ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

森吉ダム

2016-09-01 15:37:26 | 秋田県
2016年8月28日 森吉ダム
 
森吉ダムは秋田県北秋田市森吉の米代川水系阿仁川の右支流小又川源流部にある秋田県が管理をする重力式コンクリートダムです。
小又川は戦前から尾去沢鉱山を運用する太平鉱業が鉱山向けの電力確保のために電源開発を進めていました。
戦後、阿仁川水系の洪水調節を計画した秋田県と水力発電の増強を目論む太平鉱業との共同事業として1952年(昭和27年)に森吉ダムが竣工しました。
建設中に太平鉱業は三菱金属鉱業と社名を変更、ダム完成後は秋田県と三菱金属鉱業の共同管理となっていましたが、1975年(昭和50年)よりダムについては秋田県の単独管理となっています。
その後2011年(平成23年)に下流に国交省により森吉山ダムが建設されました。
 
現在森吉ダムは小又川上流域の洪水調節を行うほか、ダムに隣接した三菱マテリアル小又川第4発電所で最大6500キロワット、下流の小又川第2発電所で最大1750キロワットの発電を行っています。
 
森吉山ダムから県道309号線(くまげらエコライン)を東に進み、国民宿舎森吉山荘の先で右手の道に入ると森吉ダムに到着します。
V字の渓谷を堰き止める真っ白の堤体が青空に映えます。 
 
三菱マテリアル小又川第4発電所。
 
ダムの天端へと続く管理用階段。
雪国らしく通路全体が被覆されています。
もちろん立ち入り禁止。
 
発電所の放流口。
右奥に下流の小又川第2発電所への導水路取水口があります。
 
堤体直下から。
右手に発電所への水圧鉄管があります。
 
1952年竣工にしてはコンクリートが白すぎます。
たぶん近年改修されたんでしょうね?
 
追記
森吉ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0368 森吉ダム(0525)
秋田県北秋田市森吉
米代川水系小又川
FP
62メートル
105メートル
37200千㎥/26900千㎥
秋田県建設部
1952年
◎治水協定が締結されたダム

森吉山ダム

2016-09-01 13:51:02 | 秋田県
2016年8月28日 森吉山ダム
 
1972年の昭和47年7月豪雨により米代川流域は戦後最大の大洪水に見舞われ被災家屋1万戸という壊滅的な被害が発生しました。
これを受け洪水の原因となった阿仁川流域に洪水調節機能を持つダムの建設機運が高まり、翌1973年(昭和48年)に建設省東北地方建設局は阿仁川ダム調査事務所を開設しました。
その後計画着手から39年の歳月をかけて2011年(平成23年)に阿仁川支流の小又川に森吉山ダムがようやく竣工しました。
森吉山ダムは小又川・阿仁川・米代川の洪水調節、安定した河川流量の維持、新規新規灌漑用水の供給・北秋田市の旧森吉町と旧合川町への上水道供給を目的とするほか東北電力森吉発電所で最大1万1200kWの発電を行っています。
 
阿仁前田から森吉山ダムの標識に従って県道309号線(通称くまげらエコーライン)を東進すると右手に森吉山ダムの巨大ロックが見えてきます。
最近の雨で水位が上がったんでしょうか?洪水吐からは放流が行われています。
 
上流面
堤体は中央右側で大きく湾曲しています。
 
下流面
堤頂長786メートルは東北ナンバー1を誇ります。
 
ダム湖(森吉四季美湖)
正面にアスピーテ型の森吉山が望めます。
確かに景色はすばらしいんですが、四季美湖って命名のセンスがねえ・・・。
 
左からダム広報館、管理事務所とインクライン、取水塔。
 
天端は歩行者のみ立ち入り可能。
 
左岸から上流面。
 
洪水吐も巨大です。
常用洪水吐から越流しています。
 
洪水吐導流部と減勢工。
 
鱗も巨大!
 
ダム湖上流、森吉山大橋から。
 
胆沢ダムと並ぶ東北屈指の巨大ロックフィルダム、叶うなら下流から3段の洪水吐を見上げてみたいものです。
 
追記
森吉山ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0395 森吉山ダム(0524)
左岸 秋田県北秋田市森吉
右岸      同市根森田
米代川水系小又川
FNAWP
89.8メートル
786メートル
78100千㎥/68100千㎥
国交省東北地方整備局
◎治水協定が締結されたダム
2011年

早口ダム

2016-09-01 12:12:02 | 秋田県
2016年8月28日 早口ダム
 
早口ダムは秋田県大館市北西部の米代川右支流早口川にある秋田県営の重力式コンクリートダムです。
青森県境の長慶森に源を発し大館市西端で米代川に合流する早口川は、雪解け水により水量豊かな一方で中下流では蛇行を繰り返し流域にたびたび洪水被害をもたらしてきました。
そこで秋田県は早口川総合開発事業を策定、1976年(昭和51年)に早口ダムを建設しました。
早口川の洪水調節に加えて、約3.8キロの導水路で秋田県企業局早口発電所に送水し最大7500キロワットの発電を行っています。
 
国道103号から早口川に沿って市道をひたすら北上、大野地区から早口林道に入りダートの早口林道を7キロ走ると早口ダムが見えてきます。
 
前面に突きでた操作室が特徴。
 
右岸から下流面。
 
よく見ると堤体に凹凸があります。
 
上流面。
 
右はインクライン、左は早口発電所の取水口。
 
減勢工。
 
ダム湖(長慶湖)。
 
天端は途中で屈曲しています。
 
左岸から。
 
早口ダムへ通じる早口林道は自然災害のため過去数年間通行止めとなっていました。
台風10号が来る前に無事ダムの姿を拝むことができ大満足。
しかし、往復15キロの早口林道は厳しい悪路でした。
 
追記
早口ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0392 山瀬ダム(0522)
秋田県大館市早口
米代川水系早口川
FP
61メートル
178メートル
6550千㎥/5050千㎥
秋田県建設部
1976年
◎治水協定が締結されたダム

山瀬ダム

2016-09-01 11:04:32 | 秋田県
2016年8月28日 山瀬ダム
 
山瀬ダムは秋田県大館市北部の米代川右支流岩瀬川にある秋田県営の多目的ロックフィルダムです。
米代川の主要支流のひとつである岩瀬川の洪水調節のほか、既得用水の補給及び安定した河川流量の維持、田代町(現大館市)・能代市への上水道の供給、東北電力能代火力発電所への工業用水の供給を目的として1991年(平成3年)に竣工しました。
秋田県営としては初のロックフィルダムです。
また秋田県企業局山瀬発電所で最大2100キロワットの発電を行っています。
 
大館市田代から県道68号を北上、田茂の木で山瀬ダムの標識に従って市道を左折すると山瀬ダムが見えてきます。
ダムの直下に橋が架かり下流から正対できます。
 
洪水吐には放流による鱗紋が見えます。
 
左岸から。
 
ダム湖(五色湖)
ダムの奥は白神山地が広がります。
 
白い建物は秋田県企業局の山瀬発電所。
 
洪水吐と取水設備。
 
常用・非常用一体型の洪水吐。
赤いゲートと白いゲートビアが青い空に映えます。
 
洪水吐をズームアップ
 
洪水吐導流部。
 
天端は歩行者のみ立ち入り可能。
 
追記
山瀬ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0392 山瀬ダム(0522)
秋田県大館市岩瀬
米代川水系岩瀬川
FNWIP
62メートル
380メートル
12900千㎥/10900千㎥
秋田県建設部
1991年
◎治水協定が締結されたダム

松峰溜池(再)

2016-09-01 10:17:22 | 秋田県
2016年8月28日 松峰溜池(再)
 
松峰溜池は秋田県大館市松峰地区にある灌漑用溜池で受益者で組織される松峰不動池水利組合が管理を行っています。
もとは1934年(昭和9年)に築造された不動池という溜池でしたが、老朽化が進んだため秋田県の溜池改修事業で再開発、1992年(平成4年)に松峰溜池として竣工しました。
溜池の名がつきますが、秋田県ため池データベースは堤高15メートル以上の溜池は掲載しない方針のようで、当溜池も掲載されていません。
 
溜池には松峰集落からダートの林道が続いていますが、我が家のBMWでは走行できないので集落の路肩に車を置いて片道700メートルほどを歩いてダムに向かいました。
 
右岸に斜樋があります。
 
上流面はコンクリートで補強。
 
天端
軽トラや四駆ならここまで問題なく入れるでしょう。
 
水抜きされ貯水池はカラカラ。
 
左岸の洪水吐。
 
下流面。
 
0334 不動池(元)
秋田県大館市松峰
DamMaps
米代川水系下内川右支流
18.8メートル
100メートル
210千㎥/210千㎥
1934年
---------------
3391 松峰溜池(再)(0520)
秋田県大館市松峰
米代川水系下内川右支流
19.9メートル
124メートル
210千㎥/210千㎥
松峰不動池水利組合
1992年 再開発竣工

釈迦池

2016-09-01 10:07:15 | 秋田県
2016年8月28日 釈迦池
 
釈迦池は秋田県大館市商人留地区にある灌漑用溜池で大館市土地改良区が管理を行っています。
小坂銅山の煙害で長木川上流の森林が枯れ水不足になったことから、1943年(昭和18年)に商人留地区にあった『スデ湖』という池を改修して釈迦池とし、山向こうの大茂内川からトンネル式導水路を建設して灌漑用水の貯水池としました。
戦後の2度の改修と地域用水環境整備事により現在の姿となっています。
 
一つ山向こうの大茂内川に頭取工を作りトンネル導水路で釈迦池に灌漑用水を貯留しています。
赤線は主堤、黒線は副堤。(国土地理院地形図より)
 
県道2号から釈迦内農免道路を北上すると釈迦池に到着します。
 
右岸に扇形の洪水吐があります。
 
上流面、右手は取水塔。
 
天端は車道になっていますが、車止めがあり関係車両以外進入禁止。
 
貯水池。
 
右岸から上流面。
上流面はコンクリートで補強されています。
 
取水塔、当然立ち入り禁止。
 
上流から、奥は秋田自動車道です。
 
実は釈迦池は貯水池北側に副堤があります。(上の地図の黒線部分)
堤高が15メートルに満たずダム便覧には掲載されていません。
 
 
地域用水環境整備事業により周回路が整備され、小学校の校外学習などに利用されているようです。
 
0355 釈迦池(0520)
ため池データベース未掲載
秋田県大館市商人留
米代川水系長木川支流
21.4メートル
140メートル
1500千㎥/1500千㎥
大館市土地改良区
1943年