ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

梵字川ダム

2016-09-07 19:45:48 | 山形県
2016年9月4日 梵字川ダム
 
梵字川ダムは左岸が山形県鶴岡市上名川、右岸が同市大網の一級河川赤川水系梵字川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
水量豊富な赤川水系では戦前から電源開発が進められましたが、当ダムもその一つで梵字川発電所の取水ダムとして1933年(昭和8年)に竣工しダム水路式の梵字川発電所で最大3000キロワットの発電を行っています。

旧朝日町から国道112号を寒河江方面に走り、『道の駅月山』の先で月山ダム方面に曲がると、左手に梵字川ダムが見えます。
ダムは全面越流式で左岸側から河川維持放流が行われています。 
 
ちょっと影が入り見づらい写真に。
 
ダム下には減勢目的と思しきコンクリートの遺構
現在のバッフルブロックの役割でしょうか?
 
左岸から
右手のコンクリート構造物は余水吐で放流口が4並びます。
 
左手が取水口で壁面は練石積み。
建設当時は越流面も石積みだったのかもしれません。
 
(追記)
梵字川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0408 梵字川ダム(0543)
左岸 山形県鶴岡市上名川
右岸     同市大網
赤川水系梵字川
40.9メートル
62.4メートル
1274千㎥/85千㎥
東北電力(株)
1933年
◎治水協定が締結されたダム

荒沢ダム

2016-09-07 18:26:40 | 山形県
2016年9月4日 荒沢ダム
 
荒沢ダムは山形県鶴岡市荒沢の一級河川赤川本流上流部にある山形県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
東北有数の穀倉地帯である庄内平野を貫流する赤川は古くから貴重な水源として重用される一方、洪水や渇水も多く抜本的な治水対策が求められていました。
1949年(昭和24年)に山形県は赤川へのダム建設を採択、これに発電事業者として県企業局が参加し1955年(昭和30年)に荒沢ダムが竣工しました。
荒沢ダムは建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムで、6~9月の洪水期の赤川の洪水調節、安定した河川流量の維持と流域約1万2000ヘクタールへの不特定灌漑用水の補給、山形県企業局倉沢発電所(最大出力1万3600キロワット)でのダム水路式発電を目的としています。
その後2001年(平成13年)に主要支流梵字川に月山ダムが完成し、赤川水系の治水能力は大きく向上しています。
 
今回は庄内あさひインターから県道鶴岡村上線を南下、新落合ダムを経て荒沢ダムへ向かいました。
まずは下流から。
春や落葉期はもっとよく見えそう。
 
左岸展望台から。
 
減勢工。
 
ゲートビア。
 
ダム湖(荒沢湖)。
 
取水塔とインクライン。
 
左岸から上流面
ゲートビアのゲート巻き上げ室が面白いデザイン。
 
左岸から俯瞰。
 
ダム軸!!
 
取水設備の上に家が2軒!!
 
(追記)
荒沢ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0424 荒沢ダム(0542)
山形県鶴岡市荒沢
赤川水系赤川
FNP
63メートル
195.5メートル
41420千㎥/30870千㎥
山形県県土整備部
1955年
◎治水協定が締結されたダム

新落合ダム

2016-09-07 17:27:12 | 山形県
2016年9月4日 新落合ダム
 
新落合ダムは山形県鶴岡市大針の一級河川赤川本流にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成で新たに誕生した東北電力は各所で新規電源開発や既設発電施設の増強に邁進します。
新落合ダムもその一つで1958年(昭和33年)に竣工、ここで取水された水は約6.5キロの導水路で新落合発電所に送られ最大2万キロワットのダム水路式発電を行います。
なおダムおよび発電所に『新』がつくのは赤川にはすでに1936年(昭和11年)竣工
の落合ダムがあるからです。

下流から
ローラーゲートが3門を装備、ピアは東北電力ではおなじみ鉄骨トラス製でピア上のゲートハウスはご雪対策として被覆されています。 
 
 
天端は車両通行可能。
狭く見えますが我が家のBMWでもラクラク通れました。

 
新落合発電所への取水口。
 
上流から。
 
(追記)
新落合ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3603 新落合ダム(0541)
山形県鶴岡市大針
赤川水系赤川
15.5メートル
63メートル
656千㎥/372千㎥
東北電力(株)
1958年
◎治水協定が締結されたダム

最上川さみだれ大堰

2016-09-07 16:22:27 | 山形県
2016年9月4日 最上川さみだれ大堰
 
最上川さみだれ大堰は左岸が山形県東田川郡庄内町清川、右岸が同県酒田市粕谷沢の一級河川最上川本流にある国交省東北地方整備局が管理する可動堰です。
この堰はゴム引布製起伏堰、つまりゲートにラバーが用いられておりラバーダムとしては日本最大規模の堰です。
 
最上川下流の庄内平野は日本有数の穀倉地帯で、戦後の国営農業水利事業により最上川を水源とした灌漑用水の整備が図られました。
しかし最上川でたびたび発生する異常渇水により、最上川の自然流量では安定した灌漑用水の取水は困難となることが顕在化しました。
そこで農林省の最上川下流左岸農業水利事業の関連事業として、建設省の直轄事業として可動堰が建設され1995年(平成7年)に竣工、芭蕉の句を引用して『最上川さみだれ大堰』と命名されました。
さみだれ大堰は灌漑用頭取工での安定した取水、下流の正常な流水量の維持を目的としており、堰の完成後は渇水による被害もなく安定した農業用水の取水が行われています。
 
最上川に沿って国道47号を南下すると清川の先で左手に最上川さみだれ大堰が見えてきます。
堰を渡ると酒田河川国道事務所飽海出張所にフィッシュギャラリーが併設されここで堰カードをもらうことができます。
 
堰の内部見学ができるのでまずはそちらから。
エレベーターで地下2階に下りて階段を下ります。
 
ゲート異常倒伏装置。
 
魚道観察室。
 
魚が見えます。名前はわかりません・・・笑
 
地上に出て堰を見学します。
台風10号の影響で水量はかなり多くなっています。
 
ゲートは日本最大級のラバー。
 
魚道。
 
天端は車道。
 
右岸の閘門。
 
 
 
最上川さみだれ大堰
左岸 山形県東田川郡庄内町清川
右岸 山形県酒田市粕谷沢
最上川水系最上川
NA
MB
径長 209.5メートル
ゴム製起伏堰
国土交通省東北地方整備局
1995年

水ヶ瀞ダム(再)

2016-09-07 11:43:11 | 山形県
2016年9月4日 水ヶ瀞ダム(再)
 
水ヶ瀞(みずがとろ)ダム(再)は左岸が山形県西村山郡西川町水沢、右岸が同町入間の一級河川最上川水系寒河江川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
もともと当地には1929年(昭和4年)竣工の水ヶ瀞発電所があり最大1万2700キロワットの発電を行っていました。
同発電所は日本発送電の接収ののち東北電力が事業を継承しましたが、寒河江ダム建設により発電所が水没することから、東北電力は寒河江ダム建設事業に発電事業者として参加し新たに本道寺発電所(最大出力7万5000キロワット)を建設しました。
水ヶ瀞ダム(再)は本道寺発電所の出力調整による水位変動を緩和するための逆調整池として1990年(平成2年)に竣工、併せて水ヶ瀞発電所で最大出力5000キロワットのダム式発電を行います。。
 
西川町中心部から国道112号を西進、道の駅の先で旧道に入ると水ヶ瀞ダム(再)に到着します。
背が高いのは発電所への取水ゲート、洪水吐にはラジアルゲートが3門あります。
 
 
 
右岸から。
ダムの直下に水ヶ瀞発電所があります。
 
天端は立ち入り禁止。
 
上流面
取水ゲートが目立ちます。
 
 
ダム右岸の公園。
 
 (追記)
水ヶ瀞ダム(再)ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0446 水ヶ瀞ダム(再)(0538)
左岸 山形県西村山郡西川町水沢
右岸         同町入間
最上川水系寒河江川
34メートル
372メートル
1936千㎥/1425千㎥
東北電力(株)
1990年
◎治水協定が締結されたダム