記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

世界最古の客船ドゥロス号と佐世保・花園中の地図ワークショップ

2007年05月16日 23時21分07秒 | 博多湾
 日曜日、ニュース等でも話題となっている、現存する世界最古の客船・
ドゥロス号を博多港へ観に行った。博多への寄港は今回が最初で最後、今
度の公開がドゥロス号自身の最後の航海だと聞き、客船ファンとしては何
があっても観に行きたかった訳である。

 博多港や国際港から少し離れた中央ふ頭9号岸壁付近であるが、いつも
の閑散とした光景からは想像も付かないほど、この日は大勢の人々で賑わ
っていた。その多くは家族連れで、話題の船を体感したいと集まった人た
ちである。洋上書店は午後2時からの開店であったが、2時過ぎに行った
時にはすでに500mほどの行列が出来ていた。

 列に並んで待つこと30分、思ったよりも早く順番が廻ってきた。その
間、娘たちはボランティア船員たちが行う余興を観たり、アルペンホルン
を吹かせてもらったり(娘とその友達は小学生ながら吹奏楽部。ユーフォ
ニアムとチューバ担当の二人だけに、外国人のお兄さんにブラボーと言わ
れ、ちょっとテレていた)、待ち時間も楽しかった。

 いよいよ乗船、6千トン級の船らしくコンパクトな船内であるが、快適
そうであった。戦前の日本は諸外国のVIP達にも愛され、豪華客船の宝
庫・黄金期であった。チャップリンやベーブ・ルースなど日本の船を愛し
た著名人は多い。主たる北米航路や大陸航路以外は、当時は6千~8千ト
ン級の船がニューヨーク航路や欧州航路に就航していたので、たぶんドゥ
ロス号のような雰囲気だったのだろうと思う。

 50万冊の在庫を有する船上書店は圧巻であった。キリスト教などの本
も多かったが、子供向けの絵本や童話などからCD等に至るまで充実して
いて、世界各国の言語の本に感動すら覚えてしまった。娘たちも、絵本の
表紙を観てタイトルを当てて愉しんだ。文字が読めなくても、絵は世界共
通であることを改めて実感した。

 今日の写真は、ドゥロス号の雄志。

 15日は、佐世保市立花園中学に招かれて、総合学習の中での地図づく
りワークショップの講師として出向いた。米軍基地やハウステンボス、そ
して佐世保バーガーといった印象が強い佐世保だが、花園中は市街中心地
にありながら周囲は公園や文化施設に囲まれ、とにかく緑が多く気持ちの
良い環境であった。

 花園中出身といえば、つい先日持ち馬がG1初勝利をあげた、前川きよ
しさんの母校である。しかも今年は創立50周年の記念の年ということで、
記念事業の中に私を講師に呼んでいただき感動である。

 3年生を対象とした地図づくり講座であるが、聞くとみんな地図づくり
は初めてとのこと。互いにまだ緊張が溶けない中、地図づくりのコツや注
意点をできる限り判りやすく話した。小学生や幼児、高校生や大人は何度
もワークショップや講演を経験しているが、中学生は初めて。多感な年齢
だけにこちらも少々不安であったが、実際に校内をテーマに沿って調査す
る頃になると緊張も溶けて、明るい生徒達であることが判った。

 短時間であったが、校内マップづくりで地図づくりを初体験し、これか
ら校区の人々に役立つようなマップづくりを半年かけて行うそうだ。私も
何度かワークショップなどでサポート参加するので、これからが愉しみで
ある。

 完成したマップは、初めてにしては創造力も豊かだった。最初に私が予
想してみせた通り、男子と女子では適正や工夫に良い意味で差があること
も判って先生方も驚きのようであった。調査などはとにかく男子が元気に
動き回り工夫観察するのだが、いざ地図づくりの段になると、根気のある
子の多い女子の方が表現を工夫し、数段良い作品に仕上がった。

 創造力が豊かな子のいる班は、とにかく楽しい地図となっていた。タイ
トルを工夫したり、配色で絶妙のバランスを表現したり、今のままで充分
コンクール等に参加しても良い成績が残せそうである。目標として、この
学校でも今年のマイタウンマップ・コンクールへ応募してみたいとのこと
であった。このワークショップの半年間のドキュメントは、地図中心など
に執筆したいと思っている。

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