100億光年以上という遥か宇宙論的な遠方で、太陽よりも何十倍も重い星がその進化の最後に燃え尽きて超新星爆発を起こすときに発生する現象である事がわかっている。

 しかしその発生頻度は普通の超新星よりずっと低い珍しい現象で、普通の超新星爆発よりずっと大きなエネルギーが放出される。そのため、GRB を伴うような巨大な超新星 (supernova) のことを極超新星 (hypernova) と呼ぶ事もある。

 ブラックホールがガンマ線発生源
 爆発前の星は、水素やヘリウムなどの外層がはがれた状態と考えられ、中心に鉄(Fe)のコア、その周りにより軽い元素(ケイ素 Si, マグネシウム Mg, ネオン Ne, 酸素 O, 炭素 Cなど)からなる外層がとりまいている。

 中心の鉄コアが重力に負けてつぶれ、中心部に高速回転するブラックホールができる。ブラックホールには、周囲の物質が円盤状に落ち込む(降着円盤)。その際、円盤面に垂直な二方向に「ジェット」と呼ばれる細く絞られた質量放出が起こり、それらが星の外層を突き破った時にガンマ線が放出されると考えられている。

 このジェットは大変な速度で、ほぼ光速(99.99%以上!)に達する。ガンマ線の放出はジェットの方向に細く絞られており、我々がたまたまそのジェットの方向にいる時だけ、ガンマ線バーストとして観測される。

 オルドビス紀の大量絶滅
 研究者の中には、近距離のガンマ線バーストによって地球がガンマ線の放射を受けた場合の影響について調べている者もいる。この研究は、地球で起きた大量絶滅の原因を説明し、また地球外生命の存在の可能性を評価するという動機に基づいている。

 ガンマ線バーストによる被害はバーストの継続時間が短いために限定されたものに留まるが、十分に近い距離でバーストが起きた場合には地球大気に深刻な被害をもたらし、オゾン層が破壊されて大量絶滅を引き起こす可能性もあるとされている。

 2005年、NASA とカンザス大学の研究者が、約4億5000万年前のオルドビス紀-シルル紀境界での大量絶滅がガンマ線バーストによって引き起こされたことを示唆する研究結果を発表した。

 研究者達はこのようなバーストが古代の絶滅を引き起こした直接的な証拠を持っているわけではないが、彼らの研究の特色は、大気のモデリングによって、「そのようなバーストがもし起きたとしたらどうなるか」というシナリオを描いている点である。

 わずか10秒でオゾン層破壊
 彼らは比較的地球に近い恒星の爆発によるガンマ線放出の計算を行い、この爆発で地球にはわずか10秒間しかガンマ線は降り注がないものの、これによって地球大気のオゾン層の約半分がなくなる可能性を示した。消滅したオゾン層の回復には少なくとも5年を要するとされている。オゾン層の破壊によって、太陽からの紫外線が地上や海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半を死滅させ、食物連鎖も破壊される。

 我々の銀河系内でガンマ線バーストが起こる可能性は非常に小さいが、NASA の研究者は過去数十億年の間に少なくとも1回は地球にガンマ線が降り注ぐほど近い距離でバーストが起きたと考えた。

 カンザス大学の古生物学者であるブルース・リーバーマン博士は、ガンマ線バーストがオルドビス紀の大絶滅の原因となった可能性があるという具体的なアイデアを提唱した人物である。

 「我々はそれがいつ起きたか正確には知りませんが、それが過去に起こり、その痕跡を残したこと自体には確信を持っています。最も驚くべきことは、たった10秒間のバーストでオゾン層に数年にわたる破壊的な被害がもたらされるということです」と彼は述べている。

 オルドビス紀(5億~4億5000万年前)の終盤、繁栄していた海洋生物の70%が大量絶滅したのはこういった天災が原因だったかもしれない。 だが、ガンマ線バーストの多くは、100億年以上も前の、若い恒星の集まった「軽い銀河」で起きており、地球のある銀河系などのように「重い銀河」で発生するのかどうか、まだ分かっていなかった。

 

参考HP Wikipedia「ガンマ線バースト」「オルドビス紀」・京都大学 戸谷友則「ガンマ線バーストの解説と想像図 

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太陽の300倍!最も質量の大きい青色超巨星を発見!

2010年07月26日 | 宇宙

 最も質量の大きい天体
 太陽の300倍ほどの観測史上最も重い星が見つかった。欧州南天天文台(ESO)が発表した。これまでは太陽の150倍ほどまでの星しか見つかっていなかったため、それより重い星は存在できないと考えられていた。英国の研究者らは「星の誕生から死までの定説が覆されるかもしれない」としている。 

 南米チリにあるESOの望遠鏡VLTで、天の川銀河の隣にある大マゼラン雲のタランチュラ星雲を観測していて見つかった。地球からの距離が16万5千光年の若い星団内に、太陽の数百万倍の明るさを放つ星が複数あった。

 星は重いほど水素を激しく反応させて光を放つため、明るく輝く。明るさや色などから質量を見積もると、最大の星は太陽の約265倍あった。年齢は約100万歳で、生まれた時は320倍ほどあったらしい。

 この星はR136a1と名付けられた。もし太陽の位置にあったとすると、紫外線が強すぎ、地球の生命は全滅してしまうという。

 大きさは太陽の数十倍。オリオン座のベテルギウスのような赤色超巨星は1千倍ほどの大きさがあるものの、重さは数十倍しかなく、密度は今回の方が圧倒的に高い。

 星は活動が激しいほど水素を早く使い切るため、寿命は短い。太陽は100億年ほどの寿命があり、現在は約46億歳だが、この星はすでに「中年」で、あと数百万年で最後を迎えそうだ。

 重さが太陽の8倍以上ある星は、最後に超新星爆発を起こしてブラックホールなどになる。しかし、R136a1は最後の大爆発も激しすぎて、何も残らない可能性があるという。(asahi.com 2010年7月23日)

 これまでの常識を変える発見               
 長年の定説では、恒星は一定の質量を超えると不安定になり存在できなくなると考えられていたが、この巨大恒星の発見で恒星物理学の法則が書き換えられるかもしれない。

 イギリスにあるシェフィールド大学の天文学者で研究の共著者リチャード・パーカー氏は次のように話す。「本当に驚きだ。これまでの天文学界の常識では、恒星の質量の上限は太陽の150倍前後までとされていた。だが今回の発見により、星団や銀河での恒星の誕生と死についての定説が一新されるかもしれない」。

 パーカー氏の研究チームは、チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTが撮影した画像の中からこの巨大恒星を発見した。天の川銀河の伴銀河の1つである大マゼラン雲で、高温の若い大質量星の密集する星団の内部にその姿が確認された。

 「ガスが集まってこれだけの巨大恒星を形成する場所は宇宙でも非常に限られているので、この巨大恒星の大きさは恒星の成長の限界といえるだろう」とパーカー氏は推測する。

 「今回の発見はまた、“対不安定型超新星爆発”と呼ばれる大爆発現象の新たな証拠となるかもしれない」と同氏は付け加える。

 一般に、最大級の大質量星が大爆発を起こして生命を終える際には、恒星の外側の層がまき散らされ、高密度の核が中性子星やブラックホールとして残ると考えられている。

 「しかし、今回発見された巨大恒星は、そのあまりの大きさから大爆発で自分自身を完全に吹き飛ばしてしまい、残骸を一切残さないかもしれない(それが対不安定型超新星爆発の証拠となる)。この星を発見できたのは幸運だ」とパーカー氏は語る。

 この研究は、「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」誌2010年7月号に掲載されている。(National Geographic News July 22, 2010)

 超巨星とは何か?
 超巨星は、太陽よりはるかに大きく明るい恒星のこと。明るさは青色超巨星の場合は太陽の1万倍(全エネルギー放射で太陽の10万倍)以上、赤色超巨星の場合は太陽の数千倍(同3万倍)以上ある。また、直径は青色超巨星で太陽の数十倍以上、赤色超巨星では太陽の数百倍以上はある。現在確認されている最も巨大な恒星は、おおいぬ座VY星で太陽の1,950倍(太陽系に置き換えると土星軌道を越える)である。体積にするとその3乗倍となるが、質量は、高々太陽の数十倍(ベテルギウスで約20倍)程度である。

 青色巨星
 
青色巨星(せいしょくきょせい)とは高温で大質量の星のこと。直径はせいぜい太陽の5~10倍程度だが、明るさは数千~数万倍とかなり明るい。しかし、燃料を激しく燃やしている為、寿命は短く、数百万~数千万年程度。赤色超巨星(質量によってはウォルフ・ライエ星))を経て、最期には超新星となり、中性子星やブラックホールを残すと考えられている。

 おとめ座のスピカ、ケンタウルス座のハダル、みなみじゅうじ座のアクルックス、ミモザ等がある。更に明るいものは青色超巨星と呼ばれ、直径は太陽の数十倍、明るさも2万倍以上あるものが多く、中にははくちょうα型の脈動変光星のものもある(高輝度青色変光星、LBV)。

 赤色巨星
 赤色巨星(せきしょくきょせい)とは、肉眼で観察すると赤く見え大きいことから、「赤色」巨星と呼ばれる。赤色巨星は年齢の高い恒星で、寿命が近づいている段階であるといえる。

 赤色巨星の外層は星の中心から離れているために重力による束縛が弱く、徐々にガスが星から流出していく。そのため恒星は外層を失い中心核が露出する。ここで核融合反応が終了したものが白色矮星となる。流出したガスは惑星状星雲として観測される。

 くじら座のミラやおうし座のアルデバラン、はくちょう座W星、うしかい座のアルクトゥルス等が赤色巨星の代表的な例としてあげられる。また、太陽もあと約50億年もすればこの赤色巨星と化し、白色矮星へと変化していくだろうとされている。

 赤色巨星のうち、特に光度や直径が大きいものを赤色超巨星と呼ぶ。普通の赤色巨星は太陽の1-8倍程度の質量しかないのに対し、赤色超巨星は太陽の10倍以上の質量を持つ。赤色超巨星の代表的な例としては、オリオン座のベテルギウスやさそり座のアンタレス、ケフェウス座のガーネット・スター等があげられる。

 最も大きな恒星は?
 今回発見された、大マゼラン雲のR136a1という天体は質量が300倍という最も重い恒星だった。では、これまでに発見された恒星の中で、最も大きいものはどのくらいあるのだろう?

 正解は、太陽の1,800倍 - 2,100倍のおおいぬ座VY星である。おおいぬ座VY星(VY Canis Majoris)は、おおいぬ座にある赤色超巨星であり、2010年現在確認された中で最も大きい恒星の最有力候補である(離れた星の大きさを直接測ることは物理的に難しいため、最も大きな星の特定については天文学者のあいだで議論し続けられている)。この星の直径は推定25億 - 30億kmで、太陽の1,800倍 - 2,100倍、体積にして太陽の60億 - 90億倍。太陽系に最も近い赤色超巨星であるオリオン座α星(ベテルギウス)の約2 - 5倍、さそり座α星(アンタレス)の約2.5 - 3.5倍もあり、太陽系に置き換えると土星の軌道までに及ぶ。しかし大きさの割に質量自体は太陽の30 - 40倍と、イータ・カリーナやSN 2006gyに比べ約3分の1 - 5分の1程度しかない。

 この恒星を光が1周するには8時間以上かかる(地球を1周するのにかかる時間は1⁄7.5秒)。この恒星を乗り物で1周するには、アポロ宇宙船(秒速10km)で約29年、ジェット旅客機(時速800km)で約1,305年、新幹線500系(時速300km)で約3,492年かかる。この恒星を徒歩(時速6km)で1周するには、全くの不眠不休で歩いたとしても、約17万4600年もかかる(地球を1周するのにかかる時間は約9ヶ月)。おおいぬ座VY星はLC型の脈動変光星であり、6.5等から9.6等の間を不規則に変光する。

 この星は中心の水素が殆ど枯渇する一方、外層は元のサイズの100倍に巨大化し、収縮した重力から開放されたガスが急速に流出して質量を失いつつあり、既にその質量の約半分を流出していると見られる。21世紀初頭のハッブル宇宙望遠鏡による観測では、ガスが周囲約1光年に渡って取り巻いており、一番外側のものは約1千年前に、最も新しいものは約50年前に流出したとみられる。

 その質量から、最終的には極超新星もしくは超新星を起こしてブラックホールになるものと予想されており、またその時期は西暦3200年頃より前だという説がある。(Wikipedia)

続きはこちら → http://sciencejournal.livedoor.biz/ 

参考HP Wikipedia「恒星」「超巨星」「赤色巨星」「青色巨星」「おおいぬ座VY星」 

恒星 (シリーズ現代の天文学)

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天文学会注目の75の銀河68の恒星―最先端装置で撮影,待望の精細画像 (ニュートンムック)

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意外!紫外線で起きる目の病気「翼状片」「瞼裂斑」とは何?

2010年07月25日 | 健康
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 紫外線と目の関係
 2010年7月20日朝日放送の番組「たけしの健康エンターテインメント みんなの家庭の医学」は興味深かった。今回のテーマは「紫外線と目の関係」。

 S.Kさん(53歳・女性)は21歳で結婚した当初より、自宅で家庭菜園を楽しむ日々を送っていました。しかし、40代半ばに差し掛かった頃、あることが気になり始めたS.Kさん。それは「お肌のこと」です。このまま紫外線を浴び続けていては、シミやシワが増える。でも、家庭菜園はやめたくない。

 そこで、肌を守る為にこんな紫外線対策をすることに。それまで日中に行っていた農作業を、日差しの弱い午前中、2時間だけにし、長袖に帽子という格好で、肌を完全防御しました。さらに、数年前から始めたウォーキングも日中は避け、日が傾き始める夕方に行うようにしたのです。この時も必ず帽子を被り、薄手の長袖を着て、紫外線対策は怠りません。こうして紫外線には細心の注意を払っていたS.Kさん。

 しかし、この時、彼女は気づいていませんでした。身体のある所だけは全く無防備だったという事を。それは、紫外線対策を始めて6年後のこと。S.Kさんは数年ぶりに再会した友人から目の充血を指摘されたのです。鏡で確認すると、確かに目頭の近くが部分的に赤くなっていました。でも、この時は「疲れのせい」と特に気にしませんでした。ところが、その後、黒目のあたりに、小さな白い塊のようなものを発見。しかし、この時も「痛くも痒くもないし」と、そのまま放っておいたS.Kさん。

 さらには、その1年後、たびたび文字がぼやけて見えるように。でも、これも「とうとう老眼か」と勝手に解釈。病気を疑うことはありませんでした。そしてついに数ヵ月後、決定的な事態に襲われます。S.Kさんの目の中の白い塊が、ずいぶん大きくなっていたのです。翼状片という目の病気でした。

 紫外線対策をしたのに、なぜ?
 十分な紫外線対策をしていたはずなのに、なぜS.Kさんは病気になってしまったのでしょう?実は、大きな間違いが2つありました。

 間違い1「屋外に出る時間」:研究によると、紫外線が一日の内で最も多く降り注ぐのは、太陽高度が高い、午前10時から午後2時の時間帯。しかし、目に入ってくる紫外線の量は朝や夕方の方が多い。
 これは、太陽高度が高い午前10時から午後2時は、頭上に太陽があるため、直射日光は、あまり目に入ってきません。しかし、朝や夕方は、視線の延長線上に太陽が位置することになります。そのため、直射日光が目に入りやすくなり、紫外線が直接角膜をいためつけてしまうのです。S.Kさんが紫外線対策のために外に出ていた時間は、目にとっては最悪の時間帯でした。

 間違い2「帽子」:S.Kさんのかぶっていた帽子は、つばの短いチューリップ帽。つばの長い帽子であれば、日陰の部分が多くなり、紫外線は目に入りにくくなります。しかし、短いものだと、正面からの紫外線はおろか、頭上からの紫外線も目に入ってきやすいのです。(たけしの健康エンターテインメント みんなの家庭の医学より)

 紫外線の好きな芸能人
 紫外線が皮膚によくないのは知っていたけど、まさか目によくないとは思わなかった。番組で面白かったのはゲストで参加している芸能人の方々。聞けば海辺でお住まいの方や、マリンスポーツが好きな方が多い。海では紫外線がいっぱいだ。

 目に異常がないかどうか、診断してもらったところ、海辺に別荘を持つ「ピーター」や、サーフィンをする「高知東生」にも瞼裂斑が見つかった。みんな驚いていたが、私も海が好きで学生時代は1ヶ月間、西表島でキャンプしたことがある。いつまでも海にいたいタイプなので、診断すると異常が見つかるかもしれない。

 紫外線による肌の日焼けを気にしている人は多く、日焼け止めを塗ったり、日傘をさす人は増えているが、紫外線による目への影響を気にしている人は少ない。オフィス街でも、ビルや路面での反射によって、目はあらゆる角度から有害な紫外線を浴びている恐れがあり、紫外線対策が必要である。

 紫外線で起きる3つの病気
 紫外線が原因で起きるとされる、目の病気「翼状片」や「瞼裂斑」「白内障」について、調べてみた。現在、翼状片や瞼裂斑がある人でも、生活に支障がない場合も多い。ただ充血しやすくなったり、目にゴロゴロ感があった場合は治療も可能だというので安心した。また紫外線を目に入れなければ予防もできる。

 翼状片とは?
 翼状片(よくじょうへん)とは、白目の表面を覆っている半透明の膜である結膜が、目頭の方から黒目に三角形状に入り込んでくる病気。自覚症状としては充血や異物感などがある。鏡で自分の目をみれば一目瞭然なので、「白目の一部が黒目に伸びてきた」というような症状で受診される人がほとんど。しばしば両目に起こる。高齢者に多く病気の発生には紫外線が関係しているといわれている。

 瞼裂斑とは?
 瞼裂斑(けんれつはん)とは、白目の上にできる黄色い斑点や隆起のことで、鼻側の白目に多く見られます。これは悪いものではなく、正常な組織が蛋白質と脂肪の沈着で変化したもの。

 翼状片と違い、黒目にのびてくることはない。たんぱく質が変性してできた白目のシミのようなもので、肉眼ではわからないことが多い。これも慢性的な刺激や紫外線が影響していると考えられている。瞼裂斑が大きくなって盛り上がってくると、充血・ドライアイなどの自覚症状が出る。

 白内障とは?
 白内障(はくないしょう)は水晶体のたんぱく質が変性し、次第ににごってくる目の病気ですが、そのにごりの原因に紫外線が影響していると考えられている。

 目を守る紫外線予防・対策
 サングラスやUV(紫外線)カットのコンタクトレンズ:仕事をしていてサングラスは不適切と考えている人もいるかもしれない。しかし、オフィス街ではビルや路面の反射で、方向や時間帯に関係なく紫外線を浴びているようだ。

 自分の目を紫外線による目の病気から守るためにも、ぜひサングラスを利用しよう。サングラスは薄い色のサングラスがよい。濃い色のサングラスの場合、瞳孔が開き、紫外線を受けやすい。薄い色のサングラスの場合、瞳孔が開かず、紫外線が入って来ても、目の奥まで届きにくい。また、サングラスは大きい方が効果的だ。つばのある帽子も紫外線対策によい。

 ビタミンC:厚生労働省によると、ビタミンCを多く摂ると白内障が40%減少したという結果が出ている。ビタミンCを多く含む食品の例としては、イチゴ・レモン・赤ピーマン・ブロッコリーなど。

 目を守るためにも紫外線対策を行ない、少しでも目に違和感を感じた場合、眼科医に相談することをお奨めする。

 

参考HP Wikipedia「翼状片」「瞼裂斑」・朝日放送 たけしのみんなの家庭医学「紫外線がもたらす意外な病」 ・平田眼科「目の病気について」・紫外線をしっかりガード!UVケア・日焼け対策用の帽子

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「猛暑日」東京で4日連続!世界で異常気象 猛暑・豪雨・寒波

2010年07月24日 | 気象
科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学情報を、くわしく調べやさしく解説!毎日5分!読むだけで、みるみる科学がわかる!
 猛暑日の連続記録
 日本列島は7月24日、各地で勢力の強い太平洋高気圧に覆われて、朝から気温が上がり、東京・大手町では35度以上の「猛暑日」が、観測史上最長記録に並ぶ4日連続となったほか、各地で30度以上の「真夏日」となった。

 気象庁によると、午後0時半現在、岐阜県多治見市で37.3度、愛知県東海市で37度、岐阜県郡上市で36.9度、岐阜市で36.8度、東京都練馬区で36.7度を観測した。全国921の観測地点のうち、86地点で猛暑日、618地点で真夏日となっている。

 東京・大手町も午前7時半には30度を超え、午後0時半に35.4度を観測した。同所での4日連続猛暑日は、1961年の統計開始以来、1978年8月と1994年8月しかないという。

 気象庁によると、上空に徐々に寒気が流れ込んでおり、午後には一時的に雨や雷雨の地域もある見込み。東京消防庁によると、都内では24日午前10時現在、男女11人が熱中症で病院に運ばれ、うち調布市の女性(79)が重症という。(2010年7月24日  読売新聞)

 ロシアの猛暑
 連日猛暑の日本。だが、世界に目をやると、各地を異常気象が襲っている。ロシアは記録的な暑さに見舞われ、中国は大雨続き。一方、季節が逆の南米では寒波が猛威をふるい、各地で多くの死者が出ている。原因の一つは上空で吹く偏西風の異変とされる。

 ロシアは西部やシベリアを中心に猛暑となり、同国気象庁によると、1日の平均気温が平年より9~10度も高い状態が長く続き、「130年の観測史上最も暑い年になる」(フロロフ同庁長官)。緊急事態省によると、水死者は全土で昨年より倍増、6月は1244人、7月も891人に達し、計2千人を超えた。干ばつや自然火災で26の連邦構成体が非常事態を宣言した。

 モスクワはここ連日、最高気温が33~35度台を記録し、24日には36.7度に。クレムリン恒例の護衛交代式典が「参加者や観客の安全のため」中止された。エアコンが品切れ状態になり、救急車の出動要請も1日8千~1万回と通常の倍近くに増え、エアコンのない地下鉄で乗客の死者も出た。郊外の泥炭地が自然発火して煙が舞い、異臭とともに市中心部に迫っている。

 干ばつ被害も広がり、小麦輸出大国のカナダやカザフスタン、欧州連合(EU)での被害とも相まって、小麦の国際価格は20%ほど上昇した。

 中国は集中豪雨
 中国南部では6月中旬から続く大雨で、7月23日現在で742人が死亡、367人が行方不明となっている。世界最大の三峡ダムは過去最多の水が流れ込み、長江は1987年以来で最大規模の洪水被害が出ている。被災者は約1億2千万人、倒壊した家屋は約67万軒に上っている。

 福建、湖北、河南などの各省では、例年の3割増から2倍の降水量が続いている。水利省によると、約230の河川で警戒水位を超えており、六つの小型ダムが決壊した。2009年に完成したばかりの三峡ダムの23日の水位は159メートルで過去最高となり、満水時の175メートルにじわじわと近づいている。約100万人が避難生活を強いられている。

 広東省には台風が上陸し、北上する見込みで、被害が拡大する恐れがある。北部の遼寧、吉林両省でも21日ごろから、1994年以来、最大の大雨が降り始めており、全国的に被害が広がりつつある。

 南半球の寒波
 一方、冬の南半球。南米各地では、寒波で少なくとも200人以上の死者が出ている。

 ボリビアでは過去に降雪記録がない地域で雪が降り、チリでは各地で吹雪による停電で交通が止まり、町が孤立した。アルゼンチンでは寒さで少なくとも14人が死亡、ホームレスの人を屋内に収容するなどの対策に追われ、ガス需要が増えたため炭で料理するレストランもあるという。ペルーでも、標高3千メートル以上の地域で零下24度を記録し、政府が緊急事態宣言を出した。

 ブラジル西部の州では寒さで家畜2万7千頭が死に、損害額は400万レアル(約2億円)に上ったという。

 偏西風の蛇行
 こうした熱波や寒波は、偏西風の異変がもたらしている。西から東に向かって地球を一周して吹いているが、気象庁によると、北半球では7月から南北に大きくうねる状態が続いている。

 ヨーロッパ東部からロシア西部、シベリア東部の地域では、北極寄りに大きく波打ち、その内側に、大気の下層から上層にまで及ぶ「背の高い高気圧」が発生。暖かい空気を吐き出して一帯の気温を上昇させている。日本付近でも太平洋高気圧の勢力を強め、梅雨明け以降の連日の猛暑を招いている。

 南米の大寒波も南半球の偏西風が原因だ。当初、南極側に蛇行していた風が逆に赤道側に波打ったため、低気圧ができて南極からの冷たい空気が引き込まれたとみられる。
 
 エルニーニョ・ダイポールモード
 一方、中国の大雨は、インド洋の水温が関係しているとの見方がある。東京大の山形俊男教授(気候力学)によると、インド洋はここ50年で水温が0.6度上昇。今春までエルニーニョ現象が太平洋中央部の赤道近くで続いた影響でさらに水温が上がり、活発な上昇気流ができた。その気流がフィリピン近海に下降して高気圧を生んだ。暖かく湿った風が中国南部から日本の九州付近に停滞していた梅雨前線に大量の水蒸気を送り込み、豪雨をもたらしたという。(asahi.com 2010年7月25日)
 
 エルニーニョ現象とは、東太平洋の赤道付近(ちょうどガラパゴス諸島に当たるところ)で海水の温度が上昇する現象。海水温の変化はまずその海域の大気の温度に影響を及ぼし、それが気圧変化となって現れ大気の流れを変えて、天候を変えてという具合にして世界中に波及する。

 ダイポールモード現象とはインド洋熱帯域において初夏から晩秋にかけて東部で海水温が低くなり、西部で海水温が高くなる大気海洋現象。世界の気候に大きな影響を与えることが明らかになっている。この現象はテレコネクション(遠隔作用)によってアジア各地の気候にも影響を及ぼす。フィリピンから中国南部、インドシナ半島からインド北部にかけては降水量が増加し、テレコネクション機構により、日本を含む極東地域では降水量が減少し猛暑となるとされる。(Wikipedia)

 

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日本が危ない!哨戒艦爆破は“始まり”タイムリミットは近い!

2010年07月23日 | 環境問題
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 科学技術は国の宝
 宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還したことを受け、菅首相や閣僚から15日、民主党政権が事業仕分けなどで大幅削減した後継機「はやぶさ2」の開発予算拡充に前向きな発言が相次いだ。

 後継機の予算は、自民党政権当時の2010年度予算案概算要求額が17億円だったが、鳩山政権発足後の見直しで5000万円となった。事業仕分けでは「コスト削減の努力をすべき」などと判定された結果、3000万円にまで削り込まれた。

 しかし、菅首相は15日の参院代表質問で「今回の実績をふまえ、開発経費について必要な手当てをできるように配慮をしたい」と表明。同機構を所管する川端文部科学相も閣議後の記者会見で、「(予算削減は)『はやぶさ』の結果を見ながら考えようということだった」と釈明したうえで、「非常に大きな成果を上げたので、それを踏まえて考えたい」と述べた。事業仕分けで「仕分け人」を務めた蓮舫行政刷新相は「私は宇宙関連に関して直接担当していたわけではない。仕分け結果を何が何でも守るというべきものではない」と語った。(2010年6月16日 読売新聞) 

 国家安全保障に不安
 米国のクリントン国務長官とゲーツ国防長官がそろってソウルを訪問、韓国側と初の外務・国防閣僚会議を行い、同盟強化をうたう共同声明を発表した。

 米韓国防相会談では、25日から4日間、日本海での大規模な合同軍事演習の実施を決めた。演習には、米空母「ジョージ・ワシントン」など約20隻の艦船、米最新型ステルス戦闘機F22など航空機約200機、兵力8000人が参加する。今後数か月間、一連の演習を続行し、黄海でも実施するという。

 ちょうど4か月前に黄海で起きた韓国海軍の哨戒艦沈没事件の教訓も新たに、北朝鮮への警戒を緩めないということだろう。北朝鮮は、核兵器と弾道ミサイルの開発をやめようとしていない。金正日総書記の健康不安や経済が破綻(はたん)する中で、権力継承を進める不安定な過渡期にある。

 米国の次期国家情報長官に指名されたクラッパー国防次官も、上院公聴会で、「北朝鮮は政治的な目的を達成するため、再び韓国を攻撃する危険な時期に入った」と厳しい認識を示した。北朝鮮が暴発しないよう、しっかりと抑止する必要がある。(2010年7月22日 読売新聞)

 日本は海上自衛隊の幹部自衛官4人がオブザーバー参加することになったが、米国・韓国との関係を強化し、国防を強化したい。一方、中国と北朝鮮は同盟関係にあり、中国への監視も強めねばならないが、マスコミの焦点のボケた社説はあい変わらず。次の記事にもナイスボケが入っている。

 北朝鮮と中国は同盟国 
 中国政府は、黄海など中国近海での米韓軍事演習の実施には「断固反対する」と反発してきた。中国軍は、東シナ海や黄海で実弾射撃訓練や海上輸送訓練を相次いで実施し、米国を牽制(けんせい)している。

 米韓両国が、米空母が参加する演習の実施海域を、当初予定した黄海ではなく日本海に変更したのは、中国への配慮に違いない。北朝鮮の脅威に対処していく上で、北朝鮮と深い関係にある中国との協調は欠かせないからだ。

 問題は、北朝鮮への対処をめぐって、周辺各国の認識が異なっているところにある。

 中国は哨戒艦沈没事件で、隣国の北朝鮮を問責、非難することに反対を貫いた。韓国とその同盟国の米国が朝鮮半島での影響力を強めることになれば、中国の安全保障への脅威が増すと受け止めているのだろう。

 米韓両国は、軍事演習は北朝鮮からの攻撃に備えた防衛目的としている。中国側の警戒心を解くよう努めてもらいたい。

 北朝鮮を取り巻く日米韓や、中国、ロシアは、不測の事態への備えを怠ることなく、忌憚(きたん)のない意見交換を急ぐ必要がある。(2010年7月22日  読売新聞)

 ...こういう記事が一般的であるが、マスコミの焦点はボケている。“問題は、北朝鮮への対処をめぐって、周辺各国の認識が異なっているところにある”などという表現自体に問題を感じる。中国と北朝鮮はあきらかにつながっており、警戒を怠ってはならない国だ。

 何で日本のマスコミは中国の機嫌をとるのだろう?中国は一党独裁の国であり、この体制を維持するために反対者をすべて抹殺する国なのだ。例えばヒトラーのいたドイツがそうであった。また、カンボジアの独裁者ポルポトがやったことも同じだ。そんな、国のためになぜ機嫌をとらねばならないのか理解できない。

 日本人拉致問題を許すな!
 金賢姫・元工作員が来日し、日本人拉致被害者家族と面会した。政府拉致問題対策本部が金・元工作員の日本滞在中の映像公開 政府の拉致問題対策本部は23日、金賢姫・元工作員と拉致被害者家族らとの面会の様子を撮影した300枚を超える写真や33分の動画を公表した。

 金元工作員は北朝鮮に拉致された田口八重子さんの長男・飯塚耕一郎さん(33)が、軽井沢町の別荘で金元工作員と台所に立ち、談笑する様子の写真などが収録されている。無音の動画には、横田めぐみさんの家族と初めて面会を果たした金元工作員が涙ぐむ姿も映っていた。(2010年7月23日  読売新聞)

 日本人拉致問題を解決するにはどうしたらよいだろう?この答は難しいようで簡単だ。日本を強い国にする決意をすればよいだけだ。例えば米国人であれば、北朝鮮は拉致するだろうか?しない。米国は強いからだ。この問題については、他の日本人の無関心が気になる。自分の家族が拉致されたらどうするだろう?たとえ武装しても取り返しに行くであろう。

 中国や北朝鮮の核ミサイルが日本の主要都市を狙っているのは、ほぼ100%確実である。相手が核武装しているのに丸腰なのが今の日本だ。今までは日米安保により、米国が日本を守ってきた。もしこれを解消するなら、日本は自分の国は自分で守らねばならない。

 武装する考えが間違いだという人は、どうか中国へ行って武装解除をお願いしてみることだ。そんなことは不可能なことが分かる。問題は政治体制にある、日本は首相が気に入らなければ、選挙でいくらでも変えることができる。中国は一党独裁の国でありそれができない。対抗する勢力が国内にないのだ。

 タイムリミットは近い
 アジア太平洋地域の安全保障問題を話し合う東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議が7月23日、ハノイで開かれた。主要議題となった韓国軍哨戒艦沈没事件では、日米韓などが北朝鮮を非難したが、北朝鮮は事件への関与を否定し、真っ向から対立したまま閉幕した。 沈没事件後、韓国、北朝鮮を含め六カ国協議当事国の外相が同席するのは初めてだった。

 北朝鮮に対する経済制裁は、北朝鮮と関係が深い中国を抱き込まなければ成果を上げるのは難しい。しかも、沈没事件をめぐっては、米韓合同軍事演習を朝鮮半島の西側の黄海で行うことに中国が猛反発するなど、中国の協力を得るのは極めて困難だ。

 事態は予想以上に悪く、一刻の猶予がない。タイムリミットは近づいている。いつになったら北朝鮮が哨戒艦撃沈事件を認めるか(認めるわけがない)?中国が制裁決議に協力するか(協力するわけがない)?我が国は期限を決めて、対中国・北朝鮮政策を決定せねばならない。私は、憲法改正、再軍備化もやむなしと考える。

 「愛国心」を教育に
 しかし、日本のマスコミは中国に賄賂をもらっているのか、焦点のボケた記事しか書かない。さらに情けないことに、国民はマスコミに踊らされ、テレビのバラエティ番組を見て、楽しませてくれるかどうかが、唯一の価値基準、めんどうなことは考えない。衆愚化しているのが現状だ。

 国を守るのは男の仕事として、古来考えられてきた。この国に男はいないのだろうか?国を守ることは何も武器を持って戦うことだけではない。政治、経済、科学技術、芸術、文学、スポーツ、福祉...あらゆる面で国の発展のために戦うことは可能だ。

 また、国を守ることを愛国心ともいうが、国を愛する心を持つことで、地域を愛し、職場を愛し、家族を愛すことができる。はっきり言って女性が国を守ることを考えるのには無理がある。しかし、愛国心を教育に取り入れると、男の子が精神的に自立する。 

 米国が強く中国が弱い平和な時代はよかった。残念ながら時代は変わった。相手が武器で挑んできたら、もはや武器で戦う方法も考えねばならない。イスラエルを見習って火の玉になって戦うか、過去の歴史の中で経済的に豊かだったが、ローマに滅ぼされたカルタゴのように消え去るか、小国日本の決断の時期は、もうすでに来ている。

 

拉致と強制収容所  北朝鮮の人権侵害

朝日新聞社

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軍事帝国 中国の最終目的―そのとき、日本は、アメリカは
杉山 徹宗
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始原天体探査プログラム「はやぶさ2」と「マルコ・ポーロ」とは何? 

2010年07月22日 | 宇宙
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 「はやぶさ2」開発へ
  日本は独自に開発した小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還したことを受け、2014年に後続の探査機を打ち上げることにした。日本政府はさらに性能を高めた「はやぶさ2」の打ち上げ計画を来月確定する計画だと、日本経済新聞が15日報じた。

  宇宙開発を総括している日本宇宙航空開発研究機構(JAXA)はできるだけ早い時期に後続探査機の開発に着手することにした。JAXAは探査機「はやぶさ」の性能を改善する一方、探査任務の目標も高める方針だ。

  「はやぶさ2」の最も大きな特徴は、探査機を何度もリサイクルする技術を実用化することだ。「はやぶさ」は地球から3億キロ離れた小惑星イトカワに着陸し、宇宙物質をカプセルに入れて先月13日、奇跡的に地球に戻った。

  カプセルを分離し、オーストラリアの砂漠に落下させるのに成功したが、探査機自体は空中で燃えた。1回用だった。「はやぶさ2」からは地球帰還後、探査機をまた宇宙に送り出し、他の任務を遂行できるように改善する計画だ。

 人工クレーター
  JAXAは「はやぶさ2」で大型弾丸を小惑星に衝突させて大きな人工クレーターを作った後、地下物質を収集してくる技術に挑戦することにした。クレーターは直径5~6メートルで作る予定だ。

  「はやぶさ」の場合、オーストラリアの砂漠に落としたカプセルを通してイトカワの微粒子を採取したが、微量だった。「はやぶさ2」プロジェクトで採取量を増やすのに成功すれば、生命体の起源に関する謎を解く有機物質を確保できると期待している。

  こうした目標に最も適した小惑星は地球から3億キロほど離れている小惑星「1999JU3」。C型と呼ばれるこの小惑星は単に岩石が固まっているS型小惑星のイトカワに比べ、炭素など有機物質が大量に含まれていると推定されている。この小惑星はイトカワの近くにある。

  日本政府はこの小惑星と地球の公転周期を考慮すれば、二つの惑星間の距離が最も近づく2014年が最も適した打ち上げ時期と考えている。JAXAはこれを実現するため、「はやぶさ2」の開発予算を申請する方針だ。

  故障が頻発し、当初の計画より3年遅れで地球に帰還した「はやぶさ」の技術的欠陥などを全面補完する作業も急ぐことにした。「はやぶさ」開発の経験を生かせば「はやぶさ2」開発費用は100億円を大きく超えない見込みだと、日本経済新聞は伝えた。(2010年7月15日 中央日報)

 小惑星の分類
 「はやぶさ2」は、「はやぶさ」と同様に、小惑星からの物質を地球に持ち帰るサンプルリターン・ミッション。ただし、対象の小惑星が異なる。「はやぶさ」が探査したイトカワはS型と呼ばれるタイプに分類されるもので、岩石質の小惑星であった。

 太陽に近い場には、主な材料が岩石質と推定される「S 型小惑星」が多く見られる。これらは火星や地球など太陽系の内側にある岩石質の惑星たちの原材料について、ヒントを与えてくれる。またS 型小惑星は、地球上で最もたくさん発見されている隕石である「普通コンドライト」のふるさとではないかと考えられている。

 「はやぶさ2」が目指すのはC型と呼ばれる小惑星。C型も岩石質だが、有機物をより多く含んだものと考えられている。太陽系空間にある有機物がどのようなものなのか、そして生命との関係はあるのか、非常に面白いテーマに挑戦する。

 小惑星帯の中ほどに最も多く分布しているのが、有機物や含水鉱物を多く含むと考えられている「C 型小惑星」。このタイプは、隕石のうち「炭素質コンドライト」のふるさとと予想されており、地球生命の原材料を調べる上でも、大切な探査対象だと考えられている。「はやぶさ」に続く「はやぶさ 2」ミッションでは、このC 型小惑星からのサンプルリターンを計画している。

 火星よりも木星に近い、暗くて冷たい小惑星帯の外縁には、S型やC型小惑星よりもさらに始原的な天体と考えられる P型や D型小惑星が多数存在している。木星と同じ軌道をめぐるトロヤ群小惑星もD型の宝庫。

 さらに太陽から離れた空間で生まれて揮発性成分を豊富に持つものの、比較的最近に軌道が変わって太陽に近づくようになった活動彗星核や、ガスや塵を噴き出さなくなって見かけ上小惑星との区別が難しい「枯渇彗星核」なども、太陽系全体の物質分布を知る上で、大変重要な探査対象である。

 D、P型小惑星や彗星核をふるさとに持つと思われる隕石は地球上ではほとんど発見されていないため、これら遠方の小天体表面の物質と構造はまったくの未知。(JAXA)
 
 始原天体探査プログラム
 始原天体とは、太陽系が誕生したときやその後の進化の情報を持った天体のことです。地球などの大きな天体では、原材料は全て天体内部で一旦溶けてしまったので、それ以上昔の情報にたどりつけません。一方、大きさこそ小さいものの、現在発見されているだけで数十万個にもおよぶ小惑星や彗星核の多くは、それぞれが太陽系内で生まれた時代と場所の記憶を比較的良くとどめている。

 こうした「始原天体」を探査することで、太陽系がどのように生まれ、どのように成長してきたのか、また私達のような地球生命の原材料が宇宙空間でどのように作られ、進化してきたのかについて、重要な手がかりが得られる可能性がある。そうした知識は、太陽系だけでなく、その他の惑星系の誕生や進化を比べる上でも不可欠だ。

 始原天体の探査目的は、科学だけではない。小惑星や彗星は、過去に何度も地球に衝突しており、そのたびに当時の地球環境に大小様々な影響 --100年前のシベリヤ原野の大爆発から6500万年前の恐竜絶滅まで-- を与えてきた。過去に起きた「宇宙からの天災」は、将来も確実に地球に起こることが予想される。そこで、こうした天体の地球衝突に備える「スペースガード」活動の一環としても、地球接近型小天体の探査は重要なテーマである。

 また月に続く近未来の有人探査のターゲットとしても、火星よりも到達しやすい地球接近型小天体は、近年大きな注目を集めている。さらに遠い将来、人類が深宇宙空間に進出した暁には、月や火星のような重力の大きな天体に昇り降りすることなしに、小天体を資源としてその場で利用できるかどうかを調べておくことも意義がある。(JAXA)

 マルコ・ポーロ 
 小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」に続くさらに高度な始原天体サンプルリターン・ミッションをJAXA では検討している。この構想は、2004年に作られたミッションを検討する作業部会では当初「ポストはやぶさ」と呼ばれていたが、2005年末に初号機と同型である「はやぶさ2」のコンセプトが新たに提唱されて以降、両者を区別するためにフルモデルチェンジを意味する「はやぶさ Mk2(マークツー)」というコードネームが与えられた。

 この検討にヨーロッパの科学者・技術者が大きな興味を寄せ、2007年から日欧共同でミッションを計画することになった。共同ミッションは「マルコ・ポーロ」と命名され、欧州宇宙機構 (ESA) が公募する宇宙科学プログラム「コズミックビジョン」の中型ミッションとして提案された。全50件の応募から第一次審査を通過した8案の一つとなり、2008年から日欧共同でミッション検討が続けられている。

 マルコ・ポーロでは、イトカワや「はやぶさ2」での探査候補天体 1999JU3よりもさらに昔の太陽系の情報を保っていると思われている始原天体を探査し、その表面物質と、できれば地下物質をも地球に持ち帰ることを試みる予定。もしかすると地球上では見つからない、太陽系内に残る最も古い物質を私たちは手にすることができるかもしれない。 (JAXA)

 

参考HP JAXA「始原天体探査 

小惑星探査機 はやぶさの大冒険
山根 一眞
マガジンハウス

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第26回ノーベル生理学・医学賞ヨハネス・フィビゲル「寄生虫発ガン説」

2010年07月21日 | 科学全般
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 センチュウ
 センチュウ類には、人間の寄生虫をはじめ、人間の生活に関わりの深いものも多く、それらの研究が進められる一方、自由生活のものの研究は後回しになりがちであった。しかし、自由生活のものの方が遙かに種数が多く、その研究が進むにつれ、種類数はどんどん増加しているので、どれくらいの種数があるかははっきりとは言えない状況である。その最大限の見積もりは、なんと1億種というものがある。

 これは、海底泥中のセンチュウ研究に於いて、サンプル中の既知種の割合から算定されたものである。これが本当であれば、昆虫の種数を大きく抜き去り、地球上の生物種の大半はセンチュウが占めていることになる。個体数も多く、土壌中の個体数は、地球上のバイオマスの15%を占めているともいわれている。

 ところでヒトに寄生するセンチュウ類としてはギョウチュウやカイチュウが知られている。ギョウチュウとカイチュウの違いは何だろう?

 ギョウチュウ
 ギョウチュウは線形動物門、双線綱桿線虫亜綱カイチュウ目ギョウチュウ科に属するものの総称であり、動物に寄生する寄生虫である。

 ヒトに寄生するギョウチュウは体長がオス2~5mm、メス8~13mm程度であり、乳白色でちりめんじゃこ状の形をしている。虫卵は卵型で直径40μm程度であり、通常の室内環境で数週間生存し感染性をもつ。

 ヒトの盲腸に寄生し、肛門の括約筋が弛緩する睡眠中に産卵を肛門の周辺で行う。このときギョウチュウの活動や、産卵の際に分泌する粘着性物質によってかゆみが発生するため(無意識下で)掻き毟ることが多々あり、手などに付着した虫卵が撒き散らされることによって感染源や自己再感染の原因となる。虫卵は人間が摂取すると十二指腸で孵化し、盲腸で数週間ののち成虫となる。先進国においては乳児・児童とその親に感染者が多く、感染率は10~20%程度とされている。

 なお、このように直接に人間から人間に伝搬することが可能であるため、現在においても広く寄生が見られる。

 カイチュウ
 一方カイチュウ(回虫)とは、ヒトの小腸などに寄生する動物であるが、線形動物門、双線綱桿線虫亜綱カイチュウ目アニサキス科とカイチュウ科に属する。
 
 ギョウチュウとの違いは大きさだ。雌雄異体であり、雄は全長15~30㎝、雌は20~35cmと、雌の方が大きい。環形動物のミミズに似た体型であるが回虫は線形動物であり、環形動物とは全く異なるので体節も環帯もなく、視細胞などの感覚器も失われており、体の先端に口と肛門があるだけで、体幹を腸が貫通する。生殖器は発達し、虫体の大部分を占める。成熟した雌は1日10万個から25万個もの卵を産む。

 次に違うのは生活史である。カイチュウ卵は小腸内で産み落とされるが、そのまま孵化する事はなく、糞便と共に体外へ排出される。排出された卵は、気温が15℃くらいなら1ヶ月程度で成熟卵になり、経口感染によって口から胃に入る。虫卵に汚染された食物を食べたり、卵の付いた指が感染源となる場合が多い。卵殻が胃液で溶けると、外に出た子虫は小腸に移動する。

 しかしそこで成虫になるのではなく、腸壁を食い破って体腔内へ出たり、或いは血管に侵入して、肝臓を経由して肺に達する。この頃には0.1cmくらいに成長している。数日以内に子虫は気管支を上がって口から飲み込まれて再び小腸へ戻り、成虫になる。子虫から成虫になるまでの期間は3ヶ月余りであり、寿命は2年から4年である。こうした複雑な体内回りをするので「回虫」の名がある。このような回りくどい感染経路をたどる理由ははっきりしていない。

 カイチュウの撲滅
 カイチュウは、かつて日本で寄生率が著しく高かった。これは人糞尿を肥料に用いていたと共に、それで栽培した野菜類を漬け物などとして生食いしていたのが大きな原因である。回虫卵は強い抵抗力を持ち、高濃度の食塩水中でも死なないので、食塩を大量に使用した漬け物でも感染は防げなかった。

 第二次大戦後は化学肥料の普及が回虫撲滅の一端を担った。現在、化学肥料の多用は環境・人体に危険であるとして下肥を用いた自然食野菜が広まっているのるが、カイチュウに対する知識が忘れられたまま安易に使うのは危険である。

 カイチュウ卵は熱に弱く、70℃では1秒で感染力を失う。従って野菜類は充分熱を通して食べれば安全である。有機栽培の生野菜を摂取するのであれば、下肥の加熱処理をしなければならない。

 ヨハネス・フィビゲル
 ヨハネス・フィビゲル(1867年~1928年)はデンマークの病理学者。デンマーク中部オーフス県のシルケボア (Silkeborg) に生まれる。コペンハーゲン大学医学部を1890年に卒業後、ベルリンに留学し、ロベルト・コッホやベーリングについて細菌学を学ぶ。1900年、デンマークに戻りコペンハーゲン大学病理解剖学教授に就任、1926年には総長となった。ノーベル生理学医学賞を受賞したのも同年である。受賞理由は「寄生虫発ガン説に関する研究」である。

 フィビゲルは1907年にネズミの胃癌を比較研究している際、線虫の一種 Spiroptera carcinoma を発見した。この線虫はネズミのえさとなっていたゴキブリを宿主として広く分布しているものであった。胃に異常が認められないネズミに線虫が寄生したゴキブリを与えると、高い確率で胃癌を発生することを確認した。フィビゲルは1913年、世界で最初に人工的にがんを作り出したことになる。ついでネコに寄生する条虫を用いて、ネズミに肝臓肉腫を起こすことにも成功した。

 がんの発生原因は、当時、ウィルヒョーの反復刺激説が議論されており、フィビゲルの仕事はウィルヒョー説の有力な証拠とされた。しかし1952年アメリカのヒッチコックとベルは、ビタミンA欠乏症のラットに線虫が感染した場合にフィビゲルの報告したような病変がおこることを報告し、さらにフィビゲルの診断基準に問題があり、フィビゲルが使った標本を見直しても、ヒッチコックら自身の実験の標本でも、悪性腫瘍の像はないことを証明した。

 がんの発生原因は多様であり、現在、フィビゲルがノーベル賞を受賞した寄生虫発癌説は、誤りであったと考えられている。ヨハネス・フィビゲル(Johannes Andreas Grib Fibiger)、1928年1月30日没、享年60歳。

 ノーベル賞をめぐる諸問題
 ノーベル賞の受賞や、受賞者については、いつでも正しいものである必要はないと思う。フィビゲルが世界で始めて、人工的にがんを発生させた事はすばらしいし、寄生虫ががんの一因になることもあるであろう。

 ノーベル賞の創設者、ノーベル自身もダイナマイトという武器を作った“死の商人”である。すべてが正しいとはとても言えない。

 ノーベル賞の面白いところは、科学技術の発展がわかることもさることながら、当時の時代を反映したものであるということ、ノーベル賞の研究内容や研究者の人格が必ずしも理想的でないところにむしろ面白さを感じる。

 今回のヨハネス・フィビゲルの話では、なぜ「寄生虫発ガン説」が正しいと考えられたのか。またどうしてそれが間違いとわかったのかが興味深い。そのあたりを調べてみた。

 「寄生虫発がん説」
 フィビゲルはコペンハーゲン大学で学んだ後、ベルリンに留学し、ロベルト・コッホ、エミール・アドルフ・フォン・ベーリング等の下で細菌学を学び、1900年にデンマークに戻る。

 細菌学をコッホ、ベーリングと云った先駆者の下で学んだ事は、良くも悪くも、フィビゲルの研究の方向性を決めてしまったのかもしれない。

 1907年、ネズミを用いて結核の研究を行っている最中に、偶々ネズミに胃癌を発見する。ネズミが食べたゴキブリに寄生していたセンチュウ類(Spiroptera carcinoma)を確認し、これが癌の原因ではないかと考えた。

 実は、ネズミはビタミンAの欠乏症で、それが癌(腫瘍)の原因だったのだが、当時、発癌機構の仮説として、ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョーの「反復刺激説」が注目されていた。そして、このセンチュウの存在こそが、反復刺激の原因と考え、フィビゲルは比較臨床試験といえるものを世界に先駆けて行った。

 そして、その結果、ネズミに胃癌を引き起こす事に成功し、更に他の実験動物でも成功した。こうして1913年、世界で初めて、人工的に癌を引き起こす事に成功した事を発表する。かくて、フィビゲルは、ノーベル賞を受賞する事になる。

 「化学物質発がん説」
 フィビゲルの1913年の発表から少し遅れた、1915年、山極勝三郎は、ウサギの耳にコールタールを塗り続ける事で、癌を引き起こす事に成功し、コールタールに何らかの発癌性のあることを発表した。実は、イギリスの煙突掃除夫の腫瘍の発生率の高さに目を付けた実験であったのだが、世界の研究者の評価はフィビゲルに軍配を上げた。

 だがその後、1952年、ヒッチコックとベルがフィビゲルの実験を追試し、癌の発生原因はセンチュウだけではなく、ビタミンA欠乏症との複合的なものである事を解明した。

 実は1920年代、フィビゲルの寄生虫説と、山極の化学物質説のどちらが正しいか、かなり激しい論争が行われており、スウェーデンのノーベル賞選考委員会もかなり迷っていたらしい。

 だが、ノーベル賞選考委員会は人種差別の壁をこの時も乗り越える事はできなかった。当時の選考委員だったフォルケ・ヘンシェンは、「東洋人にはノーベル賞は早すぎる」と云う発言が委員会内であったとの発言を残している。

 人種差別と全体主義
 また、それ以前にも、野口英世のノーベル賞受賞も何度も先送りされてきている。野口の場合、黄熱病の原因は病原菌ではなくウィルスであり、当時の技術水準では発見は不可能だった。その意味では、野口がノーベル賞を受賞しなかった事は良かったのかもしれないが、野口の業績は、黄熱病が細菌によるものと云う間違いを明らかにした事(それも自らの命をもって)で、最終的な「ウィルスの発見」へと繋がるものであった。

 他にも、鈴木梅太郎や長岡半太郎、北里柴三郎、梅毒の薬「サルバルサン」を作った秦佐八郎、黄疸出血性レプトスピラ病(ワイル病)の病原体を発見した稲田龍吉、井戸泰、強力磁石鋼を発明した本多光太郎等、挙げるときりがない程、ノーベル賞を逃した日本人研究者がいる。

 フィビゲルの受賞は、有色人種差別に根ざしたものと考えている人もいる。しかし、一方で、日本国内での評価は如何だったろうかとも考える。山極勝三郎の名前を知る人が何人いるだろうか?

 あるいは、福井謙一がノーベル賞を受賞した時の、「その人誰?」と云う国内の反応や、江崎玲央奈がエサキ・ダイオードを発明した時、日本物理学会は全く評価していなかった事、あるいは、白川英樹のポリアセチレンを評価したのはアラン・マクダイアミッドだったこと、実は、日本の学会や日本人社会は、全体主義化しており、個人の業績評価が苦手だ...という意見もある。(出典:猫又号のブログ「ヨハネス・フィビゲル」)

 

参考HP Wikipedia「ギョウチュウ」「カイチュウ」「ヨハネス・フィビゲル」・猫又号のブログ「ヨハネス・フィビゲル
参考文献 馬場錬成「ノーベル賞の100年」(中央公論新社:2002)・朝日新聞社「100人の20世紀」(朝日新聞出版:2001)・科学朝日編集部「ノーベル賞の光と陰」(朝日新聞出版:1987)
 

ノーベル賞の100年―自然科学三賞でたどる科学史 (中公新書)
馬場 錬成
中央公論新社

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第26回ノーベル化学賞 テオドール・スヴェドベリ「分散系に関する研究」

2010年07月20日 | 科学全般
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 分散系とは何か?
 固体のものと、液体のものを混ぜるとどうなるか?例えば水と土砂を混ぜると、ふつうは重たい土砂はしだいに下に沈んでいき2つに分かれる。

 固体は粒子の大きさが2mm以上が「れき」、2mm~1/16mmだと「砂」、1/16mm以下だと「泥」というが、さらに分けると1/16mm~4μmを「シルト」、4μm以下を「粘土」といい、だんだん細かくなる。(1μmは1/1000mm)

 よくサラサラした砂という。細かい「粘土」は乾いていればサラサラしているが、水と混ざるともはや容易に動かない。どろどろとして高い粘性を持つので、粘土細工や陶器に利用される。

 このように液体に粒子の細かい固体が混ざると、単なる固体、液体、気体に分けられない第4の状態ともいうべき「流体」という、粘性の高い新しい性質が現れる。


 さらに細かい、0.001~1μm(1nm~1000nm)程度の粒子が、気体、液体あるいは固体に混ざった状態を分散系という。粒子の大きさが1μm以下の分散系では、重力よりも粒子どうしの力が大きくなり、独特の粘性を持つ不思議な現象が起きる。通常、物体は加えた力に比例して、変形が大きくなる。これをニュートン流体というが、分散系では、この粒子同士にはたらく力のため、力に比例しない変形がおきる。これを非ニュートン流体という。

 非ニュートン流体の例として「ダイラタンシー」や、「チキソトロピー」がある。「ダイラタンシー」では、物質にはたらく力が小さければ液体状に、力が大きければ固体状になる性質がある。

 分散系と溶液の違い
 「分散系」とは0.001~1μm(1~1000nm)程度の粒子が、気体、液体あるいは固体に浮遊あるいは懸濁している物質の状態であった。ところで、「溶液」とは、2つ以上の物質から構成される液体状態の混合物のことである。一般的には主要な液体成分の溶媒と、その他の気体、液体、固体の成分である溶質とから構成される。

 では「分散系」と「溶液」の違いは何だろう?

 「分散系」の定義によれば、「溶液」はその中にはいると考えてもいい。日常的に考えても「分散」は散らばって存在するということだからイメージは合う。

 水溶液を考えてみよう。溶質は固体や液体の場合を考える。溶けている状態とは普通「溶質の成分粒子が溶媒の中に均一に分散すること」である。分散しているのだから水溶液は、分散系と考えてよい。実際、「コロイド溶液」とは分散系の中で分散媒が液体のものをいう。そして分散質が均一に混ざっている。

 あとは「分散質がどの程度のレベルまで小さくなっているのか」が問題だ。そのあたりの定義を考えてみよう。分散系の分散質の大きさは1nm以上とされている。

 コロイド溶液
 コロイド溶液のサイズが1nm~とされているのは、チンダル現象が引っかかってくるから。小さな分子が0.1nm程度の大きさであることからすると1nmのサイズの粒には1000個程度の分子またはイオンが含まれていることになる。見かけは溶液と変わらないのにチンダル現象に引っかかってくる溶液はGrahamのコロイド。サイズが光の波長よりも小さく透明に見える。

 分子のレベルまでバラバラになっていても一つの分子が大きいためにコロイド粒子の特徴を示すという場合もある。タンパク質などの高分子の場合である。

 タンパク質やでんぷんは分子コロイドと分類されることもある。濁っていて、不透明である溶液は光の通過をじゃまするだけのサイズの粒子が分散していることがすぐに分かる。

 普通は濁っていたり、不透明であると、やがて沈殿し分離する。ところが、濁っていても分離してこない溶液が、コロイド溶液なのだ。

 では、コロイド溶液にはどんなものがあるか?

 正解は、牛乳、マヨネーズ、インク、のり、塗料、海の泡、血液などである。このうち血液は、血球成分(細胞性成分)と血漿成分(液性成分)からなり、その比率は 45:55 である。また、血球成分(重量比)は赤血球96%、白血球3%、血小板1%で構成される。血漿成分は水分96%、血漿蛋白質4%、そのほか微量の脂肪、糖、無機塩類で構成される。

 「タンパク質分子」の発見
 20世紀はじめ、タンパク質はいわゆる「分子」ではなく、コロイドの一種だと考えられていた。血液中の赤血球の中には、ヘモグロビンというタンパク質が含まれている。ヘモグロビンは色がついているので、タンパク質の実験ではよく使われていた。

 「超遠心分離器」と「コロイド」の大家であった、スウェーデンの化学者「テオドール・スヴェドベリ」がタンパク質の超遠心分析を行った。タンパク質を含むコロイドを遠心分離すると、重たい分子から順に沈んだ。

 実験を重ねた結果、最終的にはタンパク質はコロイドではなく、同一の質量を持つ「分子」であることを発見した。しかも、その当時の常識からすると桁外れに巨大な「分子」であることがわかった。

 一連の研究で、スヴェドベリはヘモグロビン、フィコエリスリンとフィコシアニンをしばしば使ったが、中でもフィコエリスリンとフィコシアニンは、色が濃い上に分子量が大きくて分散しにくく、超遠心での分析に適していた。スヴェドベリは、これらの分散系の研究に対し、1926年ノーベル化学賞を受賞する。

 日本人留学生
 ところで、スヴェドベリのもとで研究をした日本人がいる。1925年に東京帝國大學(現東京大学)工学部を卒業した桂井富之助である。桂井は、大学で冶金学(金属工学)を専攻していたことから、理化学研究所に入って鉱石の研究を始めた。

 桂井は知的好奇心が旺盛な人物で、昼間は職場で鉱石の研究を行う一方、自宅では専門の冶金学だけでなく化学などさまざまな分野の本を読んで自習していた。その中でも、桂井は特にコロイド化学と物理化学に興味をかき立てられ、数多く読んだ本の中にはスヴェドベリのコロイドに関する著書が含まれていた。

 そして1927年、桂井はコロイド化学者になることを決心し、スヴェドベリの研究室に留学することになった。そして、彼がそこで研究したのは海苔である。それも、ユニークなことに、海苔の材料にする藻類などではなく、おにぎりや海苔巻きに欠かせないおなじみの乾物、板海苔そのものを使った。

 1929年の論文の「Preparation of Material」に、「The Japanese product, "Nori," which consist of dried Porphyra tenera(乾燥させたPorphyra teneraで作られた日本の製品「海苔」)」とわざわざ明記してある。その量が何と、2800グラムも使ったと書かれている。現在の一般的なサイズの海苔は1枚3グラム程度なので、ざっと900枚以上になる計算だ。

 テオドール・スヴェドベリとは?
 テオドール・スヴェドベリ(Theodor Svedberg, 1884年~1971年)はスウェーデン王国ヴァルボ出身の化学者。1926年にノーベル化学賞を受賞した。

 主としてコロイド溶液、特にタンパク質などの高分子のコロイド溶液の性質に関する研究を行った。その研究を通じ、遠心分離によるタンパク質の分子量の測定を行っている。これらの分散系の研究に対し、1926年、ノーベル化学賞を受賞した。受賞理由は「分散系に関する研究」である。
 
 また、1929年にヘモシアニンを発見している。この分子は下等生物(イカなど)の血液に含まれ、高等生物におけるヘモグロビンのように酸素輸送を担う青っぽい物質で、銅イオンを含んでいる。

 彼の功績をたたえ、沈降係数の単位にスヴェドベリの名が与えられている。(Wikipedia)

 

参考HP Wikipedia「分散系」「コロイド」「血液」「テオドール・スヴェドベリ」・GEヘルスケア・ジャパン株式会社「生化夜話 第12回:鮮やかな赤と青が決め手 

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第26回ノーベル物理学賞ジャン・ベラン「ブラウン運動から原子を立証」

2010年07月19日 | 科学全般
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 原子とは何だろう?
 そう、物質の最小単位として知られている粒子である。物質は原子やその集まりである分子でできているのは常識だ。ところが最先端の科学では原子の中にも内部構造があり、陽子・中性子が集まっていることが知られている。さらに陽子・中性子はクオークとレプトンが集まってできているということもよく知られている。

 現在ではあたりまえの存在として、原子・分子や陽子・中性子、クオーク・レプトンが語られる。日本の誇る2008年ノーベル物理学賞受賞者、小林先生・益川先生・南部先生らはクオーク・レプトンの研究で受賞している。しかし、最小単位が原子だったり、陽子・中性子だったり、クオーク・レプトンなどいくつもあっては最小単位とは呼べない。これはどういうわけなんだろうか?

 実は最小の単位というものが何であるかは、時代によって変わってきた。その時代に発見され、確実だと共通認識をもたれたものが、最小と呼ばれる単位なのだ。現時点ではクオーク・レプトンが最小の単位である。これにももっと小さい内部構造が発見されれば、最小ではなくなる。

 従って原子は、過去に物質最小の単位であったものであり、現在は最小の単位とは呼べず、物質の「中間構成単位」というのが正確な呼び方である。

 このように、物質の「中間構成単位」の原子は、現在ではあたりまえの存在であるが、この考えが公に認められたのは、なんと1926年、フランスのジャン・ペランがノーベル物理学賞を受賞したときであった。アインシュタインやボーアによる相対論や量子力学の登場の時代、原子説はまだ科学の世界で定説ではなかった。

 原子説が世界に認められるまでには、大変な論争があったことは今日あまり知られていない。今日は原子説確立までの歴史を調べたい。

 原子説の確立
 教科書に出てくる原子発見の科学史では、原子説が打ち立てられたのは19世紀初めのドルトンによるとされている。18世紀後半、ラヴォアジェによる質量保存の法則、ついでプルーストによる定比例の法則、それをうけて倍数比例の法則を見出したドルトンが原子説を提案したという流れがある。その後、ゲイ=リュサックによる気体反応の法則を手がかりにしてアボガドロが分子説を提唱していくという、一連の流れとして、原子と分子の発見の歴史が描かれている。

 さてそれでは、原子説の確認の研究に対してノーベル賞が与えられたのはいつのことだろうか? --- これはなんと1926年、フランスのジャン・ペランがその受賞者である。アインシュタインやボーアによる相対論や量子力学の登場の時代、原子説はなんとまだ科学の世界の定説としての確立をみていなかったのである。

 自然科学における発見や理論が定説として確立するというのはいったいどういうことだろうか?それは、他の研究による検証が行われるとともに、合理的な反論がもはや出尽くした状態とみなしてよいだろう。逆にいうと、有力な反論が存在する間は、まだ未確定であるといえる。原子説がほとんど疑いようがないと見られた後にも、胸を張って威張れるという状況に達するには大変な苦闘の歴史が必要であった。

 原子説の立証
 化学が飛躍的に発展した19世紀、原子はずっと仮想的な作業仮説としてしか存在を許されなかった。当時の測定技術からは、物質はなめらかで連続的な実体であって、なんらかの「粒」の存在を証拠立てる細かな不連続性は観察できなかった。化合物や溶液の分析から得られる状況証拠だけが、物質の中で原子の組替えがおきていることを示唆する手がかりであった。

 物理学の分野で最初に原子の存在を明瞭に意識して理論を組み立てていったのはボルツマンである。気体分子の運動を力学的に解析することで、熱力学と力学の橋渡しとなる統計力学の分野を開拓した巨人である。

 ところが原子論に基づく彼の提案は、当時の科学哲学において大きな力を持っていたのは、音速の単位で名を残すマッハと、1909年ノーベル化学賞を受賞したオストワルトによって真っ向から反撃され続けた。

 --- 物質が粒子からなることを出発点として演繹された理論がたまたま熱力学と整合性が取れていたからといって、物質の不連続性を証明するものではない。そもそも経験的に知覚できないものは実在していないのだ --- という極端な経験主義が彼らの立場であった。

 ボルツマンの理論をもとに、原子や分子の実在の証明に挑んだのがペランであった。彼は樹脂微粒子が分散した液を顕微鏡で観察するという手段を採用し、その沈殿平衡や拡散速度を調べるといった数々の実験手段を工夫してアボガドロ定数を決定した。ペランは実に13種類の異なった原理に基づく実験結果からほぼ同一のアボガドロ数が導かれることを示し、物質が不連続な粒子からなることを決定的に立証した。

 しかし、ボルツマンはペランによる自説の実験的証明を見ることはなかった。1906年10月、論争に疲れ果てたボルツマンは家族との休暇旅行先で自殺した。遺書は残されていなかった。実に真実の探求とは、厳しいものである。(京都女子大学 小波秀雄「原子の発見はいつだった?」)

 ブラウン運動とは?
 ブラウン運動(Brownian motion)とは、液体のような溶媒中(媒質としては気体、固体もあり得る)に浮遊する微粒子(例:コロイド)が、不規則(ランダム)に運動する現象である。1827年(1828年という記述もあり)、ロバート・ブラウンが、水の浸透圧で破裂した花粉から水中に流失し浮遊した微粒子を、顕微鏡下で観察中に発見した。

 長い間原因が不明のままであったが、アインシュタインは1905年にコロイドの濃度と粘性率の変化についての論文を博士論文として提出した。 さらにブラウン運動をコロイド粒子に分子が多数ランダムに衝突することによるゆらぎの過程として記述する理論を提唱した。 これらの理論により、液体の性質からアヴォガドロ定数を算出する方法が新たに導かれた。

 1908年にペランはこの新しい理論を詳細に検証し、アヴォガドロ定数を測定する実験を行なった。 それらの結果は従来の求められていた値とほぼ同じものであった。 こうしてやっと実際に分子が実在することがオストヴァルトらにも認められ、アヴォガドロの仮説は法則として認められることになったのである。

 ジャン・ペランとは? 
 ジャン・ペラン(Jean Baptiste Perrin、1870年~1942年)はフランスの物理学者。父のフランシス・ペランも物理学者。ノール県リールに生まれて、パリの高等師範学校で学んだ。1890年代は陰極線の研究を行った。1908年から、ブラウン運動に関する精密な実験を行い、分子理論を実証した。1913年著書「原子」を出版した。

 「原子」のテーマはアボガドロの仮説をさまざまな方法で検証すること、すなわち原子の実在である。扱われる話題は、電気分解、分子運動論、ブラウン運動、黒体輻射、固体比熱、素電荷、原子核崩壊といった原子物理学ではお馴染みの話題ばかりであるが、ペランによって見事にひとつの結論「原子の実在」に集約されていく。なかでもブラウン運動に関しては著者の専門領域であった。

 1910年から1930年まで高等師範学校の教授である。1936年レオン・ブルーム内閣の科学研究担当国務次官になった。ドイツのフランス占領中はニューヨークに逃れ、ニューヨークで没した。1926年に、ノーベル物理学賞を受賞する。受賞理由は「物質の不連続的構造に関する研究、特に沈殿平衡についての発見 」である。

 

参考HP Wikipedia「ブラウン運動」「ジャン・ペラン」「アボガドロ数」・京都女子大学 小波秀雄「原子の発見はいつだった? 

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ネアンデルタール人が現代人と交配?アジアにもDNA発見!

2010年07月18日 | 古生物
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 21世紀は生命科学の時代
 クローン人間、幹細胞、ゲノムプロジェクト、DNAチップ、免疫...、21世紀は生命科学の時代ともいわれている。生命の様々な謎が解き明かされつつある現在、自分の健康に直結することや遺伝子に関係するものなど、生命科学は常に身近なものとして興味の対象となっている。

 特に遺伝子については、ヒトDNAの全配列を解析し、いよいよその働きを探る時代がやってきた。今までは食品の化学成分を分析し、ポリフェノールなどが健康によいとされてきた。最近は食品成分だけでなく、それによって働く遺伝子もあきらかになってきた。ヒト第10染色体に存在する、長寿遺伝子「Sir」はポリフェノールなどの健康成分をとることで、スイッチが入ることがわかってきた。

 人工多能性幹細胞「iPS細胞」は4つの遺伝子、Oct3/4・Sox2・Klf4・c-Mycを導入することで、細胞が本来持っている万能性が蘇った。また、ミトコンドリアにあるDNAを調べることで、人類の祖先であるミトコンドリアイブの生誕地がアフリカであることまでつきとめた。人類の英知はすごい遺伝子を調べることて、可能性の幅がグンと広がった。

 そして、遺伝子の研究により、今回また新たなことが発見された。約3万年前に絶滅したとされるネアンデルタール人の遺伝子が私たちのDNAに発見された。ほとんどの現代人の遺伝子構造の少なくとも1~4%はネアンデルタール人に由来するものだという。

 

 ネアンデルタール人の血が現生人に
 これからは他人のことを“旧人類”といってバカにする前に鏡を見る必要がありそうだ。最新の研究により、ほとんどの現代人がネアンデルタール人とのつながりを持っていることが明らかになった。遺伝子構造の少なくとも1~4%はネアンデルタール人に由来するものだという。

 研究では、遺伝子解析により、現生人類(ホモ・サピエンス)とネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)の異種交配を示す確かな証拠が発見された。ネアンデルタール人はおよそ3万年前に絶滅した人類の近縁種である。

 また、現生人類とネアンデルタール人は中東地域で交わった可能性が高いとも結論付けている。従来の研究ではヨーロッパが第1候補地と考えられてきたが、実際には現生人類がアフリカから旅立った直後だったようだ。

 DNA解析で明らかに
 研究チームのリーダーでカリフォルニア大学サンタクルーズ校のエド・グリーン氏は、「ネアンデルタール人から現生人類に向けて遺伝子流動があったことは十中八九間違いない」と話す。

 アメリカ、ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学の人類学者エリック・トリンカウス氏は、今回の研究を受けて次のように話す。「異種交配の可能性は以前から私も主張していた。当時は化石骨格を基にしたのだが、DNA解析によって一蹴された。ようやく汚名をそそぐことができたようだ」。

 さらに、トリンカウス氏は、「われわれが実際に受け継いでいるネアンデルタール人のDNAは、今回の研究が示す数値よりもはるかに多いと思う」と話す。「1~4%というのはあくまで最低限の値だ。10%、あるいは20%という可能性さえある」。

 出会いはアラビア半島
 研究チームは、中国、フランス、パプアニューギニア、アフリカ南部、アフリカ西部の5人のヒトゲノムと、ネアンデルタール人のドラフトゲノムとを比較した。

 解析の結果、現生人類とネアンデルタール人のDNA配列は99.7%が一致していることが判明した。なおチンパンジーとは98.8%一致している。

 また、アフリカ人以外の民族集団において、ゲノム中にネアンデルタール人のDNAの痕跡が存在していることも明らかになった。この事実は、異種交配の地をめぐって新たな謎を生むこととなった。ネアンデルタール人も現生人類と同様、アフリカ大陸で誕生したと考えられている。ただし、アフリカで両者の共存を示す化石証拠は発見されていない。

「現生人類とネアンデルタール人の間で遺伝子交換があったとするなら、その地はヨーロッパだと考えるのがこれまでの常識だ。数千年の共存期間を証明する、十分な考古学的証拠があるからだ」と研究チームの一員デイビッド・ライヒ氏は話す。

 アジア人にもネアンデルタール人の遺伝子
 反対に、ネアンデルタール人が東アジアの中国や、南太平洋メラネシア地方にあるパプアニューギニアに住んでいた考古学的記録は存在しない。

「ところが実際には、中国人もメラネシア人もネアンデルタール人と近い関係にあり、ヨーロッパ人だけの特徴ではなかった」とライヒ氏は明かす。同氏は、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学が共同運営するブロード研究所で集団遺伝学の研究に従事している。

 一夜限りの関係?
 では、ネアンデルタール人のDNAはどのようにしてアジアやメラネシアにたどり着いたのか?

 研究チームによると、ネアンデルタール人と現生人類が異種交配した期間は、現生人類がアフリカを旅立った直後、さまざまな民族集団に分かれて世界中に散らばっていく直前だという。最初の交配は約6万年前の中東地域で発生したと考えられる。アフリカに隣接しており、2つの種が一時期共存していた考古学的証拠も存在するという。

 研究チームのライヒ氏によると、2種間で生じた遺伝的影響には大規模な異種交配は必要ない。「ネアンデルタール人と現生人類は一晩だけの関係だったのかもしれないし、異種間のあいびきを何度も重ねていた可能性もある」。

 異種交配の証拠
 現生人類とネアンデルタール人の異種交配に関する遺伝的な証拠が発見されたのは、今回の研究だけではない。

 アメリカにあるニューメキシコ大学の遺伝人類学者ジェフリー・ロング氏が率いる研究チームも、初期現生人類とネアンデルタール人やハイデルベルク人との間に異種交配があったことを示すDNA上の証拠を発見しており、学会報告を先月行ったばかりだ。

 同チームはネアンデルタール人のゲノム解析を行ってはいないが、異種交配が起きた時期に関しては今回の研究と同様、現生人類がアフリカを旅立った直後だと結論付けている。ロング氏は次のように話す。「私たちの研究は現生人類の遺伝子情報を基に進化過程をたどったもので、実証的な裏付けは予想外だった。非常にうれしく思う」。

 研究成果は、5月7日発行の「Science」誌に掲載されている。(2010年7月15日 National Geographic)

 

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長寿遺伝子「Sir2」「AMPK」を活性化する、食事・運動とは?

2010年07月17日 | 健康
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 「長寿遺伝子」と食事
 「長寿遺伝子」というと、何やら特定の遺伝子で「それを持っていると長寿になれる」と考えがちだが、そうではない。長寿遺伝子はすべての人が持っていて、そのスイッチを「ONにする(活性化する)」ことができれば、長寿が達成できる。ではどうやって?

 長寿遺伝子をONにするには、まず食事を工夫することが大切。そのひとつが「カロリー制限」で、最近発見された「Sir2」という長寿遺伝子は、カロリーを抑えることでスイッチが入る。実験では、ミジンコが1.7倍、ラットが1.4倍も寿命が延びた。

 また、米ウィスコンシン大学の実験では、「17年間カロリーを30%制限して飼育したアカゲザルは、カロリー制限していないアカゲザルに比べて肌の色つやがよく、ほとんどシワもない」という結果が出た。そのサルは、血液中のDHEAという若返りホルモン値が非常に高く、そして、どうやら脳も活性化されているということがわかった。



 長寿遺伝子をオンにするもうひとつの工夫は「ポリフェノール」。ぶどうの皮に含まれるレスベラトロールという「ポリフェノール」が長寿遺伝子をオンにするということが、米ハーバード大学から発表されている。ピーナッツの渋皮にも同じような「ポリフェノール」が含まれている。玉ねぎの皮にはケルセチンという「ポリフェノール」があり、これは直接「Sir2」を活性化する働きがあることがわかってきた。玉ねぎの皮は食べにくいので、煮た後にミキサーなどでペースト状にして、カレーやみそ汁に入れるとよい。

 「長寿遺伝子」と運動
 長寿遺伝子をオンにするもうひとつの方法は運動。最近発見された「AMPK」という長寿遺伝子は、運動することによってスイッチオンになることがわかった。運動で筋肉が収縮することで、この長寿遺伝子が活性化する。決して激しい運動ということではなく、日常的にできる運動を、定期的に、持続的に行うことが大切。

 AMPKとはAMPで活性化されるタンパクリン酸化酵素の遺伝子。細胞内のエネルギーが欠乏しAMP/ATPの比率が高まると活性化される。活性化されたAMPKはエネルギー浪費経路を遮断し、反対に産生経路の効率高める方向に作用する。

 運動による筋肉の収縮で、この長寿遺伝子、AMPKのスイッチをONにすることができる。 細胞内のエネルギーが欠乏することで活性化がなされ、エネルギーを燃やしやすい体にする。カロリー制限をしたのと同じような効果が得られる。

 メタボリックシンドローム、糖尿病に対して、AMPKを活性化させることが予防および治療戦略と考えられている。大切なのは、日常的にできる運動を定期的に持続的に行うこと。

 内原一族の秘密
 1771年(明和8年)、明和大津波に襲われた石垣島・白保は、28人を残してほぼ全滅した。那覇の首里王府が50キロ南の波照間島から強制移住させた418人の中に、内原一族の祖先がいた。狭い耕地と乏しい漁場。イモの普及による人口爆発と苛烈(かれつ)な人頭税の中、生存競争を生き抜いていた。

 移住後の生活環境は一変した。「自然と土を慈しむ」文化は受け継がれたが、石垣島では水田ができ、すぐに貝や小魚もとれる。肉や酒は年数回という「素食」で、夜明けから日暮れまで体を動かして働く。終戦後、沖縄県に米国の高カロリー食が流通した後も、200年後の子孫たちは暮らしの基本を変えなかった。

 現在、平均年齢が90歳になる内原家の兄弟姉妹7人は、がんや心臓病などの大病もせず、視力もほとんど衰えていない。計36人の子どもを育て、孫とひ孫は160人を超える。

 「強い体に産んでくれた両親に感謝します」と、三男で元小学校長の内原勇(78)は言う。両親も、それぞれ96歳と94歳まで生きた。昨年12月、母親の24回忌に集まった7人は、その教えを確かめあった。島を離れず、支え合えと...。

 内原一族の「長寿遺伝子」
 内原一族の血液から抽出した遺伝子の研究が行われた。研究に当たった長嶺勝・琉球大分子生命科学研究センター准教授は、「遺伝子や生活環境、心のありようを含めた“人類を幸せにする健康長寿”のカギを、内原一族から学びたい」と話す。内原家の人々は、昔ながらの低カロリーで質素な食事をしていた。そしてポリフェノールがたっぷり含まれるマガリスという食品を食べていた。

 老化を遅らせると言われる沖縄の伝統料理、マガリス。マガリスとは、まがらす(交ぜる)という意味で、和え物のこと。何と庭に生えている植物「ボタンボウフウ」を和えた食品だ。ボタンボウフウに含まれるポリフェノール量は、ゴーヤの8倍もある。

 これらの働きで、内原一族は、ヒト第10染色体の中にある眠れる長寿遺伝子「Sir2」が、ONになっていると考えられる。(フジテレビ「金曜プレステージ」 7月16日放送)


参考HP KAGOME「長寿遺伝子をスイッチONにする 

長寿遺伝子を鍛える―カロリーリストリクションのすすめ
坪田 一男
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沖縄県産 与那国 長命草青汁 30包
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長寿の植物ボタンボウフウ

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