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「SDO」巨大なプロミネンス観測!それでも燃えつきない太陽

2010年04月24日 | 宇宙
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 地球の20倍!太陽の巨大な紅炎
 米航空宇宙局(NASA)は22日までに、太陽観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)」が撮影した太陽の表面から噴出する巨大なプロミネンス(紅炎)の画像を公開した。

 プロミネンスは磁場の力でガスが表面から持ち上げられる現象。画像は3月30日に撮影されたもので、巨大なプロミネンスの弧を鮮明にとらえている。NASAによると、プロミネンスが描く輪の直径は、地球の直径の20倍以上になるという。

 NASAの太陽物理学専門家のリチャード・フィッシャー氏は「40年以上にわたる研究の中で、このような活発な太陽を見たのは初めてだ。SDOは太陽に対するわれわれの理解を変え、ハッブル宇宙望遠鏡同様に大きな衝撃を科学に与えるだろう」としている。

 SDOは2月11日に打ち上げられた。高度約3万5000キロの上空で、5年間にわたり、太陽の黒点やフレア(太陽表面爆発)などの現象を観測する。(jiji.com 2010/04/23)

 太陽はなぜ燃えつきないのか?
 NASAの太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)が、これまで見たことのない鮮明な活動画像を送ってくれた。これだけ激しい活動をしているのに太陽は燃えつきてしまわないのだろうか?

 これまでの研究で、太陽は約46億歳。太陽の寿命は約109億年とされていて、あと50億年は燃えつきずに存在する。しかし、今から10億~20億年後には太陽の温度が少しずつ上がり、地球は熱くなって生物は住めなくなると言われている。

 太陽は過去の超新星の残骸である星間物質から作られた、第2世代の星であると考えられている。この根拠は主に、鉄や金、ウランといった重元素が太陽系に多く存在していることにある。なぜならば、これらの重元素の成因としては、質量の大きな高温の星の内部で元素合成によって作られるという過程が最も可能性が高いシナリオだからである。

 太陽はどうやって燃えているか?
 まだ10億年は地球に影響はなさそうだ。だが、太陽はどのようにして燃えているのだろうか?

 太陽は酸素が必要の無い「核融合」と呼ばれる反応で燃えている。反応式を具体的に書いてみると...     4 H → He   つまり 水素4個がヘリウム1個に変わっている。

 実は太陽というのは水素の塊。その水素が自分の重さでぎゅっと圧縮された結果、中心部では非常に高温になり、このような反応が起こり、そのエネルギーで燃えている。

 46億年前、中心核では熱核融合により水素原子4個がヘリウム原子1個に変換されるために圧力が僅かに下がり、それを補うために中心部は収縮し、温度が上がる。その結果核融合反応の効率が上昇し、明るさを増していった。

 45億年前(太陽誕生から1億年後)に主系列星の段階に入った太陽は、現在までに30%ほど明るさを増してきたとされている。今後も太陽は光度を増し続け、主系列段階の末期には現在の2倍ほど明るくなると予想されている。

 我々の太陽は超新星爆発を起こすのに十分なほど質量が大きくない。20世紀末~21世紀初頭の研究では太陽の主系列段階は約109億年続くとされており、63億年後には中心核で燃料となる水素が消費し尽くされ、中心核ではなくその周囲で水素の核融合が始まるとされる。

 太陽は今後どうなるのか?
 その結果、重力により収縮しようとする力と核融合反応により膨張しようとする力のバランスが崩れ、太陽は膨張を開始して赤色巨星の段階に入る。外層は現在の170倍程度にまで膨張する一方、核融合反応の起きていない中心核は収縮を続ける。この時点で水星と金星は太陽に飲み込まれ、消滅しているだろうと予想されている(高温のため、融解し蒸発する)。

 76億年後には中心核の温度は約3億Kにまで上昇し、ヘリウムの燃焼が始まる。すると太陽は主系列時代のような力のバランスを取り戻し、現在の11~19倍程度にまで一旦小さくなる。中心核では水素とヘリウムが2層構造で核融合反応を始める結果、主系列段階よりも多くの水素とヘリウムが消費されるようになる。そのため、その安定した時期は1億年程度しか続かない。

 やがて中心核がヘリウムの燃えかすである炭素や酸素で満たされると、水素とヘリウムの2層燃焼が外層部へと移動し、太陽は再び膨張を開始する。最終的に太陽は現在の200倍にまで巨大化し、膨張した外層は現在の地球軌道近くにまで達すると考えられる。このため、かつては地球も太陽に飲み込まれるか蒸発してしまうと予測されていたが、20世紀末 - 21世紀初頭の研究では赤色巨星段階の初期に起こる質量放出によって惑星の公転軌道が外側に移動するため、地球が太陽に飲み込まれることはないだろうとされている。

 赤色巨星の段階に続いて太陽は脈動変光星へと進化し、これによって外層の物質が放出されて惑星状星雲を作る。その後、太陽は白色矮星となり、何十億年にもわたってゆっくりと冷えていく。このシナリオは質量の小さな恒星の典型的な一生であり、恒星としての太陽は非常にありふれた星であると言える。(Wikipedia)

 

参考HP National Geographic news「SOD観測開始:輪を描く紅炎

太陽の科学―磁場から宇宙の謎に迫る (NHKブックス)
柴田 一成
日本放送出版協会

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太陽と恒星―「静かなる誕生」から「激動の死」へ (NEWTONムック)

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