2002年8月4日(日)
クリーム「LIVE CREAM」(Polydor 531816)
(1)N.S.U. (2)SLEEPY TIME TIME (3)LAWDY MAMA (4)SWEET WINE (5)ROLLIN' AND TUMBLIN'
今日もクリームでいきます。これは解散後、70年にリリースされたライヴ盤。68年3月のウィンターランドおよびフィルモアでの録音、つまり「WHEELS~」のアウトテイク集ともいえる。
(1)は「FRESH CREAM」からの、アップテンポのヘヴィーなナンバー。スタジオ・テイクより大幅に長い、10分にわたる熱演。
中間部にはクラプトンの長いソロをはさみ、これでもかといった感じの演奏が執拗に繰り広げられる。
また、ブルースのリード・ヴォーカルに加えて、クラプトンがパワフルなコーラスで活躍しているのも聴きどころ。
(2)もまた「FRESH~」からの一曲。曲調は一転、スロー・ブルースに変わる。
ときには物憂げな、そしてときには激情をほとばしらせるかのようなギター・ソロが、クラプトンの確かな実力を感じさせる一編。
やはり、曲がブルースになると、とたんに彼のギターは生き生きとしてくるように感じる。
(3)は唯一のスタジオ録音。イントロを聴いて「ン? どこかで聴いたことがある」と思うはず。
そう、セカンド・アルバム収録の「ストレンジ・ブルー」のバッキング・トラックをそのまま使って、別の歌詞(トラディショナル・ブルース)で歌い直し、ギター・ソロも新たに録ったのである。演奏もアレンジも、わりと凡庸で、特筆すべき点はない。
続く(4)はふたたびライヴ。約15分と、本盤中最大の長尺もの。
延々とワン・コードに乗せたギター・ソロが続くのは、かの名演「スプーンフル」とほぼ同じ構成。
よくまあこれだけフレーズの貯えがあるものだというくらい、長丁場をあきさせないクラプトンの腕前。やはり、天才である。
もちろん、それをサポートする、ブルース、ベイカーの強力なリズム隊もスゴいのだが。
途中からはブルースもベース・ソロを披露、そのゴリゴリ、ブリブリの音は、好みの問題もあって評価が分かれるところだろうが、「リード・ベース」という異名をとっただけのことはある超絶テクニックだ。
最後は三者入り乱れて音の洪水状態。ものすごい迫力だ。そして大団円。
いやー、おなかイッパイです(笑)。
ラストの(5)は、これまた「FRESH~」からのナンバーで、マディ・ウォーターズのカバー。ベースレスで、ブルースがハーモニカを吹きまくる。
これが実に達者な演奏。クラプトンのギター・ソロにも、決してヒケをとらない、内容の濃さである。
以上、緩急とりまぜたレパートリーで、彼らの究極のテクニックを堪能することが出来る一枚。楽器を演奏されるかたなら、一度はチェックしてみてほしい。ノックアウト間違いなしです。
<独断評価>★★★★