ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

南原池

2016-04-26 10:00:00 | 福島県
2016年4月24日 南原池
 
南原池は会津若松市大戸町にある灌漑用溜池です。
溜池ダムの起源は古く江戸中期の1771年に遡り、数度の改修を経て現在も南原地区の灌漑用水源として稼働しています。
ダム便覧では堤高20メートルとなっていますが、福島県ため池データベースでは10メートルとなっておりダムの要件を満たしていません。
 
国道118号から余松沢川沿いに東に進めば南原池の北側に到達できたのですが、一本早く曲がってしまい300メートルほどの藪こぎを余儀なくされました。
藪こぎの末、溜池上流側に何とか到達。
 
湖面が青いので結構な水深があるのだろう。
 
天端には轍。
 
下流には取水設備からの導水路が続いています。
 
取水設備は木栓を使った昔ながらの尺八樋。
 
洪水吐に相当する堤体の切れ込み。
 
切込みからはくぼ地が伸びており、これが洪水吐導流部の代わりになるようです。
 
さらに下流でU字溝に続いています。
 
0463 南原池(0327)
ため池コード 072020040 
福島県会津若松市大戸町上雨屋
阿賀野川水系三川
20メートル(ため池データベース 10メートル
106メートル(ため池データベース 137.6メートル)
60千㎥(ため池データベース 52千㎥)/60千㎥
会津中央土地改良区
1927年

龍生ダム(広戸川ダム)

2016-04-26 08:00:00 | 福島県
2016年4月24日 龍生ダム(広戸川ダム)
 
龍生(りゅうせい)ダムは阿武隈川支流の釈迦堂川に農林省の補助を受けた福島県の防災ダム事業で建設された農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
完成後は天栄村が管理を受託し流域の農地防災を担うほか、広戸川沿岸防災溜池土地改良区へ灌漑用水を供給します。
ダム便覧では『龍生ダム』、国土地理院地形図では『竜生ダム』となっていますが、天栄村や福島県のホームページ、現地の竣工記念碑は『広戸川ダム』になっています。
 
国道118号線八十内バス停から釈迦堂川に沿って村道を西に進み竜生集落を抜けると龍生ダムに到着します。
村道は龍生集落の先からダートになっており、今回はダート部分を歩いて訪問しました。
飾り気がないシンプルな堤体。
 
もう少しダムに寄ってみます。
オリフィスから放流しています。
 
ゲートはクレストに自由越流式が3門
他にオリフィスとコンジットゲートもあります。
 
天端は立ち入り禁止。
防災ダムですが、灌漑機能もあり田植えを控えて水位は高くなっています。
 
ダム便覧では龍生ダムとなっているが、碑は広戸川ダムとなっています。
 
追記
龍生ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により最大114万3000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0498 龍生ダム(広戸川ダム)(0325)
福島県岩瀬郡天栄村田良尾
阿武隈川水系釈迦堂川
FA
32.5メートル
138.3メートル
939千㎥/846千㎥
天栄村
1961年
◎治水協定が締結されたダム