NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音盤日誌「一日一枚」#111 クリーム「LIVE CREAM」(Polydor 531816)

2022-03-05 05:04:00 | Weblog

2002年8月4日(日)



クリーム「LIVE CREAM」(Polydor 531816)

(1)N.S.U. (2)SLEEPY TIME TIME (3)LAWDY MAMA (4)SWEET WINE (5)ROLLIN' AND TUMBLIN'

今日もクリームでいきます。これは解散後、70年にリリースされたライヴ盤。

68年3月のウィンターランドおよびフィルモアでの録音、つまり「WHEELS~」のアウトテイク集ともいえる。

(1)は「FRESH CREAM」からの、アップテンポのヘヴィーなナンバー。スタジオ・テイクより大幅に長い、10分にわたる熱演。

中間部にはクラプトンの長いソロをはさみ、これでもかといった感じの演奏が執拗に繰り広げられる。

また、ブルースのリード・ヴォーカルに加えて、クラプトンがパワフルなコーラスで活躍しているのも聴きどころ。

(2)もまた「FRESH~」からの一曲。曲調は一転、スロー・ブルースに変わる。

ときには物憂げな、そしてときには激情をほとばしらせるかのようなギター・ソロが、クラプトンの確かな実力を感じさせる一編。

やはり、曲がブルースになると、とたんに彼のギターは生き生きとしてくるように感じる。

(3)は唯一のスタジオ録音。イントロを聴いて「ン? どこかで聴いたことがある」と思うはず。

そう、セカンド・アルバム収録の「ストレンジ・ブルー」のバッキング・トラックをそのまま使って、別の歌詞(トラディショナル・ブルース)で歌い直し、ギター・ソロも新たに録ったのである。演奏もアレンジも、わりと凡庸で、特筆すべき点はない。

続く(4)はふたたびライヴ。約15分と、本盤中最大の長尺もの。

延々とワン・コードに乗せたギター・ソロが続くのは、かの名演「スプーンフル」とほぼ同じ構成。

よくまあこれだけフレーズの貯えがあるものだというくらい、長丁場をあきさせないクラプトンの腕前。やはり、天才である。

もちろん、それをサポートする、ブルース、ベイカーの強力なリズム隊もスゴいのだが。

途中からはブルースもベース・ソロを披露、そのゴリゴリ、ブリブリの音は、好みの問題もあって評価が分かれるところだろうが、「リード・ベース」という異名をとっただけのことはある超絶テクニックだ。

最後は三者入り乱れて音の洪水状態。ものすごい迫力だ。そして大団円。

いやー、おなかイッパイです(笑)。

ラストの(5)は、これまた「FRESH~」からのナンバーで、マディ・ウォーターズのカバー。ベースレスで、ブルースがハーモニカを吹きまくる。

これが実に達者な演奏。クラプトンのギター・ソロにも、決してヒケをとらない、内容の濃さである。

以上、緩急とりまぜたレパートリーで、彼らの究極のテクニックを堪能することが出来る一枚。楽器を演奏されるかたなら、一度はチェックしてみてほしい。ノックアウト間違いなしです。

<独断評価>★★★★


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする