灯油難民が顕現化しつつありますが、軽油の配達も「昔のようなわけにはいかない」ということを知って下さい。
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20年近く前のことです。
「あれ?そういえば〇〇会社さんの車、最近給油に来られていないね」
20台ほどの営業車が1台も給油に来られなくなりました。ひと言もナシに。
(※他店の店頭価格看板と10円以上もの価格差があった当時の顧客離れは、それはそれは凄まじいものでした)
それから半年くらい経った頃でしょうか。
「カードがまだ出来てないから、会社からココに行けって言われたんやけど」と1台の営業車が来店。
どういうことだろうか?と訝しみながらも、まだ口座が残っていたので“掛け”で給油しました。
後から考えてみると、新しく取引を始めたガソリンスタンドのカード(恐らくその店のオリジナルカードではなく元売のカード)が届いていないので、という意味だったのでしょう。その1台を最後に取引は完全にありませんでしたから。
その後また取引(給油)先を変えていたようですが、最初のお店はセルフに改装。
次のお店(広域大手2者店)は運営者が替わってから配達は止めたようです。
その企業様からの軽油の配達依頼が、本日ありました。
新規で配達をお受けすることもありますが、
当店が配達業務を受けさせていただくのは、高値にもかかわらず、これまで変わらずに取引を継続して下さった既存客へのサービスです。
利幅圧縮のなかでの顧客流出で、年に何百万も自己資産を注ぎ込まなくてはならない店を続けたのは、
10円以上もの高値にもかかわらず、窓ふきなどのサービスも行き届かなくなってもなお、
「こっちは何もしなくていいから、(給油も)あとでいいから、向こうの人を先にしてあげて」
そんなふうにして当店を利用してくださる顧客の存在があったからです。
「客を選ぶ」と言えば格好いいけれど、実際はそうじゃあない。
大手による採算度外視の価格競争の煽りを受けて、
従業員を失い、配達用ローリーも減車し、全ての方の要求、ご希望に応えることができなくなっただけ。