ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

愛子溜池

2016-04-11 16:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 愛子溜池
 
愛子と書いて『あやし』と読みます。愛子様ご生誕の折、愛子駅が注目されたという記憶があります。
戦後仙台市が名取川水系の水を上水用に利用する補償として建設されたアースダムで、地元では釣りのスポットとして知られ愛子溜池よりも『月山湖』の呼び名のほうが通りがいいようです。
 
国道48号愛子バイパスから県道132号でハートヒルズ錦ヶ丘方面へ曲がり、すぐに右手の側道に入ると愛子溜池に到着します。
溜池左岸に駐車場があります。
釣りやハイキングを楽しむ人の車が結構止まっています。
 
左岸から
手前に洪水吐があり導流部はトンネル式です。
 
堤体は綺麗に刈りわれています。
 
 
上流側はコンクリートで補強。
奥に斜樋があります。
 
洪水吐導流部の隧道出口。
 
同じ場所から下流を見ると・・・
これが減勢工になるのかな??
 
ダム湖の上流は豊かな自然が残り熊や猛禽類が生息しているとのことです。
一方でダムのすぐ北側はハートヒルズ錦ケ丘としてショッピングモールも備えた大規模な宅地が広がっており、何となくアンバランスな景色が隣り合せの溜池です。
このあとは釜房ダムへと向かいました。
 
追記
愛子溜池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たな洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0287 愛子溜池(0301)
ため池データベース
宮城県仙台市青葉区宮城町上愛子
名取川水系斉勝川
16.7メートル
114メートル
1200千㎥/1200千㎥
仙台市
1949年
◎治水協定が締結されたダム

青下量水堰

2016-04-11 15:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 青下量水堰
 
青下第3ダムの上流、約500メートルにあるのが青下量水堰です。
その名の通り青下川の水量を計測する目的で作られました。
堤高は2メートルの為河川法でのダムではありませんが、下流の3ダム同様玉石コンクリート造玉石貼りで登録有形文化財に指定されています。
 
堰へは立ち入りできないので道路から。
 
手前の切欠きで川の水量を計測しています。
 
 
堰の説明碑。
 
青下量水堰
宮城県仙台市青葉区大倉
名取川水系青下川
2メートル
20メートル
仙台市水道局
1933年

青下第3ダム

2016-04-11 14:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 青下第3ダム
 
青下川に架かる3連の玉石コンクリート造玉石貼りダムの最上流にあるのが第3ダムです。
もちろんこのダムも登録有形文化財に指定され近代土木遺産に選ばれています。
第1第2ダムと異なり仙台水道記念館の敷地外にあるため、車で上流に向かいダムを見学します。
 
ダムの手前にゲート。
立入禁止か?と思ったら害獣防護フェンスです。
開けたら閉めよう!!
 
第1ダムと異なり管理橋は右岸途中まで
副ダムや下流の河床も玉石貼りです。
 
 
水叩きも玉石がびっしりと並んでいます。
 
ダムに寄ってみます。
 
減勢工
 
越流部
 
3つのダムの中で一番しっかりと見学できるのが第3ダム。
ダム下の土手にはカタクリやキクザキイチゲが花を咲かせていました。
 
青下第3ダムがダム巡りを始めて通算300基目のマイルストーンとなりました。
これまで節目のダムはため池や見学スポットが限られるようなダムばかりだったのですが、今回は小ぶりなダムとはいえ石貼りのビンテージダムということで節目にふさわしいダムとなりました。
 
0285 青下第3ダム(0300)
宮城県仙台市青葉区大倉
名取川水系青下川
17.7メートル
60.4メートル
264千㎥/226千㎥
仙台市水道局
1933年

青下第2ダム

2016-04-11 13:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 青下第2ダム
 
青下第2ダムは1933年(昭和8年)に建設された仙台市の上水用3連ダムの一つで、他の2ダム同様玉石コンクリート造玉石貼で国の登録有形文化財に指定され、近代土木遺産に選ばれています。
第2ダムは、ダムへの下り口が施錠され間近で見ることはできず、樹間からダムを垣間見るにとどまります。
 
水道記念館周辺は水源涵養林として整備されています。
 
樹間から第2ダムが垣間見えます。
 
これが限界。
落葉期なのでなんとか見えますが、葉が茂ると隠れてしまうでしょう。
 
第2ダムの案内板。
 
ここから立入禁止
 
 
水道記念館の方に、第2ダムの見学会等の予定があるか聞きましたがその手のイベントは特にないとのことでした。
第2ダムの見学については仙台市水道局に直接問い合わせてほしいとのことでした。
 
0284 青下第2ダム
宮城県仙台市青葉区大倉
名取川水系青下川
17.4メートル
39.2メートル
212千㎥/167千㎥
仙台市水道局
1933年

青下第1ダム

2016-04-11 12:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 青下第1ダム
 
青下第1ダムは、仙台市の上水道水源として広瀬川の支流青下川に1933年(昭和8年)に建設された3基のダムの一つです。
第1ダム、第2ダム周辺は仙台市水道記念館として整備され、仙台市の水道の歴史がわかる資料館があるほか、公園や遊歩道が整備されています。
第1から第3ダムはそれぞれ玉石コンクリート造玉石貼りで、その歴史的価値から国の登録有形文化財に指定されているほか、近代土木遺産、近代水道百選にも選ばれています。
さらに青下第1ダムは日本を代表するダムの一つとして日本100ダムにも選定されました。
 
県道263号に仙台市水道金館への案内板があり、それに従って市道を北上するとすぐに右手に仙台市水道記念館が見えてきます。
水道記念館でダムカードをもらい、資料館を見学したあと第1ダムへと向かいます。
 
第1ダムへ向かう遊歩道の左にある旧管理事務所
北海道によくあるタイプの灯台に似ています。これも登録有形文化財。
 
水道記念館から遊歩道を下るとすぐに第1ダムに着きます。
全面越流型の堤体の上に青下橋と呼ばれる管理橋がかかっています。
 
玉石ではじける水の飛沫を高速シャッターで撮ってみました。
 
副ダムも石貼りです。
 
 
 
中原浄水場へ送水する隧道入口。
 
取水塔、これも登録有形文化財
もちろん現役です。
 
青下ダム記念碑。
 
0299  青下第1ダム(0299)
宮城県仙台市青葉区大倉
名取川水系青下川
17.4メートル
43.4メートル
114千㎥/106千㎥
仙台市水道局
1933年

七北田ダム

2016-04-11 10:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 七北田ダム
 
七北田ダムは泉区から仙塩地区を流れる七北田川の洪水調節と仙台の上水道供給を目的に建設された宮城県営のロックフィルダムで、仙台市の主要な水ガメの一つとなっています。
 
宮床ダムから国道457号を南下し県道263号を右にとれば七北田ダムに到着します。
残念ながら天端や堤体は立入禁止、左岸高台からの管理事務所と堤体です。
 
下流からはダムを一望できます。
 
洪水吐をズームアップ。
河川維持放流で大きな鱗が出ています。
 
アングルを変えて。
 
右岸に駐車場がありますが、こちらも立ち入り禁止。
奥に冠雪した船形山が見えます。
 
上流面。
 
泉ヶ岳や船形連峰が望めるすばらしいロケーションですが、ダム本体は立ち入り禁止です。
ダム湖右岸に小さな公園がありますが、あまり利用されている気配がありません。
水源ダムなのでガードが厳しいのはやむをえませんが、素晴らしいロケーションなのでちょっともったいないなあ・・・。
見えない洪水吐のゲートが気になる七北田ダムです。
 
七北田ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たな洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0302 七北田ダム(0297)
宮城県仙台市泉区福岡蒜但木
七北田川水系七北田川
FNW
74メートル
420メートル
9200千㎥/8500千㎥
宮城県土木部
1984年
◎治水協定が締結されたダム

宮床ダム

2016-04-11 08:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 宮床ダム
 
宮床ダムは、南川ダムともども下流の吉田川の洪水調節を行うとともに、上水道の水源確保を目的として宮城県が建設した重力式コンクリートダムです。
ダム直下はダム湖の名前を取りあさひな湖畔公園として整備され地域住民の憩いの場となっています。
 
国道457号を南下すると左手にあさひな湖畔公園に到着、公園とダム左岸に駐車場があります。
ダムは堤高46メートルに対して堤頂長256メートルとかなり横長。
堤体直下に機場があります。
 
オリフィスから放流が行われています。
 
クレストの自由越流式洪水吐と、オリフィスの常用洪水吐とは導流壁で仕切られ減勢工で合流します。
 
左岸に管理事務所とインクラインがあり、駐車場とトイレが設置されています。
天端は車両通行禁止。
 
天端には地元の民話の紙芝居風のプレートが貼られ、読みながら歩くことができます。
 
ダム直下はあさひな湖畔公園として整備され市民の憩いの場となっています。
奥に七ツ森が見えます。
 
独特の減勢工
右手が常用洪水吐、左手が非常用洪水吐で導流壁で分離されています。
 
右岸から。
 
下流のあさひな湖畔公園は本当に綺麗な公園で、開放感あふれるダムです。
洪水吐の減勢工も独自の構造で自治体のゲートレスダムとしては見るべきところが多いダムです。
 
宮床ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0311 宮床ダム(0296)
宮城県黒川郡大和町宮床
鳴瀬川水系宮床川
FNW
48メートル
256メートル
5000千㎥/5000千㎥
宮城県土木部
1998年
◎治水協定が締結されたダム