3月22日 ぜんせき「論説」より
口銭を守りたい、と切望するSSの最大の阻害要因は同一商圏内の廉売である。
その価格表示が自らのSSの仕入価格よりも安価な場合、とても平静ではいられない。
業転に変化した元売玉が、その元売自身の系列SSを苦境に陥れる構図だ。
であるとしたら、いくら業転化したとはいえ、自社の物流網から放出された玉に対して、それがSSで売られる局面まで、元売は責任を持つべきである。
自らが出荷した玉が、どのように転がろうが、決して、自らの系列仕切りを下回るような小売値付けにつながらないようにする管理責任が、元売にはあるだろう。
今週のガソリン小売価格。
消費税込みの近距離のSS届けベースのガソリン卸価格は、いわゆる業転が139円前後、系列は144円前後(※2者の仕入時点でね)だろう。
ところが全国の廉売SSの中には140円割れのPB勢に交じって、れっきとした系列SSが複数登場する。
スポット仕入れであるはずのないJA系SSも登場する。
SS名称などから推計すると、オープニングセールなどの特殊要因ではなく、廉売が常態化している。
間違いなくその周辺では、自らの仕入れ価格よりも安価な小売価格を実現する競合SSの存在で、口銭が守られるどころか、売れば売るだけ赤字が膨らんでいって悲鳴を上げるSSが存在している。
系列SSがあるからこそ、元売は元売なのだ。
その系列が苦しんでいるのに、玉を垂れ流す一方で、子会社SSには廉売追従を奨励するかのようにして、数量の最大化を追い求めているかのように映る。
系列を1円下げれば、恐らく業転は3円上がる。
価格が折り合わなければ無理に売らなければよい。
折り合ってしまう弱さを、系列高にしわ寄せしてはいけない。
*****
※元売はさぁ、系列に対しては“下限値”なんていう自分勝手なモノを当てはめてくるんだよね。
下限値っていうのは簡単に言うと、市場連動性という今の仕切り方式だけど、その市場の値段がいくら下がっても、「これ以上下げたらコスト割れしちゃうんで、系列にはここまでしか値下げしないよ」っていう、元売だけは採算割れしないようになっている“値”なんだけどね、業転はそんな下限値なんて関係ないからどんどん値段が下がるワケ。
この3週、系列は灯油がずっと下限値適用されてるんだよね。
その割りに巡回業者の灯油の値段が18リッター1850円でウチと40円しか違わない。
リッターでは2.2円。
・・・・しっかりマージン乗せてはる(笑)
・・・・・
水は低きに流れるが如く、全ての消費者も安値に流れるとしたら、数量インセンティブを与えられた大資本しか生き残れない。
本当にこのままでは社会インフラとしての供給網は崩壊してしまうかもね。
元売は大型セルフを残して供給責任は果たしていると言うかもしれないけど、果たして消費者は納得してくれるのかな...?
記事には関係ないけど
枯れ草も美しい。
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