沼……
千葉県には印旛沼という大きな沼があります。
それは北海道を除く東日本全域を写した衛星写真でもはっきり見えるほどの大きさです。
でもいったい沼と湖って何が違うんだろう。
人工のダム湖なら小さいものがいくらでもあるし富士五湖の精進湖なんてどう見ても印旛沼より小さい。
で、調べてみるとどうやら明確に分ける基準は無いものの最大水深が5mというところが境目となるらしい。
そして印旛沼は最大で2.5m……
浅っ!!
でも深さとは関係なくヤバそうなのは断然沼だ。
印旛沼を見れば水質がドロドロしているわけでもなく湖となんら変わりないのはわかっているけれどやっぱりなんとなく沼はズブズブと沈んでいってしまうイメージがあるな。
ハローキティ×ラブライブ!/μ’sのぬいぐるみでいい出物はないかとショップを見ていると……
目が合っちゃった。
この穂乃果ちゃんと。
μ’s4thシングルの「もぎゅっと“love”で接近中!」の衣装を身にまとうこのドールはアゾン社製のピュアニーモシリーズで大きさは1/6相当。
眼球を模したドールアイが入っている本格的なドールではなく目はプリントによって再現されたもので、アニメフィギュアからドールへ移る橋渡し的な存在かな。
でもドールはドールだ。
ドール沼はヤバいとはよく言われている言葉。
フィギュアと違って”服を着ていてる”ので着せ替えすることはできるし上級者になればヘアスタイルだって楽しむことができるらしい。
もっと突き詰めれば頭部や眼球など好きなパーツを組み合わえることによって自分だけのドールを作ることさえできちゃう。
そこまでいけばもう芸術だ。
ああ、ローゼンメイデン……
そんなに財力がないぼくだけれどこの目が合った穂乃果ちゃんは……
4000円……?
なんで?
新製品なら1万2000円以上はするし、ちょっと買いそこねると2万円近くまで跳ね上がる。
このショップに並んでいるのほとんどはユーズドだけどそれだって9000円を下ることは無い。
なのに4000円?
なにかあるのは間違いない。
見たところこれといって破損や欠品等の記載は無いのだけれど……
それになんといっても目が合っちゃったんだから仕方がない。
10分くらい悩んだ後にレジでクレジットカードを出していました。
帰宅後すぐさま開封してチェック。
うん、やはりこれといっておかしなところは感じられない。
強いて言えば膝の関節が渋い気もするけれど他のピュアニーモを持っていないのでこれで正しいのか怪しいのかはわからないし。
一番大事なアイプリントは大丈夫。
突き刺して装着させるピアスが未使用なのか耳に穴が開けられていないのはありがたい。
まずは髪の毛の手入れ。
ネットで調べてウィッグ用のオイルミストを買ってきた。
歯ブラシと目の細かな櫛で慎重にとかしてあげる。
なかなかほのまげ(サイドテール?)が起きてくれないなぁ。
といじること数分……
ん……?
なんか左右で長さが違うし毛先がバッツリしてない?
これ前オーナーが切ってしまったんだ!
ヘアアレンジをしようとしたのかもしくは熱か何かで毛先が縮れてしまいそこをカットしたのか……
とにかくもこれでわかった。
だから4000円という格安の値札だったんだ。
…………
でもなんだろ。
不思議と失敗したとか損したとかって気持ちがまったく無いな。
手入れも続けて写真もいい感じに仕上げてみれば……
か、かわいい!
こうしてみるとそのカットされてしまったサイドの髪もこれはこれでかわいい気がしてきた。
これが”ウチの子が一番カワイイ”っていうあれか?
髪が変に切られているにもかかわらず箱に閉まって無かったことにはしなかったのは出会った運命なんだと思う。
ぼくが選んだのか穂乃果ちゃんが選んでくれたのかはわからないけれど決して目立つ感じディスプレイされていたわけではないこのコと目が合ってしまったのだから。
それに1万円以上だと買うこともできなかったのだから4000円の値札を付ける原因となったであろう髪を切った前オーナーに感謝したいくらい。
こうなるとやっぱりほかの服も欲しくなっちゃう。
楽曲衣装だとどうしてもμ’s9人揃っていなくちゃ寂しい……
そんな気がしちゃうけれども普段着なら別に一人でもおかしくないし。
これってやっぱり沼の縁に立っている……ということなんだろうなぁ。
踏み外さないように気をつけなきゃ。
落ちろ落ちてこいと沼の中から引っ張る手も見えますが……
そう言えば印旛沼って河童がいるんだよ。
別に有名でもなんでもないし、きっと水のあるところにはどこでも河童伝説はあるのだろうけども、免許取り立てのころ夜遅くドライブして印旛沼のほとりに車を止めエンジンをかけっぱなしでエアコンが効いた車内で喋っていたらガソリン残量計の針が一気に1/3くらいガクンと落ちたの。
これって印旛沼の河童が飲んだんだよきっと。