マリーのアトリエ

札幌時計台近くのハンドメイドショップ、マリヤ手芸店のスタッフブログです。

光線刺しゅう

2009-01-09 09:43:43 | Legacy of Mariya

「水辺」(1935年作)
今回も本間テイさんの作品展から。
昭和初期に、人造絹糸と呼ばれた糸(レーヨン)を使った刺しゅうです
光を反射して美しい光沢を見せる、この新素材の糸を使った刺しゅうを
マリヤでは「光線刺しゅう」と呼んでいました。
「光線刺しゅう」という言葉は、本間テイさんが独自に作ったものらしいのですが、
なんだかハイカラな響きで、おもしろいですね



リボン刺しゅう同様、この作品も糸を自分で染めて細かい色合いを出しています。
ミシン糸くらい細い糸でびっしり刺してあって、これはすごい力作です
たいへんな、手間と時間をかけて制作されたのでしょう



鳥の羽毛の感じが、良く出ていますね
きっと絵の上手な方だったのでしょう
土台の布も、絹地をぼかし染めして、池の水の濃淡を現しています。



「風景」(1935年作)
この作品も、絵画のような刺しゅう作品です
夕暮れの美しい空は、絹地を染めたもの。雲は筆で描いてあるのでしょうか。



この作品も、濃淡をつけてビッシリ刺しています
きっと、この光沢のある、新しい素材の糸の可能性をとことん
追求してみようと思ったのでしょう。
これらの作品は、本間テイさんが30代の頃に制作したものです。
きっと、熱心に創作に打ち込む毎日だったのだと思います。
70年以上前の、人造絹糸を使った刺しゅう作品はあまり例のない
貴重なものですし、見事な技術も一見の価値あがありますよ


コメント
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