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新型幹細胞「Muse」発見!「幹細胞」「iPS細胞」「ES細胞」とは?

2010年04月19日 | 微生物・ウイルス
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 新型幹細胞「Muse」発見!
 人の体には、細胞がいくつあるのだろう?人の体は約60兆の細胞でできている。

 細胞にはさまざまな種類がある。一般の細胞は体細胞。なかまを増やすための生殖細胞。体を外敵から守る免疫細胞など...。現在、注目されている細胞というと、iPS細胞、ES細胞、幹細胞などの万能細胞がよく話題に上る。

 東北大学の出沢真理教授らの研究チームが、新しい万能細胞を発見した。この細胞は大人の皮膚や骨髄の中に、iPS細胞(新型万能細胞)のように色々な種類の細胞に変化できる能力を持つ細胞が微量に含まれていることを突き止めた。

 ES細胞やiPS細胞に続く多能性幹細胞の可能性があるとして、「Muse(ミューズ)細胞」と命名した。既知の2種類に比べ増殖率は劣るが、がん化の恐れは低く、医療への応用が期待されるという。20日の米科学アカデミー紀要に発表する。

 出澤教授らは、誤って細胞を溶かす酵素を加えても生き残ったヒトの皮膚細胞の中に、iPS細胞とよく似た細胞を発見した。この細胞を拒絶反応の出にくいマウスに移植すると、皮膚や筋肉、肝臓など様々な細胞に変化した。細胞表面には、iPS細胞と同じ目印物質(糖鎖)が付着。これを目印にすると、骨髄の細胞(単核球)約5000個に1個の割合で含まれていることがわかった。ただ培養しても約2週間で増殖は止まってしまう。(2010年4月20日  読売新聞)

 幹細胞とは?
 iPS細胞とかES細胞とか幹細胞とかさまざまな用語が出てきてわかりにくい。それぞれどんな細胞なのだろうか?

 iPS細胞もES細胞も、いろいろな種類の細胞に分化することができる能力を持っている。このように他の細胞に分化できる細胞を全部ひっくるめて万能細胞とか、幹細胞と呼ぶ。

 幹細胞は造る細胞によって、神経幹細胞とか造血幹細胞などと呼ばれる。すなわち神経幹細胞は神経細胞を造り、造血幹細胞は血液を造る。また、iPS細胞は人工多能性幹細胞のことであり、ES細胞は胚性幹細胞のことである。

 最近は脂肪細胞の中に幹細胞が発見されており(間葉系幹細胞という)、その人自身の脂肪細胞を利用した、副作用の少ない美容整形の素材としてさかんに用いられている。

 このような幹細胞の特徴として、複数系統の細胞に分化できる能力(多分化能)を持ちながら、細胞分裂を経ても多分化能を維持できる能力(自己複製能)も併せ持っている。発生における細胞系譜の幹(stem)になることから名付けられた。幹細胞から生じた二つの娘細胞のうち、一方は別の種類の細胞に分化するが他方は再び同じ分化能を維持する。

 遺伝子レベルで見ると、幹細胞では分化を誘導する遺伝子の発現を抑制する機構が働いており、これは外部からのシグナルやクロマチンの構造変換などによって行われる。普通の体細胞はテロメラーゼを欠いているため細胞分裂の度にテロメアが短くなるが幹細胞ではテロメラーゼが発現しているため、テロメアの長さが維持される。

 iPS細胞とは?
 iPS細胞とは、人工多能性幹細胞(Induced pluripotent stem cells)のことで、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性 (pluripotency)と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。京都大学の山中伸弥教授らのグループによって、マウスの線維芽細胞から2006年に世界で初めて作られた。

 さらに翌年、山中らは、マウスiPS細胞の樹立に用いた4遺伝子のヒト相同遺伝子であるOCT3/4・SOX2・KLF4・C-MYCを、ヒト由来線維芽細胞(36歳女性の顔面の皮膚由来の線維芽細胞、69歳男性由来の滑膜細胞、および新生児包皮由来の線維芽細胞)に導入して、ヒトiPS細胞の樹立に成功した。

 また、世界で初めてヒトES細胞を樹立したことで知られるジェームズ・トムソン (James Thomson) らのグループも、山中らがマウスiPS細胞を初めて樹立した時と同じ戦略を用い、14個の候補遺伝子の中からOCT3/4・SOX2・NANOG・LIN28の4遺伝子を選び出してヒトiPS細胞の樹立に別個に成功した。

 両グループの研究成果は、2007年11月20日、山中らの報告がセル誌に、トムソンらの報告がサイエンス誌にそれぞれ同日発表された。そのわずか後の12月には、ハーバード幹細胞研究所のジョージ・デイリー (George Daley) らのグループも、OCT3/4・SOX2・KLF4・C-MYCの4遺伝子にhTERT・SV40 large Tを加えた6遺伝子を用いてヒトiPS細胞の樹立に別個に成功しており、競争の激しさが窺える。(出典:Wikipedia)

 ES細胞とは?
 ES細胞は、胚性幹細胞(Embryonic stem cells)のことで、動物の受精卵からつくられる。発生初期段階である胚盤胞期の胚の一部に属する内部細胞塊より作られる幹細胞細。英語の頭文字を取り、ES細胞(イーエスさいぼう)と呼ばれる。

 生体外にて、理論上すべての組織に分化する分化多能性を保ちつつ、ほぼ無限に増殖させる事ができるため、再生医療への応用に注目されている。またマウスなどの動物由来のES細胞は、体外培養後、胚に戻し、発生させることで、生殖細胞を含む個体中の様々な組織に分化することができる。

 また、その高い増殖能から遺伝子に様々な操作を加えることが可能である。このことを利用して、相同組換えにより個体レベルで特定遺伝子を意図的に破壊したり(ノックアウトマウス)、マーカー遺伝子を自在に導入したりすることができるので、基礎医学研究では既に広く利用されている。

 

参考HP Wikipedia「幹細胞」「iPS細胞」「ES細胞」 

幹細胞WARS―幹細胞の獲得と制御をめぐる国際競争
シンシア フォックス,西川 伸一
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絵とき再生医学入門―幹細胞の基礎知識から再生医療の実際までイッキにわかる!
朝比奈 欣治,立野 知世,吉里 勝利
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