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登場人物の生き様に、冷徹とも思えるまでの視線を投げかけていたクリント監督ですが、
ここ2作くらい、少し作風を変えてきたかな?という感じの作品が続いていましたが、
ふたたび、主人公にやさしくないクリント(笑)が帰ってきたような気がする作品になっています。
もっと、感情移入させようと思えば、いくらでもできそうなシチュエーションなのに、
それをさせようとせず、「灰色」の主人公を、灰色のまま描きとおし、
時代までもが灰色のアメリカを描ききっていますね。
ただ、いろいろと「疑惑」があったフーバー長官の、そのいろいろを描き切ろうとしたせいか、
少し、詰め込み過ぎ感もあって、うまくまとまっていないように思うし、
予想以上に、老けメイクでの演技時間が多かったレオの熱演も、
声だけが若すぎるのが気になるし、欠点も目立つ作品になっている気がしますが、
アメリカのダークな歴史に興味があるような人には、けっこう楽しめる映画ではないでしょうか。
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『J・エドガー』日本公式サイト
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