ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

角川ダム

2016-09-25 23:55:41 | 富山県
2016年9月17日 角川ダム
 
角川ダムは富山県魚津市の角川にある富山県土木部が管理する治水目的のロックフィルダムです。
魚津市中央部を南北に貫流する角川は大雨のたびに流域にたびたび洪水被害をもたらしてきました。
とくに1969年(昭和44年)8月の豪雨により富山県各地では壊滅的な洪水被害が発生、これを受け建設省は黒部川に宇奈月ダムの建設を決定しますが、角川においても富山県がダムによる洪水調節を計画、1978年(昭和53年)に竣工したのが角川ダムです。
角川ダムは角川の洪水調節及び既得取水権の補給と河川流量の維持を目的としています。
 
魚津市中心部から県道67号を南下すると角川ダムに到着します。
丸い石を積み上げたロックフィルダムです。
 
残念ながら堤体は立ち入り禁止。
 
上流面も丸い石が積まれています。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐をズームアップ
常用洪水吐から越流しているようです。
 
 
右岸の管理事務所。
 
下流からもアプローチしますが直前で立ち入り禁止。
取水設備からの導水路吐口を辛うじて確認できました。
 
0862 角川ダム(0562)
富山県魚津市鹿熊
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
角川水系角川
FN
58.5メートル
180メートル
千㎥/千㎥
富山県土木部
1978年

宇奈月ダム

2016-09-25 23:47:37 | 富山県
2016年9月17日 宇奈月ダム
 
豊富な水量と急流が続く黒部川は戦前から電源開発が進められ、戦後は日本の土木建築の一大巨頭となる黒部ダムの建設でそのピークを迎えます。一方、治水については電源開発に比べて立ち遅れたままで豪雨のたびに流域に大きな洪水被害をもたらしてきました。
1969年(昭和44年)8月の豪雨により黒部川流域では壊滅的な被害が発生、これを受けて建設省北陸地方建設局は『黒部川水系工事実施基本計画』を改定しダムによる洪水調節を計画、2000年(平成12年)に宇奈月温泉直上の黒部川本流に竣工したのが宇奈月ダムです。
宇奈月ダムは黒部川の洪水調節、富山県東部地区への上水道の供給を目的とするほか関西電力宇奈月発電所で最大2万キロワットの発電を、宇奈月ダムを逆調整池として関西電力新柳河原発電所で最大4万1200キロワットの発電を行っています。
 
上流の浸食が進む黒部川では堆砂が大きな問題で、上流にある関西電力出し平ダムと連携して排砂を行うため、宇奈月ダム左岸には排砂専用のゲートが2門設置されています。
 
北陸道黒部インターから県道黒部宇奈月線で宇奈月温泉へ向かい、温泉手前で宇奈月ダムの標識に従い左に道を進むと宇奈月ダム右岸の駐車場に到着します。
まずは天端を歩いてみます。
 
ダムの下流
右手は関西電力宇奈月発電所、すぐ下流に宇奈月温泉街が続きます。
 
 
ダム湖(うなづき湖)
ダム湖に架かる想影橋。
 
橋の袂にはインクライン。
 
右岸下流から。
 
ダム直下への遊歩道は蜂の巣があるため通行止め、下流からはこれが限界。
 
右岸上流から
複雑なゲート群に加えて山留めも特徴的。
 
左岸側の2門が排砂ゲート。
 
うなづき湖畔にある関西電力新柳河原発電所。
西洋風城郭をモチーフにしたデザイン。
 
恰もライン川沿いのロマン風城郭の様です。
ちょうど黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が通過しています。
 
追記
宇奈月ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0873 宇奈月ダム(0561)
富山県黒部市宇奈月町内山
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
黒部川水系黒部川
FWP
97メートル
190メートル
㎥/㎥
国交省北陸地方整備局
2000年
◎治水協定が締結されたダム

布施川ダム

2016-09-25 23:42:43 | 富山県
2016年9月17日 布施川ダム
 
布施川ダムは富山県黒部市の片貝川水系布施川にある富山県営の多目的ロックフィルダムです。
黒部市と魚津市の境界を流れる布施川は大雨のたびに流域に洪水被害をもたらす暴れ川で、当初富山県は河川改修事業で対応しました。
しかし1969年(昭和44年)の洪水によりダムによる洪水調節に計画が変更され、22年の歳月をかけて1992年(平成4年)に布施川ダムが完成しました。
布施川の洪水調節、安定した河川流量の保持のほか冬期の道路消雪の水源を目的としています。
 
黒部市内の国道8号田家交差点から県道125号を東進、池尻集落を抜けると布施川ダム左岸の管理事務所前に到着します。
左岸下流から。
 
左岸に洪水吐があります。
 
堤体直下は公園でアジサイが植栽されています。
ただダム堤体は立ち入りできないため上から眺めるのみ。
 
ここから先は立ち入り禁止。
 
洪水吐は常用・非常用一体型。
 
 
 
布施川には漁業権があるため、常に一定量の放流が行われています。
 
上流面。
 
ダム湖。
 
このダムも全国で見れば珍しい消雪を目的としているダムの一つです。 
 
0876 布施川ダム(0560)
富山県黒部市福平
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
片貝川水系布施川
FNS
58.5メートル
219メートル
千㎥/千㎥
富山県土木部
1992年

大谷ダム

2016-09-25 23:00:44 | 富山県
2016年9月17日 大谷ダム
 
大谷ダムは富山県黒部市の黒瀬川水系大谷川にある富山県営の多目的アースダムで、大谷川の洪水調節、河川流量の確保のほか冬期の道路消雪の水源として1998年(平成10年)に竣工した生活貯水池です。
建設時の排出土を堤体下流部に埋め立てたため下流部のすそ野が非常に広くなっているのが特徴です。
 
新川スーパー農道から宮野運動公園の南側を抜け、大谷川沿いに東進すると大谷ダムに到着します。
右岸上流から。
 
天端は車両進入禁止。
 
ダム湖
生活貯水池ということで溜池程度の広さです。
 
上流面はロックフィル
右岸に管理事務所があります。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部
堤体下流面が埋め立てにより裾野が広くなっており、洪水吐導流部も長くなっています。
 
堤体下流面
排出土で埋め立て公園になっています。
 
ラジコンサーキットまであります。
 
下流から
洪水吐がなければダムとは気付かないかも?
 
3010 大谷ダム(0559)
富山県黒部市栗寺
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
黒瀬川水系大谷川
FNS
29.5メートル
168メートル
千㎥/千㎥
富山県土木部
1998年

舟川ダム

2016-09-25 22:53:58 | 富山県
2016年9月17日 舟川ダム
 
舟川ダムは富山県下新川郡入善町の小川水系舟川源流部にある富山県営の重力式コンクリートダムで、貯水容量が100万立米未満の生活貯水池と呼ばれるダムです。
舟川の洪水調節、安定した流量の確保と既得用水の補給に加えて入善町の冬期道路消雪を目的として2012年に竣工しました。
 
ダムへは黒部明日温泉が目印となり、明日温泉から舟川に沿って町道を東に向かうとダムが見えてきます。
 
洪水吐はクレストが自由越流式、オリフィスが自由調節式のゲートレス。
オリフィスから放流されています。
 
竣工記念碑。
 
ダム湖(舟川湖)
生活貯水池ということで溜池程度の小さなダム湖です。
 
減勢工。
 
下流面。
 
上流面。
対岸に管理事務所があります。
 
左岸から。
 
非常用、常用洪水吐ともにゲートレス。
右手は取水設備。
 
ダムの目的に『消雪(S)』がある珍しいダムです。
 
3204 舟川ダム(0558)
富山県上新川郡入善町舟見
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
小川水系舟川
FNS
49.8メートル
160.5メートル
千㎥/千㎥
富山県土木部
2012年

朝日小川ダム

2016-09-25 22:35:13 | 富山県
2016年9月17日 朝日小川ダム
 
朝日小川ダムは富山県下新川郡朝日町の小川水系小川にある富山県営の多目的重力式コンクリートダムです。
定倉山に源を発し朝日町を南北に貫流する小川は古くから氾濫を繰り返してきた暴れ川でした。
富山県は朝日小川総合開発事業を策定し1990年(平成2年)に竣工したのが朝日小川ダムで、小川の洪水調節、既得用水への補給を目的とするほか北陸電力朝日小川第二発電所で最大1万4200キロワットの発電を行っています。
またダムの上流、越道峠を越えた黒部川水系黒薙川に北陸電力が北又ダムを建設し、ここで取水した水を朝日小川湖に導水して朝日小川第1発電所で最大4万2800キロワットの発電も行っています。
 
北陸道朝日インターから県道45号を南下すると朝日小川ダムに到着します。
ダム下流のハーブ園から。
 
県道45号のスノーシェルターにダムへの入口があります。
 
ダムサイトには富山県営ダムの配置を示すポールのモニュメントが並んでいます。
 
 
上流面
洪水吐はゲートレス、右手は朝日小川第2発電所への取水設備。
 
インクライン。
 
下流面
河川維持用の放流が行われています。
 
天端。
 
ダム湖(あさひ小川湖)
ダム湖上流に小川温泉があり、さらに北又ダムは北アルプス朝日岳の登山口となります。
 
減勢工。
 
発電所への取水設備。
 
 
ダムの上流小川温泉からさらに北に北又ダムがありますが、徒歩もしくはタクシーでのアプローチとなるため今回はスルーとしました。
機会があれば登山装備で再訪したいと思います。
 
0878 朝日小川ダム(0557)
左岸 富山県上新川郡朝日町山崎
右岸         同町蛙谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
小川水系小川
FNP
84メートル
260メートル
富山県土木部
1990年