ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

六郎沼ダム

2016-04-12 17:00:00 | 福島県
2016年4月10日 六郎沼ダム
 
六郎沼ダムは福島市土地改良区が管理する灌漑用アースダムですが、ダムへの入り口となる道路には写真のように立入禁止の標識とチェーンが掛かっており、ダムを見ることはできません。
また福島県のため池データベースでは堤高が8.6メートルとなっており、15メートルには遠く及びません。
 
 
 
 
3406 六郎沼ダム
ため池データベース 072010033 
福島県福島市平石
阿武隈川水系平田川
15メートル(ため池データベース 8.6メートル
120メートル(ため池データベース 95メートル)
45千㎥(ため池データベース 32.8千㎥)/45千㎥
福島市土地改良区
1961年

岳ダム

2016-04-12 13:00:00 | 福島県
2016年4月10日 岳ダム
 
岳(だけ)ダムは福島県二本松市岳温泉2丁目の阿武隈川水系原瀬川にある農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
安達太良山山麓は火山堆積物で形成され、そこを流れる原瀬川はたびたび洪水被害を起こしてきました。
そこで原瀬川の洪水調節に加え灌漑用水の水源として農林省の補助を受けた福島県の事業で建設されたのが岳ダムで管理は二本松市が受託しています。
安達太良山は毎年のように登山をしており、登山口である岳温泉もなじみの温泉街ですが、岳ダムを訪問するのは今回が初めてです。
温泉街北側のダム入口を進むと右岸の管理事務所に到着します。
 
ゲートは自由越流式
ゲート左に取水設備があります。
 
堤体はZ字に屈曲しており、右岸側は「カド」になっています。
 
管理事務所
温泉街の建物の奥に安達太良山が見えます。
 
減勢工右にカーブしています。
利水放流設備から河川維持放流が行われています。
手前両側に常用洪水吐として2門のバブルがあるようです。
 
左岸の屈曲。
 
インクライン。
 
左岸から。
 
左岸側はダム湖側に折れ曲がっています。
 
堤体直下には小さな公園がありますが立ち入り禁止でした。
 
(追記)
岳ダムにはには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0518 岳ダム(0308)
福島県二本松市岳温泉二丁目
阿武隈川水系原瀬川
FA
60メートル
215メートル
1100千㎥/850千㎥
二本松市
1979年
◎治水協定が締結されたダム

下北沢ダム

2016-04-12 10:00:00 | 福島県
2016年4月10日 下北沢ダム
 
下北沢ダムは郡山市西部逢瀬地区にある灌漑用アースダムで、1935年(昭和10年)に逢瀬地区によって建設され現在は郡山市多田野土地改良区が管理をしています。
 
郡山市街から県道6号を西に進み山田原バス停を北に折れると下北沢ダムに到着します。
ダムの手前は養鯉場。
 
天端は車両通行可。
 
左岸に四角い浮橋があります。桟橋でしょうか?
 
養殖の鯉に餌を与える機械。
 
斜樋。
 
堤体の直下に鯉の養殖場があります。
 
洪水吐とダム湖(北沢池)。
 
養鯉場
溜池を使って養殖をしているということは、個人ではなく地域や土地改良区で経営してるのかな??
 
ダムの直下に養鯉場があり、ダム湖も鯉の養殖に利用され他の溜池では見かけない設備がありました。
ちなみに郡山市は市町村別では鯉の出荷額全国第1位、都道府県別でも福島県は全国第2位の鯉どころだそうです。
 
0468 下北沢ダム(0306)
ため池データベース  072030029 
福島県郡山市逢瀬町多田野
阿武隈川水系逢瀬
19メートル(ため池データベース 12.6メートル
66メートル(ため池データベース 67.7メートル)
454千㎥(ため池データベース 480千㎥)/454千㎥
郡山市多田野土地改良区
1935年

深田調整池

2016-04-12 09:00:00 | 福島県
2016年4月10日 深田調整池
 
郡山周辺の安積平野では猪苗代湖から取水した安積疎水により灌漑用水の供給を受けていましたが、灌漑面積の増大により疎水末端部では田植え時期の水不足が慢性化していました。
これに対処するため安積疎水を管理する東北農政局が建設したアースダムが深田調整池で、地元では深田ダムと呼ばれています。
深田調整池最大の特徴は洪水吐が全国でも珍しいダム穴式になっていることです。
 
郡山市街から県道6号を西に向かい、交差する県道29号を南に入れれば右手に深田調整池の堤体が見えてきます。
 
堤体は綺麗に刈りこまれています。
ちょうど桜が見ごろですがソメイヨシノじゃなく福島らしく枝垂れ桜。
 
碑の銘は深田ダム。
 
ダム本体は立入禁止。
 
 
上流面はロックフィルです。
 
手前が洪水吐、奥が取水塔。
洪水吐は塗装しなおしたばかりで朝日を受けて赤がひときわ鮮やか。
 
ズームアップ
水位が低いので洪水吐の全容が見れます。
越流を見てみたい気もするがこれはこれで面白い絵柄です。
 
洪水吐、取水塔ともに赤い着色、ダム湖の地肌も赤土で、差し込んできた朝日を受けて赤がひときわ目立ちます。
ダムの景色というよりは油田や異星に着陸した宇宙船といった眺めでした。
 
3324 深田調整池(0305)
福島県郡山市三穂田町山口
阿武隈川水系多田野川
55.5メートル
340メートル
8690千㎥/8040千㎥
安積疎水土地改良区
1982年

村田ダム

2016-04-12 08:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 村田ダム
 
村田ダムは宮城県柴田郡村田町の阿武隈川水系荒川にある灌漑用アースダムで1979年(昭和54年)に宮城県の事業により建設され、村田町が管理を行っています。
1966年(昭和41年)に阿武隈川水系松川上流の蔵王山中で温泉が湧出し、松川の水質が農業に適さない強酸性となってしまいました。これに対処し、代替水源として宮城県が建設したのが村田ダムです。
水質改善を目的とする灌漑ダムとしては、同じ蔵王の強酸性の水質を真水化する目的の山形県の生居川ダムやかん水対策として建設された千葉県の荒木根ダムや平沢ダムなど数例しかなく珍しい目的のダムの一つといえます。
 
村田町中心街から県道14号を北上し、ダムへの標識に従って町道を西に進むと村田ダムが見えてきます。
堤体に『村田』と書かれています。
 
天端も含めてダムへは立入禁止。
 
上流面はロックフィル。
 
洪水吐。
 
左岸から。
 
少しアングルを変えて。
 
右岸にある取水設備
日本で初めて傾斜式シリンダーゲートを採用した設備らしい。
 
追記
村田ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに13万3000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0300 村田ダム(0304)
宮城県柴田郡村田町足立
阿武隈水系荒川
36.7メートル
182メートル
1660千㎥/1507千㎥
村田町
1979年
◎治水協定が締結されたダム

樽水ダム

2016-04-12 07:00:00 | 宮城県
2016年4月9日 樽水ダム
 
樽水ダムは洪水被害を繰り返していた増田川の治水と、仙台に隣接し発展著しい名取市の上水道供給のために宮城県が建設した治水・利水目的のロックフィルダムです。
名取市街から県道118号を西に走ると正面に樽水ダムが見えてきます。
 
まずは下流からアプローチしますが私有地のため遠望するのみ。
 
右岸にある洪水吐は常用洪水吐のローラーゲートと、非常用の自由越流式の一体型。
 
天端や堤体は立入禁止。
 
洪水吐導流部
ダムのすぐ下に1軒の民家と産廃処理施設があります。
 
交換されたホロージェットバルブ。
 
左岸は小さな公園になっておりなぜかテニスコートが??
公園の桜は満開でシートを敷いて花見を楽しんでいる人も。
一方で立入禁止エリアで釣りをするアホが数名・・・
 
対岸の洪水吐と管理事務所。
 
追記
樽水ダムには200万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに220万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0298 樽水ダム(0303)
宮城県名取市高館川上
名取川水系増田川
FW
43メートル
256.5メートル
4700千㎥/4200千㎥
宮城県土木部
1976年
◎治水協定が締結されたダム