世界のベストセラーを読む(627回) (その8)作家 大江健三郎を読む
◆先のブログ掲載の「新しい文学のために」(岩波新書1)は面白いというか小説と違い読みやすい。この評論を読んでから、彼の小説を読むといいかと思うが何分にも、この評論は彼の小説の途絶え......
◆僕が、抹香臭いと言っている(僕はそうは思っていないのであるが)宗教染みた言葉は、つまるところ彼、大江健三郎が引用する海外文献、詩人、作家、思想家はすべて、2000年以上も前に十字架で死んで、そして復活したという神の子がいたという(そして、まだ生きて語り掛けているという)、その男の物語が、それら彼らが生きてきた風土、歴史、言葉のすべてカルチャべートされた土台の上に(否、深層のもとに)出来上がってきているものだからである。このことを忘れてはいけない。