週末、山越えをしてきました。
わが家のある「須原中村」集落から山を越え、
山向こうの「北湯ヶ野」集落まで歩く「山越え冒険」。
まず中村集落の目の前にそびえる男岩を抜けて奥にある山の山頂に立ち、
更にその尾根伝いを歩いて隣の山の山頂を目指します。
幼い頃から野山を駆け巡って育った父ちゃんにとっても初めてのルート。
一体どんな景色が広がっているのか…。
山に分け入ると様々な表情の森が広がっていました。
沢沿いの竹林。
雨上がりの森はしっとりとした空気に包まれています。
杉林の斜面は薄暗く、下草も生えない為に土や石がゴロゴロと崩れ落ちてきます。
あるところは棘だらけの藪が立ちはだかり、這いずるように進んでいきます。
そして尾根。
ゴツゴツとした根っこがまるで生き物のような森。
左右は下まで崖が続いていました。
歩くこと3時間。目指す山の頂上に到着。
一面に茅林が広がり、向こうに山並みが広がっています。
topの写真の真正面にある緑の山が男岩を抜けて登った山。
父ちゃんの指す山の左側が、
わが家のある「須原中村」集落の方角になります。
山並みの向こうにキラキラ光る海。
利島、新島、式根島、神津島…、伊豆諸島の島影が見えます。
「俺、稲梓に生まれてよかった」。
一緒に歩いた息子の友人のつぶやき。
「別のルートでも、ここ来られるかな」と息子。
この冒険が子ども達にとって新たな冒険の始まりになったことを
感じさせてくれました。
山頂から「北湯ヶ野」集落に下り、
友だちのお宅でポンカンをいただいたり、
途中で見つけた自転車の車輪を棒でつきつき、転がしてみたり…。
ひたすらわが家へ続く道を歩くこと約4時間。
全行程約7時間の「山越え冒険」。
無事、家にたどり着くことができました。
充実した一日、ただ一つのわだかまりが…。
絶景ポイントに広がる茅林、実はその一面に小さな杉の苗木が植えられ、
周りに防護柵が張り巡らされていたのです。
数年もすれば杉は人の背丈を越し、茅林は消え去るでしょう。
そしてまた暗い鬱蒼とした杉林が広がるのです。
伊豆は今、鹿や猪などによる農作物の鳥獣被害に悩まされています。
杉林は鹿や猪など、動物たちの食料を生み出す事のない山です。
なぜ、今、杉の植林なのか…。なぜ…。
子ども達の冒険コースに最適! と思っていただけに悔しくてなりません。
母ちゃん
まるとうわさびH.Pへ