久しぶりに父ちゃんと2人、映画を見てきました。
『祝の島』というドキュメンタリー映画。
実は母ちゃんの学生時代の大親友・纐纈あや(はなぶさあや)の初監督作品なのです!
瀬戸内海に位置する、山口県上関町祝島。
台風が直撃する事も多く、岩だらけのその島は人が住むには厳しい環境の中、
人々は命がけで海に出て海の恵みを受け、
岩山を開墾してつくった田畑で山の恵みを受けて暮らしている。
人々は互いに支えあい、穏やかな暮らしを営んできた。
しかし、その島の対岸に原子力発電所の建設計画が持ち上がった。
「海は私たちのいのち
海と山さえあれば 生きていける
だからわしらの代で 海は売れん」
祝島の人々は28年に亘り、反対を続けている。
東京生まれ、東京育ちの監督が祝島のおじい、おばあたちに魅せられ、
その穏やな暮らしを脅かす"原発"というものに向き合っていく。
約2年、島に通い続けて、島の人々の日常を撮り続けた作品です。
先々代のおじいさんが開墾してつくった棚田で米作りを続ける萬次さん。
毎朝、小さな漁船で一本釣りに漕ぎ出していく英一さん。
大晦日の夜、暖かいコタツに身を寄せ合い、
延々と紅白歌合戦を見続けるおじいやおばあたち。
そして全校生徒たった3人の小学校の入学式に島中の人が集まり、
子ども達の成長に涙する光景…。
声高に原発反対を叫んではいない、
が、スクリーンに映し出される島の暮らしは素朴でいて、豊かな空気が溢れている。
人々の表情や語ることに力があり、じんわりと心に残像が広がる、余韻のある作品です。
ふっと思えば、島の人々の暮らしは
私自身の暮らすここ須郷のおじい、おばあたちの姿と重なり、
と同時にここにはないつながりの強さは羨ましいほど。
今、現在、私達は物質的には十分満ち足りている。
必要としているもの、
それはものでは満たされない、心の面の豊かさではないかと思うのだが…。
現在、東京と広島で上映中で、
今後、関西方面をはじめ各地で上映予定です。
是非、多くの方に見ていただけたらと思います。
(写真・纐纈あや)
母ちゃん
まるとうわさびH.Pへ